東京都内の建築家がデザインした集合住宅10選【東京】

建築巡りまとめ

この記事では私がこれまで訪れた建築の中から、驚くような見た目で、見ると思わずワクワクしてくる都内の集合住宅建築を紹介します。

今回紹介する建築は奇抜なものばかりですが、実はすべて有名建築家が設計したものばかりで、さらにどの物件も実際に住むことのできるものを紹介します。
人が生活すること、何かに住まうことは昔から建築の重要なテーマでした。
建物は年代ごとにまとめたので、住まうことに対する社会と建築の関係を思い浮かべながら一緒にワクワクする集合住宅の世界にトリップしてみましょう。

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第3スカイビル(渡邊洋治)

まず初めに紹介する第3スカイビルは通称「軍艦マンション」と呼ばれ、Y字状の廊下に住居ユニットが取り付く14階建ての建物です。 植物をヒントにしたという幹に葉が取り付いているかのように角度をつけて配置された住戸ユニットにより採光が確保されています。 渡邊洋治はメタボリズム(新陳代謝)と呼ばれた建築運動を行った建築家ではありませんでしたが、新陳代謝や工業化といったこの時代に共通するキーワードが実現されているのとはとっても面白いです。

現在は改修されながらも一部はシェアハウスとなっています。私の友達もここのシェアハウスに住んでいたのですが、お邪魔する前に引越してしまったのが悔やまれます。

設計:渡邊洋治
所在地:東京都新宿区大久保1
アクセス:東新宿駅徒歩1分
竣工:1970年
参考家賃(変動あり):
 1BR(約17.8㎡):84,000円

中銀カプセルタワービル(黒川紀章)

中銀カプセルタワービルこちらの記事でも紹介したメタボリズム(新陳代謝)運動の主要メンバーであった黒川紀章氏が設計した集合住宅です。
人の移動する階段やエレベータ、エネルギーや給排水などの設備を基幹のシャフト部分に納めて、そのコア部分の周りに住居機能をまとめた細胞のようなカプセル型の住居が取り付けられています。
このカプセル型住居が更新されることをで新陳代謝することが目指された建築で、設計当初はこのカプセルを取り外して他の場所に持っていったり、古くなったら取り換えることが構想された未来の建築でした。(残念ながら一度も取り換えることはありませんでしたが・・・)
日本の建築界で世界に最も評価された建築運動ともいわれる「メタボリズム」運動の思想を最もよく体現した迫力抜群の集合住宅です。

設計:黒川紀章
所在地:東京都中央区銀座8
アクセス:汐留駅徒歩5分、新橋駅徒歩5分
竣工:1972年

斐禮祈:賢者の石(梵寿綱)

斐禮祈:賢者の石こちらの記事でも紹介した梵寿綱(ぼんじゅこう)氏設計の建築です。
1Fは居酒屋と酒屋の倉庫・事務所、上階が集合住宅となっていて、こちらももちろん実際に住むことができます。 職人技術的な意匠が随所に散りばめられていて、工業化・標準化してどれも同じような住戸が並ぶ現代の集合住宅への強烈なカウンター意識を感じます。

つくり手の情念や「俗なるもの」が存分に込められた建物は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。
この建物の近くにはかつての巣鴨プリズン跡地に建てられたサンシャインシティが建っているのですが、おどろおどろしくて妖しい雰囲気が妙にしっくりきます。
ちなみに目の前にある南池袋公園は「南池袋公園は都市のリビング。休日はここでのんびりピクニック」で詳しく取り上げていますが、こちらの公園は斐禮祈とは一変しておしゃれで現代的です。建築・デザイン好きの方は是非合わせて巡ってもらいたいスポットです。

設計:梵寿綱
所在地:東京都豊島区南池袋2
アクセス:池袋駅東口徒歩10分、東池袋駅徒歩5分
竣工:1979年
斐禮祈(ひらき):賢者の石
参考家賃(変動あり):
 1K(約52㎡):170,000円

ドラード和世陀(梵寿綱)

こちらのドラード和世陀梵寿綱氏設計の建築で、梵寿綱氏の代表作ともいえる建築です。
1Fが床屋さん、上部が11戸からなる集合住宅
ですが、梵寿綱氏の建築の中で一番有名な作品でもあるのでメディアで見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。 梵寿綱氏は「梵寿綱と仲間たち」というグループを結成して様々な技術を持つ職人と一緒にこの建築を創り上げましたが、早稲田の角地で強烈なインパクトを発しています。 奇抜な第一印象に対して、細部を見ていくととても丁寧につくりこまれていることがよく分かる建築で、実際に住んだ人が毎日見ても飽きないのではないかと思います。

設計:梵寿綱
所在地:東京都新宿区早稲田鶴巻
アクセス:早稲田駅徒歩3分
竣工:1983年
参考家賃(変動あり):
 2LDK(約56㎡):150,000円

○□△ハウス(石井和紘)

○□△ハウスはポストモダン全盛期に建てられた石井和紘氏の設計による集合住宅です。
角地に合わせてカーブする建物の上部にはその名の通り○□△の図形型になっていることが最大の特徴です。 世界文化遺産のシャンボール城から引用したというこの立体は、単なる装飾ではなく住居の一部となっていて部屋の内部の空間にも反映されています。 首都高や湾岸の公園から見られることも意識してこのような形になっているそうで、いろいろな角度や場所から見てみると面白い建築です。

設計:石井和紘
所在地:東京都江東区潮見1
アクセス:潮見駅徒歩5分
竣工:1987年

ヒュッゲカンダハイム(青木茂/青木茂建築工房)

ヒュッゲカンダハイムはJR蒲田駅と京急蒲田駅の間の住宅地に建てられた地上5階建て、21戸のワンルーム賃貸住宅+オーナー住宅です。
厳しい敷地条件から導き出されたボリュームに沿って放射状に広がるプランは同じ階の中でも1戸1戸異なっていて、部屋ごとの個性が煌めいています。
内部はビス打ち可能な壁などによって入居者が自分の住まいをカスタマイズできるように計画されていて、賃貸住宅ですが自らの住まいを自分らしく変えていけるようなオーナーと作り手の思いがこもった建築です。

設計:青木茂/青木茂建築工房
所在地:東京都大田区蒲田1-24-12
アクセス:蒲田駅徒歩約5分、京急蒲田駅徒歩約10分
竣工:2016年
参考家賃(変動あり):
 1R(約25㎡):88,000円
 1LDK(約44㎡):145,000円

東雲キャナルコートCODAN

東雲キャナルコートCODANは都市再生機構(UR)によって江東区の東雲(しののめ)の工場跡地に創られた2000戸からなる集合住宅です。 6街区からなる各棟を山本理顕氏、伊東豊雄氏、 隈研吾氏など日本を代表する建築家が設計を行っています。

それぞれの一流建築家が、集まって住まうこと、地域コミュニティ、住むことと働くことなど都市に集まって住まうことについての問題やその理想のあり方に対してそれぞれのアンサーを試みていてとても興味深い建築です。
どの住棟も建築家の個性が光るデザインとなっていて、まるで建築テーマパークのような建物群です。

基本計画:都市基盤整備公団
設計:山本理顕(1街区)、伊東豊雄(2街区)、 隈研吾(3街区)、山設計工房(4街区)、設計組織ADH+WORKSTATION(5街区)、スタジオ建築計画+山本・堀アーキテクツ他(6街区)
所在地:東京都江東区東雲1
アクセス:辰巳駅徒歩5分
竣工:2003年~2005年

三鷹天命反転住宅(荒川修作+マドリン・ギンズ)

三鷹天命反転住宅こちらの記事でも紹介した荒川修作とマドリン・ギンズの設計した9戸からなる集合住宅です。
外部のインパクトも相当なものですが、内部には球体の部屋があったり、床が平行でなかったりしていて、建築を通じて身体感覚を呼び覚ますことで人間の生の可能性を広げることを試みています。 すべて入所者がいますが、4日間からのショートステーの申し込むもでき、体験的に住んでみることもできます。

設計:荒川修作+マドリン・ギンズ
所在地:東京都三鷹市大沢2-2-8
アクセス:武蔵境駅からバス+徒歩で約20分
竣工:2005年

としまエコミューゼタウン(隈研吾+日本設計)

としまエコミューゼタウンは低層部を豊島区役所を中心とした都市・行政機能、高層部を集合住宅とした高層複合施設です。
今をときめく建築家である隈研吾氏がデザイン監修し、日本初となる区役所の上に集合住宅をつくるという大胆な構想は大きな話題となりました。
地上49階の建物は11階から上が集合住宅「ブリリアタワー池袋」となっていて、交通や行政、商業や文化施設などに抜群のアクセスを誇る超都市型住宅となっています。
外観のパネルが集積したファサードは、近づいていくとその迫力に圧倒されます。まるで木々が集まって森になるように、遠くからは巨大な存在感、近くでは不思議な抜け感も感じることができる建築でした。

外観・一部内観デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所
建築:日本設計
所在地:東京都豊島区南池袋2-45-4
アクセス:早稲田駅徒歩5分
竣工:2015年
参考家賃(変動あり):
 2LDK(約56㎡):275,000円

ウィズ原宿(伊東豊雄+竹中工務店)

最後に紹介するウィズ原宿は2020年6月に原宿駅前にオープンした、商業・住宅の複合施設です。
「未来を紡ぐ“たまり場”」をコンセプトに日本を代表する建築家である伊東豊雄氏と大手ゼネコンの竹中工務店が設計を行いました。
施設の低層部の中核をなすパサージュは、原宿駅と竹下通りの間にあった高低差を解消しつつ、建物内を巡りながら自然と竹下通りに出れるように計画されていて、原宿の新たな結節点としても注目されています。
原宿駅前という超好立地に建つ注目プロジェクトですが、高層部は賃貸レジデンスになっているのも大きな特徴。大都心原宿からの絶景を望める住宅はどんな人が住むのか想像もできません 笑

詳細レポート
・ウィズ原宿がスゴイ!伊東豊雄+竹中工務店の新スポット潜入レポート

設計:竹中工務店+伊東豊雄建築設計事務所
所在地:東京都渋谷区神宮前1-14-30
アクセス:原宿駅徒歩1分、明治神宮前駅より徒歩1分
竣工:2020年
参考家賃(変動あり):
 6階 1K(約42㎡):340,000円
 9階 3LDK(約123㎡):1,260,000円

いかがだったでしょうか。
住宅は私たちが普段は当たり前に過ごしたり体験している一番身近な建築ですが、その形や機能は実は驚くほど多様なものが存在します。
私たちの生活にダイレクトに関係してくる住宅という建築。面白いもの新たな発見があるものが満載ですので気になった建築があればぜひトリップしてみてください。


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