東京都内の不思議なデザインの建築10選【東京】

まとめ記事

今回は私がこれまで訪れた建築の中から、東京都内に存在する奇抜・奇怪で一度見たら忘れられない不思議建築を紹介します。
誰もが一度は見たことあるものから、いつも見ているはずなのに意識していなかった建築まで10建築をチョイスしてまとめました。

それでは一緒に楽しい東京の不思議建築の世界にトリップしましょう。

①1番館(竹山実)

新宿歌舞伎町に建つ商業ビルで日本におけるポストモダンの建築の最初期の建築です。
街の広告塔となるような1つのオブジェの様な塊を、白黒縞縞のラインで分節して街の雑多なスケールに呼応させています。
この竹山氏の手腕は8年後にSHIBUYA109にも見ることができます。
外装は日本を代表するグラフィックデザイナーの粟津潔氏がデザインしている点にも注目です。
設計:竹山実
所在地:東京都新宿区歌舞伎町2-20
最寄り駅:新宿駅徒歩7分
竣工:1970年

②アサヒビール吾妻橋ビル(フィリップ・スタルク+野沢誠)

隅田川沿いに見えるフィリップ・スタルク+野沢誠設計のアサヒスーパードライホールいつ見てもインパクト大の建築です。
頂上のオブジェが何に見えるかは人それぞれですが、作者としては金色の炎をデザインしたもので、当初は縦にするつもりが構造や予算の関係などの紆余曲折を経て横になったとのことです。
この形については批判もあるようですが、今や隅田川沿いの風景のイメージを変え、多くの人が浅草の隅田川といえばこの建物を思い浮かべるようになったという点でこの形に価値はあるのだと思います。
最初に意図したものからはずれても、建築は公共性を持って長い年月そこに建ち続けます。そして結果として人々に親しまれたり(時には逆もありますね)しながら街の風景の一つになっていくのだと実感できます。

設計:フィリップ・スタルク+野沢誠
所在地:東京都墨田区吾妻橋1-23-1
最寄り駅:浅草駅徒歩5分
竣工:1989年

③ウェッジ(鈴木エドワード)

ウェッジは「意外と身近!有名建築家が設計した都内の交番まとめ」の一番初めに紹介した 渋谷の宇田川交番の設計者でもある鈴木エドワード氏の作品です。
コンクリートの外壁に大きなヒビが入った商業施設とオフィスの入る建物です。
この裂け目は開口部でもあり、中の建物が少しだけ垣間見えます。
建物から何かが発せられる瞬間を切り取ったかのような躍動感をもつこの亀裂ですが、30年近くもこの地で同じ姿を保ち変わらずに存在し続けていることが、この物体が紛れもなく建築であることを逆に証明しているような気にもなります。

設計:鈴木エドワード
所在地:東京都渋谷区神宮前3-25
最寄り駅:原宿駅徒歩7分
竣工:1989年

④青山製図専門学校一号館(渡辺誠)

青山製図専門学校一号館こちらの「ガンダム建築!青山製図専門学校一号館がスゴい」でも紹介した通称「ガンダムビル」と呼ばれるインテリア・建築系の専門学校です。
一見奇抜に見える建物の各パーツは単なる装飾ではなく、本来必要とされている機能から「成長」してこのような形になりました。
生物学の視点を取り入れ、機能を満たした上で進化や成長する建築は、後に同じ設計者に夜地下鉄飯田橋駅などでより具体的に実現することとなります。
この建築はそれらの建築の原点ともいえる建築です。

渡辺氏の建築は「大江戸線 飯田橋駅の地下に増殖する謎のフレームを解明」で飯田橋駅も取り上げています。

設計:渡辺誠
所在地:東京都渋谷区鴬谷町7-9

最寄り駅:渋谷駅徒歩10分
竣工:1990年

⑤ドーリック(隈研吾)

ドーリックはギリシャのドリス式の柱が巨大化しそのまま建築になったようなビルです。
側面は伝統的な3層構造で構成されており、近くに建つイオニア式の柱が巨大化した「M2」と対になる建築です。
設計者の隈研吾氏はこの時期、ポストモダンの理論を論じこのような建築を次々と発表していました。
バブルの崩壊と共にポストモダンの建築が終焉を迎えると、隈研吾氏は今までの理論がまるでなかったかのような環境に溶け込む建築・木の素材をふんだんに使った建築家に鮮やかに転身し現在に至ります。
現在では建築界の大家となった隈研吾氏のルーツを知るには欠かせない注目建築です。

設計:隈研吾
所在地:東京都港区南青山2-27-13

最寄り駅:外苑前駅徒歩3分
竣工:1991年

⑥ヒューマックスパビリオン 渋谷(若林広幸)

ヒューマックスパビリオンは渋谷駅を出てすぐに建つ宇宙船の様な建築ですが、意外と気にしていない人が多いのではないでしょうか。
一度意識すると忘れられないメタリックで近未来的な建築ですが、太古の昔からそこにあったかのような感覚を覚えます。
宇宙人が存在し、その宇宙人が渋谷の人に紛れていることに自分だけが気付いてしまったかのような感覚に陥ります。街の中において特異性を持ちながら環境に溶け込むという相反する2つのことを実現している建築です。

 

名称:ヒューマックスパビリオン 渋谷
設計:若林広幸
所在地:東京都渋谷区宇田川町20-15
最寄り駅:渋谷駅徒歩3分
竣工:1992年

⑦モード学園コクーンタワー(丹下都市建築設計)

モード学園コクーンタワーは西新宿に建つ東京モード学園やHAL東京等が入る高さ204m、地上50階建て専門学校のタワー校舎です。
「創造する若者を包み込み、触発させる」という意味をからイメージされたコクーン(繭)のような外観が特徴的です。
ちなみに外観の絹糸のような部材は構造体のように見えますが装飾です。
ここまで紹介してきた不思議建築はすべてポストモダンの時代の建築でそれ故に過度な装飾やデザインが施されていましたが、バブル崩壊後にはそのような建築がメディアとなり外部に主張するような建築がほとんど建たなくなりました。
モード学園コクーンタワーは、そんなメディアとしての建築の久々の大規模プロジェクトです。
「将来のクリエイターになり得る学生を集めるために建築も冒険的なものをつくる」ということをクライアントが実感し、実現に至った
という点と、バブルの崩壊後15年経ってようやく新たしい未来像を予感させる建築ができたという意味で記念碑的な建築ともいえます。

設計:丹下都市建築設計
所在地:東京都新宿区西新宿1-7-3
最寄り駅:新宿駅徒歩5分
竣工:2008年

⑧サニーヒルズ南青山(隈研吾)

サニーヒルズ南青山は南青山の住宅地の中に建つ地上3階のパイナップルケーキ店です。
設計は新国立競技場等の設計で注目を浴びている隈研吾氏によるもので、何といっても気になるのが一度見たら忘れられないその外観です。
それまでは隈研吾氏も「負ける建築」を標榜して、木や自然素材を使った建築を生み出していましたがここまで派手な建築は初めての建築です。
しかし作品のテーマは近年の隈建築と一貫していて、日本の木造建築に伝わる「地獄組み」という組み方を使いながら森のような、雲のような強くて柔らかい建築をつくりだしています。

一面にガラスやコンクリートを使った商業建築とは違った可能性を模索した、新たな時代への突入を感じさせる建築です。

設計:隈研吾
所在地:東京都港区南青山3-10?20
最寄駅:表参道駅徒歩10分
竣工:2013年

⑨ハモニカ横丁ミタカ(隈研吾)

ハモニカ横丁ミタカは三鷹駅から徒歩数分のところにある飲食店街です。
この建築が面白いのは、横丁といっても1つの建物の中に複数の店舗を凝縮している点です。一つの建物ながら古くからある路地感と戦後の闇市のような雑多でエネルギッシュなイメージを感じるような設計となっています。

設計を行ったのはサニーヒルズ南青山と同じ隈研吾氏です。
隈研吾氏といえば木を使った日本的な建築のイメージがありますが、この建築で目に入ってくるのは車輪車輪車輪。自転車の車輪の廃材を使ったデザインが特徴的です。
これは施主が廃材が好きということと、予算を抑えるということからこのようなデザインとなりました。

奇抜な外観とは裏腹に、内部は路地裏で肩を寄せ合い様々な人が集うハーモニカ横丁の雰囲気を継承しています。映画「ブレードランナー」のように古いのだけれど、近未来的でエネルギーに満ちたおススメ建築です。
関連記事
・ハモニカ横丁ミタカは一人でもデートでもオススメの隠れ名建築だった

設計:隈研吾
所在地:東京都武蔵野市中町1-5-8
最寄り駅:三鷹駅徒歩2分
竣工:2017年(リノベーション)

⑩中銀カプセルタワービル(黒川紀章)

最後に紹介する中銀カプセルタワービルはメタボリズム(新陳代謝)運動の主要メンバーであった黒川紀章氏が設計した集合住宅です。
カプセル型住居が更新されることで建物自体が新陳代謝することが目指された建築で、設計当初はこのカプセルを取り外して他の場所に持っていったり、古くなったら取り換えることが構想された未来の建築でした。(残念ながら一度も取り換えることはなく現在に至ります)

こんな奇抜な見た目の建築ですが、日本の建築業界では伝説的な作品で、日本の近現代の建築史的価値も高い貴重な建築です。
関連記事
・中銀カプセルタワーは新陳代謝する建築!?内部潜入レポート

設計:黒川紀章
所在地:東京都中央区銀座8
最寄り駅:汐留駅徒歩5分、新橋駅徒歩5分
竣工:1972年

いかがだったでしょうか。
こうしてみるとやはりポストモダンの時代の建築が多くあるのが面白いですね。
「もう2度と来ることがないであろうバルブの時代に建築家が考えて実現させた建築」がバブルから何十年もたった現在でも実際にみて体験できることが建築の面白さだと思います。
今回紹介した建築はどれも駅から近くにあるので、都内近郊にお住まいの方であればすぐに見に行けるものばかりです。
一見奇抜で不思議な建築。気になった建築があれば是非その楽しい世界に実際にトリップしてみてください。


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