吾妻橋「アサヒグループホール棟」不思議な形の隅田川のランドマークをレポート

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今回は墨田川沿いに建つアサヒグループホール棟のレストランフラムドールを訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・アサヒグループホール棟を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・アサヒグループホール棟の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・アサヒグループホール棟の建築的な見どころや注目ポイント

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1.浅草隅田川の不思議なランドマーク建築を訪問

今回紹介するのは浅草駅から隅田川を挟んだ対岸にあるアサヒグループホール棟(アサヒスーパードライホール)に入るレストランフラムドールです。

今や隅田川のランドスケープとなっているこちらの建物は、以前に何度も訪れたことはありましたが、ホール棟に入るレストランは今回初訪問。

実はこの日は友達と浅草で遊んでいたのですが、観光客で溢れる浅草の飲食店はどこも一杯で、そんな時こちらのレストランのことを思い出して少し足を伸ばして訪れてきました。

隅田川沿いに建つこちらの建物は、黒い台座に金色のオブジェが乗っているホール棟と、隣のビールジョッキのような本社ビルの2つに分かれていて、建物の存在自体は知っている方は多いかもしれません。

この何とも変わった建物は、ビールで有名なアサヒグループの創業100周年を記念して1989年に建てられた建物です。

左のビルはアサヒグループ本社ビル(アサヒビール吾妻橋ビル)で、建物の高さはちょうど100mとなっていますが、これは創業100周年とかけての高さとなっています。

本社ビルの設計は大手組織設計事務所の日建設計が手掛けたもので、金色のガラスの外装と頂上部がビールの泡のようなデザインとなっているのが大きな特徴。

この建物が計画された1980年代後半はバブル経済の真っ只中で、建築業界ではポストモダンと呼ばれる潮流が大流行していました。
ポストモダンは装飾性を排した合理的なモダニズム建築への反動から、過度な装飾やモチーフの引用などが特徴。
この建物も巨大なビールジョッキのようなデザインとなっています。

お隣のホール棟は黒い台座に筋斗雲のような黄金のオブジェが乗った奇抜なデザインです。
このオブジェのデザインはフランス人建築家のフィリップ・スタルク氏によるもの。

フラムドールと名付けられたオブジェは実は「新世紀に向かって飛躍するアサヒビールの燃える心」を表していて、聖火台の炎のイメージを建築化したものです。

フラムドールはフランス語で「金の炎」を意味しています。
スタルク氏としては明確に聖火台のイメージを持っていたのですが、フラムドールの意味が日本人にはほとんど浸透していないために、多くの人が目にしていながら何を表しているのか知らない人も多いのではないでしょうか。

これらの建物は完成当初は隅田川沿いの景観を破壊すると批判も多くありましたが、現在では隅田川のランドマークとしてすっかり定着しています。

この金の炎は、長さ約44m、重さは何と360トンもありますが、デザイン時には縦にする案や隣の本社ビルを突き抜けるようなデザインも検討されていました。
構造上の理由などから最終的には現在の横置きのデザインとなりましたが、ひょっとしたら違った形のオブジェが隅田川沿いに現れていたかもしれないと考えると面白いですね。

2.内部も面白い!豪華で豊かな内装と空間を堪能

オブジェの下は黒い御影石でデザインされていて、1・2階はアサヒビールのレストラン フラムドールが入っています。

近づくと黒い台座の下には白い正形の階段が広がっていて、人の目線分くらい高い位置に入口があります。
遠目では都市スケールの大胆な建物ですが、近づいてみると艷やかな素材と正形が各所に共通してデザインされていてとても美しいです。

この建物のすぐ裏にはアサヒビールの増醸所もありますが、フラムドールは作りたてのビールと、ビールにあった食事を堪能できるレストランとなっています。

レストランの内部は大きな吹き抜けを持つ巨大な空間が広がっていて、外からの印象とは違った迫力と大胆さがあります。

内部は大胆な曲線と柔らかな素材で作られていて、かなり豪華なつくりに驚きます。

バブルの頃にデザインされた建物だけあってとても贅沢な空間と素材の使い方をしています。

スタルク氏は建築家としてだけでなく、家具やプロダクトデザイナーとして世界的に評価されるデザイナーです。
内装にもスタルク氏の独自のセンスが遺憾なく発揮されていて、単なる形だけでなく空間全体を使った陰影豊かな演出も見どころとなっています。

丸みを帯びた巨大な柱は泡をイメージしていたり、形や素材が意味するところを想像しながら見るのも楽しいです。

また、家具もスタルク氏がデザインしたものが使われていて、空間全体でそのデザインを体感することができます。

内装でもう一つ注目なのがお手洗い。
乳白色の間仕切りによるトイレは、現在では、絶対に作られることのないデザイン。
トイレからも当時の雰囲気をそのまま体感できるので、訪れた際には必見です。

3.こだわりのビールと絶品料理で至福のひと時を

ビールは定番のスーパードライから海外のビールやクラフトビールまで様々なものが味わえます。

メニューはビールにあったものが盛り沢山。
例えばこちらのサーロインステーキの炙り焼きはこのビアホールの人気メニューのひとつ。
グリル野菜とあわせてビールにピッタリのメニューです。

他にも揚げ物や卵料理、ご飯物などどの料理も美味しくて至福のひと時を過ごせました。

こちらの巨大なガーリックトーストは見た目もテンションがあがり、ついついお酒が進んでしまいます。

こちらはフルーツアイスの入ったビアドロップス。
ビールの冷たさを保ちながら段々とフルーティーな味わいに変化していく驚きのビールでした。

夕方からビールを片手に素敵な空間と料理をたっぷりと堪能すると、辺りは真っ暗になっていました。

夜の建築は、白かった階段が光ってライトアップされていたり、丸窓から光が漏れていたりと昼間の印象とは違った魅力があります。

金の炎もライトアップによって暗闇に浮かび上がるように見えて、とても面白いです。
ここに来て黒い外装が闇と同化して、金色のオブジェを浮かび上がらせる効果を発揮していてとても驚きました。

バブルの時代が生み出した隅田川のランドスケープ。
とてもオススメの建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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ちなみに浅草周辺の素敵な建築についてはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
関連記事
・浅草で建築巡り!おススメの名建築15選を紹介

アサヒグループホール棟&本社ビル
設計:フィリップ・スタルク+野沢誠(ホール棟)、日建設計(本社ビル)
所在地:東京都墨田区吾妻橋1-23-1
アクセス:浅草駅より徒歩約5分
竣工:1989年
フラムドール営業時間:11:30~22:00
フラムドール座席数:240席

※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。


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