今回は私が訪れた中から2023年にオープンしたオススメの建築をレポートしたいと思います。
毎年の恒例となっているこの企画ですが、2023年は大規模な再開発から数年間の継続プロジェクト、大規模リニューアルなど注目の建築が盛りだくさんの1年でした。
ちなみに過去のオススメ建築についてはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方は是非あわせてご覧下さい。
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また、紹介する建築は随時追加していきたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・2023年オープンの建築を写真と文字でレポート
・2023年オープンの著名な建築家がデザインした建築をまとめ
・2023年オープンの建築の見どころや注目ポイントを解説
2023年は一体どんな建築が生まれたのか、早速紹介していきたいと思います。
1.YANMAR TOKYO(2023年1月OP)
まずはじめに紹介するYANMAR TOKYO(ヤンマー東京)は、東京駅の八重洲口前に建つ地上14階地下3階建てのオフィス、商業、ギャラリー等の複合施設です。
ヤンマーといえば農業機械や建設重機ですが、東京駅前の交差点に呼応し流れるような曲線が印象的な建物は、地上部分がピロティとガラスのショーウィンドウとなっているのが特徴です。
YANMAR TOKYOは、人の流れと視線の流れを内部に引き込み、前を通ると赤のコーポレートカラーが印象に残る企業の顔としての建築が見事に実現しています。
内部にはデザイナーの佐藤可士和氏が監修を行ったギャラリーもあり、八重洲の新たなランドマークとなっています。
設計:日建設計
所在地:東京都中央区八重洲2-1
アクセス:東京駅より徒歩約1分
竣工:2022年
公式HP:https://www.yanmar.com/jp/yanmar_tokyo/
2.THE TOKYO TOILET(2023年1月~3月OP)
続いて紹介するのは2020年より継続してレポートしているTHE TOKYO TOILETプロジェクトです。
THE TOKYO TOILETプロジェクトは日本財団が渋谷区と連携して進める清潔で魅力的な公衆トイレの建設プロジェクトです。
トイレのデザインは著名な建築家やデザイナーが起用され、大きな話題となりましたが、2023年1月〜3月にできた4つのトイレにより全17ヶ所のすべてのトイレがオープンとなりました。
詳細記事
・渋谷のTHE TOKYO TOILETを建築好きが巡る!全17トイレを完全レポート
1月にオープンした裏参道公衆トイレは、JRの路線と首都高4号新宿線の交錯点からすぐのところに建つトイレで、高架の脚部を思わせる胴体と、伝統的な茅葺屋根を思わせる銅製の屋根がトレードマークの建築となっています。
デザインを手掛けたのは、Apple Watchなどのデザインを手掛けたことでも知られるプロダクトデザイナーのマーク・ニューソン氏。
建築全体の角がとれた丸みががったデザインは、ユーザに親しみと安心感を与えることを目的に壁や開口部などの建築部材から鏡や手すりといった細かな部材まで共通していて、マーク・ニューソン氏が得意とするデザインが建築大で実現したようなトイレとなっています。
また、屋根の銅板や足元の石積みなど、プロダクトデザインにはない、一品生産の建築ならではの素材感や、時間の経過による変化がデザインに取り入れられているのも注目です。
デザイン:マーク・ニューソン
サインデザイン:佐藤可士和/SAMURAI
所在地:東京都渋⾕区千駄ヶ⾕4-28-1
アクセス:北参道駅より徒歩約3分
竣工:2023年
2月にオープンした幡ヶ谷公衆トイレは、笹塚と幡ヶ谷の中間地点に建つ公衆トイレです。
その特徴は交差点に面する角地という敷地に対して、中央に設けられた半屋外空間が公共広場のような役割を担っていること。
地面にはベンチにもなるポールが埋め込まれ、天井にはスポットライトに混ざって展示物などを吊り下げられるフックが設けられています。
交差点から見ると共用空間は映画のスクリーンのようでもあり、街の人々が交錯する舞台のようにも見えます。
設計:マイルス・ ペニントン+東京大学DLXデザインラボ
所在地:東京都渋谷区幡ヶ谷3-37-8
アクセス:幡ヶ谷駅より徒歩約7分、笹塚駅より徒歩約7分
竣工:2023年
笹塚緑道公衆トイレは、玉川上水旧水路緑道の一部である笹塚緑道に建つ公衆トイレです。
デザインを手掛けた小林純子氏は国内で数多くのトイレの設計・施工を手掛ける設計事務所ゴンドラの代表で、一般社団法人トイレ協会の会長でもある人物。
この笹塚緑道公衆トイレは、丸みを帯びた耐候性鋼板の外観が特徴で、予め施されたサビ加工により耐久性能と長い時間をかけて変化する風合いが両立するデザインとなっています。
宇宙船のような、大きな玩具のようなデザインのトイレには、男女のトイレやユニバーサルトイレの他、大小それぞれの子供トイレも設置されていて、老若男女誰もが親しめる拠り所のようなトイレが目指されています。
設計:小林純子
所在地:東京都渋谷区笹塚1
アクセス:笹塚駅より徒歩約1分
竣工:2023年
最後に紹介する西参道公衆トイレは、新宿駅と初台駅の間にある代々木緑道の西端に建つトイレです。
西参道公衆トイレでは男性トイレと女性トイレ、バリアフリートイレを隔てる壁が、柔らかくカーブしながらアプローチと手洗い場を作り出しているのが特徴です。
高さの異なる手洗い場では老若男女様々な人が、手を洗うという共通の行為を通して緩やかに繋がるようなデザインとなっているのが素敵です。
物語の中に出てきそうな非日常的なデザインの中に、太古の昔から繰り返されてきた手を清め、交流するというプリミティブな風景が交錯する、ちょっと不思議だけれど魅力的なトイレとなっています。
設計:藤本壮介
所在地:東京都渋谷区代々木3-27-1
アクセス:新宿駅より徒歩約12分、初台駅より徒歩約6分
竣工:2023年
3.AEAJグリーンテラス(2023年2月OP)
AEAJグリーンテラスは、原宿駅から程なく歩いたところに建つ日本アロマ環境協会(AEAJ)によるアロマテラピーの情報発信拠点です。
建築の設計を手掛けたのは隈研吾氏率いる隈研吾建築都市設計事務所で、植物の恵みであるアロマオイルのイメージを、ヒノキを組み上げた木の空間と自然光が差し込むガラスの外装で表現しています。
木組みの内容が、床面から壁、天井と立体的に組み上がり雲のような軽やかさで空間を形作り、アロマのイメージと隈研吾氏がこれまで様々な建築で実践してきた建築手法が融合しているのにも注目です。
設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都渋谷区神宮前6-34-24
アクセス:原宿駅より徒歩約5分
竣工:2022年
開館時間:13:00~18:00
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入館料:500円
公式HP:https://www.aromakankyo.or.jp/greenterrace/#
3.東京ミッドタウン八重洲(2023年3月OP)
東京ミッドタウン八重洲は、東京駅の八重洲口の目の前に建つ地上45階地下4階建てのオフィス、商業、ホテル、バスターミナル、学校等の超高層複合施設です。
東京駅の八重洲口といえば水平方向に伸びる大屋根グランルーフが特徴的な景観となっていますが、東京ミッドタウン八重洲は丸みを帯びた外装によって垂直方向に伸びる巨大な帆のようなデザインとなっているのが特徴です。
また、天まで伸びるような積層されたガラスのオフィスに対して、地上部分では訪れた人を圧倒させる非日常的なスケールは残しつつピロティやテラスによって空間に様々な変化をつけているのも面白い注目ポイントです。
設計:日本設計+竹中工務店
マスターアーキテクト: Pickard Chilton
所在地:東京都中央区八重洲2
アクセス:東京駅より徒歩約1分
竣工:2022年
公式HP:https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/
4.東急歌舞伎町タワー(2023年4月OP)
東急歌舞伎町タワーは、かつて歌舞伎町にあった老舗映画館 新宿ミラノ座の跡地に建てられた映画館・劇場・レストラン・ホテルなどの高層複合施設です。
地上48階地下5階建て高さ約225mの建物は、水が湧き出したような独特なデザインとなっていているのが特徴ですが、これはかつて沼地だった土地から発展を遂げた歌舞伎町の歴史や新宿ミラノ座のトレードマークだった噴水の記憶を継承したもの。
幾重にも重ねられたパターンが折り重なることで、不定形でその時々によって表情を変える外装がデザインされているのも面白いです。
綺麗でスマートなデザインの中に、どこか露悪的でおどろおどろしさを感じる歌舞伎町らしさを体現した建築となっています。
外装デザイン:永山祐子建築設計
設計:久米設計+東急設計コンサルタント
所在地:東京都新宿区歌舞伎町1-29
アクセス:新宿駅より徒歩約2分
竣工:2023年
公式HP:https://www.tokyu-kabukicho-tower.jp/
5.多摩市立図書館(2023年7月OP)
多摩市立図書館は、多摩センター駅から程なく歩いた場所にある多摩中央公園内に建てられた図書館です。
地下2階地上2階建ての建物は、多摩中央公園と公園西側にあるレンガ坂の高低差を繋ぐようにデザインされているのが特徴です。
館内は公園をはじめとした周辺環境に開いた抜け感と、地中に潜り込んだような安心感が両立した空間が両立していて、いつまでも長居したくなる素敵な空間が広がっています。
図書空間と一体となったカフェれすとももも魅力的で、読書や建築巡りの休憩にもオススメです。
設計:佐藤総合計画
所在地:東京都多摩市落合2-35
アクセス:多摩センター駅より徒歩約5分
竣工:2023年
6.渋谷区ふれあい植物センター(2023年7月OP)
渋谷区ふれあい植物センターは、2005年に渋谷清掃工場のエネルギーの還元施設として開園した植物園です。
2021年に老朽化などの理由から一時閉園となっていましたが、SUPPOSE DESIGN OFFICEが改修デザインを手掛けて2023年7月にリニューアルオープンしました。
温室や構造のなど建物のコアとなる部分は残しつつ、土色に統一され植物の世界に入り込むような内外装デザインや、水耕栽培によって植物を育てる室内型菜園「Farm Labo」、植物の生体電位から変換されたサウンドが流れる秘密基地のようなスペースなど建物と一体になりながら展示も大幅にリニューアルしています。
温室と一体となったカフェスペースや様々な催しにも使われるイベントスペースもあり、多くの人で賑わう渋谷の新たな注目スポットとなっています。
詳細記事
・渋谷「渋谷区ふれあい植物センター」改修で新しくなった植物園をレポート
改修設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地:東京都渋谷区東2-25-37
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分
竣工:2023年(改修)
開園時間:10:00~18:00
休園日:月曜(祝日の場合は翌平日)
入園料:100円
公式HP:https://sbgf.jp/
7.花重谷中茶屋(2023年7月OP)
花重谷中茶屋は、谷中霊園沿いに1870年に創業された老舗の花屋 花重を改修してつくられた店舗兼カフェです。
元々この建物は登録有形文化財にも指定され、道路際に建つ明治棟と江戸長屋に続いて戦前に増築された戦前棟、更に奥には昭和中期に増築された住居棟や社員寮が建てられていました。
江戸長屋を改築したアプローチをくぐると、戦後に建てられた住居や倉庫を解体し、鉄骨のフレームと回遊性を持たせたテラスが建物内外を繋げる新たな空間が広がっています。
過去と現在が交錯し、積み重ねた時がレイヤのように折り重なった空間で、浅草の名店ペリカンの食パンをつかった絶品フレンチトーストや人気店とコラボした特別メニュー、こだわりのドリンクなどを堪能できるおススメのリノベーションカフェとなっています。
設計:MARU。architecture
所在地:東京都台東区谷中7-5-27
アクセス:日暮里駅より徒歩約5分
竣工:2023年(改修)
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜、第4水曜
備考:登録有形文化財
8.虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(2023年10月OP)
ここ数年、周辺では大規模な再開発プロジェクトが次々に行われてきましたが、その中心となるのが森ビルが開発を進める虎ノ門ヒルズです。
10月にオープンした虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは、そんな虎ノ門ヒルズの目玉となるプロジェクトで、地上49階地下4階建て高さ約266mの超高層複合施設です。
結節点をコンセプトに、建物と一体的に整備された地下鉄駅や地上部分の動線の他、建物間をつなぐデッキや周辺環境も含めた多様な要素を組み入れ、それらが交わる場所としてデザインされた建築は、巨大なボリュームを有しながら単なる箱ではない新たな建築像が目指されています。
地下から地上、そして上空まで3次元的に展開し、人の流れや光や風といった様々な要素がミックスする空間はとても刺激的です。
一体的に整備された低層棟のグラスロックや裏手に建つ江戸見坂テラスもそれぞれ個性的なデザインとなっていて、2023年はエリア全体が新たな街に変容した年となりました。
この現代東京を代表する大規模再開が、今後の都市再開や建築のあり方にどう影響を与え、どう評価されていくのかにも注目です。
デザイン監修:重松象平/OMA
設計:森ビル、久米設計(江戸見坂テラス)
所在地:東京都港区虎ノ門2-6-1他
アクセス:虎ノ門ヒルズ駅より徒歩約1分
竣工:2023年
公式HP:https://www.toranomonhills.com/
9.IMAGINUS(2023年10月OP)
IMAGINUS(イマジナス)は、統廃合により2020年に閉校となった杉並区立杉並第四小学校を改修してつくられた科学体験施設です。
元の小学校は数々の学校建築を手掛けていることで知られる船越徹氏がデザインした小学校で、幾何学的なモチーフに溢れた多様なデザインが魅力的な建築でした。
この多様性をもたせた様々なパーツや空間デザインは、所々でちょっとした余剰スペースを生み出し子供の居場所や遊び場をつくりだしていていましたが、IMAGINUSでもその建築の魅力が受け継がれ、体験できるのが嬉しいところ。
元の小学校建築を活かしつつ、ワークショップやイベントスペース、ギャラリー、カフェなどが整備されていて、遠いようで身近な科学との出会いと体験の場となっています。
原設計:船越徹/アルコム
所在地: 東京都杉並区高円寺北2-14-13
アクセス:高円寺駅より徒歩約5分
竣工:1992年(2023年改修)
10.フォレストゲート代官山(2023年10月OP)
フォレストゲート代官山は、代官山駅と八幡通りの間に建てられた住宅、商業、オフィス、広場等の複合施設です。
建物は代官山駅を出てすぐの場所に建つ地上2階建てのTENOHA棟と、その奥に建つ地上10階地下2階建てのMAIN棟で構成されていて、低層部は店舗やシェアオフィス、広場などの商業施設が入り上層部は総戸数57戸の賃貸住宅となっています。
隈研吾氏がデザイン監修を手掛けたMAIN棟は、木のフレームによって集合住宅のボリュームを分割しつつ、巨大な森のようなデザインとなっているのが特徴です。
実際に訪れてみると、写真で見ていたよりも巨大なボリュームに驚きますが、そのインパクトに街ゆく多くの人々がスマホで写真を撮っていたのが印象的でした。
低層部は2つの道路を繋ぐ小路があったり、回遊性のある中廊下があったり、高低差を利用したベンチスペースがあったりと規模は小さいながら楽しく散策したり佇んだりできる場所となっていました。
代官山側に建つカフェやイベントスペースがはいる木造2階建てのTENOHA棟も注目です。
こちらの建物はSUEP.が設計を担当し、6角形をモチーフにした木と植物による開放的な空間が印象的で、「循環」する建築や食の実践の場がデザインされています。
また、ブルーボトルコーヒー 代官山カフェはSUPPOSE DESIGN OFFICEが内装設計を手掛けていて、コーヒーの抽出殻からつくられた塗料による内装とするなど、都会的だけれどほっと一息つける落ち着いた喫茶空間がデザインされています。
どちらの建物も多くの人が写真を撮ったり思わず覗き込んでいる姿がみられ、大きな話題になっているようでした。
カフェもいくつか入っているので建築巡りの合間の休憩にもピッタリです。
基本設計(MAIN棟):隈研吾建築都市設計事務所
実施設計(MAIN棟):竹中工務店・東急設計コンサルタント共同企業体
設計(TENOHA棟):SUEP.
内装設計(ブルーボトルコーヒー):SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地:東京都渋谷区代官山町20-23
アクセス:代官山駅より徒歩約1分
竣工:2023年
公式HP:https://forestgate-daikanyama.jp/
11.魔法の文学館(2023年11月OP)
魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)は、魔女の宅急便などの作品でも知られる童話作家の角野栄子氏の名を関した児童文学館です。
江戸川沿いの公園の丘の上に建てられた建物は、白い外壁に花びらのような屋根が立体的に折り重なったようなデザインが特徴です。
館内に入ると雰囲気が一変。角野氏の作品の世界観をイメージしたというメルヘンチックなピンク色の空間が広がります。
公園の緑や空を取り込みつつ、物語の世界に誘う空間は見どころが満載。
小さなスケールの様々な要素が折り重なり、対比されたり調和しながら非日常的な世界観を実体化している建築に注目です。
詳細記事
・葛西「魔法の文学館」本の世界に誘う素敵な児童文学館
建築設計:隈研吾建築都市設計事務所
内装デザイン監修:くぼしまりお
所在地:東京都江戸川区南葛西7-3-1なぎさ公園内
アクセス:葛西駅よりバスで約10分
竣工:2023年
開館時間:9:30~17:30
休館日:火曜、年末年始
入館料:
一般(15歳以上)700 円
こども(4歳~中学生)300円
備考:原則事前予約制
チケットは江戸川区民割引などあり
公式HP:https://kikismuseum.jp/
12.皇居三の丸尚蔵館新館Ⅰ期棟(2023年11月OP)
皇居三の丸尚蔵館新館は、1993年にオープンした皇居三の丸尚蔵館を建て替えて2023年の11月にオープンした博物館です。
皇室のもつ宝物や国内外からの寄贈品約1万点を収蔵・展示する博物館は、白い外装と水平に伸びる屋根が印象的な建物となっています。
尚、今回オープンするのは旧館跡地の西側に建てられたⅠ期棟で、旧館のあった場所に建つⅡ期棟は2026年に完了する予定。
建物にはひし形をモチーフにした様々なデザインが随所に散りばめられているのも特徴で、例えば庇の下にはより細かいひし形模様があしらわれていて軒先から落ちる影の表情をより豊かにしています。
旧館から受け継いだコレクションも必見で、ここでしか見られない美術品や宝物が満載です。
設計:日建設計
所在地:東京都千代田区千代田1
アクセス:大手町駅より徒歩約6分
竣工:2023年
13.麻布台ヒルズ(2023年11月OP)
麻布台ヒルズは港区の麻布台エリアで森ビルが手掛けた再開発によって生まれた商業施設、オフィス、住宅、ギャラリー、広場などの複合施設群です。
十字に広がる約8万㎡の敷地には高さ約330mの日本一高いビル麻布台ヒルズ森JPタワーや、大地の地形と一体となるように広がる低層施設群のガーデンプラザが広がり、垂直・水平両方向に新たな時代の都市が形成されています。
86万㎡もの広大な面積を誇る施設群の各所は、世界を代表する建築家やデザイナーがデザインを手掛けているのも特徴。
特に雅なカーブで特徴的なスカイラインを描く森JPタワーはペリ・クラーク・アンド・パートナーズが、うねる大地のようなフレームと緑の融合が印象的なガーデンプラザは現在世界で最も注目の建築設計集団と言っても過言ではないヘザウィック・スタジオがデザインを手掛けています。
麻布台の名の通り敷地にはかなり高低差がありますが、めくるめく変化する風景や魅力的なショップ群が連なっているので高低差が全く苦にならず楽しく立体都市を体感できるのが面白いところ。
建築と都市、人工物と自然、日常と非日常、大地と天空といった異なる要素が刺激的に出会い、融合する新たな体験ができる注目スポットです。
建築設計:森ビル+日本設計+清水建設
森JPタワー外装デザイン:ペリ・クラーク・アンド・パートナーズ
ガーデンプラザデザイン:ヘザウィック・スタジオ
所在地:東京都港区麻布台1
アクセス:神谷町駅より徒歩約1分、六本木一丁目駅より徒歩約4分、麻布十番駅より徒歩10約分
竣工:2023年
14.Shibuya Sakura Stage(2023年11月OP)
Shibuya Sakura Stageは渋谷駅南東にある桜丘エリアの再開発によって生まれた商業施設、オフィス、住宅、広場、歩行者通路等の複合施設群です。
道路で隔てられ、高低差も多い丘状の地形の街区を歩行者デッキや縦動線によって繋げているのも特徴で、再開発によって生まれた他の建物や周辺街区と一体となるようデザインされています。
街の様々なスポットにアメーバ状に伸びる歩行者通路は、さながら渋谷駅の地下通路のようでもあるのも面白いところ。
にぎわいSTAGE、はぐくみ STAGEなどの特徴的な広場、施設を縦方向に繋ぐアーバン・コア、シンボリックな建物しぶSなど各所に特徴的な空間や施設が点在していて、散策しながら様々なシーンに出会える新たな渋谷の注目施設となっています。
デザインアーキテクト:古谷誠章+NASCA+日建設計
建築設計:
A街区(SHIBUYA サイド):日建設計
B街区(SAKURA サイド):日建設計+NASCA+日建ハウジングシステム
C街区(日本基督教団 中渋谷教会):日建設計+大岡山建築設計研究所
所在地:東京都渋谷区桜丘町123他
アクセス:渋谷駅より徒歩約1分
竣工:2023年
※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。
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