銀座の奥野ビルでタイムトリップ!?昭和初期の高級マンションを体験してきた【東京銀座】

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今回ご紹介するのは銀座の一等地に建つ昭和初期に建てられた「奥野ビル」です。

2020年に築88年となるこのビルですが、丁寧なメンテナンスやオーナーの熱意もあって今でも現役で使われている貴重な近代建築でもあります。
元々は集合住宅でしたが、現在は画廊やギャラリーなどアート系の店舗が20近く入居しています。
実際に内部に入ってその空間を体験することも出来き、今再び注目を集めてる建築でもあります。

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1.奥野ビルとは

奥野ビルは銀座一丁目駅から徒歩2分、銀座通りを少し入ったところに建つ昭和初期に建てられた集合住宅です。
建設当初は「銀座アパートメント」と呼ばれ、地上6階地下1階の建物には店舗が併設し、スチーム暖房、共同浴場、屋上は洗濯場となっているなど当時としてはかなり先駆的な高級アパートメントでした。
また、住宅としては恐らく日本で最初にエレベータが設置され、いかに奥野ビルが特殊な建物だったかが窺い知れます。(当時はエレベータといえば一部の大規模百貨店などにしかありませんでした)

設計は関東大震災の復興期に建てられた同潤会アパートを設計したことでも知られる川元良一氏が行っていますが、同潤会と比べてかなりスペックが高い特別な仕様となっていることも面白いですね。
まだ、関東大震災の記憶が新しい時に建てられたので、大きな地震にも耐えられるようにと当時としてはまだ珍しかった鉄筋コンクリートで建てられたことも現在まで残っている理由のひとつです。
ちなみに建築当初は6階建てでしたが、その後の大小さまざまなリノベーションによって現在では7階建てのビルとなっています。

2.早速潜入!銀座の地でも一際異彩を放つ外観に注目

中央通りから2本ほど離れた道に入ると奥野ビルが見えてきます。
周りのビルはどんどん建て替わって綺麗で明るい外装に変わっていく中で、ひときわ異彩を放っています。
現地では写真で見るよりも土地に馴染んでいる気がして、道行く人もあまり気に留めていないのが面白かったです。
バルコニーから出ている植物がなんとも素敵です。

奥野ビルは一見すると1つの建物に見えますが、左右で建築年代が微妙に異なっていて1932年に本館が、2年後の1934年に新館が建てられていて現在の姿となりました。

中央にはしっかり継ぎ目があります。
よく見ると継ぎ目付近にある壁は階段状に段々にセットバックしていていますが、これは意匠的なこともありますが、1階の歩道の空間に配慮してセットバックしているようにも見えて味わい深いです。

1階には「UNION WORKS 銀座店」という靴等の修理店や「Y’s ARTS」というアンティークショップが入っています。
丸窓がお洒落で、思わず足を止めてしまいます。

3.内部もスゴイ!手動開閉のエレベータも現役です

内部は定期的に改修されながらも基本的には当時の姿を残しています。
メンテナンスが行き届いていているのでとっても綺麗な印象で、建物内部に足を踏み入れるとまさにタイムトリップした気持ちになります。

エレベータの階表示板もものすごく凝っていてお洒落です。階によってデザインが微妙に異なるのにも注目です。
エレベータは扉が手動式なので、入る前に自分で開けて、出た後は自分で閉めるのですが今でも現役で使われていることに驚きます。

細かいところまで大切に受け継がれているのがビシビシと伝わってくる素敵な空間体験となりました。

■奥野ビル(旧銀座アパートメント)
設計:川元良一
所在地:東京都中央区銀座1-9-8
最寄駅:銀座一丁目駅徒歩2分
竣工:1932年/1934年

4.近辺には同年代に建てられた3つのビルも紹介

奥野ビルの周辺には同時期に建てられた建築がいくつか残っているので、奥野ビルを見に行った際には合わせてみてみると面白いです。今回は3つのビルについてご紹介します。

■米井ビル(旧米井商店)
奥野ビルから歩いて1分程のことろにある米井ビルは奥野ビルより3年早い1929年の竣工です。
上階は大きく手をくわえられていますが、1階にある「ねじり柱」の列柱など他では見ることのできない意匠を堪能できます。

設計:森山松之助
所在地:東京都中央区銀座2-8-20
最寄駅:銀座一丁目駅徒歩2分
竣工:1929年

■和光
銀座4丁目の交差点に建つランドマーク的存在の和光は奥野ビルと同じ年にできました。
大きいビルにもかかわらず、細かい意匠まで見ごたえ抜群なのであたらめてじっくり見てみると発見があるビルです。
向かいにある銀座プレイスは和光の立面構成に合わせたデザインを採用しているのでこちらも見比べてみると面白いです。

設計:渡辺仁
所在地:東京都中央区銀座4-5-11
最寄駅:銀座一丁目駅徒歩5分
竣工:1932年

■文教館ビル
3つ目に紹介する文教館ビルは和光、奥野ビルと合わせて1932年竣工のいわば三兄弟ともいえる建築です。
設計はなんとモダニズム建築の傑作を多く残し、後の日本人建築家に大きな影響を与えたアントニン・レーモンドによるものです。大きく改修されて当時の面影が少なくなっているのは残念です。

設計:アントニン・レーモンド
所在地:東京都中央区銀座4-5-1
最寄駅:銀座一丁目駅徒歩5分
竣工:1932年

いかがでしたでしょうか。
銀座といえば華やかで新しいファッションビルが立ち並ぶイメージもありますが、銀座だから成立し今も残る近代建築も味わい深く魅力的ですね。
銀座を訪れる際はそんな近代建築にも目を向けてみると面白いかもしれません。


↑銀座の建築について詳しく知りたい方はこちらの書籍もおススメです。
「史跡と建築で巡る 銀座の歩き方」

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