グリーンスプリングスがスゴい!立川の新スポットで建築とランドスケープを満喫【東京立川】

東京建築巡り

こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は東京立川にできた話題の複合施設、GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)を見学してきましたので、建築好きの視点からその魅力やポイントをレポートしたいと思います。

実は立川は建築とアートとランドスケープの街と言ってもいいほどの知る人ぞ知る建築パワースポットなのですが、GREEN SPRINGSはその新たな代表ともいえるスポットでした。
最後には合わせて巡りたい立川のおすすめデザインスポットも紹介したいと思いいますので、立川を訪れる際のガイドやバーチャル建築巡りとしていただければと思います。

1.GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)って?

GREEN SPRINGSは立川駅北口の昭和記念公園と多摩モノレールに挟まれる敷地に建てられた複合商業施設です。
もともと立川基地があった近隣エリアの中での最後の大開発としても注目されていて、敷地面積約39000㎡、長さ約400mの細長い敷地の中に、広場を囲うように商業施設、オフィス、ホール、ホテル、美術館などが配置されています。
もともと隣接する敷地には昭和記念公園が、近年では2014年にIKEA立川、翌年2015年にららぽーと立川立飛がオープンして注目を集めていたエリアでしたが、GREEN SPRINGSが開業したことでその注目度は益々高まっています。

2.早速突入!まちの縁側が建物群と敷地を緩やかに繋ぐ

立川駅から多摩モノレール沿いに8分ほど歩くと今回の目的地であるGREEN SPRINGSに到着です。
GREEN SPRINGSは完成直前に一度外観だけは見学していたのですが、内部まで入るのは今回が初めてなのでワクワクしながらエントランスに向かいます。

モノレールの線路沿いをほどなく歩くと「たましん美術館」と木の庇とルーバーが特徴的なエントランスが見えてきます。
GREEN SPRINGSは商業施設だけでなく、いくつかのオフィスが入居していますが、この多摩信用金庫は本店移転ということでオフィス移転の目玉となっています。同時にオープンしたたましん美術館では多摩地域ゆかりの作品を中心に展示しています。

建物のコンセプトの1つが「まちの縁側」で、商業棟の建物の庇や軒天井には約5000m2の多摩産材が使われています。
この木の軒天がまさに縁側のように繋がっていて、商業施設の目前を廊下のように巡ったり、日陰に入ってひと休みすることができるようになっています。
また、GREEN SPRINGSはかなりの棟数に建物が分断されているのですが、この木の軒天があることで自然とひとつながりの建物群であるかのように感じさせる効果もあります。

特に多摩レール側は商業棟が連続しているので、この木の庇の迫力感は見ものです。
宙に浮く多摩モノレールの構造体と電車の流れとうまく呼応するようにデザインされているのがわかります。

ちなみに昭和記念公園側はオフィスとホテルのガラスのファサードとなっています。
すぐ目前は昭和記念公園なので、ホテルの客室やオフィスの執務室からの眺めは抜群です。

3.広場に注目!X状に交差する道に隠された効果に注目!

GREEN SPRINGSの敷地は長方形の敷地ですが、主に四角形の角部にエントランスが設けられていて、各エントランスを繋ぐ通路が「X」の字になるように交差しています。

この「X」の交差は「立川のまちの歴史と、ここから広がる未来が交差する場所である」という意味が込められています。
X状に設けられた通路のデザインは単に動線が明快になるというだけでなく、格子状の通路に比べて遠近感が生みだし、中庭の抜け感や開放感を増幅する効果も持っています。
配置図をみてみると広場部分は案外小さく見えたのですが、実際に現地を訪れてみると感じる気持ちのいい開放感の秘密はこのX状の通路にあります。

中央の広場はこのX状の通路と、建物に設けられた「まちの縁側」で繋がっているので、最短ルートの動線をきちんと確保しながら、多様で複雑な自然空間も満喫できます。

広場には水盤やビオトープも計画されていて、都心の複合施設では味わえない自然の一端を体験できます。

ちなみにこの広場の下が駐車場・駐輪場になっています。
以前の記事で紹介した南町田グランベリーパークでは、敷地の周りには徹底的に閉じで、建物の中心が立体駐車場という私的にはちょっと残念に思える計画でした。
GREEN SPRINGSの1階を駐車場にして、その上の広場を敷地形状に合わせて有効に使う計画は、かなり面白くてよくできた計画だなと感じました。

4.通路の先にあるカスケード・劇場に注目

奥行きが強調される通路を進んでいくと、長さ約120mの階段状のカスケードが見えてきます。
かつてこの敷地は飛行場の滑走路がありましたが、このカスケードはその滑走路をモチーフにしていて、「空と大地と人がつながる」という街区コンセプトを取り入れたデザインです。実際にカスケードを登っていくと段々と上空に近づいていく感覚を味わえます。
この日は8月の真夏日でしたが、子供をはじめ多くの人が水遊びをしながらはしゃいでいてほっこりしました。

カスケードの横には多摩地区最大規模の劇場「立川ステージガーデン」があります。
立川ステージガーデンは2500席近い屋内ステージと600人以上を収容する屋外ステージで構成される多摩地区最大規模の多機能ホールです。
広場から見ると、1階部分が芝生の下に隠れている分の高さがさりげなく抑えられていて、圧迫感が減って見えるのがさりげなくいい仕事していますね。

ホールの側面のコンクリートの目地がさりげなくランドスケープでも使われている「X」のモチーフが使われているのにも注目です。

ちなみにホールの1階部分はガラスの外装となっていて、内外を自然につなぐような開放感が高い装いになっていました。

5.有名建築家やデザイナーによる内装やアート作品にも注目!

GREEN SPRINGSでもう1つ注目したいのが有名建築家やデザイナーによるインテリアやオブジェなどのアート作品です。

例えば立川ステージガーデンの隣に建つ文化複合施設〈PLAY!〉の内装設計は手塚貴晴氏・手塚由比氏率いる手塚建築研究所が行っています。
手塚氏と言えば立川にある円形の広場が話題を呼んだ「ふじようちえん」やこのブログでも以前紹介した箱根彫刻の森美術館の「ネットの森」の建築設計を手掛けた建築家です。


↑手塚夫妻の代表作「屋根の家」の絵本(Amazonでチェック!)
やねのいえ (くうねるところにすむところ―家を伝える本シリーズ)

昭和記念公園側に建つ「SORANO HOTEL」は全室50㎡を超える客室面積とバルコニー付き客室が特徴的なホテルですが、こちらホテルの内装は建築家でありデザイナーでもあるグエナエル・ニコラ氏によるものです。
「テント」をモチーフにしたエントランスロビーは、昭和記念公園とGREEN SPRINGSの広場を借景にするようにデザインがされていて、この場所でしかできない贅沢な空間体験をより感じさせてくれます。

また、敷地内に散らばる数々のパブリックアートも注目です。

こちらは中村哲也氏による「上昇輝竜」
飛行場跡地という敷地やランドスケープデザインと呼応するような作品です。
アート作品は目立つところだけでなく、建物の中や棟と棟を繋ぐ回廊部分にも配置されたりしているので、アート作品を探して敷地内を散策するのも楽しいです。

あまり知られていのですが、立川は「まち全体が美術館」をコンセプトに街中にパブリックアートが点在するアートの街でもあります。
GREEN SPRINGSの建築やアートを堪能した後の帰り道は町中に点在するアート作品にも注目してみてください。
立川アート公式HP:https://www.tachikawa-artcollection.jp/

6.建築好きであれば合わせて巡りたい周辺の名建築

最後にGREEN SPRINGS周辺にあるおススメの名建築を紹介したいと思います。
□花みどり文化センター

まず初めにおススメなのが昭和記念公園内に建つ花みどり文化センターです。
花みどり文化センターは「緑の文化」をテーマにした展示や体験、情報発信する為の施設ですが、広大な昭和記念公園の敷地内にもいてGREEN SPRINGSの目と鼻の先に建っています。
設計は世界的にも有名な建築家である伊東豊雄氏とアトリエ・ワンが行っていて、屋上の「浮游の庭」は大地がそのままめくれ上がったかのようになっていて、散策したり休憩したり、坂をかけ上がったりと各々の過ごし方ができます。


↑伝説的建築せんだいメディアテークの写真集は一見地価値あり!
「UNDER CONSTRUCTION―「せんだいメディアテーク」写真集」(Amazonでチェック)

関連記事
・花みどり文化センターが面白い!昭和記念公園で必見の建築を見学【東京立川】

昭和記念公園にはこの他にも象設計集団による森の家インフォメーションセンターや北川原温氏+森岡侑士氏+高谷史郎氏による霧の森など見どころ満載の建築が満載です。
詳しくは以下の記事でも紹介していますので気になる方は是非参考にしてみてください。
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・昭和記念公園は建築作品のテーマパーク!その魅力を徹底解説【東京立川】

□立川まんがぱーく
もう一つ立川でおすすめなのが、立川駅南口から歩いてほどなくのところにある立川まんがぱーくです。


立川まんがぱーくは市役所を改修してつくられた建物で、なんと約4万冊の漫画読み放題という夢のような建物です。
公共施設ということもあって利用料金が物凄くリーズナブルなことも特長で、1日いて食事をしても1000円もかかりません。
また、アスレチックのような秘密基地のような読書スペースも大注目の注目スポットとなっています。

関連記事
・市役所を改修!立川まんがぱーくは漫画読み放題のスゴい建築だった【東京立川】

いかがでしたでしょうか。
建築にランドスケープにアートとますます目が離せない立川と「GREEN SPRINGS」
皆さんも機会があればぜひトリップしてその空間を体験してみてください。



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設計:
マスターデザインアーキテクト:スタジオタクシミズ
マスターデザインランドスケープアーキテクト:ランドスケープ・プラス
A2地区 W・E棟:山下設計・大林組設計共同企業体
A2地区 S棟 多摩信用金庫本店本部:清水建設
A3地区 N棟 立川ステージガーデン:山下設計
ホテル内装:グエナエル・ニコラ
〈PLAY!〉内装:手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所
所在地:東京都立川市緑町3-1他
アクセス:立川駅より徒歩約8分
竣工:2020年

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