今回は2019年11月にオープンした大型商業施設「南町田グランベリーパーク」に行ってきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
またグランベリーパークでは開業から1ヵ月経った2019年12月に、六本木から移転となったスヌーピーミュージアムもオープンし、ますます注目のスポットとなりつつあります。
かなり巨大な施設となりますが、これらの建築の全容を整理して、その見どころや実態についてご紹介していきます。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
【この記事で分かること】
・南町田グランベリーパークを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・南町田グランベリーパークの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・南町田グランベリーパークの建築的な見どころや注目ポイント
1.グランベリーパークとは
グランベリーパークは東京の南町田に2019年11月にオープンした商業施設で、約230店もの店舗に加え、映画館やミュージアムといった施設が円形状に散りばめられています。
もともと、このグランベリーパークの敷地のある南町田駅南口には「グランベリーモール」という商業施設がありましたが、2017年に閉店し、この度単なるショッピング空間だけではなく、多くの飲食店舗や体験型の施設を加えて大リニューアル・再整備がされました。
設計は東急設計コンサルタントを中心に、施設設計を株式会社LLT(ラグアルダ・ロウ・棚町建築事務所)、駅改修は東急電鉄が行っています。
また、2019年12月14日には、六本木から移転して大幅に面積も大きくなったスヌーピーミュージアムもオープンし、東京の新スポットとして大きく注目されています。
2.アクセスと営業時間
アクセスは電車でアクセスする場合は東急田園都市線「南町田グランベリーパーク駅」直結となっています。
グランベリーパーク開業に伴って駅名も南町田駅から改名して駅舎自体も整備されました。
大屋根がかかった半屋外のコンコースは都内の駅の中でも一番といっていいくらいの解放感で、扇状の階段と手前にあるスヌーピー像はこれからする体験への期待値を一気に上げます。
車でアクセスする際は、セントランスコートの中心が5階建ての立体駐車場になっている他、敷地の内外の各所に駐車場が設けられています。車で来る方もかなり多いですが、公式HPに混雑・満車情報がでていますので参考にしましょう。
また敷地東側には駐輪場も整備されていて、近隣からは自転車で来る方も多くいるようでした。
電車でのアクセスは混雑の心配がないことと、駅建築が素晴らしかったので可能であれば電車でアクセスすることをおススメします。
2.早速突入!円状に繋がる様々なプラザを巡る
では早速グランベリーパークの中に入っていきます。
駅を降りて改札を出るとそのまま直結でそこはグランベリーパークの中になります。
ステーションコートと呼ばれる駅前エリアとなり、元々あった店舗も含め、カフェ、銀行、郵便局、クリニック、東急ストア、宅配便受付センターなど30店舗以上の施設が軒を連ねます。
そこから橋を渡るとメインとなるセントラルコートエリアが広がります。
セントラルエリアは中央の立体駐車場・ギャザリングマーケットを中心に6つのプラザとパビリオンが円形に配置され、回遊できるようになっています。
注目店舗の1つは日本最大級となる登山・アウトドア用品などを展開する「モンベル」
こちらは売り場面積の大きさだけでなくクライミング体験ができるウォールやカヤックが試乗できる人工池もつくられていて、ひと際目立っています。
そのすぐ裏には「ヒルサイドヴィラ」という丘がつくられ、キャンピングカー&ミニベロ専門店の「トイファクトリー」などが配置されています。
「ヒルサイドヴィラ」は計画発表時のスケッチに比べてもかなりのつくり込みがなされていて、グランベリーパークで一番迫力があるといってもいい空間になっています。
丘の足元の芝生スペースでは、お昼を食べたり昼寝をしたりと奥の人がくつろいでいる姿が見えました。
またパーク内には季節限定の特設イベントも企画されていて、2019年12月~2020年3月1日まではアイスアリーナでスケートが楽しめます。(但し 大人: 1600円、高校生以下:1200円と有料)
先ほどのクライミングウォールもそうですが、グランベリーパークでは単に買い物を楽しむだけでなく体で体感できる施設が数多くあることが特長です。
アウトレット、飲食、物販と200を超える店舗がぐるりと軒を連ね、印象としてはららぽーとやイオンのようなショッピングモールなのですが、屋内でなく屋外に広がるモール空間は素直に気持ちがいいです。
その他ストリートファニチャーもかわいいデザインのものが敷地内に散りばめられているので、注意してみると面白いです。
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3.屋内施設も充実!
パークの中央、立体駐車場を挟んだ真ん中にあるのがギャザリングマーケットと呼ばれる市場のような空間です。
生鮮食品をはじめテイクアウトできる各飲食店舗やフードコート 「フードピクニック」を囲み様々な店舗が広がります。
ギャザリングマーケット内には購入した飲食物を食べられるテーブルスペースが複数点在していて、施設内で購入したものは自由に飲食することができます。
その他、周りを取り囲む円形の建物の施設も充実しています。
中でも「109シネマズ」では座席が動いく体感ライドシアター「4DX」と270度の3面ワイドスクリーン「スクリーン X」が合体した「4DX with ScreenX」が109シネマズで初導入されており、是非体感したいところ。
SEGAのVRエリア、ひつじのショーンビレッジ ショップ&カフェ、ファンビレッジ with NHKキャラクターズ、その他にもサンリオギフトゲートなど様々な体験型施設、店舗があり、一日では周りきれないほど充実したラインナップとなっていました。
4.2019年12月にスヌーピーミュージアムがオープン!
グランベリーパークのオープンから1ヵ月遅れた12月14日(土)には六本木から移転となったがスヌーピーミュージアムがオープンしました。
こちらは敷地西側の鶴間公園との中間地点にあり、シアタープラザの中を通ってもアクセスできます。
開館時間やチケット情報は以下の通りです。当日券もすいている場合はあるようですが、基本は前売り券を日時指定で予約して入場となります。
□開館時間:10:00~20:00
※最終入館19:30
入館開始時間:10:00~18:00までに2時間ごと
□料金
前売券:一般・大学生:1800円、中学・高校生:800円、4歳~小学生:400円
※詳細は公式HPをご確認ください。
時間ごとの予約制となっていることもあり、待ち時間はそこまでなく入場できます。
中に入ると、とにかくスヌーピースヌーピースヌーピー。色々なスヌーピーと出会えるスヌーピーワールドを堪能できます。内装は、2次元と3次元が上手く融合した空間になっていて、色や形など様々なデザイン的仕掛けを堪能できます。
隣に建つ、パークライフ棟にはPEANUTS Cafe(ピーナッツ カフェ)があります。
スヌーピーに関連したメニューが味わえるそうですが、大行列の為食事はしませんでした。ショップは並ばなくても入れるのでさらっと見て外へ戻りました。
併設されている「まちライブラリー」は鶴間公園の木で作られ、テーマに沿った本を持ち寄り交流するイベントや読書会などが開かれているようで注目スポットです。(残念ながらこの日は閉じていました)
5.周辺の街・鶴間公園との関係
最後に苦言になってしまう部分もありますが、グランベリーパークの感想・感じたことを書きたいと思います。
□鶴間公園との関係
敷地の南側には長きに渡って周辺住民に親しまれてきた鶴間公園という公園がありますが、グランベリーパークはこの公園に「背」を向けていることが一番気になりました。
先述したスヌーピーミュージアムがまさにその象徴で、公園側に開くという選択肢もあったと思いますがそうはなっていません。 もちろん計画に当たって様々な関係者との調整や協議があってのことだと思いますが、あくまでもグランベリーパークは内に、内に向かっている施設でした。
公園自体はレジャーシートを敷いたりテントを張っている人もいて、近所にこんな公園があったらいいなと思わせる素敵な公園でしたのでもったいなく感じてしまいました。
□周辺の街との関係
次に周辺の街との関係です。一応各方角で街には開いているのですが、全体的には閉鎖されていて、グランベリーパーク内で完結していました。周辺の街が共に潤っていく気配は残念ながら感じませんでした。
すぐ隣には住宅街が広がりますが、中から外を見ると急に全く異質な住宅街が広がっていく印象を受けますし、外から中を見ると行列でごったがえしていつもお祭り騒ぎをしている消費空間にしか見えませんでした。(そして引き起こされる大渋滞)
このあたりは時間と共に変化していっていいものと思いますので、今後の運営方針が気になるところです。
□飲食店舗の圧倒的キャパオーバー
グランベリーパーク、オープンして間もない時期だからかもしれませんが、グランベリーパーク内で食事をするには大行列を覚悟しなければなりません。ほとんどチェーン店にも関わらず、昼ごはんに1時間近く並ぶのはさすがにいかがなものかと思いました。
とにもかくにも大行列でこれから訪れる人は注意が必要です。解決策としては芝生スペースや鶴間公園がありますので、食事は他の場所で入手したものをピクニックしながら食べるのがおススメです。
□よいところもある。ペットに優しい施設
苦言ばかりになってしまいましたので、最後に感心したポイントを1つ。
こちらは北東側になりますが、ペット用のトイレスペースが完備されています。シャワーやゴミ箱も設置されていて、他ではなかなか見かけない充実ぶりでした。
パーク内にはスヌーピーの像が記号のようにちりばめられているのですが、それよりもパーク内には本物のペット同伴れ訪れている方が沢山いて癒されました。
こうした利用者のことを考えた配慮が大事だと改めて実感しました。
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いかがでしたでしょうか。
今までなかなか行ったことのない南町田という場所でしたが、行ってみると意外と近い南町田。都心では出来ない体験ができることは間違いないので、気になった方は是非訪れて見て下さい。
南町田グランベリーパーク
設計:東急設計コンサルタント、施設設計:ラグアルダ・ロウ・棚町建築事務所駅改修:東急電鉄
所在地:東京都町田市鶴間3-1他
アクセス:南町田駅より徒歩約1分
竣工:2019年
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