東京都内の不思議なデザインの珍スポット建築10選

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今回は私がこれまで訪れた建築の中から、東京都内に存在する奇抜・奇怪で一度見たら忘れられない不思議建築を紹介します。
誰もが一度は見たことある建築から、いつも見ているはずなのに意識していなかった建築まで10建築をチョイスしてまとめました。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・東京都内の素敵な珍スポット建築を写真と文字でレポート
・珍スポット建築の見どころや注目ポイントを解説

それでは一緒に楽しい東京の不思議建築の世界にトリップしましょう。

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1.サニーヒルズ南青山(隈研吾)

サニーヒルズ南青山の外観

まず最初に紹介するサニーヒルズ南青山は、南青山の住宅地の中に建つ地上3階のパイナップルケーキ店です。
建物のデザインは新国立競技場等の設計で注目を浴びている隈研吾氏によるもので、何といっても気になるのが一度見たら忘れられないその外観
「負ける建築」を標榜する隈研吾氏の建築は木や自然素材を使った建築が数多くありますが、ここまで派手な建築はこの頃の隈研吾氏の作品としては珍しかったです。

日本の木造建築に伝わる「地獄組み」という組み方を使いながら、森のような、雲のような強くて柔らかい建築がつくりだされていて、一面にガラスやコンクリートを使った商業建築とは違った可能性を模索した、新たな時代への突入を感じさせる建築でした。

サニーヒルズ南青山の外観

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・青山「サニーヒルズ南青山」圧巻の木組みのパイナップルケーキ店をレポート

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区南青山3-10-20
アクセス:表参道駅より徒歩約10分
竣工:2013年
公式HP:https://www.sunnyhills.com.tw/index/ja-jp/

2.1番館(竹山実)

1番館

続いて紹介する1番館は新宿歌舞伎町に建つ商業ビルで、日本におけるポストモダン建築の最初期の作品でもあります。
設計者の竹山実氏はこの8年後に建てられることになるSHIBUYA109をはじめ、街のランドマークになるようなビルを次々と生み出していきますが、白黒縞縞のラインで分節されたラインによって街の雑多なスケールに呼応しつつ、街の広告塔ともいえるオブジェのような塊は一度見たら忘れられません。
また、建物の外装のパターンは日本を代表するグラフィックデザイナーの粟津潔氏がデザインしている点にも注目ポイントです。

1番館

設計:竹山実/竹山実建築綜合研究所
所在地:東京都新宿区歌舞伎町2-20
アクセス:新宿駅より徒歩約8分
竣工:1970年

3.アサヒビール吾妻橋ビル(フィリップ・スタルク+野沢誠)

アサヒビール吾妻橋ビル

隅田川沿いに見えるフィリップ・スタルクがデザインしたアサヒスーパードライホール、いつ見てもインパクトが大きすぎる奇怪な建築です。
頂上のオブジェが何に見えるかは人それぞれですが、作者としては金色の炎をデザインしたものですが、当初は縦にするつもりが構造や予算の関係など紆余曲折を経て現在の形となりました。

この形については批判もあるようですが、今や隅田川沿いの風景のイメージを変え、多くの人が浅草の隅田川といえばこの建物を思い浮かべるようになったという点でこの形に価値はあるのだと思います。
最初に意図したものからはずれても、建築は公共性を持って長い年月そこに建ち続けます。そして結果として人々に親しまれたり、時には批判されながら風景の一つになっていくのだと実感できる建築です。

アサヒスーパードライホール

詳細記事
・吾妻橋「アサヒグループホール棟」不思議な形の隅田川のランドマークをレポート

設計:フィリップ・スタルク+野沢誠
所在地:東京都墨田区吾妻橋1-23-1
アクセス:浅草駅より徒歩約5分
竣工:1989年

4.ウェッジ(鈴木エドワード)

ウェッジ

ウェッジは「意外と身近!有名建築家が設計した都内の交番まとめ」の一番初めに紹介した渋谷の宇田川交番の設計者でもある鈴木エドワード氏が手掛けたテナントビル。
コンクリートの外壁に大きなヒビが入った外観が特徴的な建物ですが、もちろん建物が老朽化しているわけではなく、このデザインが完成形の商業施設・オフィスの複合施設となっています。

この裂け目は開口部でもあり、わずかに空いた隙間からは中の建物が少しだけ垣間見えます。30年近くもこの地で同じ姿を保ち変わらずに存在し続けていることが、この物体が紛れもなく建築であることを証明しているように感じるのも面白いです。

ウェッジ

設計:鈴木エドワード/鈴木エドワード建築設計事務所
所在地:東京都渋谷区神宮前3-25
アクセス:原宿駅より徒歩約7分
竣工:1989年

5.青山製図専門学校一号館(渡辺誠)

青山製図専門学校一号館

青山製図専門学校一号館こちらの「ガンダム建築!青山製図専門学校一号館がスゴい」でも紹介した通称「ガンダムビル」と呼ばれるインテリア・建築系の専門学校です。
一見奇抜に見える建物の各パーツは単なる装飾ではなく、本来必要とされている機能から「成長」してこのような形になりました。

生物学の視点を取り入れ、機能を満たした上で進化や成長する建築は、後に同じ設計者に夜地下鉄飯田橋駅などでより具体的に実現することとなります。

青山製図専門学校一号館
青山製図専門学校一号館

ちなみに、渡辺氏の建築は「大江戸線 飯田橋駅の地下に増殖する謎のフレームを解明」で大江戸線飯田橋駅も取り上げていますので、気になっ方は是非合わせてご覧ください。

設計:渡辺誠/渡辺誠アーキテクツオフィス
所在地:東京都渋谷区鴬谷町7-9
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分
竣工:1990年

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6.ドーリック(隈研吾)

ドーリック

ドーリックはギリシャのドリス式の柱が巨大化しそのまま建築になったようなビルです。
側面は伝統的な3層構造で構成されており、近くに建つイオニア式の柱が巨大化した「M2」と対をなすような作品でもあります。

設計者の隈研吾氏はこの時期、ポストモダンの理論を論じこのような建築を次々と発表していました。
バブルの崩壊と共にポストモダンの建築が終焉を迎えると、隈研吾氏は今までの理論がまるでなかったかのような環境に溶け込む建築・木の素材をふんだんに使った建築家に鮮やかに転身し現在に至りますが、現在では日本建築界の大家となった隈研吾氏のルーツを知るには欠かせない建築でもあります。

ドーリック

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区南青山2-27-13
アクセス:外苑前駅より徒歩約4分
竣工:1991年

7.ヒューマックスパビリオン 渋谷(若林広幸)

ヒューマックスパビリオン 渋谷

ヒューマックスパビリオンは渋谷駅を出てすぐに建つ宇宙船の様な建築ですが、意外と気にしていない人が多いのではないでしょうか。 一度意識すると忘れられないメタリックで近未来的な建築ですが、太古の昔からそこにあったかのような感覚を覚えます。

宇宙人が存在し、その宇宙人が渋谷の人に紛れていることに自分だけが気付いてしまったかのような感覚に陥ります。
街の中で特異性を持ちながら、環境に溶け込むという相反する2つのことを実現している渋谷の隠れた注目建築です。

ヒューマックスパビリオン内観

設計:若林広幸/若林広幸建築研究所
所在地:東京都渋谷区宇田川町20-15
アクセス:渋谷駅より徒歩約3分
竣工:1992年

8.モード学園コクーンタワー(丹下都市建築設計)

モード学園コクーンタワー

モード学園コクーンタワーは東京モード学園やHAL東京等が入る高さ204m、地上50階建て専門学校のタワー型校舎です。
「創造する若者を包み込み、触発させる」という意味をからイメージされたコクーン(繭)のような外観が特徴で、建築そのものがメディアとなるようなインパクトがあります。

ちなみに外観の絹糸のような部材は構造体のように見えますが実は装飾。ここまで紹介してきた不思議建築はすべてポストモダンの時代の建築で、それ故に過度な装飾やデザインが施されていましたが、バブル崩壊以降、派手で挑戦的な建築はあまり見られなくなっていた中、若者に向けたメディアとして久々の大規模プロジェクトがこちらのモード学園コクーンタワーです。

モード学園コクーンタワー

停滞が続く日本社会の中で「将来のクリエイターになり得る学生を集めるために建築も冒険的なものをつくる」ということを、クライアントを含めた関係者が共有し、実現に至ったという点でも記念碑的な建築ともいえます。

設計:丹下都市建築設計
所在地:東京都新宿区西新宿1-7-3
アクセス:新宿駅より徒歩約5分
竣工:2008年

9.ハモニカ横丁ミタカ(隈研吾)

ハモニカ横丁ミタカ

ハモニカ横丁ミタカは三鷹駅から徒歩数分のところにある飲食店街建築です。
この建築が面白いのは、横丁といっても1つの建物の中に複数の店舗を凝縮している点。
一つの建物ながら古くからある路地感と戦後の闇市のような雑多でエネルギッシュなイメージを感じるような設計となっています。

設計を行ったのは先ほど紹介したサニーヒルズ南青山と同じ隈研吾氏
隈研吾氏といえば木を使った日本的な建築のイメージがありますが、この建築で目に入ってくるのは車輪、車輪、車輪
自転車の車輪の廃材を使ったデザインが特徴となっていますが、これは施主が廃材が好きということと、予算を抑えるということからこのようなデザインとなりました。

ハモニカ横丁ミタカ
ハモニカ横丁ミタカの内観

奇抜な外観とは裏腹に、内部は路地裏で肩を寄せ合い様々な人が集うハーモニカ横丁の雰囲気を継承しています。
映画「ブレードランナー」のように、古いのだけれど、近未来的でエネルギーに満ちた不思議な魅力を纏った建築です。
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設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都武蔵野市中町1-5-8
アクセス:三鷹駅より徒歩約2分
竣工:2017年(改修)

10.中銀カプセルタワービル(黒川紀章)

中銀カプセルタワービルの外観

最後に紹介する中銀カプセルタワービルは、メタボリズム(新陳代謝)運動の主要メンバーであった黒川紀章氏が設計した集合住宅です。
カプセル型住居が更新されることで建物自体が新陳代謝することが目指された建築で、設計当初はこのカプセルを取り外して他の場所に持っていったり、古くなったら取り換えることが構想された未来の建築でした。(残念ながら一度も取り換えることはなく現在に至ります)

こんな奇抜な見た目の建築ですが、日本の建築業界では伝説的な作品で、日本の近現代の建築史的価値も高い貴重な建築です。

中銀カプセルタワービルの内観

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・中銀カプセルタワーは新陳代謝する建築!?内部潜入レポート

設計:黒川紀章/黒川紀章建築都市設計事務所
所在地:東京都中央区銀座8
アクセス:汐留駅より徒歩約5分、新橋駅より徒歩約5分
竣工:1972年
備考:2022年解体済

※利用時間等は記事執筆時点のものですので、訪れる際は最新の情報を公式HP等でご確認ください。

いかがだったでしょうか。
こうしてみるとやはりポストモダンの時代の建築が多くあるのが面白いですね。
「もう2度と来ることがないであろうバルブの時代に建築家が考えて実現させた建築」がバブルから何十年もたった現在でも実際にみて体験できることが建築の面白さだと思います。
今回紹介した建築はどれも駅から近くにあるので、都内近郊にお住まいの方であればすぐに見に行けるものばかりです。
一見奇抜で不思議な建築。気になった建築があれば是非その楽しい世界に実際にトリップしてみてください。


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