新橋で建築巡り!建築好きがおススメする名建築12選

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今日は東京の新橋駅周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築について紹介したいと思います。
新橋と言えば戦後の闇市から多くの人で賑わい、高度経済成長期にはサラリーマンの街として、平成は再開発の街として知られていますが、建築も各年代の名建築が数多く点在しています。
近代から現代までの様々な建築がまじり合う新橋建築の世界に、一緒にトリップしていきましょう!

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・新橋での建築巡りを写真と文字でレポート
・新橋の著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・新橋の建築の見どころや注目ポイントを解説

尚、お隣虎ノ門周辺エリアでの建築巡りのレポートもこちらの記事にまとめていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
関連記事
・虎ノ門で建築巡り!おススメの名建築15選を紹介

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1.光の交番(横河健)

新橋の建築巡りでまず初めに訪れたのがSL広場に隣接して建つ新橋駅前交番、通称光の交番です。
デザインを手掛けたのはちょっと行った先の日比谷公園前派出所なども手掛けた建築家横河健氏。
緩やかにカーブする全面道路の形状に合わせてR上の平面にステンレスの格子が特徴的な建築です。
昔はライトアップされ夜には光が浮かび上がるような建築だったそうですが、私が見学するときに光が付いていたことはありません。
見る方向によってアールが強調されて見えたり、綺麗な矩形に見えたりするのも面白い建築です。

設計:横河健/横河設計工房
所在地:東京都港区新橋2-16
アクセス:新橋駅より徒歩約1分
竣工:1990年

2.ニュー新橋ビル(松田平田坂本設計事務所)

続いて訪れたニュー新橋ビルは光の交番のすぐ目の前に建つ地上11階地下4階の複合施設です。
この敷地は戦後の闇市から発展した木造小規模店舗が建ち並んでいましたが、これらを整理しつつ1つの建築にまとめ上げることは都心の市街地再開発の先駆事例にもなりました。
山手線のホームからもよく見える独特のパターンを刻む外装を持つこの建物は今や新橋のランドマークとなっています。

建物内に入るとまるで裏路地の中を巡っているような探検感があります。今年で築50年が経ちますが、今も尚独特の存在感を放って新橋のトレードマークとなっています。

設計:松田平田坂本設計事務所
所在地:東京都港区新橋2-16-1
アクセス:新橋駅より徒歩約1分
竣工:1971年

3.烏森神社(郡菊夫)

SL広場に隣接する街区に一風変わった神社建築があると聞いて訪れたのがこちらの烏森神社です。
新橋らしい雑居ビルや昔ながらの料理屋を横目に路地を進んだ先に見えてくるのは期待を裏切らない不思議な形の鳥居が見えてきます。
鳥居をくぐるとさらに驚き。モダニズムの建築家 郡菊夫氏が設計したことも頷けるコンクリート打ち放しの社殿が目に入ってきます。
伝統的な神社の形を分解して再構成したのでしょうか、独特の意匠の中にも古来から続く記憶のようなものを想起させられるのも面白いです。

その造形は菊竹清訓氏の出雲大社庁の舎の造形も彷彿とさせられますが、おそらく意識してのことではないでしょうか。
ちなみに鳥居は社殿のデザインを引用する形で1993年に建てられたものです。
詳細記事
・新橋「烏森神社」都心に建つデザイン神社をレポート

設計:郡菊夫
所在地:東京都港区新橋2-15-5
アクセス:新橋駅より徒歩約3分
竣工:1971年
公式HP:http://karasumorijinja.or.jp/

4.堤ビル(鹿島建設)

外堀通りに移動するとすぐに見えてくるのが1956年に建てられた堤ビルです。
一見して普通のオフィスビルに見えるこの建物が実は1950年代に建てられたものであることを知る人は少ないはず。設計を行ったのは当時鹿島建設の設計部に所属していた建築家 天野太郎氏です。
天野氏が独立して建築家としてのスタートを切ったのが1956年ですので、鹿島時代の最後の作品ということになります。

目立った特徴の少ないビルではありますが、余計な部材を極力排して彫刻のように伸びる水平窓やプロポーションの良さなどに天野氏の技量とセンスが光る隠れた注目建築です。

設計:鹿島建設
所在地:東京都港区新橋1-13-12
アクセス:新橋駅より徒歩約2分
竣工:1956年

5.堀ビル(公保敏雄+小林正紹)

堤ビルからほどなく歩いた角地に建つ堀ビルは近代建築マニアの間では有名なビルです。
元々は建築金物を扱う堀商店のオフィスビルで、近年大改修が行われて2021年4月からはシェアオフィスとして新たなスタートを切りました。
陰影が美しいテラコッタタイルの外装や柱や階段など随所にみられる装飾は一見の価値ありです。
外堀通り沿いには戦前から建つ近代建築が数多く残されていましたが、近年急速に建て替えが進んでいてこの堀ビル以外の建物はすべて取り壊されてしまいました。戦前の新橋の記憶を受け継ぐ貴重なビルが今後どのように受け継がれていくのかが注目されます。

設計:公保敏雄+小林正紹
所在地:東京都港区新橋2-5-2
アクセス:新橋駅より徒歩約3分
竣工:1932年
備考:登録有形文化財
東京都選定歴史建造物

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6.新橋ビデオセンター(鹿島建設)

新橋ビデオセンターは新橋の雑居ビル群の中に建つスタジオ兼オフィスビルです。
当時出来たばかりであまり事例がなかった天空率の制度を際涯減活用して、限られた敷地の中で最大限のボリュームを確保したことでも注目された建築でもあります。
スタジオという特性から外部から完全に閉じられた中間部分と、上下に設けられたガラスの外装の対比も面白く、斜めに切り取られた頂上部のスペースは余剰空間をうまく活用した光あふれるラウンジとなっています。

設計:鹿島建設
所在地:東京都港区西新橋1-17-1
アクセス:新橋駅より徒歩約5分
竣工:2006年
備考:2007年グッドデザイン賞

7.TENTOSHI(神田篤宏+佐野もも/コンマ)

新橋のオフィス街を南にほどなく歩いた広場に面して建つのがガラス張りの外皮が特徴的な住居付店舗TENTOSHIです。
一見して3階建てのようにも見えますが、実は法規上の制約からガラス部分全体を「大きな階段を持った1階」としているのも興味深いところです。
ガラス張りの薄い外皮は、建物越しに向こう側の景色が透けて見えるほどクリアで、部分的に設けられたミラーも相まって完全に周囲の風景の中に溶け込んでいるのもとても面白い建築でした。

設計:神田篤宏+佐野もも/コンマ
所在地:東京都港区新橋4-7-6
アクセス:新橋駅より徒歩約7分
竣工:2016年

8.荒川ビル(日建設計)

荒川ビル

荒川ビルは新橋駅からほどなく歩いたところにある地上9階建てのオフィスビル・オーナー住居の複合ビルです。
一見奇抜に見えるデザインですが、狭小敷地を効率的に利用するため避難階段を表面に配置することで、執務空間を最大化と避難時の安全性の確保、特徴的な立面デザインを達成しています。
特徴的なデザインに反して内部は使い勝手の良い整形の執務空間が確保されていているのも興味深い建物です。

荒川ビル

設計:日建設計
所在地:東京都港区西新橋2-35-5
アクセス:新橋駅より徒歩約9分
竣工:2018年

9.旧住銀リース本社ビル(鹿島建設)

旧住銀リース本社

旧住銀リース本社ビル(虎ノ門東京海上日動ビル)は荒川ビルからすぐのところに建つ地上9階地下1階建てのオフィスビルです。
3つの道路に接するという敷地条件を上手く解きながら、効率的なオフィス空間と室内環境をつくり出しているのが特徴の建物。
庇をうまく利用することで、特徴的な立面デザインと屋内環境のコントロールをしているのも注目の建築です。

旧住銀リース本社

設計:鹿島建設
所在地:東京都港区西新橋3-9-4
アクセス:新橋駅より徒歩約9分
竣工:1995年
備考:1996年グッドデザイン賞

10.新橋駅前ビル(佐藤武夫)

ここから駅の高架をくぐって東口に移動します。新橋駅東口の建築と言えばまずはこちらの新橋駅前ビルを挙げずにはいられません。
全面にはめ込まれたガラスパネルと立体的に交差する建物構造は、昭和レトロな雰囲気の中にも近未来感も感じて不思議な魅力に溢れています。
ビルの中は何十年も時間が止まっているかのような路地状の通路が広がっていて、何か魔窟に入り込んだような気分になります 笑

設計:佐藤武夫/佐藤武夫設計事務所
所在地:東京都港区新橋2-20-15
アクセス:新橋駅より徒歩1分
竣工:1966年

11.ヤクルト本社ビル(圓堂正嘉)

新橋駅東口でもう一つ見逃せないのがこちらのヤクルト本社ビルです。
地上14階地下2階の建物は中央の高層オフィスビルの他、低層部には742席のニッショーホール(旧ヤクルトホール)などが配置されています。
近づいてみてみると微妙にアールがかった外壁や丸穴の空いた天井など造形的で美しい意匠を存分に堪能できます。
中でも道路際に設けられた階段の美しさはSNSなどでも度々話題に上がる見事なもので、訪れた際は是非生のデザインを堪能してほしいです。

設計:圓堂正嘉/圓堂建築設計事務所
所在地:東京都港区東新橋1-1-19
アクセス:新橋駅より徒歩約2分
竣工:1972年

12.静岡新聞・静岡放送東京支社ビル(丹下健三)

最後に銀座方面に見える静岡新聞・静岡放送東京支社ビルを見て新橋建築巡りを締めくくります。
この一風変わったビルは建築家丹下健三氏が新陳代謝をモチーフにした建築思想「メタボリズム」を体現したビルとして有名な建物です。
このビルでは中央のシャフトが幹となり、人やモノやエネルギーや情報を輸送する幹線となって枝葉のように広がる事務所部分に繋がっています。

この建物はまさに幹と枝葉からなる1本の樹木のような建築です。この樹木のような建築からは、かつての建築家が求めたモダニズムとは違った合理性と、社会の変化にフレキシブルに対応できる未来の都市のイメージを存分に感じることが出来ます。

この建築については別記事で詳しいレポートも書いていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
詳細記事
・丹下健三の静岡新聞・静岡放送ビルは銀座に残された1本の樹だった【東京銀座】

設計:丹下健三/丹下健三・都市・建築設計研究所
所在地:東京都中央区銀座8-3-7
アクセス:新橋駅より徒歩約3分
竣工:1967年

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