鈴木大拙館がスゴい!谷口吉生の集大成建築をレポート【石川県金沢】

こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は金沢の注目スポットである鈴木大拙館を見学してきましたので、建築好きの視点からその魅力やポイントをレポートしたいと思います。
鈴木大拙館と言えば地元金沢出身の建築家 谷口吉生氏が設計したことでも知られる建築です。世界的な建築家 谷口建築の集大成ともいえる建築は、建築好きでなくともおススメできる極上の建築空間と思想の時間が味わえます。
まさに万人におススメできるおススメ建築、早速見ていきましょう!

【こんな人におすすめ!】
・金沢で訪れるのにおススメの名建築を知りたい
・鈴木大拙館の見どころや、注目ポイントについて知りたい
・建築に興味があって、具体的に建築のどこに注目して見ると面白いのか知りたい

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1.鈴木大拙館と設計者の谷口吉生とは?

鈴木大拙館は金沢出身の哲学者 鈴木大拙の足跡や思想を広く伝え、理解を深めつつ、来場者自身の思想の場とすることを目的に建てられた記念館です。

兼六園のすぐ南西、小立野台地の豊かな自然と傾斜地の中に建てられた建築は、同じく金沢出身の建築家 谷口吉生の設計によって建てられました。
谷口吉生氏は東京都内では葛西臨海水族館東京国立博物館法隆寺宝物館ニューヨーク近代美術館 新館等を設計した日本を代表する建築家です。

葛西臨海水族館
東京国立博物館法隆寺宝物館

谷口吉生氏の建築はガラスやアルミといった近代的な材料を使い、シンプルな造形の中に圧倒的な美しさと深淵さを表現する建築家です。
また、水をはじめとする自然の要素も巧みに建築に取り入れることでも知られる建築家ですが、鈴木大拙館はそんな谷口氏の建築の魅力の集大成ともいえる建築です。


↑谷口吉生について詳しく知りたい人にはこちらの書籍がおススメです。
「私の履歴書-谷口吉生」(Amazonで見てみる)

開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日
入館料:310円(65歳以上210円、高校生以下無料)
公式HP:https://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/index.html

2.早速突入!谷口吉生氏の魅力が詰まった建築を堪能

早速今回の金沢旅行の目玉建築の一つ鈴木大拙館を見ていきます。
私は兼六園、石川県立歴史博物館、東京国立近代美術館工芸館を見学した帰りに向かったので、敷地裏側の本多公園側から鈴木大拙館に向かいます。

兼六園から歩いて10分ほど、小立野台地の自然の中坂を下っていくと鈴木大拙館の裏手が見えてきます。

裏手からぐるりと回るとエントランスに到着です。
外観は谷口氏らしいとてもシンプルな装いです。ガラスやコンクリート、アルミといった近代的で人工的な素材を組み合わせた外観は、シンプルながらどこか金沢の武家屋敷を思わせるところもあり面白いです。

建物は上の写真の案内図の下から「玄関棟」「思索空間棟」「展示棟」の3棟から成っています。
この3つの棟は回廊で結ばれていて、各棟の間を自由にめぐりながら鈴木大拙の足跡や大拙の哲学思想に触れることができます。
また、この3棟と回廊の間には「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの特徴的な庭が配されています。

エントランスを入ると早速受付を済ませます。
内部も近代的な素材で仕上げられていますが、外周部は写真の通り左手はコンクリート、右手にガラスとルーバーが配されています。まさに内部の世界と外部の世界を隔てる中間領域といったところでしょうか。

受付を済ませるとは内部回廊を通って早速展示空間に向かいます。
まるでトンネルのような暗く深い深淵の先に光が見えるのが印象的な空間です。
この回廊を日常の世界から鈴木大拙が模索した東洋哲学の世界にトリップすることができます。
光の先にある展示空間・学習空間ではシンプルな箱の中に高低差があるフロアが配されていて、落ち着いた空間の中で大拙の世界に触れることができます。(展示空間・学習空間は写真撮影はNGなのでここは写真なし)
ちなみに鈴木大拙館の3つの空間は、最初の展示空間では「知る」こと、続く学習空間では「学ぶ」こと、続く思想空間で「考える」ことがテーマで構成されています。

3.圧巻の中庭 水鏡の庭、そして思想空間へ

学習空間を出るとL字の建築とL字の壁で囲まれた水鏡の庭にでます。
先に見える建物が「思想空間」なのですが、さまに谷口氏の神髄ともいえる圧倒的な美しさを持った空間が堪能できます。

シンプル・人工的・近代的な建築に対して、背景に見える豊かで複雑な自然のコントラストが劇的な効果を発揮しています。
谷口氏の建築はそれ単体で見るととても人工的で禁欲的な建築に見えますが、周囲の環境や自然と合わせて見るととてもしっくりきます。
変わらないものとしての建築と移りゆく自然環境との間で、人工とも自然ともとれる水面がまるで鏡のように来館者の心に働きかけてきます。

水鏡の庭では、東洋哲学の思想を知り、学ぶ「展示・学習空間」を経て、自ら考える空間として設定されています。ベンチに佇みながら自らを向き合う時間はまさに極上の体験です。
ちなみにこの水盤は周囲の環境を映しこむために黒色の石が敷き詰められていることは隠れた注目建築ポイントです。
柵などの細かい部材まで余計な部分を極限までそぎ落としていて、建築好きとしてはとても興味深いディテールも堪能できます。

さらに正面に見える思想空間では、まるで人間の脳や「心」の中に入っているかのような深淵な空間となっています。
鈴木大拙館で一番重要なのは、この自らに問いかけ、向き合う思想空間であることがよく分かります。

思想空間の周りは回廊になっていて、眼前に静かに広がる水面と借景としての背後の木々がとても印象的でした。まさに小宇宙です。
こうして巡っていくと谷口建築と哲学者の記念館という組み合わせはまさにピッタリで、劇的な効果を発揮しています。

4.季節や天気によっても印象を変える建築

私が鈴木大拙館を訪れたのは11月の下旬でまさに紅葉の季節でした。
モノトーンでシンプルな建築の背景に広がる紅葉がとにかく美しかったです。

先ほど、変わらない建築と移りゆく自然の対比と言いましたが、鈴木大拙館ではこの変化する自然と合わせて見るととても面白い建築です。

この日は雨上がりでもあったのでベンチには色づいたモミジがチラホラ見えます。
私が訪れたのは秋でしたが、雪が積もった冬の鈴木大拙館、春の瑞々しい緑をバックにした鈴木大拙館、灼熱の真夏の鈴木大拙館など、季節ごとにこの中庭で考えることや感じることも変わってきそうです。
私が訪れたときはちょうど雨上がりでしたが、雨が降る中の中庭もきっと素敵だと思います。

5.敷地の外からも覗いてみよう

最後に建築の外側から見る鈴木大拙館も必見です。
敷地の全周は建物とコンクリートの塀によって囲われていますが、所々その内側を覗ける入口があります。

内部から外側を思案するだけでなく、外側から内側を覗いてみると一味違った鈴木大拙館を味わうことができます。

こちらは裏手にある露地の庭。内側の学習空間からみる庭も素敵でしたが、外側から見ると全く違った印象を受けます。
こうして最後まで鈴木大拙館を満喫して、大満足の内に今回の建築見学を終えることができました。


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設計:谷口吉生/谷口建築設計研究所
所在地: 石川県金沢市本多町3-4-20
アクセス:金沢駅よりバスで約10分、下車後徒歩約4分
竣工:2011年


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