秋葉原「マーチエキュート神田万世橋」近代遺構を活用した商業空間を徹底レポート

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こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は秋葉原の旧万世橋駅をリノベーションしたmAAch ecute神田万世橋を見学してきましたので、建築好きの視点からその魅力やポイントをレポートしたいと思います。
築100年以上の近代遺構が最新の商業施設として生まれ変わった注目スポットは、驚きと発見にあふれる超魅力スポットです。
尚、前回記事では秋葉原~御徒町の高架下空間「AKI-OKA」もレポートしていますので、興味がある方は是非こちらも合わせてご覧ください。
関連記事
・御徒町~秋葉原の高架下AKI-OKAがスゴい!新施設も含めてその魅力を徹底レポート【東京御徒町】

【こんな人におすすめ!】
・秋葉原で訪れるのにぴったりの注目建築を知りたい
・mAAch ecute神田万世橋の見どころや、注目ポイントについて知りたい
・建築に興味があって、具体的に建築のどこに注目して見ると面白いのか知りたい

では早速見ていきましょう!

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1.mAAch ecute神田万世橋って?

mAAch ecute(マーチエキュート)神田万世橋は、東京秋葉原エリアに1912年(明治45年)に開業した旧万世橋駅の鉄道遺構をコンバージョンした商業空間です。

旧万世橋周辺は江戸時代から神田の町の交通の結節点として栄え、その後も中央線の起終点として明治から大正時代にかけて大きく繁栄していました。
今回の建物の元となった旧万世橋駅は一度関東大震災の際に焼失してしまいましたが、1925年に簡易的に再建され1943年まで駅として使われました。その後1943年に旧万世橋駅は営業を休止し、2006年までは交通博物館として利用されてきましたが、 交通博物館移転・閉館に伴い大規模な改修を行って2013年にmAAch ecute神田万世橋として再生されました。

2.早速突入!秋葉原駅からすぐの場所に現れる美しい近代遺構に注目!

mAAch ecute神田万世橋があるのは東京の秋葉原駅を出て南に200mほど歩いた場所です。
秋葉原と言えばかつては電気街として、近年ではオタク文化の街としてのイメージがありますが、mAAch ecute神田万世橋はそんな秋葉原駅から3分ほど歩いたところにあります。

万世橋を渡るとmAAch ecute神田万世橋が見えてきますが、煉瓦のアーチが連続する商業施設やテラスに街の雰囲気がガラっと変わるのを感じます。
建物のリノベーションに当たっては元の鉄道遺構をできるだけ残した形で改修されていて、100年以上前の古い躯体と現代の新しい素材が組み合わさった魅力的な建物に生まれ変わっています。

長辺方向の神田川側は140mのテラスが整備され、短辺方向は写真のような控えめなエントランスにお出迎えされます。
中に入ると耐震補強されたアーチ状の構造体をそのままインテリアとして活かした商業空間が広がります。内部空間ははアーチの架構をそのまま残しつつ壁は取り払われているので、とても明るく開放感のある空間が広がっていました。

天井もコンクリートの躯体がそのまま使われていて、照明は左右の開口や写真のような間接照明で賄われています。マーチエキュートでは基本的には天井に照明を埋め込むことができないので、様々な形の間接照明によって空間が照らされています。
エントランスのシャンデリア以外にも間接照明によってアーチ状の躯体や古い構造体を生かした内装がうまく照らされているので、この建築を見学する際には照明をちょっと気にしてみてみると面白いです。

3.神田川に開いた空間とテラスが面白い!

元々の万世橋駅やその後の交通博物館時代は、分厚い構造体の建物ということもあって暗くて閉鎖的な建物となっていました。
今回の改修では特に神田川側に開いた空間となっていて、気持ちのいい空間に改修されています。
アーチ部分の開口はガラスサッシをはめ込んだテラス席になっていたり、外部に出られる通路になっていて、外部の環境をうまく取り込むように計画されています。

外に出てみると約140mのデッキが橋に沿って伸びていて、このデッキでは旧駅の高架と神田川の両方に挟まれてた魅力的な水辺空間が満喫できます。

デッキ部分は建物本体から片持ち梁によって張り出されていて、川との距離を間近に感じることができます。本体構造からは分離された新規部分になるので、将来的にデッキ幅を拡張することも考慮してつくられているそうです。

4.新旧が融合した内部空間に注目!

デッキから内部に入ると、もとの構造体を最大限に生かした内部空間が広がります。
内部は壁や天井などで既存の構造体をうまく生かした迫力の空間となっているのですが、これは通常は天井の裏に収める設備機器を床下に収めることによって実現しています。

余分な設備を床下に収めて、表に出る部分を最小限にすることでうまれる純粋な内部空間は、この建物たからこと味わえる注目ポイントです。
特に天井は間接照明の柔らかな光に照らされていて、よりこの建築の魅力を感じることができます。
場所によっては緑色の鉄骨がむき出しになっている部分もあったりして、土木構造物と一体になった建築ならではの魅力を感じることができす。

内部空間はほとんどが既存の素材を生かした計画としていますが、例外として上の写真の水回り・エレベータ部分が新規につくられました。このコア部分が古く歴史ある躯体部分に対してコントラストのあるデザインになっているのがとても美しいです。
コア部分は新旧の美しいコントラストを演出しつつ、不足しがちな内部の照度を補う照明の役割や、サインの役割をしているのは隠れたデザインポイントです。

4.ホーム跡に作られたテラスとレストランは必見!

マーチエキュートでもう一点必見なポイントが、旧万世橋駅のプラットフォーム跡を活用したテラスとレストラン空間「2013プラットホーム」で、ホーム跡先ほどの写真のエレベータか、神田川と反対側の階段からアクセスできます。
アクセスできる階段は1912年の駅開業時に造られた「1912階段」と、交通博物館転用に当たり1935年に設置された「1935階段」の2つです。

階段を上がったところにあるレストラン「RESTAURANT PLATINUM FISH」は2つの線路に挟まれ、世界で一番電車に近いレストランともいわれます。
このレストランとテラス部分は全面ガラス張りになっていて、水平方向の眺めは抜群です。

このガラスはテラス席まで覆うように広がっているいるのですが、余分な継ぎ目が一切ないので通り過ぎる電車を間近に体感することができます。

■店舗情報
RESTAURANT PLATINUM FISH マーチエキュート神田万世橋店
営業時間:
 月~土 11:00~23:00
 日・祝 11:00~21:00
定休日:無
席数:40席(店内24席、テラス16席)
HP:https://platinumfish.jp/

カフェと反対側はテラスになっていて、ベンチに座って間近で電車の通り過ぎるのを感じられる絶景スポットです。
ガラスに囲われているので小さなお子さんがいても安全なようにデザインされていて、風圧や音も大きくないのでデートスポットとしてもおススメです。
私が訪れたときはファミリーで訪れていた小さな男の子が大興奮していましたが、電車好きでなくてもこの眺めと雰囲気には興奮します。
アーチの下も横も、そして上もこの敷地の歴史や外部環境を存分に味わえるように、再生されていて大満足の建築巡りができました。

いかがでしたでしょうか。
100年以上の歴史を持ちながら、最新スポットとしても魅力的なマーチエキュート神田万世橋。
秋葉原は乗り換えも便利ですし、東京駅からも2駅とアクセスの良さも抜群ですので、気になった方は是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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mAAch ecute神田万世橋
設計:JR東日本建築設計事務所+みかんぐみ
所在地:東京都千代田区神田須田町1-25-4
アクセス:秋葉原駅徒歩約4分
竣工:2013年
営業時間:
 月~土 11:00~21:00(飲食店は23:00)
 日・祝 11:00~20:00(飲食店は21:00)


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