今回は私が訪れた中から2024年にオープンしたオススメの建築をレポートしたいと思います。
毎年の恒例となっているこの企画ですが、2024年は大規模な再開発から近代建築の保存プロジェクトまで注目の建築が盛りだくさんの1年でした。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約6000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・2024年オープンの建築を写真と文字でレポート
・2024年オープンの著名な建築家がデザインした建築をまとめ
・2024年オープンの建築の見どころや注目ポイントを解説
ちなみに過去のオススメ建築についてはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方は是非あわせてご覧下さい。
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尚、紹介する建築は随時追加していきたいと思います。
1.豊洲 千客万来(2024年2月OP)

豊洲 千客万来は、豊洲市場に隣接してつくられ2024年の2月にオープンした複合商業施設です。
江戸の街並みをモチーフにデザインされた3階建ての食楽棟と、その先に建つ地上9階建ての温浴棟により、コンパクトな敷地の中に癒やしとエンタメが融合した新名所となっています。
食楽棟の2~3階は木造でつくられていて、細かい凹凸や材料の使い分け、サインや装飾、裏表の動線の使い分けにより訪れた人を飽きさせず、賑わい感と溢れる街並みがつくりだされているのは見事です。
市場横ならではの海鮮メニューや、老舗の仲卸店が軒を連ねていて、豊洲市場と合わせてエリア一体を盛り上げていく起点となるような建物です。


詳細記事
・豊洲「千客万来」市場に隣接する注目の商業施設をレポート
設計:万葉倶楽部+五洋建設+シェルター建築設計事務所
所在地:東京都江東区豊洲6-5-1
アクセス:市場前駅より徒歩約1分
竣工:2023年
公式HP:https://www.toyosu-senkyakubanrai.jp/
2.12 KANDA(2024年2月OP)

12 KANDAは、神田駅と秋葉原駅の中間地点に建つ地上10階地下1階建てのシェアオフィス、店舗等の複合施設です。
雑居ビルが建ち並ぶエリアにおいて、小さなオフィスがダイナミックに変化しながら積層されて立ち上がることで変化に富んだ特徴的な建物がつくり出されているのが印象的です。
バルコニーやテラスといった屋外スペースと法規上求められる避難階段が一体となりながら繋がっているのも特徴で、非常時の動線と日常時の各テナントへのアクセスを兼ねつつ、思わず上階や下階に進みたくなる魅力を持った神田エリアの新たなランドマークとなっています。


設計:sinato+南條設計室
所在地:東京都千代田区神田須田町2-3-12
アクセス:神田駅より徒歩約4分
竣工:2023年
3.ディオール麻布台ヒルズ(2024年3月OP)

ディオール麻布台ヒルズは、麻布台ヒルズのガーデンプラザCエリアに建てられたディオールの新店舗です。
隈研吾氏といえば様々な素材を実験的に活用した作品を多く手掛けてきましたが、ここディオール 麻布台ヒルズでは幾重にも重なる線材が建物を包み込み、重力を感じさせない詩的な建物となっています。
高度な技術によってつくられた素材や熟練の職人技を使いつつ、そうした工夫は表に出さず商品を引き立たせることに集中したデザインとなっていることも注目ポイントです。


設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区麻布台1-2-4 麻布台ヒルズ ガーデンプラザC
アクセス:神谷町駅より徒歩約3分
竣工:2024年
4.旧尾崎テオドラ邸(2024年3月OP)

旧尾崎テオドラ邸は、世田谷区の豪徳寺近くに建つ洋館を改修したギャラリー・カフェ・ショップです。
水色の外観が印象的な洋館は、一度は取り壊しの危機にありましたが、漫画家の山下和美氏が中心となった保存プロジェクトによって紆余曲折を経て保存されるに至りました。
保存の過程は漫画「世田谷イチ古い洋館の家主になる」でも描かれていて、様々な人々を巻き込み、この建物を残したいという情熱が伝播していき、保存に至りました。
高い天井の部屋には大開口からたっぷりの自然光が降り注ぎ、こだわりのデザインの建具や階段などを間近で体感することができます。
1階のカフェでは、ケーキやプリンアラモードの他、アフタヌーンティーも楽しむことができ、歴史の積み重なった洋館でのとっておきのティータイムを満喫することができます。


所在地:東京都世田谷区豪徳寺2-30-16
アクセス:宮の坂駅から徒歩約6分、豪徳寺駅から徒歩約9分
竣工:1888年(1933年移築)
5.Urban Green(2024年3月OP)

Urban Greenは、大塚駅から程なく歩いた住宅街に建つ地上10階建てのオフィス、住宅、店舗等の複合施設です。
建物の中腹がくり抜かれ、外部空間が山状に建物を貫通しているのが特徴の建物は、向かいにある小さな公園とも連続しながら公共空間と絡み合うようなデザインとなっています。
低層階にかかる布状の外装は特殊なコンクリートシートでつくられていて、無機質な建物の中に動き出しそうな生命感と軽やかさが付加されているのもとてもユニークで印象的でした。


設計:平田晃久/平田晃久建築設計事務所
所在地:東京都豊島区南大塚2-35-10
アクセス:大塚駅より徒歩約7分
竣工:2024年
6.nonowa国立SOUTH(2024年3月OP)

nonowa国立SOUTHは、国立駅前にできた地上4階建ての商業施設です。
設計を手掛けた大林組は、近年木造の中高層建築を次々と実現していますが、nonowa国立SOUTHも特殊な耐火処理を施した木造柱と耐火被覆の集成材で囲んだ鉄骨梁によるハイブリッド構造となっているのが特徴です。
クリアなガラスの箱を支える木質のグリットによる空間内では、木の肌間を間近で感じることができ、国立駅前の新たなランドマークになることが期待されています。


設計:大林組
所在地:東京都国立市中1-1-52
アクセス:国立駅より徒歩約1分
竣工:2024年
7.TORAYA GINZA/TORAYA Ginza Building(2024年4月OP)

TORAYA GINZAは、室町時代に創業した老舗の和菓子店とらやの新店舗です。
銀座通りとすずらん通りに挟まれた地上12階地下1階建て複合施設TORAYA Ginza Buildingの4階に設けられた店舗は、多くよとらやの店舗のデザインを手掛けてきた建築家の内藤廣氏によるもの。
赤い左官仕上げのエレベーターホールをでると照明を落としたシックな内装の店舗が広がり、素材の質感を活かした上質なおもてなし空間が広がります。
様々な素材を組み合わせ、細部までこだわり抜いてデザインすることで、伝統を感じつつ今まで見たことのないスタイリッシュで新たな空間をつくりだしているのはさすがの一言。
シックな空間を抜けた先には外部に開いたテラス席が設けられていて、心地よいそよ風と水盤に流れる水のゆらめきを感じながら、絶品の甘味を味わうことができます。


設計:鹿島建設+内藤廣建築設計事務所(TORAYA GINZA)
所在地東京都中央区銀座7-8-17
アクセス:銀座駅より徒歩約5分
竣工:2024年
営業時間:11:00~19:00
8.東急プラザ原宿 ハラカド(2024年4月OP)

東急プラザ原宿 ハラカドは、表参道と明治通りの交差点に2024年の4月にオープンした商業施設です。
建物の外観は、微妙に角度のついたガラスパネルが建物を覆い、屋上には立体的なテラスが顔をのぞかせるデザインが特徴の建物です。
時間や天候によって刻々と表情が変化するデザインは、常に移り変わる流行の先端をいく原宿らしさを体現しているようでとてもユニークです。
建物内部には各種店舗の他、スタジオや雑誌ライブラリー、銭湯やハラッパと呼ばれる複合空間が入居し、関連したショップや空間と繋がりながら情報の交流・発信拠点となることが目指されています。
屋上テラスと有機的に繋がるるレストラン・カフェも魅力的で、居酒屋やラーメンからジェラート、フルーツポンチまで様々なグルメを味わうことができます。


詳細記事
・原宿「ハラカド」原宿の交差点に煌めく注目の建築をレポート
外装・屋上デザイン:平田晃久建築設計事務所
設計:日建設計
所在地:東京都渋谷区神宮前6-31-21
アクセス:明治神宮前駅より徒歩約1分
竣工:2024年
公式HP:https://harakado.tokyu-plaza.com/
9.五反田JPビルディング(2024年4月OP)

五反田JPビルディングは、大崎広小路駅前に建つ地上20階地下3階建てのオフィス、ホール、ホテル、商業施設等の複合施設です。
地下部分は元々この地に建っていたゆうぽうとの躯体を活用しつつ、街に開いた低層部と、その上に乗る大ボリュームのオフィス・ホテルが合わさったダイナミックなデザインが特徴です。
上層部には総客室数188室のOMO5東京五反田 by 星野リゾートが入り、地上部には地域に開かれた食堂街 五反田食堂がはいっていて、地域内外の人に広く利用される五反田の新たなランドマークになることが期待されています。


設計:日本郵政+大林組
所在地:東京都品川区西五反田8-4-13
アクセス:大崎広小路駅より徒歩約1分
竣工:2024年
10.ほんまる(2024年4月OP)

ほんまるは、古本の街として知られる神田神保町に2024年4月にオープンしたシェア型書店です。
近年、本好きの個人や企業が棚を借り、それぞれのセンスで選書した本を売るシェア型書店が増えていますが、ここほんまるは直木賞作家の今村翔吾氏がオーナーを務める注目の書店です。
佐藤可士和氏がデザインした店舗は、店舗全体がサインとなるようなスタイリッシュなデザインが特徴。
ニュートラルな白地に木のサインや本棚が映える店舗は、縁日のようなハレの雰囲気を醸し出していてお祭りのような楽しげな空間が広がっています。


店舗デザイン:佐藤可士和
所在地:東京都千代田区神田神保町2-23-5
アクセス:神保町駅より徒歩約2分
竣工:2024年
11.SCC千駄ヶ谷コミュニティーセンター・原宿こども園(2024年4月OP)

SCC千駄ヶ谷コミュニティーセンター・原宿こども園は、地域コミュニティーと子育ての拠点としてつくられた会議室、ホール、認定こども園、カフェ等の複合施設です。
円形のモチーフを建物全体のデザインコードとすることで、周辺環境に開きつつ、外部からの光や風を最大限取り入れることができるようになっているのが特徴です。
円形のモチーフは、装飾からテーブルやサイン、外構に至るまで様々な場所でつかわれていて、楽しげで優しい雰囲気が建物全体から伝わってきます。
1階に設けられたCafe1008で、施設内で焼いた焼きたてのパンを頂くことができ、建築巡りの合間の休憩にもピッタリのスポットとなっています。


設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都渋谷区神宮前1-1-10
アクセス:北参道駅より徒歩約6分
竣工:2024年
開館時間:9:00~22:00
休館日:第2日曜
12.中野区庁舎(2024年5月OP)

中野区庁舎は、中野駅の北口に2024年に建てられた地上11 階地下2階建ての中野区の新庁舎です。
シンプルな直方体の建物は、斜めに交差する構造フレームに菱形の小さなパネルが散りばめられたデザインで覆われているのが特徴です。
ガラスの大開口の低層部から、徐々に樹木を抽象化したような外装に変化して、建物内外のバッファゾーンをつくりだしつつボリュームを分節しているのも注目ポイント。
広場に面した1階ホールやレストランなど、近隣の人々が気軽に立ち寄れるような区庁舎となっているのも魅力的でした。


設計:日本設計(基本設計)+竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定JV(実施設計)
所在地:東京都中野区中野4-11-19
アクセス:中野駅より徒歩約6分
竣工:2024年