原宿駅の猿田彦珈琲がスゴい!話題の建築家がデザインしたカフェをレポート【東京原宿】

今日は新原宿駅の中にオープンした猿田彦珈琲 The Bridge 原宿駅店を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
シックで洗練されたデザインの中に日本らしさ「小津安二郎」の世界観を入れこんだというその建築は、まさに必見の名建築。いったいどんな建築だったのか早速見ていきましょう。

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1.原宿駅直結!話題の建築家集団によるカフェがオープン

2020年に建て替えられた原宿駅の中に猿田彦珈琲の新店舗が出来たと聞いて、早速その建築を堪能するために原宿駅を訪れました。
原宿駅の表参道口の改札を出ると早速猿田彦珈琲の看板が見えてきます。
原宿駅直結と聞いていたものの、まさに原宿駅の一番いい場所につくられた店舗に早速胸が躍ります。

改札階から改札を登ると、店舗の案内看板が見えてきます。
猿田彦珈琲 The Bridge 原宿駅店では入口で注文をして、その後中ほどにあるカウンターで受け取って席に着くシステムとなっています。ちなみに席数はテーブル席、カウンター席、ソファ席、畳(!)席と様々な席を合わせて110席ほど。

階段を登りきると、シックな隠れ家のようでもあり、何かのアトラクションの入り口のようにも見える店舗の入口が見えてきます。
猿田彦珈琲と言えば2017年に焙煎機4台を設置した旗艦店「猿田彦珈琲調布焙煎ホール」をオープンしたことで珈琲・建築ファンの間で大きな話題になりましたが、ここThe Bridge 原宿駅店は調布焙煎ホールを手掛けたした話題の建築家集団SUPPOSE DESIGN OFFICEがデザインを行った新店舗なのです。建築好きからすればまさに1つのイベントを見に行くような感覚で訪れました 笑

店内は隅々までデザインされていて、トンネルのようなエントランスを潜った先には原宿の喧騒とはまた一つ離れた上質な世界が広がります。
SUPPOSE DESIGN OFFICEといえば以前このブログでもレポートしたBOOK AND BED TOKYO池袋本店ひぐらしガーデン(2016年)といった話題のプロジェクトや、映画 未来のミライの主人公一家の架空の家をデザインするなど今日本で最も注目されている建築家集団でもあります。

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入口でドリンクを注文した後はギャラリーのような物販コーナーで珈琲豆やグッズを眺めながら、すぐ裏手にあるカウンターでドリンクが出来上がるのを待ちます。
この時点で既に計算されつくされたようなデザインの店内に圧倒されてしまいましたが、The Bridge 原宿駅店ではここから店内に面白い仕掛けが満載です。
いったいどんなカフェなのか早速見ていきましょう。

2.路地!?映画!?日常と非日常の間を繋ぐデザインに注目

まず店内に入って驚くのは店内の真ん中に設けられた大きな吹抜です。
先ほどまでは暗くてシックなデザインだった店内が、ふと視線を変えて移動すると大きく印象が変わります。

こちらのカフェの真ん中のエリアではこの吹き抜けの下に大きな木のテーブルがあって、その周りを路地のように通路が巡っています。
よく見ると床の仕上げもさりげなく変えられていて、細い路地状の通路がしっかりデザインされています。

東急池上線五反田高架下(2018年)

この空間演出はどこかで見たことがあるぞ、と思い出してみると、先日紹介した東急池上線五反田高架下(2018年)で使われている空間演出と同じであることが思い出されます。もちろん五反田高架下の設計はSUPPOSE DESIGN OFFICEが手掛けています。
五反田高架下では池上線の2本の線路の隙間を利用した吹抜とトップライトで、高架下の路地状空間に光と影のコントラストを演出していました。その手法がこちらの猿田彦珈琲でも使われているのは隠れた注目ポイントです。

詳細記事
・五反田駅の高架下が面白い!生まれ変わった高架下建築をレポート【東京五反田】

ちなみにSUPPOSE DESIGN OFFICEの作品ではでは刈谷の家(2017年)という作品でもこの吹抜・トップライトの演出が使われていて、過去に発明してうまくいった空間演出方法を上手く新店舗に生かしていることが分かります。
外部にいても内部のような、内部にいても外部のような空間つくりや、光の陰翳を上手く使った演出はSUPPOSE DESIGN OFFICEの得意とするところ。
店内ではいたることろで、こうした光の演出や、明暗の使い分け、建物の内外が曖昧になるような演出が見られ、洗練されたデザインの中にどこか日本的だったり懐かしさを感じる要素が見え隠れします。

The Bridge 原宿駅店でもう1つ注目したいのが猿田彦珈琲の代表である大塚朝之氏がオーダーしたという「小津安二郎」の世界観を表現した店内のデザインです。
最初に小津安二郎と聞いた時にはものすごい難題を突き付けられたものだと思いましたが、実際に見てみると単なる即物的な模擬表現でなくしっかりと建築空間として小津の世界観が表現されています。
例えば小津映画の有名な演出手法で、スクリーンの中にもう1つのフレームをつくる「フレームインフレーム」ですが、こちらの写真で見てわかるように確かにフレームインフレームがつくられています。
物凄くさりげなく、恐らくほとんどの人は意識しないかもしれませんが、確かにしっかりと空間が切り取られています。そして暗闇の向こうにもう1つの世界が切り取られている様はまさに映画的です。


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そうして店内を見てみると店内の様々なところにフレームが埋め込まれていて、明らかに意識的にフレームワークを建築に取り入れていることに気づきます。
写真は撮り忘れてしまいましたが、例えばお手洗いの洗面の戸棚もよく見るとくっきりとした木の矩形が浮かび上がるようにデザインされていて驚きました。

そうした視点で見ていくと、こちらの窓際席でもふと外を見たときに格子状のフレームによって外の風景が切り取られていますね。
フレームの間の窓の外に映る1つ1つの光景が、まるで映画のフィルムを見ているようにも感じます。
そういった意味では原宿といういろいろな人々が行きかう立地はまさにピッタリのシチュエーションです。

さらに奥のスペースに進むと今度は真ん中に大きな障子と畳のスペースが見えてきます。
この障子と畳のスペースもフレームで空間を切り取りつつ、畳の椅子や軒下空間によって空間に変化をもたらしています。

ここまでくると映画のセットのようにも見えてきます。
昔懐かしい日本家屋の縁側に腰掛けているような日常感覚と、でも圧倒的に非日常の異質な空間がコントラストを織りなしながら共存する世界をたっぷりと堪能できました。

3.散りばめられた日本的なデザインに注目

障子や畳といった分かりやすい和のデザインの他にも、様々なところで日本的なイメージが空間やデザインに取り入れられているのがThe Bridge 原宿駅店の魅力でもあります。

例えばこちらの格子天井。壁と同様シックな色に塗られて目立たなくデザインされていますが、障子や畳、棚割といった様々なところに取り入れられているフレームとマッチして空間をまとめ上げています。
実はこの天井をフレームで分割する手法もSUPPOSE DESIGN OFFICEの作品ではよく見られるデザインなのですが、The Bridge 原宿駅店の内容としてうまく他のデザインに合うように取り入れられています。

また、畳のベンチの向かいにある椅子を見ていて気付くのは椅子の高さです。
通常のカフェの椅子の高さと比べても若干低く設定されているように感じます。

畳のベンチのペアとなる椅子だけかなとも思って周りを見渡してみると、通路の真ん中に置かれた椅子もその向こうのソファも確かに意識的に椅子の高さが低く抑えられています。
何と椅子の高さでも小津映画に見られるいわゆるロー・ポジションのアングルをつくり出していました。
これによって真ん中の和の空間と高さ的にマッチするだけでなく、洗練されたカフェの中にいてもどこか日本的な雰囲気を感じる不思議な感覚が呼び起こされます。

原宿の街を望める東側の窓もしっかりフレームで分割されていました。そして原宿の風景も借景のようにして楽しめます。ちなみに南側の窓からは丹下健三氏の代々木体育館が見えました。
末恐ろしいこだわりと、それを建築空間としてまとめ上げるデザイン力には脱帽です。

店内はかなりすいている時間帯だけあってちょっと席を移動しながら極上の空間体験をたっぷりと満喫。
軽い気持ちで訪れたカフェでしたが、1本の映画を見終えたような濃厚な建築体験ができ、大満足の建築×カフェタイムとなりました。


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■猿田彦珈琲 The Bridge 原宿駅店
設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地:東京都渋谷区神宮前1-18-20 原宿駅 2F
アクセス:原宿駅直結
竣工:2020年
営業時間:8:00~22:00
猿田彦珈琲公式HP:https://sarutahiko.co/


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