栃木市で建築巡り!おススメの名建築15選を紹介

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今回は、栃木県の栃木市で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・栃木市での建築巡りを写真と文字でレポート
・栃木市の著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・栃木市の建築の見どころや注目ポイントを解説

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1.塚田歴史伝説館

塚田歴史伝説館

まずはじめに紹介する塚田歴史伝説館は、巴波川(うずまがわ)沿いに建ち江戸時代後期から木材の運搬問屋を営んできた塚田家の邸宅を改修した資料館です。
栃木市といえば古き時代の建築と水運が合わさった風景が残る「蔵の街」として知られる場所ですが、川沿いの約120メートルに渡って連なる蔵は、蔵の街栃木市を代表する景観のひとつとなっています。
蔵造りの建物をそのまま活用した資料館では約200点の郷土資料が展示される他、ロボット人形劇「巴波川悲話」も人気の催しとなっていて、訪れた人々を楽しませてくれます。

塚田歴史伝説館
塚田歴史伝説館

所在地:栃木県栃木市倭町2-16
アクセス:栃木駅より徒歩約10分
竣工:1903年(展示館)、1916年(売店及び休憩所)
備考:国登録有形文化財

2.パーラートチギ(旧関根家住宅店舗)

パーラートチギ

パーラートチギ(旧関根家住宅店舗)は、煙草の卸売商を営んでいた関根家が1922年に建てた店舗を改修してつくられたカフェです。
タイル貼りの外壁シンメトリーにデザインされた窓や装飾が取り付くモダンなデザインの建物は、当時としてはまだ珍しかった鉄筋コンクリート造でつくられています。
幾何学的な装飾や直線的なデザインは、当時流行してしたセセッションのムーブメントの影響も見られることが注目ポイント。
また、外観はモダンな西洋風建築ですが、内部は木のぬくもりがある日本風の内装となっていて、陰影豊かな空間でとっておきのカフェメニューを味わえます。

パーラートチギ

詳細記事
・栃木「パーラートチギ」大正時代の建築を改修した素敵なカフェをレポート

所在地:栃木県栃木市倭町11-4
アクセス:栃木駅より徒歩約10分
竣工:1922年(2017年改修)
営業時間:11:00~17:00
定休日:火曜、水曜、木曜
備考:国登録有形文化財

3.好古壱番館(旧安達呉服店)

好古壱番館(旧安達呉服店)

好古壱番館は、元々は安達呉服店の店舗として1923年に建てられ、現在は蕎麦屋として営業を行っている建物です。
蕎麦屋として利用される1階正面は、道路側に張出して住宅部分のバルコニーになっていたり、寄棟のマンサード屋根の下に小さな三角形のペディメントが掲げられていたりと、大正時代らしい自由でモダンなデザインが随所に見られます。
また、店舗の奥には土蔵が連なっていて、洋風の建物そのものが看板のような建築となっているのも面白かったです。

好古壱番館(旧安達呉服店)
好古壱番館(旧安達呉服店)

所在地:栃木県栃木市万町4-2
アクセス:栃木駅より徒歩約12分
竣工:1923年
備考:国登録有形文化財

4.旧綿忠はきもの店

旧綿忠はきもの店

旧綿忠はきもの店は、江戸時代の後期に創業した綿忠の店舗として建てられた建物です。
栃木に残る旧店舗群の中でも一際古い建物は江戸時代の末期に建てられたもので、明治・大正に建てられた店舗に比べてシンプルではありますが、2階の窓や軒などにその特徴が現れています。
現在はお惣菜やお弁当の販売やスイーツが味わえるカフェレストランとなっているので、栃木での建築巡りの際の食事スポットにもピッタリです。

旧綿忠はきもの店
旧綿忠はきもの店

所在地:栃木県栃木市万町4-1
アクセス:栃木駅より徒歩約12分
竣工:江戸時代末期
備考:国登録有形文化財

5.とちぎ山車会館

とちぎ山車会館

とちぎ山車会館は、好古壱番館や旧綿忠はきもの店の向かいに建つ地上2階建ての展示施設です。
コンクリートの端正なデザインが印象的な建物では、県指定有形民俗文化財にもなっている山車を常時展示しながら、迫力の山車や祭りの様子や栃木の歴史や文化を堪能できます。
小さな蔵が立ち並ぶ市内において、市民が集えるオープンスペースをたっぷりと取ったモダンでシンプルな造形の建物が、かえってシンボリックにみえるのがとても面白かったです。

とちぎ山車会館
とちぎ山車会館

設計:乃村工藝社
所在地:栃木県栃木市万町3-23
アクセス:栃木駅から徒歩約12分
竣工:1995年

6.蔵の街市民ギャラリー

蔵の街市民ギャラリー

蔵の街市民ギャラリーは、とちぎ山車会館の北側の敷地に建つ3棟の土蔵を改修して作られたギャラリー、店舗等の複合施設です。
江戸時代に建てられた建物は、2003年からはとちぎ蔵の街美術館として利用されていましたが、2021年に再びリニューアルして蔵の街市民ギャラリーがオープンしました。
2021年リニューアルでは市民も気軽に利用できるの展示室の他、チャレンジショップとして利用できる区画もあり、古き栃木の伝統空間が新しい世代のチャレンジの場となっています。

蔵の街市民ギャラリー
蔵の街市民ギャラリー

所在地:栃木県栃木市万町3-23
アクセス:栃木駅より徒歩約13分
竣工:江戸時代後期(2003年改修)
備考:栃木市有形文化財

7.山本有三ふるさと記念館

山本有三ふるさと記念館

山本有三ふるさと記念館は、蔵の街大通り沿いに建つ栃木市出身の文豪山本有三の記念館です。
山本有三といえば、以前東京三鷹の山本有三記念館をレポートしましたが、ここふるさと記念館では、自筆の原稿や資料の他山本が愛用していた家具や衣服などが展示されていて、より山本の人となりや暮らしぶりを感じることができます。
記念館として建物も含めて整備、保存されているので、歴史ある見世蔵を内部までたっぷりと堪能することができる建築ファン注目の記念館です。

山本有三ふるさと記念館

関連記事
・三鷹「山本有三記念館」大正末期に建てられた素敵な旧邸宅をレポート

所在地:栃木県栃木市万町5-3
アクセス:栃木駅より徒歩約13分
竣工:明治時代
備考:国登録有形文化財

8.下野新聞社 栃木支局

下野新聞社 栃木支局

下野新聞社栃木支局は、蔵の街大通りを北上した所に建つ地元新聞社の支局です。
切妻平入に下屋庇が設けられた構成は江戸時代の商家の特徴をよく表していますが、先ほど紹介した旧綿忠はきもの店が白をベースとした明るいイメージだったのに対して、こちらの建物は黒漆喰塗のシックで重厚な建物となっているのが面白いところ。
新聞社として約四半世紀に渡って活用されているのも注目ポイントで、1878年に創刊された歴史ある新聞社がさらに古い1861年築の見世蔵で運営されているのもユニークです。

下野新聞社 栃木支局
下野新聞社 栃木支局

所在地:栃木県栃木市万町7-5
アクセス:栃木駅から徒歩約14分
竣工:1861年
備考:国登録有形文化財

9.横山郷土資料館

横山郷土館

横山郷土資料館は、巴波川沿いに建つ地元の豪商横山家の資料や美術品を展示する資料館です。
川に向かって右半分で麻問屋を、左半分が銀行を営んでいた両袖切妻造の建物では、当時の名残りを残す帳場をはじめ貴重な資料と空間を楽しむことができます。
また建物奥に進むと回遊式庭園や、大正時代に建てられ、登録有形文化財にもなっている洋館などをみることができるのも注目ポイント。
現在は結婚式や催事の記念撮影にも使われていて、100年以上に渡って受け継がれ地元の人々に愛される建物となっています。

横山郷土館
横山郷土館

所在地:栃木県栃木市入舟町2-16
アクセス:栃木駅より徒歩約18分
竣工:1909年(麻蔵)、1910年(文庫蔵)、大正時代(洋館)
備考:登録有形文化財(洋館)

10.栃木市立文学館

栃木市立文学館

栃木市立文学館は、1921年に建てられた旧町役場を改修して2022年にオープンした文学館です。
淡いグリーンの外観が印象的な建物は、木組みの躯体をそのまま外観に活かしたハーフティンバー様式の建物となっていますが、今回の大改修で可能な限り創建当時のデザインへの復元がなされています。
また、内部は優しい木のテイストを中心にしながらも、白や淡い色の内装と濃い木のコントラストが際立っているのも素敵です。
大正時代の雰囲気を存分に堪能しながら栃木ゆかりの作家や栃木の文化に触れることができる、とっておきの建築&文学スポットです。

栃木市立文学館
栃木市立文学館

詳細記事
・栃木「栃木市立文学館」大正時代の町役場をコンバージョンした文学館をレポート

設計:堀井寅吉または柏分寅雄+藤野兼政
改修設計:佐藤総合計画
所在地:栃木県栃木市入舟町7-31
アクセス:栃木駅より徒歩約20分
竣工:1921年(2021年改修)
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜、祝日の翌日、年末年始
観覧料:
 常設展 一般 220円
 企画展 企画による
備考:国登録有形文化財
2023年度グッドデザイン賞

11.栃木市立美術館

栃木市立美術館

栃木市立美術館は、栃木市立文学館のお隣に建つ地上2階建ての美術館です。
県庁堀の水辺と文学館の洋館に対して、「蔵」をモチーフにデザインされた美術館からは、端正な造形による力強さと重厚さを感じます。
周囲の景観との調和を考えつつ、リズミカルに並ぶ開口部や折り重なるように連なる切妻屋根等が丁寧にデザインされているのも素敵です。
シンプルな建物ではありますが、歴史を超えて受け継がれてきた美術品を守る現代の蔵として、いぶし銀のような魅力を放つ建物となっています。

栃木市立美術館
栃木市立美術館

設計:佐藤総合計画
所在地:栃木県栃木市入舟町7-26
アクセス:栃木駅より徒歩約20分
竣工:2022年
備考:2023年度グッドデザイン賞

12.栃木高等学校

栃木高等学校記念図書館

栃木高等学校は、1896年に開校した栃木県尋常中学校栃木分校をルーツとする公立高校です。
構内には明治時代から大正時代に建てられた記念館(旧栃木県尋常中学校栃木分校本館)、講堂(旧栃木県立栃木中学校講堂)、記念図書館(養正寮/旧栃木県立栃木中学校記念図書館)の3つの建物が残されていています。

栃木高校講堂

シンプルな建物ではありますが、朱と白のコントラストが鮮やかな外装や半円形を描く独特のデザインの窓や装飾など見どころも多く、100年以上前の建物の意匠や様式を今に伝える貴重な歴史遺産となっています。

栃木高校記念館(御聖蹟)

所在地:栃木県栃木市入舟町12-4
アクセス:栃木駅より徒歩約15分
竣工:1896年(記念館)、1910年(講堂)、1914年(記念図書館/養正寮)
備考:国登録有形文化財(記念館、講堂、記念図書館/養正寮)

13.旧足利銀行栃木支店

旧足利銀行栃木支店(蔵の街ダイニング 蒼)

旧足利銀行栃木支店は、昭和初期の1934年に建てられた銀行建築を改修してつくられたレストランです。
和のデザインの近代建築が多い栃木市内において、トスカナ式の柱を備えた古典主義の銀行建築は新鮮に移ります。
一見して石造りの建築に見えますが、実は木造平屋建てで、パラペットの裏には勾配屋根が隠れているのが面白いところ。
現在は高い天井を活かした開放的なレストランとなっていて、絶品のイタリアンや創作料理をいただくことができます。

旧足利銀行栃木支店(蔵の街ダイニング 蒼)
旧足利銀行栃木支店(蔵の街ダイニング 蒼)

所在地:栃木県栃木市万町15-25
アクセス:栃木駅から徒歩約15分
竣工:1934年(2005年移築)
備考:国登録有形文化財
レストランは現在は閉店

14.栃木病院

栃木病院

栃木病院は、日光例幣使街道から1本小道を入った所に建つ地上2階建ての病院です。
栃木市立文学館より少し早い大正時代の初期に建てられた建物は、変化に富んだ屋根とその下に設けられたバルコニー、そしてハーフティンバースタイルの外装が印象的な建物となっています。
ハーフティンバーの木組みは、時には優雅にカーブし、時には織り重なりながら楽しげな雰囲気を演出しているのが印象的で、大正時代らしいモダンさと遊び心が感じられる素敵な建物です。

栃木病院
栃木病院

所在地:栃木県栃木市万町
アクセス:栃木駅より徒歩約20分
竣工:1913年
備考:国登録有形文化財

15.新栃木駅

新栃木駅

最後に訪れた新栃木駅は、1929年に日光線の開通と同時に開業した東武鉄道の駅舎です。
三角屋根と渋い赤白の外装が特徴の駅舎は、間もなく築100年を迎える歴史ある建物でもあります。
簡素なデザインではありますが、蔵を思わせる三角屋根に、左右対象を避けアシンメトリーに配置された開口や駅入口のバランスが見るほどに味わい深い、隠れた栃木のランドマークです。

新栃木駅
新栃木駅

設計:横川定吉
所在地:栃木県栃木市平柳町1-8-18
竣工:1929年

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