建築も楽しい!東京都内のイチオシ美術館15選

当サイトは、アフィリエイト・アドセンス広告を利用しています

今回は、建築も楽しい!をコンセプトに私が訪れた東京都内のおススメ美術館を紹介したいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・東京都内の美術館巡りを写真と文字でレポート
・東京都内の美術館建築の見どころや注目ポイントを解説

スポンサーリンク

1.国立西洋美術館

国立西洋美術館は、戦後フランス政府より寄贈返還された「松方コレクション」を中心に、西洋美術のコレクションを展示する美術館です。
美術館の建築は近代建築の3巨匠ともいわれるフランスの建築家ル・コルビュジエらによって設計され、2016年に世界遺産に登録されたことでも話題となりました。

教会を思わせる光と影の演出から、広場に開いたピロティなどル・コルビュジェの近代建築理論が結晶したような建築は、日本で唯一のコルビュジェ作品としても貴重な建築です。
建物の内外の境界が打ち消されたエントランスから美術館の中に誘われ、西洋の美術史をタイムトリップするような体感ができる素敵な美術館です。

関連記事
・国立西洋美術館ってどんな建築!?建築好きがその秘密を徹底解説

設計者:ル・コルビュジエ+前川國男/前川建築設計事務所
所在地:東京都台東区上野公園
アクセス:上野駅より徒歩約2分
竣工:1959年
開館時間:9:30~17:30(金曜・土曜は20:00まで)
休館日:月曜
備考:世界文化遺産
公式HP:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html

2.東京都美術館

東京都美術館は、1926年に日本初の公立美術館として開館した歴史ある美術館です。
現在の建物は1975年に近代日本を代表する建築家 前川國男によってデザインされたもの。建物の多くを地下に埋めて人工地盤の立体的な広場を配したり、日本の気候に合わせて進化させた褐色の打ち込みタイルなど、60年代後半から70年代前半にかけて前川が実践してきた建築のエッセンスが結実している建築は、建築自体にも見所が満載です。

入場無料の展覧会から話題の企画展まで様々な展覧会やイベントが催されているのも注目ポイントで、上野公園と一体となりながら美術の世界へ誘ってくれる素敵な美術館です。

設計:前川國男/前川建築設計事務所
所在地:東京都台東区上野公園8-36
アクセス:上野駅より徒歩約5分
竣工:1975年
備考:第17回BCS賞
開館時間:9:30~17:30
休館日:第1・第3月曜
備考:第17回BCS賞
公式HP:https://www.tobikan.jp/index.html

3.東京藝術大学美術館

東京藝術大学美術館は、東京藝術大学の有するコレクションや歴代卒業生の作品などを収蔵展示する美術館です。
東京藝術大学の前身である東京美術学校ができたのが1887年でありますが、長い歴史の中で蓄積された収蔵品をじっくりと見学できます。
構内には1800年代に建てられた建築から現代建築まで様々な時代の建築が残っていますが、この美術館の設計は東京藝術大学の教授でもある六角鬼丈氏らが手掛けました。

通常美術館は周りからは閉鎖的になりがちですが、収蔵スペースをコンパクトにまとめつつ建物周囲をオープンに開く美術館は、東京芸術大学とその教授が連携したからこそできる珍しくも素敵な美術館でもあります。

設計:六角鬼丈+東京芸術大学施設課+日本設計
所在地:東京都台東区上野公園12-49
アクセス:上野駅より徒歩約10分
竣工:1999年
開館時間:展示による
公式HP:https://museum.geidai.ac.jp/

4.国立新美術館

国立新美術館

国立新美術館は、六本木に2006年に建てられた延べ床面積約50000㎡を超える日本最大級の美術館です。
この美術館の特徴は常設の展示物を持たず、公募展や企画展といった外部から持ち込まれた美術品を展示する美術館であるということ。
巨大な展示空間を建物東側に集約し、西側に大きくうねるようなガラスのアトリウムを設けることで、日本最大規模の展示スペースの効率的な運用や厳しい環境管理を実現しつつ、「街に開かれた森の中の美術館」というコンセプトを実現しています。

このアトリウムは建築と街だけでなく、屋外と屋内、人工物と自然環境、日常と非日常といった対立する2つの要素を結び付け、緩衝させる中間領域にもなっていて、正に黒川建築の集大成ともいえる美術館となっています。

国立新美術館

詳細記事
・六本木「国立新美術館」環境と共生する圧巻の美術館建築をレポート
ちなみに黒川紀章氏の東京都内のおススメ建築についてはこちらの記事にまとめていますので、黒川氏の建築を訪れる際は是非参考にしてみて下さい。
関連記事
・建築家 黒川紀章がデザインした都内のおススメ作品12選

設計:黒川紀章・日本設計共同体
所在地:東京都港区六本木7-22-2
アクセス:乃木坂駅より徒歩約3分、六本木駅より徒歩約5分
竣工:2006年
開館時間:10:00~18:00
休館日:火曜
備考:第49回BCS賞
2008年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.nact.jp/

5.聖徳記念絵画館

聖徳記念絵画館

続いて紹介する聖徳記念絵画館は、信濃町駅南側の明治神宮外苑に建ち、主に明治天皇に関連した絵画を展示している美術館です。
径約15mのドームを持つ中央部から左右対称の両翼が広がる外観が特徴で、設計は大蔵省の小林正紹の案を元に佐野利器、高橋貞太郎、小林政一といった当時の日本の名だたる建築家が携わっています。
直線的で重厚感のあるデザインからは建築の持つ普遍性を感じますが、前面の水面や周辺の自然とのコントラストも鮮やかで、思わずため息がでてしまうような圧巻の建築でした。

聖徳記念絵画館

設計:小林正紹+佐野利器+高橋貞太郎+小林政一
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町1-1
アクセス:信濃町駅より徒歩約5分
竣工:1926年
開館時間:10:00~16:30
休館日:水曜
入館料(施設維持協力金):500円
備考:重要文化財

6.サントリー美術館

サントリー美術館

サントリー美術館は、赤坂の東京ミッドタウン内にある、日本の古美術を中心とした美術館です。
白い垂直のルーバーで覆われた美術館は、隈研吾建築都市設計事務所がデザインを手掛けています。
スタイリッシュで洗練された東京ミッドタウンの風景の中でも優しく抽象化されたボリュームとどこか懐かしい和モダンな雰囲気を醸し出した美術館は特別な印象を受けます。
美術館の内部も日本古来からある「無双格子」に着想を得た可動式スクリーンをはじめ、光と影の演出が際立っていて、周辺の環境要素を活かした空間が素敵な美術館となっています。

サントリー美術館

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区赤坂9-7-4
アクセス:六本木駅より徒歩約3分
竣工:2007年
開館時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)
休館日:火曜
公式HP:https://www.suntory.co.jp/sma/

7.根津美術館

根津美術館本館は、表参道駅から程なく歩いた所に建つ美術館です。
表参道という都心の真ん中に建ちながら、路地状の通路や軒下空間を巧みに活用し、庭園の緑や空といった自然を巧みに建築と一体化するなど、2000年以降の隈研吾氏のエッセンスが集約さらた美術館となっています。

伝統を意識した純和風のデザインですが、ガラスや金属といった現代的な素材を上手く活用・対比させているのも注目ポイントで、収蔵される美術品だけでなく建築の味わいも一級品の美術館です。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区南青山6-5-1
アクセス:表参道駅より徒歩約10分
竣工:2009年
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜
公式HP:https://www.nezu-muse.or.jp/

8.三菱一号館美術館

Cafe1894

三菱一号館美術館は、1894年に竣工した三菱一号館を復元した美術館です。
かつて丸の内は一丁倫敦(ロンドン)ともいわれ、三菱一号館はその代表的な建築でもありました。三菱一号館は重要文化財への指定も検討されていましたが三菱は1968年これを強行に解体した歴史がありましたが、2009年に完成した再開発に際しては、綿密な調査と材料・工法へのこだわりによって、美術館・商業施設として復元・再生しました。
高層ビルの開発と合わせて整備された建物は、中庭のような広場と共に気軽に訪れられる美術館として再整備されていて、魅力と親しみ溢れる施設群は平日・休日問わす多くの人々で賑わっています。

Cafe1894

設計:三菱地所設計
所在地:東京都千代田区丸の内2-6-1
アクセス:東京駅より徒歩約3分
竣工:2009年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜
備考:第52回BCS賞
公式HP:https://mimt.jp/

Cafe1894

ちなみに三菱一号館美術館の外側には、銀行時代の内装を再現したCafe1894もあるので、訪れた際は是非立ち寄ってみることをオススメします。
詳細記事
・Cafe1894がスゴい!明治の銀行建築を復元したカフェをレポート

9.東京都庭園美術館

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は、目黒駅から程なく歩いたところにある美術館です。
元々は昭和天皇の皇后である香淳皇后の叔父 朝香宮鳩彦王の邸宅として1933年に建てられた宮邸でしたが、1983年より東京都庭園美術館として一般公開され、以降四半世紀にわたって多くの人々に親しまれてきました。
ガラス工芸家ルネ・ラリックによる正面のガラスのレリーフ扉をはじめ、床・壁・天井・照明・建具とどれも一級品ばかり。建物自体が当時のアールデコ様式を今に伝える貴重な歴史遺産でもあり、美術作品でもあります。
また、本館部分だけでなく、芸術家の杉本博司氏がアドバイザーを務めて完成した新館も建築・アート好きとしては大注目です。

東京都庭園美術館

詳細記事
・目黒「庭園美術館」ライトアップされた建築&庭園をレポート

設計:
 本館:宮内省内匠寮工務課+アンリ・ラパン(内装デザイン)
 新館:久米設計+杉本博司(アドバイザー)
 レストラン:久米設計
所在地:東京都港区白金台5-21-9
アクセス:目黒駅より徒歩約5分
竣工:1933年(本館)、2013年(新館)、2018年(レストラン)
開館時間:10:00~18:00
※施設やエリアによって異なる
休館日:月曜
公式HP:https://www.teien-art-museum.ne.jp/

10.東京国立近代美術館

東京国立近代美術館は、皇居の代官町通り沿いに建つ近現代美術を中心とした作品を収集・展示する美術館です。
建物の設計は、東京国立博物館の東洋館や東京駅前の旧中央郵便局などの作品でも知られる建築家 谷口吉郎が手掛けていて、モダニズムと日本の伝統建築が融合したデザインとなっているのが特徴です。
ガラスとコンクリートによるモダンなデザインの中に日本の伝統建築のモチーフやイメージが散りばめられていて、谷口建築の総決算とも言える建築です。
慎重で繊細なデザインと、技術の進歩による大胆な空間構成やダイナミックなデザインが融合した建築は見どころが満載。2001年には坂倉建築研究所の設計による増改修工事が完了し、話題の展覧会が度々催される東京を代表する美術館となっています。

設計:谷口吉郎
改修・増築設計:関東地方建設局営繕部+坂倉建築研究所
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス:竹橋駅より徒歩約4分
竣工:1969年(2001年改修)
開館時間:10:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)
休館日:月曜
備考:第12回BCS賞
公式HP:https://www.momat.go.jp/

11.東京都現代美術館

東京都現代美術館

東京都現代美術館は、木場公園に隣接して建てられた現代アートのための美術館です。
緑あふれる公園内につくられた美術館は、宙に浮くの約160mのガラスのエントランス空間からはじまり、美術館の各空間に接続しているのが特徴です。
時には石や水といった自然要素を組み込みながら、人工物としての建築の魅力が際立つ緻密なデザインを堪能できる日本を代表する現代美術館です。
また、2019年に完了した大規模改修では設備の更新や耐震工事に加え、長坂常氏率いるスキーマ建築計画によってサイン計画がリデザインされているのも注目ポイントです。

東京都現代美術館

設計:柳澤孝彦+TAK建築・都市計画研究所
所在地:東京都江東区三好4-1-1
アクセス:木場駅より徒歩約15分、清澄白河駅より徒歩約10分
竣工:1994年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜
公式HP:https://www.mot-art-museum.jp/

12.渋谷区立松濤美術館

渋谷区立松濤美術館

渋谷区立松濤美術館は松濤の閑静な住宅街の中に建つ美術館です。
弓なりに大きく広がるファサードが特徴的な建物は半分が地中に埋められていて、美術品を展示するギャラリーの他に研究施設やホールを内包しています。
花崗岩の堂々とした外観の中央にあるエントランスを通って中に入ると、建物の真ん中にあけられた光の筒を中心に様々な所室が連続的に配置されていて、小さな小宇宙が広がっています。
音楽会や美術教室などのイベントの他、館内建築ツアーなども行われているので、訪れる際はホームページ等をチェックしてみることをおススメします。

松濤美術館

設計:白井晟一/白井晟一研究所
所在地:東京都渋谷区松濤2-14-14
アクセス:神泉駅より徒歩約5分
竣工:1980年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜
公式HP:https://shoto-museum.jp/

13.すみだ北斎美術館

すみだ北斎美術館は、墨田区生まれであった葛飾北斎を中心とした美術品の保存・展示を行う美術館です。
公園に面した1250㎡程の小さな敷地に建てられた建物は、すみだの風景を反射する鏡面のアルミパネルの外装と、地上レベルにあけられたスリット状の通路が特徴の建物となっていて、浮世絵をはじめとした江戸の美術を堪能することができます。

足元のスリットの中に入っていくと外の鏡面パネルからは一転して、ガラス張りの通路空間が広がっているのもユニークで、平面的な世界から立体的な世界に入りこむかのような体験ができるのも面白いところ。近くに建つ江戸東京博物館もそうですが、巨大な異物も受け入れて街の風景の一部としてしまうという点で、いかにも両国らしい大胆さと粋感をもつ建築です。

設計:妹島和世/妹島和世建築設計事務所
所在地:東京都墨田区亀沢2-7-2
最寄駅:JR総武線両国駅より徒歩約8分、大江戸線両国駅より徒歩約3分
竣工:2016年
開館時間:9:30~17:30
休館日:月曜
備考:第59回BCS賞
公式HP:https://hokusai-museum.jp/

14.世田谷美術館

世田谷美術館は、砧公園の北側エリアに建つ美術館です。
公園の自然に寄り添うように高さを抑えつつ平面立面共に緩やかにカーブし、ボリュームが分散配配置された建築は、砧公園というロケーションの持つポテンシャルを最大限に引き出しています。
公園の自然や自然光を上手く屋内空間に取り入れていて、美術館を巡るだけでドラマチックな空間に幾度も出会うことができます。
エキゾチックなモチーフを引用した各部の造形も魅力的で、単に自然と一体化しただけではない、建築としての美しさも素敵です。

設計:内井昭蔵/内井昭蔵建築設計事務所
所在地:東京都世田谷区砧公園1-2
アクセス:用賀駅より徒歩約17分
竣工:1986年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜
公式HP:https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

15.三鷹の森ジブリ美術館

最後に紹介する三鷹の森ジブリ美術館は、正式名称を三鷹市立アニメーション美術館といい、スタジオジブリの宮崎駿氏が発案して2001年に開館した美術館です。
宮崎さん自身が考える理想の美術館を、宮崎さん自身が書いた断面スケッチを元に設計が行われ、物語の世界に入り込む建築的な工夫が満載の建物となっているのが特徴です。
三鷹の豊かな自然の中に建てられた建物は、建物が自然の谷のようになりながら建物と地形が連なるようにデザインされていて、建築と自然とが渾然一体となった世界観の中でジブリの作品を堪能することができます。

基本構想:宮崎駿
建築設計:日本設計
造園設計:安西デザインスタジオ
所在地:東京都三鷹市下連雀1-1-83
アクセス:三鷹駅・吉祥寺駅より徒歩約15分、バス6分、井の頭公園駅より徒歩約15分
竣工:2001年
備考:日時指定の事前予約制
公式HP:https://www.ghibli-museum.jp/

【読むだけで建築について詳しくなれるイチオシの漫画】

実際に一級建築士の資格を持つ人気R18漫画家が描く、唯一無二の建築漫画が話題になっています。
話ごとに建築のデザインはもちろん、法規や構造、施工や不動産に渡って幅広く扱っていて、建築好きなら毎回ワクワクしながら読めて、建築の知識も吸収できる超おススメ漫画です
Amazonで詳細が読めます

また、当ブログでも漫画のレポートと、漫画と舞台となった亀戸の建築巡りについて紹介していますので、是非併せてご覧ください。
関連記事
・建築本「一級建築士矩子の設計思考」がスゴい!話題の本格建築漫画をレポート

2025年4月17日には「一級建築士矩子の設計思考」第4巻が発売になりましたので、是非チェックしてみて下さいね。


建築学ランキング
にほんブログ村 美術ブログ 建築・建築物へにほんブログ村

↑建築系のブログランキング。よければクリックして応援してもらえると嬉しいです。
建築やデザイン好きな人は、他にも面白いブログや参考になるブログがいっぱいあるので是非見てみてください^^

タイトルとURLをコピーしました