11.カランタ1966

カランタ1966は、1966年に建てられたオフィスビルを一部建替え・一部を共同住宅にコンバージョンしたプロジェクトです。
単なる建て替えやコンバージョンとは違った新しい開発モデルの実践として、既存建物の有効活用と収益の確保を行った上で都市のストリートスケープを一体となったリ・デザインが試みられています。
これからのストック時代にどのような建築の選択肢があるのかを、高い技術力とデザイン力、蓄積されたノウハウを使って実践した野心的な作品です。

改修設計:竹中工務店+日本建設
所在地:東京都目黒区自由が丘1-4-10
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:1966年(2005年改修)
12.Zoff MART 自由が丘店

Zoff MART 自由が丘店は、九品仏川緑道沿いに建つメガネブランドの新店舗です。
鮮やかなブルーの外装とオープンなガラスの開口が印象的な店舗は、これまでのメガネショップのイメージを覆すようなしかけが満載。
アクリル製の氷を敷き詰めた陳列棚や冷蔵ショーケース風の什器などが並ぶ店内は、海外のブランドスーパーを思わせるスタイリッシュなデザインとなっているのも面白いです。

設計:DRAFT
所在地:東京都世田谷区奥沢5-25-11 1F
アクセス:自由が丘駅より徒歩約2分
竣工:2015年
13.奥沢神社

奥沢神社は、駅東側の自由通りを南下したところに建つ室町時代創建の歴史ある神社です。
自由が丘の閑静な住宅街とショップ群を抜けた先にある神社は、限られた大きさの敷地ながら豊かな自然と大きな樹木に囲われていて、境内に足を踏み入れると空気が変わるのを感じることができます。
本殿は1970年に再建されたものですが、こちらの本殿の前に建てられた本堂は2代に渡って後に紹介する九品仏浄真寺に移築されたというのも面白いところ。
また、境内入口の鳥居は戦前の1939年に建てられたもので、秋になると厄除けの大蛇が飾られます。


所在地:東京都世田谷区奥沢5-22-1
アクセス:自由が丘駅より徒歩約6分、奥沢駅より徒歩約5分
竣工:1939年(鳥居)、1970年(本殿)
14.トレインチ自由が丘

トレインチ自由が丘は、自由が丘駅西側の大井町線車庫跡地に建てられた商業、シェアオフィス、スタジオ等の複合施設で、2022年に大規模な改修を経てリニューアルオープンしました。
大井町線に沿って細長く広がる敷地には、西側で合流する九品仏川緑道と一体的に繋がる外部通路がデザインされていて、分棟にして建てられた商業施設の間にフレキシブルなオープンスペースをつくり出しています。
単なる店舗での買い物や飲食だけでなく、休憩したり散策したり、留まったり通過したりと訪れる人が様々な行動をしているのも素敵でした。


改修設計:UDS
所在地:東京都目黒区自由が丘
アクセス:自由が丘駅より徒歩約2分
竣工:2006年(2022年改修)
15.JUNO CAFE JIYUGAOKA

JUNO CAFE JIYUGAOKAは、トレインチ自由が丘の線路を挟んだ斜向かいに建つベーグル専門店です。
小麦粉を中心に限られた素材を練り上げ発酵させたベーグルのように、店内は白を基調としたシンプルで落ち着いたデザインとなっているのが特徴で、その中にグリーンや赤みのかかったアクセント色が散りばめられている内装が素敵です。
客席はテーブル席から半個室のボックス席、テラス席など様々なナチュラルですが、余裕のある配置となっているのも嬉しいポイント。
細かいこだわりや配慮が様々なところに見え隠れする自由が丘の注目建築カフェです。


設計:シロアナ+セキタデザインスタジオ
所在地:東京都世田谷区奥沢7-2-9
アクセス:自由が丘駅より徒歩約4分
竣工:2019年
16.JIYUGAOKA de aone

JIYUGAOKA de aoneは、駅西側の学園通り沿いに建つ地上4階地下2階建てのイオンモールの都市型複合商業施設です。
通りの名前が学園通りですが、元々この場所は地名の元となった自由ヶ丘学園があった場所でもありました。
建物は多くのショップを内包しつつ、路地上の通路や丘のようなオープンスペースが立体的に立ち上がる構成となっていて、周辺環境や地形を巻き込みつつ賑わいをもたらす結節点のような建築となっています。


設計:山﨑健太郎デザインワークショップ+イチケン
所在地:東京都目黒区自由が丘2-15-4
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2023年
17.ガラスのシャッタースタジオ

ガラスのシャッタースタジオは、IDEE SHOPからすずかけ通りをさらに進んだところに建つレストラン兼オーナー住宅です。
作品名の名の通り、2層分の高さの巨大なシャッターが建物の正面と側面に取り付けられていて、シャッターを開くと屋根だけが宙に浮いているような開放的な建物に変化します。
建物の内部と外部の街との境界を曖昧にすることは坂茂氏の作品に共通するテーマですが、さすがに開放的すぎたのかタイミングが合わないだけなのかシャッターを全開にすることは少ないようです。

設計:坂茂/坂茂建築設計
所在地:東京都目黒区自由が丘3-10-18
アクセス:自由が丘駅より徒歩約6分
竣工:2002年
18.大塚文庫

続いて紹介する大塚文庫は、自由が丘の小高い大地に建つ貸ギャラリーです。
建築の設計は国立能楽堂などの建築を手掛けた大江宏が行っていて、和の巨匠といわれた大江氏らしく小さいながら本格的な茶室や、崖や池沿いに建物を建てる「懸造」を再解釈したような構成が特徴的な建築です。
巨匠大江宏の遺作ともなった建築なので、大江建築のエッセンスが詰まった必見作品です。

設計:大江宏
所在地:東京都目黒区自由が丘3-6-25
アクセス:自由が丘駅より徒歩約10分
竣工:1989年
19.旧自由が丘美術館

旧自由が丘美術館は、自由が丘の閑静な住宅地沿いに建つ美術館併設住宅です。
展示品に合わせて設計させた建物は、狭い敷地を上手く活かしながら外部の光や箱庭の緑を取り入れるように工夫されています。
残念ながら現在は美術館は閉館していていますが、2013年からは「Au Praxinoscope」という短編アニメーション専門のストア・ギャラリーになっています。

設計:森田克弥+川又美由喜
所在地:東京都世田谷区奥沢7-13-11
アクセス:自由が丘駅より徒歩約8分
20.九品山 浄真寺

最後に訪れたのは自由が丘駅から徒歩10分程のところにある浄真寺です。
浄真寺は駅名にもなっている「九品仏」の名で親しまれている由緒ある寺院ですが、その名の元になった9体の阿弥陀仏を安置する建物が三仏堂で、なんと300年以上前の1698年に建てられた建築です。
貴重な文化財もいつくも納められているだけでなく、私が訪れた時も何人もの人が丁寧にお参りする姿から長きにわたって地元の人の支えになってきたのだとしみじみ感じました。
また、仁王門も三仏堂より100年ほど後の時代に建てられたものですが江戸時代につくられた建物がそのまま残っていているもので、三仏堂と合わせて必見の建築となっています。

所在地:東京都世田谷区奥沢7-41-3
アクセス:自由が丘駅より徒歩約10分
竣工:1698年(三仏堂)、1793年(仁王門)
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いかがでしたでしょうか。
まさに隠れ建築パワースポットと言えるような知られざる名建築が点在する自由が丘でした。
皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さい。


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