今回は自由が丘駅周辺を建築巡りしてきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
自由が丘といえばおしゃれな街といったイメージがありますが、建築においても黒川紀章やクライン ダイサム アーキテクツ、梵寿綱といった有名建築家がデザインした名建築がひしめく隠れ建築パワースポットでもあるのです。
では早速見ていきたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・自由が丘での建築巡りを写真と文字でレポート
・自由が丘の著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
1.Luz自由が丘

まず初めに紹介するLuz自由が丘は、自由が丘駅の北西エリアに建つ地上8階地下1階建ての複合施設です。
低層の住宅が立ち並ぶ自由が丘において、張り出したボリューミーな低層部とクリアなガラスの高層部によって独特の存在感を示しています。
低層部は「谷」のような切れ目の吹き抜けから裏路地に抜けられるようになっていて、街ゆく人々を自然と内部に誘い込むような仕掛けとなっているのも素敵です。

設計:久米設計
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-6
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2009年
2.パンとエスプレッソと自由形

Luz自由が丘の3階にあるのは表参道の人気ベーカリー「パンとエスプレッソと」の姉妹店である「パンとエスプレッソと自由形」です。
パンの生地のような白い3次元曲線がやわからく包まれるような優しいインテリアとなっていて、デジタル技術を駆使してデザインした新しい建築空間の一端を体験できます。
有機的な曲線を描く家具や、遊び心に溢れた照明など見どころも満載で、建築巡りの合間に休憩を兼ねて訪れるのもおススメのお店です。
店舗と工房を隔てるうねるような曲面の壁はパン作りの現場を垣間見せながらも、見せたくないところはさりげなくカバーされているなど丁寧な配慮が行き届いたデザインとなっているのも素敵でした。


詳細記事
・パンとエスプレッソと自由形がスゴい!建築好き必見のベーカリをレポート【東京自由が丘】
設計:浜田晶則建築設計事務所
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-6
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2017年
3.なんとかプレッソ

合わせて訪れたいのがLuz自由が丘の1階にあるなんとかプレッソです。
なんとかプレッソはパンとエスプレッソと自由形と同時にオープンした販売専門店で、こちらで購入したパンを3階の店舗で頂くこともできます。
ガラス張りの透明なガラスに囲われた店内には雲のようなふわふわと浮かぶ陳列棚がディスプレイされていて、こちらでも浜田晶則氏の目指す有機的でやわらかなデザインが堪能できます。
パンのように不定形でありながら親しみやすさを感じるデザインは、お店の機能やコンセプトとピッタリ一致していて、小さい店舗ながら建築の面白さを体感できる店舗となっています。

設計:浜田晶則建築設計事務所
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-6
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2017年
4.旧also Soup Stock Tokyo

Luz自由が丘の向かいに建つこちらの鉄骨造3階建ての建物は建築家 永山祐子氏がSoup Stock Tokyoの旗艦店として設計した建物です。
ガラスの透明なファサードと角地の2面のサッシを全開にできる開放的なつくりが特徴の建物でしたが、現在はアパレル関係のショップに変わっています。
店舗の内容は変わってしまいましたが、店内に並べられた服がガラスのファサードを通して街に向けてディスプレイされているようで、自由が丘の雰囲気に馴染んでいるように感じました。

設計:永山祐子/永山祐子建築設計
所在地:東京都目黒区自由が丘1-26
アクセス:自由が丘駅より徒歩3分
竣工:2016年
5.ラコルドビル

ラコルドビルは、Luz自由が丘の裏手の路地沿いに立つ地上5階建ての複合施設です。
色の使い方・素材の組み合わせは、一見派手な色を使っているようで妙に調和して見えるのが不思議なビルです。
様々な色や造形を組み合わせつつ、自由が丘の周りのビルとは一味違った個性を発揮しているのが面白い、自由が丘の隠れた注目建築です。

設計:板井宝一郎
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-10
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:1995年
6.KOE HOUSE

KOE HOUSEは、注目の建築事務所であるクライン・ダイサム・アーキテクツの手掛けたライフスタイルショップです。
クライン・ダイサム・アーキテクツといえば代官山の蔦屋書店や中目黒高架下が有名ですが、彼らの建築が自由が丘でも見れるようになった注目作品でしたが、残念ながら2020年に閉店してしまいました。
大きな家型のフレームに3層のフロアを設けて、その中を回遊できるような大胆な構成は新進気鋭の建築家集団らしい大胆さとスタイリッシュさを感じます。
今後この建物がどう使われるか大いに注目です。

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設計:クライン・ダイサム・アーキテクツ
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-19
アクセス:自由が丘駅より徒歩約5分
竣工:2016年
7.ブレース

こちらのブレースは自由が丘駅から程なく歩いた公園に隣接する店舗です。
1980年~90年代初頭に流行したアルミとガラスを使った宇宙船のような外装が特徴の建物で、設計は渋谷の宇田川交番やさいたま新都心駅を設計した鈴木エドワード氏が行っています。
メタリックな外観とはうって変って公園側にはさりげなく大きな開口部が設けられていて、内部は公園の緑を借景にしたり、上空からの取り入れたりと、周辺環境をうまく取り込む工夫がされていることにも注目の建築です。
内装は竣工図書と大分変っていますが、1階は「あえん 自由が丘」というレストランになっているので、一般の人でも気軽に内部空間を堪能できるのもうれしいですね。

設計:鈴木エドワード
所在地:東京都目黒区自由が丘2-8-20
アクセス:自由が丘駅より徒歩約6分
竣工:1989年
8.Lotus Calyx

Lotus Calyxは、KOE HOUSEから北へほどなく歩いた閑静な住宅街に建つ地上3階地下1階建の複合住宅です。
設計を行ったのはこのブログでもたびたび取り上げていて、日本のガウディとも呼ばれる梵寿綱氏です。
他の梵寿綱作品と比べるとだいぶ大人しめなデザインですが、よく見ると床壁天井とその独特なデザインを垣間見ることが出来ます。
防音設備の備わった小ホールや自由が丘の街を一望出来るルーフトップガーデン、光の降り注ぐ中庭など物凄く豪勢で豊かな住環境の建築となっています。

尚、梵寿綱氏の都内の建築についてはこちらの記事にもまとめていますので、興味のある方は是非併せてご覧ください。
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設計:梵寿綱
所在地:東京都目黒区自由が丘2
アクセス:自由が丘駅より徒歩約10分
竣工:1997年
9.バゲットラビット 自由が丘店

baguette rabbit(バゲットラビット)自由が丘店は、名古屋の有名ベーカリーの2号店で、パン屋激戦区の自由が丘においても訪れる人が絶えない人気店です。
「Baguette Museum」をコンセプトにした内装はシックで高級感が溢れるデザインとなっていて、自由が丘の他の店舗と一線を画したオリジナリティを与えています。
ショーウィンドウの向こうに動く石臼やショーアップされたパンをはじめ、店内のいたるところにシェフのこだわりやパン作りへのリスペクトが込められています。

設計:SPACE
所在地:東京都目黒区自由が丘1-16-14
アクセス:自由が丘駅より徒歩約6分
竣工:2018年
10.IDEE SHOP 自由が丘

IDEE SHOP 自由が丘は、オリジナル家具や雑貨などを扱うIDEEの旗艦店で、設計は国立新美術館や中銀カプセルタワーを手掛けた黒川紀章建設都市設計事務所が行っています。
全面ガラス張りの外観は、当初はインテリアショップとして家具の展示に制約がでたり見え方に不自然さが出るなど意見も出たそうですが、内部のパーテーションなどの工夫で解決したそうです。
角地に建っていることもあり、絶えず街と交信している基地のような建築となっています。

設計:黒川紀章建設都市設計事務所
所在地:東京都目黒区自由が丘2-16-29
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2008年