今日は東京都内の建築の素敵なベーカリー巡り第4弾として自由が丘にあるパンとエスプレッソと自由形を訪れてきましたので、その模様と建築をレポートします。
いったいどんなパン屋さんだったのか、早速見ていきましょう!
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・パンとエスプレッソと自由形を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・パンとエスプレッソと自由形の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・パンとエスプレッソと自由形の建築的な見どころや注目ポイント
1.パンとエスプレッソと自由形ってどんなお店?
パンとエスプレッソと自由形(じゆうがた)は表参道の人気ベーカリー「パンとエスプレッソと」の姉妹店で、自由が駅から歩いて3分ほどのところにある商業施設Luz自由が丘の3階に2017年にオープンしました。
名物食パンの「ムー」や「サンド不イッチ」など特徴的なメニューが人気のベーカリーですが、こちらの自由が丘店では雲をイメージしたという独特の内装デザインとなっています。
また、1階にある「なんとかプレッソ」も同じ建築家が同時期にデザインしていて、建築とパンの両方を楽しめる建築パワースポットとしても注目されています。
2.早速潜入!大胆且つ細やかにデザインされたインテリアに注目!
自由が丘からほどなく歩くと今回訪れるベーカリーの入るLuz自由が丘に到着です。
Luz自由が丘は2009年に建てられた地上8階地下1階の複合施設で、低層の住宅が立ち並ぶ自由が丘において、張り出したボリューミーな低層部とクリアなガラスの高層部によって独特の存在感を示している建築です。
こちらの建築は低層部の「谷」のような切れ目から裏路地に抜けられるようになっていて、街ゆく人々を自然と内部に誘い込むような仕掛けが面白い建築で、建築好きとしてはこちらもとても楽しめる作品です。
建物の谷間を入ってすぐのところにある階段を上って3階に向かいます。
階段を上ると早速正面に見えるのが今回訪れるパンとエスプレッソと自由形です。
エントランスからすでに白くうねる不思議な壁が見えて少しテンションが上がります。
店内に入ると早速正面に見えてくるのが、3次元的にカーブする白い壁面です。
こちらの壁はこの店舗の内装のメインアクセントともいえる壁で、テーブルの並ぶイートインコーナーとパン工房の間を仕切っています。
パン屋さんでここまで大胆な内装デザインを取り入れているのはかなり珍しいですが、雲をイメージしたという白い3次元曲線が空間に優しさとやわからさを加えていて、思った以上に奇抜さは感じません。
設計者の浜田晶則氏率いる浜田晶則建築設計事務所はまだ開設して間もない新しい設計事務所ですが、この曲線的なデザインは若手建築家らしく最新のデジタル技術を活用しながらデザインされたそうです。
建築業界ではここ10年くらいの間でBIM(Building Information Modeling)やデジタルファブリケーションといった単語もずいぶん一般化していますが、建築好きからすればそうしたデジタルデザインの技術や手法の実践例としてみてもかなり先駆的で面白いです。
雲をイメージしたという壁面は、パンの生地も彷彿とさせて、小麦から1つのパンが生み出されていくまさに魔法のようなパン作りのイメージとも重なるデザインとなっています。
有機的にカーブしながら開けられた開口部からはパン作りの現場を垣間見せながらも、工房側の見せたくないところはさりげなくカバーされているなどとても合理的かつ丁寧にデザインされていることが伝わってきます。
そうして店内を見てみるとテーブルや椅子などの家具もパンの生地を思わせるような不定形でやわらかい形となっていることに気づきます。
家具は全体で一つの家具にも見えるように連続的なデザインになっていますが、個別にもくっつけたり分けたりしながらフレキシブルに人数を調整できるようになっていて、機能的な側面もよくデザインされています。
天井を見上げると各席の頭上に1つづつ並ぶランプの内側には空が描かれていました。
私が座った席は店内のちょうど真ん中あたりでしたが、可愛い小さな空の下でパンを食べてると思うとちょっとうれしくなります。
空の絵の他にもシェードごとに違ったデザインがされているようで、細かいところまでユーモアと可愛さの両方を持たせてデザインされていることにほっこりしました。
3.思わず写真を撮りたくなる可愛いメニューが沢山
早速席について注文!
今回頂いたのはパンとエスプレッソと自由形の看板メニューである食パン「ムー」をワッフル型に焼いた「チョコムッフル(800円)」です。
普通のワッフルとは一味違う独特の柔らかさのムッフルは、まさにここでしか食べれないものを食べている!という特別感を感じられます。
思わず写真を撮ってしいたくなる盛り付けや、デフォルトで描いてくれるラテアートなど自由が丘のお店らしさを堪能します 笑
こちらは人気メニューのあんバターサンド(260円)。
つぶつぶのあんことバターの組み合わせは王道ですね。
他にも店内を見わたしてみると、アフタヌーンティセットやココアパウダーたっぷりのアイスカプチーノなど見ているだけで幸せになります。
今回はテーブル席でしたが、カウンター席やテラス席もあるようですので、次回訪れたときには他の席も是非味わってみようと思います。
4.1階のなんとかプレッソも注目
パンとエスプレッソと自由形を訪れたら是非合わせて訪れたいのが同じLuz自由が丘の1階にある「なんとかプレッソ」です。
なんとかプレッソは3階店舗と同時にオープンした販売専門店で、ドリンクやパンはこちらでもテイクアウトが可能です。
同じ建物内なので、気軽に寄ることが出来ますし、こちらで購入したパンは3階の店舗で頂くこともできます。
透明なガラスに囲われた店内には雲のようなふわふわと浮かぶ陳列棚がディスプレイされていて、こちらでも浜田晶則氏の目指す有機的でやわらかなデザインが堪能できます。
パンのように不定形でありながら親しみやすさを感じるデザインは、お店の機能やコンセプトとピッタリ一致していて、小さい店舗ながら建築の面白さを体感できる店舗です。
余計なものを可能な限り排除してディスプレイが浮かんでいるようにも見えるデザインは一見の価値ありです。
私は食パン「ムー」の他クロワッサンと明太子サンドをテイクアウトしました。
クロワッサンは甘みを感じる生地がとっても美味しく、まさに定番メニューといった感じ。
大きさはちょっと小さめですが、色んな種類を食べたい人にはぴったりのサイズです。
明太子サンドは思った以上にしっかりとした辛さの明太子が個人的にはハマりました。
ちょっと時間をおいてしまったからなのか、生地はかなり硬くて食べるのに苦労しました 笑
固めのバゲットが好みの人にはお勧めですが、私には硬すぎたので一緒に訪れた人と半分つして完食!
気軽なカフェ気分で立ち寄ったベーカリーでしたが、建築もパンもたっぷり堪能して素敵なベーカリー巡りとなりました。
建築デザインもパンのメニューもどちらもおススメできるベーカリーでしたので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね!
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パンとエスプレッソと自由形
設計:浜田晶則建築設計事務所
所在地:東京都目黒区自由が丘2-9-6
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2017年
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし
公式HP:https://bread-espresso.jp/shop/jiyugata.html
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