高崎市で建築巡り!おススメの名建築10選を紹介

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今回は私が訪れた群馬県高崎市にあるおススメの建築を紹介したいと思います。
実は高崎市は都内からもJR高崎線一本で行ける便利な立地ながら、アントニン・レーモンドや磯崎新、隈研吾氏などをはじめとする有名建築家や設計事務所の作品が集結する建築パワースポットでもあるのです。
いったいどんな建築があるのか、早速見ていきましょう。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・高崎エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・高崎エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・高崎エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説

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1.群馬音楽センター(アントニン・レーモンド)

まず初めに紹介する群馬音楽センターは地元の名士である井上房一郎の依頼により創られた高崎を代表する音楽ホール。
建設資金の約3分の1は市民からの寄付でまかなわれたそうで、今も市民に愛される建築となっています。
その特徴はなんといってもアコーディオンの蛇腹のように壁から屋根まで広がる鉄筋コンクリートの折板構造の構造体です。

折り紙のように、また屏風のように折りたたむことで全体を支える構造は、合理的でありながら内外を見事に繋ぐ独創的な建築をつくりだしています。
内部も柱がほとんどなく、前面のガラス張りのファサードと相まって非常に開放的ですがすがしい空間が体験できます。

設計:アントニン・レーモンド
所在地:群馬県高崎市高松町28-2
アクセス:高崎駅より徒歩約10分
竣工:1961年
公式HP:http://www.takasaki-foundation.or.jp/center/

2.群馬シンフォニーホール (アントニン・レーモンド)

群馬シンフォニーホールは群馬の文化の創造と発展を推進していくことを目的に、群馬音楽センターの南側に建てられた音楽ホールです。
一見して小さな建物に見えますが、1・2階の大ホール、地下の3つの小中ホールを含めて全部で5つのホールがあり、だいぶ古くなった音楽センターの機能を補完しています。

白を基調とした素朴な造形は、シンプルなモダニズム感と、ポストモダンの建築の両方がミックスされいてなんだか愛着が持てます。

設計:レーモンド設計事務所
所在地:群馬県高崎市高松町35-2
アクセス:高崎駅より徒歩約10分
竣工:1990年
公式HP:http://www.takasaki-foundation.or.jp/center/symphony.html

3.高崎市庁舎(久米設計)

高崎市庁舎は群馬音楽センターの向かいに建つ市庁舎です。
高さは約102mで、群馬県内の建築物の高さとしては2番目の高さの建物でもありますが、ロケ地としても有名で「半落ち」や「包帯クラブ」などでも使用されているので、見たことがある方も多いかもしれません。

両端が丸くカーブしているのはビル風を避けるためでもありますが、当時群馬では珍しかった超高層建築に柔らかい印象を与えています。
21階は無料の展望台となっていて、高崎の街を一望したり、群馬音楽センターを上から見ることができるおススメのスポットです。

設計:久米設計
所在地:群馬県高崎市高松町35-1
アクセス:高崎駅より徒歩約10分
竣工:1998年

4.高崎シティギャラリー(久米設計)

高崎シティギャラリーは群馬音楽センターと道を挟んだ向かい側に建つギャラリー、市民ホール、図書館、広場が一体となった複合施設です。
私が訪れた時は広場は閑散としていましたが、地形と一体となりながら地表に顔を出す建物は古代の遺跡のようなカッコよさがあります。

随所に1990年代前半らしい豪華で盛大なデザインが見られるのも特徴。
バブル期が残し、失われた20年を経て残り続ける遺跡として見ても面白い建築です。

設計:久米設計
所在地:群馬県高崎市高松町35-1
アクセス:高崎駅より徒歩約10分
竣工:1994年
公式HP:http://www.takasaki-foundation.or.jp/gallery/

5.高崎市美術館(高崎市建築住宅課+群馬県建築設計センター)

高崎市美術館

高崎市美術館は美術館通りと観音通りが交差する五差路の角地に建つ美術館です。
コンクリート打ちっ放しの建物は角側はアールがかったシンボリックで清々しいデザイン観音通り側はガラスブロックによる柔らかな表情のデザインエントランス付近は素材を分割したヒューマンスケールなデザインなど、細かい工夫が沢山されています。

交差点の向かいの建物も、美術館の外観と呼応するようなアールのデザインになっているのも面白くて、派手さはないものの街のデザインを牽引する美術館になっているようでした。

高崎市美術館

また、美術館に併設して建つ旧井上房一郎邸は、アントニン・レーモンドが設計した「笄町の自邸」を再現して建てられた建築。レーモンドの許可を得て、現地を実測して建てられた邸宅は今となっては貴重な建築遺産。
美術館のチケットで内部も見学できますが、事前予約制と知らずにこの日は見学できませんした。残念過ぎましたが、次回訪れた時には是非内部も見てみたいと思います。

高崎市美術館

設計:高崎市建築住宅課+群馬県建築設計センター
所在地:群馬県高崎市八島町110-27
アクセス: 高崎駅より徒歩約3分
竣工:1991年
備考:第4回たかさき都市景観賞

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6.森の光教会(隈研吾)

森の光教会

高崎駅の東口を少し南下したところにある森の光教会は今を時めく建築家隈研吾氏がデザインした教会です。
タイトルの通り「森の中の光」をコンセプトにした教会は、一面が木の素材で囲まれていて、上部の天窓からは刻々と変わりゆく自然光が内部に差し込みます。

チャペルと言えば通常は厳密な左右対称の空間をすることが多いですが、そうした固定観念を作家性と空間演出で覆すのは隈研吾氏ならではです。
最大の高さは約14mとかなりの高さがあるはずですが、斜めに傾斜する外装から圧迫感はあまり感じなく、シンボリックな外観が街に対してアピールしているのも興味深かったです。

森の光教会

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:群馬県高崎市栄町27-21
アクセス: 高崎駅より徒歩約5分
竣工:2016年
公式HP:http://cheztaka-takasaki.jp/morinohikari/

7.高崎芸術劇場(佐藤総合計画)

高崎芸術劇場

高崎芸術劇場は群馬音楽センターをはじめ様々な建築とアーティストがつくり出してきた「音楽のある街」高崎の文化を創造・発信する劇場として2019年に建てられた劇場です。
2000席を超える大劇場、ライブ、演劇、能などの多様な催しが可能なスタジオシアター、スタジオやレッスンルームを備える施設は関東でも最大級。

「賑わいのスクリーン」をコンセプトにしたガラス張りの外装は、前面道路に対して劇場内のアクティビティを映し出す巨大なスクリーンの役割も担っています。
クリアなガラスの箱の中を横断するように配置されたエスカレータやホワイエなどの動線も迫力満点で、浮足出つような非日常の空間を演出しています。

高崎芸術劇場

設計:佐藤総合計画
所在地:群馬県高崎市栄町9-1
アクセス: 高崎駅より徒歩約5分
竣工: 2019年
公式HP:http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/

8.群馬トヨタビル・イーストパーク(大江匡)

群馬トヨタビル・イーストパークは高崎駅の駅前すぐのところに建てられた群馬トヨタの本社ビルと立体駐車場です。
正面の1・2階がガラスの吹き抜けのショールームとなっていますが、ブラウンとグレーの色使いといい、下階がガラスで浮いていて上階がオフィスの構成といい、以前紹介しSANKYO新東京本社ビル(大江匡)との数多く共通点があるのも面白いです。

ちなみに渋谷のSANKYO新東京本社ビルはこの建築の2年後に建てられていて、この時期の大江建築の特徴がよく表現されています。

設計:大江匡/プランテック総合計画事務所
所在地:群馬県高崎市東町80
アクセス:高崎駅より徒歩約3分
竣工:1996年

9.高崎駐車場(隈研吾)

高崎駐車場はJR高崎駅の線路敷のすぐ脇に立つ約1000台収容の立体駐車場です。
プレスキャストコンクリート板と曇りガラス板がランダムに並べられており、近くを通りかかった誰もが目を引く建築となっています。
茶色のルーバー状の部材が全面に貼り付けられている様は、この時期の隈研吾さんらしさが全開で、後の様々な建築でも試されていくデザインソースの原型でもあります。

ルーバーの向きは、よく見ると方角や建物との関係でランダムな中にも理由があったりして、現地に観に行った際はゆっくり考えながら鑑賞するのが楽しい建築です。
地元の人ならだれもが知っている建築ですが、まさか18年後にこの設計者がオリンピックの国立競技場を設計するなんて思いもよらないでしょうね。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:群馬県高崎市旭町34-1
アクセス:高崎駅より徒歩約3分
竣工:2001年

10.群馬県立近代美術館(磯崎新)

最後に紹介する群馬県立近代美術館は磯崎新の代表作でもある美術館です。
当初は群馬音楽センターの設計者であるアントニン・レーモンドに設計を依頼するという話もありましたが、様々な経緯を経て当時新進気鋭の建築家だった磯崎新が設計することになりました。
建物は1.2mを基準とした立方体がすべての基準となっていて、そのモジュールに沿ってすべての寸法が規定されているのが隠れた注目ポイント。このモジュールを用いる ことで極力建築家個人の「手垢」を残さず、完璧な空間の創出が試みられています。

また、この建物は増殖する立方体という考えの元、二度に渡って増築がなされています。メタボリズム建築の多くが変化しなかったのに対して、理論は違いますが時間の流れに合わせてきちんと変化している点も面白い美術館です。

設計: 磯崎新/磯崎新アトリエ
所在地:群馬県高崎市綿貫町992-1
アクセス:高崎駅下車よりバスにて25分
竣工:1974年
公式HP:http://mmag.pref.gunma.jp/

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いかがだったでしょうか。
建築パワースポットの高崎の建築はどれも実際に見てみて満足する建築なので、気になる方はぜひ足を運んでみて下さい。

※料金や利用時間等は記事執筆時点のものですので、訪れる際は最新の情報を公式HP等でご確認ください。


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