パビリオン・トウキョウが面白い!都内に現れた注目アートを全作品レポート【東京】

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7.雲のパビリオン/第1会場(藤本壮介)

雲のパビリオン

続いて訪れたのが代々木公園の中に建つ雲のパビリオンです。
雲のパビリオンは第1会場の代々木公園と第2会場の高輪ゲートウェイ駅の2つのスポットに展示されています。
設計者の藤本壮介氏が「とてつもなく大きく、さまざまなものをすべて包み込んでしまう究極の建築」であり、憧れのような存在だと語る雲のパビリオンは、代々木公園の風景によく映えていました。

雲のパビリオン

見学して興味深かったのは、代々木公園を通りかかった子供がもれなくこのパビリオンの下に駆け込んでいたこと。
建築と自然の境界のような建築の下に、確かに空間の存在を感じ取って、はしゃぐ子供の姿が本当に可愛かったです。
一方で、その子供を見てスマホで写真を撮るお母さんにはこのパビリオンは見えていないようで、「アップもいいけど、もう少し引いてパビリオンも入れて撮ると絶対いい写真になるよ!」という私の心の声は届かず 笑
いずれにしても建築やアートについて考え直すとても興味深い体験となりました。

デザイン:藤本壮介
所在地:東京都渋谷区代々木神園町、神南2代々木公園内
アクセス:原宿駅徒歩約3分、明治神宮前(原宿)駅徒歩約3分
竣工:2021年

ちなみに東京都内で藤本氏の建築を見るのであれば、表参道ブランチーズがおススメです。
ブランチーズ(枝)の名の通り、白い枝のようなフレームが立体的に交差して先端に植物が植えられた外観はインパクト大です。
白く不定形な形や、外部と内部の中間領域など雲のパビリオンとの共通点にも注目の建築です。

表参道ブランチーズ
表参道ブランチーズ

■表参道ブランチーズ
設計:藤本壮介/藤本壮介建築設計事務所
所在地:東京都渋谷区神宮前6-13-3
アクセス:原宿駅徒歩約15分、表参道駅徒歩約5分
竣工:2014年

8.雲のパビリオン/第2会場(藤本壮介)

雲のパビリオン

代々木公園のパビリオンと対になるように建てられたのは高輪ゲートウェイ駅の改札内に建てられた雲のパビリオン。
高輪ゲートウェイ駅と言えば建築家の隈研吾氏がデザイン監修を務め、白い幕の大屋根が特徴的な建築でもあります。
このパビリオンのデザインに当たっては、世界中の様々な人の上に浮かび、移動する雲が「世界の大屋根」であることから着想を得たというのも興味深いです。

雲のパビリオン

代々木公園とは全く違うロケーションにもかかわらず、こちらの高輪ゲートウェイ駅でも屋根だけが浮かぶようなデザインやカラースキームなどがピッタリマッチして見えることもとても面白かったです。

デザイン:藤本壮介
所在地:東京都港区港南2-1-220
アクセス:高輪ゲートウェイ駅改札内
竣工:2021年

ちなみに高輪ゲートウェイ駅の建築についても、こちらの記事で詳しくレポートしていますので興味のある方は是非合わせてご覧ください。
関連記事
・高輪ゲートウェイ駅を見学!隈研吾氏による建築デザインのポイントを解説【東京高輪】

9.水明(妹島和世)

水明

汐留の浜離宮恩賜庭園の中に作られたのは建築家妹島和世氏がデザインした水明です。
浜離宮恩賜庭園は江戸時代に今の汐留の湾岸部つくられ、様々な水場や水に関連する風景が特徴的な庭園。ここに妹島氏がデザインしたのは平安時代の庭園にあった「曲水」と呼ばれる水路をモチーフにしたパビリオンです。

水明

汐留といえば、再開発によってガラスの超高層ビル群が立ち並ぶオフィス街となっていますが、直線的に垂直に伸びるガラスのオフィス群と、水平方向に曲線的に広がる水のパビリオンの対比がとても印象的でした。
また、私が訪れたのは雨の日だったのですが、雨の波紋が静かに広がる姿はこの建築をより魅力的にしてくれていました。

水明

妹島氏といえば、ガラスやアルミ、鏡といった素材を使って建築の存在感を消し去るような作品を数多く手がけてきた建築家。
地面に流れる水面だけとなったパビリオンはそんな妹島氏の作品の1つの極致のようにも見えて、とても面白かったです。

デザイン:妹島和世
所在地:東京都中央区浜離宮庭園 浜離宮恩賜庭園内
アクセス:築地市場駅徒歩約7分、汐留駅徒歩約7分
竣工:2021年
鑑賞時間:10:00~17:00(要事前予約)

東京都内で妹島氏の建築を見るのであれば、両国のすみだ北斎美術館がおススメです。
すみだ北斎美術館は鏡面のアルミパネルの外装と、スリット状の通路が特徴の建築で、スリットの中に入っていくと外の鏡面パネルからは一転して、ガラス張りの通路空間が広がる不思議な美術館です。
全面の鏡面パネルが周囲の風景を映し出して、巨大な建築を環境に溶け込ませている姿は一見の価値ありです。

すみだ北斎美術館

■すみだ北斎美術館
設計:妹島和世
所在地:東京都墨田区亀沢2-7-2
最寄駅:JR総武線両国駅徒歩約8分、大江戸線両国駅徒歩約3分
竣工:2016年

10.木陰雲(石上純也)

木陰雲

最後に紹介する木陰雲は1927年に建てられた旧山口萬吉邸(現九段kudan house)の庭園につくられたパビリオンです。
焼き杉の技術を用いて表面を炭化させた柱と屋根が植栽や池、石畳とリンクしながら庭全体を覆っている様は、この世のものとは思えないほど幻想的でした。

木陰雲

旧山口萬吉邸は木子七郎、内藤多仲といった日本の近代建築界をリードした建築家によってデザインされた邸宅で、和洋折衷の様々な諸室や庭に面したスクリーンポーチが特徴の歴史的建造物。今回夏の期間だけに新築されたパビリオンですが、炭化して黒く落ち着いた見た目は、まるで何十年も前からそこにあったかのようです。

木陰雲

実際に訪れてみて驚いたことは庭園内でははっきりと鳥の鳴き声が聞こえたこと。何十年も前から続く庭園やすぐ近くに靖国神社の大自然があるということもありますが、実は普段は無意識のうちに自然の声をシャットアウトしていただけなのかな、などと考えながらパビリオン内を散策しました。
改めて空間や光、影の持つ力を体験させてくれるパビリオンは、今回訪れたパビリオンの中でもトップクラスの空間体験が味わえました。

デザイン:石上純也
所在地:東京都千代田区九段北1-15-9
アクセス:九段下駅歩約5分
竣工:2021年
鑑賞時間:10:00〜18:00

いかがでしたでしょうか。
2021年の夏しか見れない特別な東京の風景。是非皆さんの見学の参考、またはバーチャルパビリオン見学としてお楽しみいただければと思います。


↑藤本壮介さんについて詳しく知りたい人にはこちらの書籍がおススメです。
「Sou Fujimoto Architecture Works 1995-2015」(Amazonで見る)

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