今日は愛知県の名古屋駅周辺で私が訪れたオススメ建築について、30作品に厳選してレポートしたいと思います。名古屋駅周辺には戦前に建てられた貴重な近代建築から、著名な建築家の作品まで幅広く点在する建築パワースポット。
今日はそんな名古屋の建築をたっぷりと紹介したいと思いますので、建築巡りの参考やバーチャル建築ツアーとしてお楽しみ下さい。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・名古屋駅周辺エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・名古屋駅周辺エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・名古屋駅周辺エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.JRセントラルタワーズ(JRセントラルタワーズ設計共同企業体)
まず初めに紹介するは、名古屋駅直結の駅ビル JRセントラルタワーズです。
地上53階地下4階建て、高さ約245mの建物には駅施設の他、商業、ホテル、オフィス、ホール、展望台、駐車場といった様々な機能が立体的に詰め込まれていて、名古屋駅の玄関口を象徴する建物となっています。
限られた敷地の中に様々な用途を詰め込みつつ、デザイン面では直線と曲線、水平と垂直、滑らかさと深い陰影といった多彩なボキャブラリーが融合しているのが魅力的な建物です。
デザインコンサルタント・アーキテクト:ユージーン・コーン/コーン・ペダーセン・フォックス
設計:JRセントラルタワーズ設計共同企業体(大成建設+坂倉建築研究所+東海旅客鉄道)
所在地: 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4
アクセス:名古屋駅直結
竣工:1999年
公式HP:https://www.towers.jp/
備考:第43回BCS賞特別賞
2001年 グッドデザイン賞
2002年 日本建築学会作品選集
2.名古屋近鉄ビル(坂倉準三)
名古屋駅の東口を出てすぐのところに建つ名古屋近鉄ビルは、戦後日本を代表作する建築家坂倉準三氏が手掛けた百貨店ビルです。
坂倉準三氏といえば、近代建築の3巨匠の一人ル・コルビュジェに師事した建築家でもありますが、ピロティやブリーズソレイユ(垂直ルーバー)風のサッシュなどコルビュジェの影響を色濃く感じるのも面白いところ。
半世紀以上前に建てられたとは思えないほど、まだまだ現役で名古屋の最前線で魅力を放ち続けています。
設計:坂倉準三/坂倉建築研究所
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅1-2-2
アクセス:名古屋駅徒歩約1分
竣工:1966年
3.大名古屋ビルヂング(三菱地所設計)
大名古屋ビルヂングは、名古屋駅前の交差点に面して建つ商業・オフィスの複合施設です。
大名古屋ビルヂングといえば1965年に建てられた初代の建物が長らく名古屋駅前のランドマークとして定着していましたが、2015年に元のビルと同じ三菱地所設計によって建て替えられました。
低層部は元のビルのシルエットが継承されていて、全面にガラスを使ったデザインはまるで宝石のようにも見えます。
ちなみに低層部正面のガラスのデザインは、2021年の東京オリンピックのエンブレムを手掛けたデザイナーの野老朝雄氏によるもので、夜には一際美しく輝いていました。
設計:三菱地所設計
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅3-28-12
アクセス:名古屋駅より徒歩約1分
竣工:2015年
備考:第48回中部建築賞
第24回愛知まちなみ建築賞
4.ミッドランドスクエア(日建設計)
大名古屋ビルヂングからすぐのところに建つミッドランドスクエアは地上47階地下6階建ての商業、オフィス、映画館等の複合施設です。
有名ブランドショップを始めとする洗練されたデザインの店舗群も注目ですが、さらに注目したいのが足元に設けられたパブリックアートやパブリックスペース、都市の延長のようなアトリウムといった都市的な要素。スタイリッシュで現代的なデザインだけでなく、街と建築の関係をしっかりと考え、それを実際に提供していることにはとても好感が持てる建物です。
設計:日建設計
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1
アクセス:名古屋より徒歩約1分
竣工:2007年
備考:2007年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.midland-square.com/
5.モード学園スパイラルタワーズ(日建設計)
名古屋駅東口の名駅通りを南下したところに建つモード学園スパイラルタワーズは、地上36階地下3階建て、高さ約170mの専門学校です。
モード学園といえば東京在住の人であれば新宿のコクーンタワーを思い浮かべる人が多いですが、まさに建物全体がスパイラル状に起ち上がるスパイラルタワーズもコクーンタワーに勝るとも劣らない大胆なデザインです。
学生のエネルギーが絡まりながら上昇するイメージを具現化したというデザインは、構造・設備的な合理性とも融合しながら計画されていて、学園をアピールしつつ学生を惹き付ける魅力的な建築となっています。
設計:日建設計
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅4-27-1
アクセス:名古屋駅より徒歩約3分
竣工:2008年
備考:第20回JSCA賞作品賞
2008年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.mode.ac.jp/nagoya
6.グランドメゾン御園座タワー(隈研吾建築都市設計事務所)
グランドメゾン御園座タワーは100年以上に渡って名古屋の文化・芸能を支えてきた老舗の劇場の建替えプロジェクトによって生まれた劇場、集合住宅、商業施設の複合建築です。
建替えに当たっては約300戸の分譲住宅によって建替え資金を確保しつつ、日本を代表する建築家である隈研吾氏が設計を手掛けたことでも大きな話題となりました。
旧劇場にも使われていた「なまこ壁」と呼ばれる伝統的なデザインを現代的にデザインした外装や、祝祭性を感じる朱色のカラーなど、これまでの伝統を引き継いだ新たなデザインが魅力的な建築です。
1階には御園小町と呼ばれるフードコートや、絶品のひつまぶしが食べられる名店鰻う おか冨士などが入っていて、訪れた際には是非その味を堪能してみてほしいおすすめスポットです。
御園座タワーについてはこちらの記事で詳しくレポートしていますので、興味がある方は是非合わせてお読みください。
詳細記事
・御園座タワーがスゴい!隈研吾氏デザインの注目建築をレポート【愛知県名古屋】
設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:愛知県名古屋市中区栄1−10−5
アクセス:伏見駅より徒歩約1分
竣工:2017年
7.碧海信用金庫御園支店(隈研吾建築都市設計事務所)
御園座タワーの隣の街区に建つ碧海信用金庫御園支店も同じく隈研吾氏が設計を手掛けた建築で、近年このエリアが建築好き必見のエリアになりつつあります。
ガラス張りの外装にランダムに取り付けられた木調のルーバーは、建物のボリュームを適度に分節しつつ、ランドマーク性も確保する隈研吾氏得意のデザインです。
最上階まで伸びる木のルーバーは、外から見ると変化に富んだ陰影を、建物内部には木漏れ日のような光の効果を生み出しています。
設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:愛知県名古屋市中区栄1-11-15
アクセス:伏見駅より徒歩約2分
竣工:2017年
8.旧大栄ビルヂング(ポール・ルドルフ+山下司+納賀雄嗣)
碧海信用金庫御園支店から道路を渡ってすぐの雑居ビルの合間に建つ旧大栄ビルヂングは、アメリカの著名な建築家であるポール・ルドルフ氏が手掛けた建築マニア必見の建築です。
ポール・ルドルフ氏といえば、素材の荒々しさや冷酷さを際立たせるブルータリズムの建築家。
まさにこの旧大栄ビルヂングも荒々しく素材そのもの力強さを感じるコンクリートや、鋭利な金属パイプが並ぶ立面などにその特徴が顕著に現れていて、その建築思想を存分に味わうことができます。
設計:ポール・ルドルフ+山下司+納賀雄嗣
所在地:愛知県名古屋市中区栄2-9-5
アクセス:伏見駅より徒歩約2分
竣工:1973年
9.名古屋市科学館(日建設計+名古屋市)
名古屋市科学館は、ギネスにも認定された世界最大のプラネタリウムの球体が特徴の科学館です。
こうした空中に浮かぶ球体のプラネタリウムは特にバブル期以降、日本各地に建設されますが、まさか2010年代に建設されるとはちょっと驚きました。
そうはいっても実際に見る巨大な球体はインパクト抜群で、わかりやすい驚きとランドマーク性をもっています。
緑化された壁面は公園の緑と連続するようにデザインされていて、より巨大な球体を浮き上がらせるような演出になっているのも注目ポイントです。
設計:日建設計
所在地:知県名古屋市中区栄2-17-1
アクセス:伏見駅より徒歩約4分
竣工:2011年
公式HP:http://www.ncsm.city.nagoya.jp/
10.名古屋市美術館(黒川紀章)
名古屋市美術館は、名古屋市科学館と同じく白川公園の中に建つ美術館です。
設計を手掛けたのは建築家の黒川紀章氏ですが、愛知県は黒川氏の出身地ということもあり、名古屋市には今回巡った名古屋駅周辺エリアだけで黒川氏の建築が4作品もあります。
一層分のボリュームを地下に納め、公園の環境を段階的に取り込む中間領域のデザインや、水盤や光を使った演出からは、黒川氏が生涯に渡って追求した共生の建築の思想をしっかりと感じることができます。
幾何学的なデザインも日本の伝統をはじめとする様々な要素から引用されていて、引用元をあれこれ想像しながら巡るのも楽しい建築です。
設計:黒川紀章/黒川紀章建築都市設計事務所
所在地:愛知県名古屋市中区栄2-17-25
アクセス:伏見駅より徒歩約5分
竣工:1987年
備考:第4回世界建築ビエンナーレ銀賞受賞
公式HP:http://art-museum.city.nagoya.jp/
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