11.NAGOYA FLAT(クライン・ダイサム・アーキテクツ)
白川公園から東に程なく歩いたところに建つNAGOYA FLATは、クライン・ダイサム・アーキテクツが設計を手掛けた店舗兼集合住宅。
クライン・ダイサム・アーキテクツは伊東豊雄事務所出身の2人の建築家が立ち上げ、代官山の蔦屋書店や表参道のキュープラザ原宿など、外観デザインを得意としているのが特徴の事務所。
NAGOYA FLATでも狭小地の集合住宅という限られた条件の中で、海外出身の建築家らしい大胆さと日本的な儚さや繊細さを両立させている名古屋の隠れた注目建築となっています。
設計:クライン・ダイサム・アーキテクツ
所在地:愛知県名古屋市中区栄3-23-24
アクセス:伏見駅より徒歩約6分、矢場町駅より徒歩約3分
竣工:2004年
12.HASE-BLDG.1(シーラカンスアンドアソシエイツ)
NAGOYA FLATから南に少し移動して、名古屋高速の高架の向かい側に建つのは地上6階建てのテナントビルHASE-BLDG.1です。
まるで蜂の巣のような立面デザインは、正面から見ると整形な開口部ですが、通りから見ると斜めの立体的な表情となるのが面白いデザインです。
大胆さな造形でインパクトも大きいですが、現地で見てみると不思議と前面の並木とも調和して見えるのがとても面白かったです。
設計:シーラカンスアンドアソシエイツ
所在地:愛知県名古屋市中区大須3-5-13
アクセス:伏見駅より徒歩約7分、矢場町駅より徒歩約3分
竣工:2016年
公式HP:https://hase-bldg.com/
13.HASE-BLDG.8(シーラカンスアンドアソシエイツ)
HASE-BLDG.8は、HASE-BLDG.1の2年前につくられた地上4階建てのテナントビルです。
こちらの建物もジグザグと立体的に積層するコンクリートの躯体が特徴な建築で、一度見たら忘れられないインパクトをもっています。
コンクリートの隙間から見え隠れする内部が魅力的で、思わず中を除いてしまうのは恐らく狙い通りなのでしょう。
小さな建築ですが、この建築から名古屋後で新しい文化をつくり、活気あふれる街を実現していく気概がひしひしと伝わってきます。
設計:シーラカンスアンドアソシエイツ
所在地:愛知県名古屋市中区大須3-2-17
アクセス:伏見駅より徒歩約7分、矢場町駅より徒歩約3分
竣工:2014年
公式HP:https://hase-bldg.com/
14.伊勢木本社ビル−Stairway to Heaven−(竹山聖)
伊勢木本社ビルは、建築家竹山聖(きよし)氏率いるアモルフが設計を手掛けたオフィスビルです。
竹山氏といえばOXY乃木坂やTERRAZZA青山といったコンクリート造の造形的な建物が多い印象ですが、伊勢木本社ビルもそんな竹山氏の作風がよく表れた建築です。
先日、東京乃木坂のOXY乃木坂を見学した際は当初のデザインから大きく改修されていて残念な思いをしましたが、OXYにも共通する半円形のコンクリートが立ち上がるこちらの建物は竣工当時からあまり変わっていないようです。
副題が天国への階段というのは正面の階段のことでしょうが、すごい名前ですね 笑
設計:竹山聖/アモルフ
所在地:愛知県名古屋市中区栄3-25-17
アクセス:伏見駅より徒歩約6分、矢場町駅より徒歩約2分
竣工:1992年
備考:平成5年度名古屋市都市景観賞
15.ナディアパーク(大建設計+名古屋市)
ナディアパークは、名古屋市栄の中心地に建つ商業、オフィス、ホール等の複合施設です。
建物は地上12階地下4階建て高さ約70mのデザインセンタービルと、地上23階地下4階建て高さ108mのビジネスセンタービルで構成されていて、2つの建物は巨大なアトリウムによって接続されています。
1990年代らしい巨大でメカニックなデザインは今見るととても新鮮でカッコよく、名古屋の街を活性化する基地の心臓部のようにも見えます。
設計:大建設計
所在地:愛知県名古屋市中区栄3-18-1
アクセス:伏見駅より徒歩約6分、栄駅より徒歩約4分、矢場町駅より徒歩約3分
竣工:1996年
備考:第39回BCS賞
第29回 中部建築賞
平成9年度 名古屋市都市景観賞
公式HP:http://www.nadyapark.jp/
16.セントライズ栄(安藤忠雄+三菱地所設計)
ナディアパークから北に程なく歩いたところに建つセントライズ栄は、建築家の安藤忠雄氏がデザインを手掛けた店舗やオフィスの複合施設です。
地上12階地下2階建ての建物は、シックで落ち着いたデザインですが、フロアごとに均等に割られた外装は、どこか日本らしいミニマムで凛とした印象を受けます。
経済性と効率性を重視した建物ではありますが、鉄骨をそのまま使った手すりや開口部の割り方など安藤氏の作品に共通するデザインがいくつも忍んでいるのが面白いです。
ちなみに少し前までJ ROOMという安藤氏が設計したテナントビルがすぐ近くに建っていましたが、残念ながら現在は解体されてしまっていて、こちらのセントライズ栄が私の知る限り名古屋の中心地で見られる唯一の安藤建築となっています。
設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所+三菱地所設計
所在地:愛知県名古屋市中区栄3-3-21
アクセス:伏見駅より徒歩約6分、栄駅より徒歩約3分、矢場町駅より徒歩約6分
竣工:2010年
17.ARK栄ビル(黒川紀章)
錦通り沿いに建つARK栄ビルは、建築家黒川紀章氏が設計した地上8階地下2階建てのテナントビルです。湾曲した立面が、まるで都市にできた谷間のように建物と都市の間を貫いているのが特徴で、低層部では街の人々を引き込むようなオープンスペースが設けられています。
幾何学的な図形を多用したデザインは同時期の黒川氏の作品に共通する手法ですが、今見ても周りのビルと比べても一際個性が際立っていました。
設計:黒川紀章/黒川紀章建築都市設計事務所
所在地:愛知県名古屋市中区錦3-22-7
アクセス:栄駅より徒歩約3分
竣工:1988年
18.ルイ・ヴィトン名古屋栄店(青木淳)
錦通りと久屋大通公園が交差する場所に建つルイ・ヴィトン名古屋栄店は、建築家の青木淳氏が設計を手掛けた商業施設です。
青木淳氏がといえば、表参道や六本木、ニューヨークや銀座など数々のルイ・ヴィトンの店舗のデザインを手掛けていますが、その最初の建築がコンペで勝ち取った名古屋栄店でした。
2枚のガラスの重なりがつくり出すモアレが浮かび上がる四角いボリュームは圧倒的に美しく、特別でどこか浮足立ったイメージを見事に建築で表現していました。
設計:青木淳/青木淳建築計画事務所
所在地:愛知県名古屋市中区錦3-16-17
アクセス:栄駅より徒歩約1分
竣工:1999年
19.オアシス21(大林組)
オアシス21は、栄駅前に建てられた商業施設、バスターミナル、都市公園などの複合施設です。
地下鉄を含む地下街と地上とが楕円形に開けられた大きな穴によって繋がれていて、その穴を覆う象徴的な大屋根は今や名古屋のランドマークとなっています。
水盤と水盤に反射した光によって揺らめく建築は別名「水の宇宙船」ともいわれていて、まさに都市のど真ん中に現れたオアシスのようです。
昼間だけでなく夜の姿も必見なので、昼間だけだなくぜひ夜の姿も体験してほしい建築です。
設計:大林組
所在地:愛知県名古屋市東区東桜1-11-1
アクセス:栄駅より徒歩約1分
竣工:2002年
備考:2003年度グッドデザイン賞
公式HP:http://www.sakaepark.co.jp/
20.久屋大通公園(大成建設+日建設計)
久屋大通公園(Hisaya-odori Park)は、旧名古屋テレビ塔(中部電力MIRAI TOWER)を中心とした都市公園で、2020年の名古屋テレビ塔を中心とした大規模な整備・改修によって、商業施設を含む新たな都市公園として生まれ変わりました。
整備に当たっては、商業などの収益施設をつくりながら整備費用と公園の運営費用を賄うPark-PFI制度を活用していて、公園と共に24棟の建物が一体的に整備されました。
建築と公園が一体となり、明るく賑わいのある空間と、様々なデザイン的な工夫が散りばめられる空間が実現していて、今名古屋で最も注目られる話題のスポットとなっています。
設計:大成建設+日建設計
所在地:愛知県名古屋市中区丸の内
アクセス:栄駅直結
竣工:2020年(改修)