福生市役所は市民の建築!ピンク色の市庁舎を徹底レポート

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東京都福生(ふっさ)市にあるピンクの外観がかわいらしい建築「福生市庁舎」です。
以前トリップした【神奈川横須賀】満足度ダントツナンバーワン!!繭に包まれた美術館 横須賀美術館の設計者である山本理顕設計工場の建築です。

「フォーラム」と呼ばれる低層部の市民利用スペースと高層のタワーとで構成され、その2つがなだらかな丘(広場)によって繋がれています。


この丘の広場の床とタワーの外壁は曲線によって繋がっていており、この床(屋根?壁?)は「スカート」と表現されています。


スカートの中はトップライトの光が落ちて、洞窟のようでいて、包まれているような雰囲気です。
外観にもある正方形もマスもあるのですが、理路整然とした部分と局面の部分が合わさって、よくある真四角で無味無臭の市庁舎と比べると、より人間的な市庁舎に感じます。
上記の横須賀美術館の記事で、山本理顕さんは竪穴式の建築家であると書きましたが、この福生市庁舎もまさに竪穴式の建築ですね。


次に注目したいのが外観です。
外観は3マスで1階なのですが、明確な階構成がわからないようになっています。
3つに分割されることで、巨大な建物も威圧感や権威性を感じることがありません。

まるで大地に根を張る大きな樹木のような建築です。
全体としては大きな木なのですが、枝葉のように小さな単位の集積によって建築が出来上がっています。
いきなりビックスケールの大きな空間がある市庁舎もありますが、福生市庁舎ではそうではなくなく、都市とは街とは小さな単位の積み重ねによって成り立っている、成り立つべきである、ということを主張しているかのようです。


そしてその樹木の「根」の部分は、市民が集まる市(市庁舎)の栄養の源ということでしょうか。

樹木のような建築は丹下健三の静岡新聞ビルは銀座に残された1本の樹だったでも取り上げた静岡新聞・静岡放送東京支社ビルのように日本の建築に昔からある考え方の発展とも読めますし、階構成や壁や床といった境界を曖昧にするのはミキモト銀座には柱も壁も窓もないけど、次代を切り開く建築だったで取り上げた時代の流れをくむものとも読み取れます。

市民の広場とされる丘が閑散としていたことが少しさみしいですが、新しい庁舎の1つの姿として一見の価値のある建築でした。

福生市庁舎
設計:山本理顕設計工場
所在地:東京都福生市本町5丁目
アクセス:JR青梅線福生駅徒歩約5分
竣工:2008年

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