今回は私が訪れた中から2025年にオープンしたオススメの建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・2025年オープンの建築を写真と文字でレポート
・2025年オープンの著名な建築家がデザインした建築をまとめ
ちなみに過去のオススメ建築についてはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方は是非あわせてご覧下さい。
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1.Ginza Sony Park(2025年1月OP)

まず初めに紹介するGinza Sony Parkは、1966年に開業した銀座ソニービルの建替えプロジェクトでつくられた、地上5階地下4階建ての商業施設、文化施設、公園等の複合施設です。
旧ソニービルといえば、地上レベルに設けられたパブリックスペースや、螺旋状に上昇するスキップフロアが特徴的な建物でしたが、Ginza Sony Parkでもそのコンセプトは受け継がれ、地下から屋上に渡って街を引き込むような開放的でシームレスなデザインがデザインとなっているのが注目ポイント。
実際に訪れてみると多彩な表情をみせるコンクリートの駆体に、様々な役割を担ったステンレスフレームを通った光が降り注ぐ気持ちのいい都市空間がつくられていたのも印象的でした。


設計:Ginza Sony Park Project+竹中工務店
所在地:東京都中央区銀座5-3-1
アクセス:有楽町駅より徒歩約2分
竣工:2024年
2.霞会館記念学習院ミュージアム(2025年3月ROP)

霞会館記念学習院ミュージアムは、学習院大学目白キャンパス内に1963年に建てられた旧図書館を改修して2025年にリニューアルオープンした美術館・資料館です。
学習院大学目白キャンパスは、建築家の前川國男がキャンパス計画を手掛け、今も敷地内には5棟の前川建築が現存しています。
彫りの深い彫刻的なデザインとその奥に見えるガラスの開口が訪れた人を内部に誘い、キャンパスの豊かな自然とコンクリートの建物がお互いを引き立て合うように立ち上がる建築は、前川建築のエッセンスが凝縮しているよう。
また、エントランスロビーには前川國男に関する展示コーナーがあるのも注目ポイントです。


設計:前川國男/前川國男建築設計事務所
所在地:東京都豊島区目白1-5-1
アクセス:目白駅より徒歩約5分
竣工:1963年(2025年改修)
備考:開館日などは要公式HPを確認
3.高輪ゲートウェイシティ複合棟I(2025年3月OP)

高輪ゲートウェイシティは、2020年に開業した高輪ゲートウェイ駅前に建つ大規模複合施設です。
高輪ゲートウェイシティの第1期としてオープンした複合棟Iは、地上29階地下3階建ての商業施設、オフィス等がはいるNORTHと、地上30階地下3階建てで商業施設、オフィスに加えて約200室のホテルの入るSOUTHのツインタワーとなっていて、高輪ゲートウェイの顔になりつつあります。
内部にはこのブログでも度々取り上げるブルーボトルコーヒーの高輪カフェがはいっていたり、ルミネが展開する大規模商業施設NEWoManや、六本木や福岡等で話題の入場料がかかる本屋「文喫」など話題の店舗が多数入居しているのも注目ポイントです。


外装デザイン・エントランス内装デザイン:ピカード・チルトン
設計:JR東日本建築設計+JR東日本コンサルタンツ+日本設計+日建設計
所在地:東京都港区高輪2-21
アクセス:高輪ゲートウェイ駅より徒歩約1分
竣工:2025年
4.旧江戸川乱歩邸/立教大学 大衆文化研究センター(2025年5月ROP)

旧江戸川乱歩邸(立教大学 大衆文化研究センター)は、江戸川乱歩の旧邸を改修してつくられた記念館で、大規模な改修工事を経て2025年にリニューアルオープンしました。
エントランスや展示室がある母屋は1921年、洋館部分は戦後の1957年に増築されたもので、奥にある土蔵は1924年に建てられたもの。
一見すると新しいミュージアムに見えますが、トイレのドアノブは古い建物のものをそのまま使っていたり、2階にあがる階段はガラスで蓋をして保存されていたりとかつての建物の持つ記憶をいかに残し、継承するかに心を砕いた痕跡が随所に見られるのも素敵な、池袋の隠れた注目建築です。


改修設計:プランテック
所在地:東京都豊島区西池袋3-34-1
アクセス:池袋駅より徒歩約8分
竣工:1921年(母屋)、1924年(土蔵)、1957年(洋館)、2025年改修
開館時間:10:30~16:00
休館日:火曜、木曜、土曜、日曜、祝日
備考:豊島区指定有形文化財(土蔵)
開館日は要公式HPを確認
5.荻外荘展示棟(2025年7月OP)

荻外荘展示棟は、1927年に建てられた荻外荘の付帯施設として建てられた地上2階建てのカフェ、展示室等の複合施設です。
多角形の屋根が軽やかに広がり、ルーバーやガラスの開口によって分節化された展示室やカフェが屋根の下に納められた建物はさまに現代の東屋のようです。
屋根の架構がダイレクトに現れる2階の展示室、外の自然と繋がる1階のカフェなど、小さいながら特徴的な空間が体験できるのも面白いです。
オープン当初は荻外荘内にあったカフェスペースやミュージアムショップは展示棟の開館に合わせてこちらの建物に移動したので、荻外荘とあわせて訪れてみてほしい建築です。


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設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都杉並区荻窪2-42-12
アクセス:荻窪駅より徒歩約15分
竣工:2025年
6.第一生命京橋キノテラス(2025年7月OP)

第一生命京橋キノテラスは、中央通りと鍛治橋通りの交差点に建つ地上12階地下2階建てのオフィス、商業の複合施設です。
交差点に対して顔となるような木質の外装や構造体の設えが特徴の建物は、実際に木造と鉄骨造のハイブリッド構造となっていて、竣工時点で日本一の高さの木造今構造の建物となっています。
建物の内部は構造体から床から壁、天井まで様々な部位に木質のデザインが表出していて、心地良くも表情豊かな空間が体験できる京橋の新たな注目スポットとなっています。


設計:清水建設
所在地 東京都中央区京橋2-4-12
アクセス:京橋駅より徒歩約1分
竣工:2025年
7.BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S(2025年9月OP)

BLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sは、地上43階地下3階建てのオフィス、ホテル、商業等の複合施設です。
運河に隣接し、陸と海の境界に立ち上がる建築は、ガラスの外装が極限までミニマムに研ぎ澄まされ、空と水面と呼応するようなデザインとなっているのが印象的な建物です。
建物に近づくと分節化され使い分けられた多様な素材や光と影の演出が空間をヒューマンなスケールに落とし込んでいるのも注目ポイント。
また、足元には都市自然浴をコンセプトとしたGREEN WALKが広がっていて、遊歩道や飲食店がランドスケープと一体となりながら連なっているのも素敵でした。


設計:槇総合計画事務所+清水建設+ Arup東京事務所+日建設計
所在地:東京都港区芝浦1-1-1
アクセス:浜松町駅より徒歩約5分
竣工:2025年
8.原宿クエスト(2025年9月OP)

原宿クエストは、2020年に閉館した商業施設を建替えてつくられた地上6階地下1階建ての複合施設です。
表参道と奥原宿を繋ぐ中間地点に建つ建物は、表参道側と奥原宿側とでそれぞれ違った「顔」を持ちながら、うねるような外装とランドスケープによって表裏が一体の特徴的な建物と空間をつくりだしています。
表参道のけやき並木のような都市的なスケールから奥原宿の小さなショップ群のスケールに建物全体を通して変化し、原宿の特徴である高低差や路上空間を取り込んだひとつの建築に結実しているのがとても面白いです。
9月時点ではごく一部の店舗のみのオープンとなっていますが、原宿の新たなランドマークとなるであろう注目の建築です。


デザインアーキテクト:重松象平/OMA
設計:NTTファシリティーズ
所在地:東京都渋谷区神宮前1-13-14
アクセス:原宿駅より徒歩約2分
竣工:2025年
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