芦屋「芦屋市谷崎潤一郎記念館」谷崎の魅力が詰まった数寄屋建築をレポート

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今日は兵庫県の芦屋市にある芦屋市谷崎潤一郎記念館を見学してきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・芦屋市谷崎潤一郎記念館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・芦屋市谷崎潤一郎記念館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・芦屋市谷崎潤一郎記念館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.芦屋の住宅地に建つ谷崎潤一郎の記念館を訪問

今回は東京から少し離れ、兵庫県の芦屋市にある芦屋市谷崎潤一郎記念館を訪れてきました。
阪神本線の芦屋駅前からでるバスに数分揺られると、芦屋市谷崎潤一郎記念館の最寄りの停車場である「緑町」バス停に到着です。

谷崎潤一郎記念館は隣接する芦屋市立図書館と芦屋市立美術博物館(設計は坂倉建築研究所)に挟まれた場所にあり、バス停からは歩いて2〜3分ほどの場所に建ちます。

谷崎潤一郎記念館

谷崎潤一郎といえば、明治から昭和にかけて活躍し、春琴抄や陰翳礼讃をあじめ数々の作品を残した文豪です。
特に日本古来からの建築に宿る「翳り」について綴った陰翳礼讃は、建築に携わる多くの人に影響を与えた名著でもあります。

谷崎は引越し魔としても知られていて、関西へは1923年に起こった関東大震災後に移り住みました。
その後関西で数々の名作を執筆した谷崎でしたが、ここ関西の地でも幾度も引っ越しを行いました。
こちらは記念館の入口ですが、入口の横には神戸市東灘区岡本の旧谷崎邸にあった重さ約15トンの庭石が移設されいます。

谷崎潤一郎記念館

ここ谷崎潤一郎の資料は、昭和の終わりの1988年にオープンし、谷崎に関する様々な資料や縁の品を収蔵・展示する記念館です。

建物の設計は、関西を中心に活躍した建築家の富家宏泰氏が手掛け、谷崎の旧居の一つである潺湲亭(せんかんてい)などをモチーフにしています。

谷崎潤一郎記念館

屋根が折り重なり、深い軒のアプローチを進むと記念館のエントランスが見えてきます。
私が訪れた時はちょうど紅葉の季節でしたが、鮮やかに輝く紅葉と深い庇がつくり出す影のコントラストがとても印象的でした。

2.文豪谷崎潤一郎をもっと深く知れる資料館を堪能

建物にはいるとすぐ左手がチケットカウンターになっています。
ちなみに入館料は一般300円。

駅からは離れた建物ですが、私が訪れた際も数人の来館者がいたり奥の会議スペースではイベントが行われていたりと、想像以上に賑わっていました。

また、私の前で受付をしていた人は、谷崎のものと思われる文庫本を持参していて、受付カウンターの横にある記念のスタンプを押していたりと、ファンにとっては聖地のひとつのような場所になっているようでした。

館内は受付カウンターの向かいに企画展示室、奥にロビー展示スペースがあり、更に奥にはイベントなどができる会議スペースという構成となっています。

谷崎潤一郎記念館

企画展示室ではその時々によってテーマを変えた展示がされていて、私が訪れたときは「モノたちの物語り」展が開催されていました。
企画展示室内は写真の撮影が禁止でしたが、谷崎が最後まで使っていた文机や「細雪」ゆかりの琴、代筆の原稿など谷崎ゆかりの様々なモノたちをじっくりと見ることができました。

昔読んだ著作の裏側や、物語が生まれるまでの経緯は興味深く、著作からは伺いしれないプライベートの谷崎の一面を垣間見られるのが面白かったです。
日本を代表する作家である谷崎の人間的な部分や、人懐っこさのようなものが伝わってくる展示をみて谷崎のことがより好きになりました。

建物で面白かったのは、お手洗いです。
お手洗いは谷崎の代表作のひとつである陰翳礼讃をモチーフにしたデザインとなっていて、真っ黒な壁紙にトイレの器具も真っ黒でした。

館内は他にもロビーの展示スペースがあったり、谷崎潤一郎に関する貴重な本が並べられた本棚があったりと、スペースは限られていましたがどれも興味深くみることができました。

3.庭園も必見!水のせせらぎを感じながら谷崎の世界にトリップ

谷崎潤一郎記念館でもう一つ見逃せないのはこちらの庭園。

谷崎潤一郎記念館の庭園

この庭園は、建物のモチーフにもなった谷崎の旧居である潺湲亭(せんかんてい)をイメージしてデザインされたものです。。
潺湲とは「水のせせらぎ」を意味する言葉ですが、まさに流れる水の音と池面にゆれる色づく紅葉がとても心地よく、美しい庭園となっていました。

谷崎潤一郎記念館の庭園

また、私が訪れた日は、「現代アートからの「谷崎礼讃」岩野勝人・日下部一司」という展示が行われていました。
ロビーの展示スペースと屋外の庭園をまたいで谷崎潤一郎の美意識に発想を得たアート作品はとても興味深かったです。

谷崎潤一郎記念館の庭園

庭園に散在するワイヤーアートは谷崎が愛したモチーフで形つくられていて、伝統的な庭園と数寄屋造りの建物と現代アートのコントラストが鮮やかでした。

谷崎潤一郎記念館の庭園

こちらの「脚」を形どった赤いワイヤーも印象的。谷崎は脚フェチとして知られていましたが、谷崎ファンとしては思わずニヤリとしてしまいます。

谷崎潤一郎記念館のミュージアムショップ

庭園を堪能したを後はミュージアムショップでお土産を購入。
ミュージアムショップでは、クリアファイルなどの定番グッズから記念館25周年記念の年につくられた図録など、ファンとしては、うれしいグッズが盛り沢山でした。

展示と建築をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足なものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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芦屋市谷崎潤一郎記念館
設計:富家建築事務所
所在地:兵庫県芦屋市伊勢町12-15
アクセス:芦屋駅よりバスで約5分、下車後徒歩約3分
竣工:1988年
開館時間:10:00~17:00
休館日: 月曜
入館料:
 一般300円
 大学生・高校生200円
 中学生以下無料
公式HP:https://www.tanizakikan.com/index.html


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