今日は東京の駒込エリアで建築巡りをしてきましたので、そこで出会ったオススメの名建築をレポートしたいと思います。
ちなみに建築ではないですが駒込駅南口の六義園については、以前こちらの記事でレポートを書いていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
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【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・駒込エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・駒込エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・駒込エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.上富士前交番(富永譲+フォルムシステム設計研究所)
まず初めに訪れた富士前交番は、本郷通りと不忍通りの交差点に建つ交番です。
富永譲氏の交番建築といえば、以前このブログでも北千住の桜木町交番を紹介しましたが、ここ上富士前交番も2階部分に取り付けられた大理石のパネルが交差点と呼応するようなデザインが特徴です。
街を映し出すスクリーンのような大理石パネルはもちろん何も映し出さないのですが、35年間変わらずここにあり続ける交差点の風景として定着しているようでした。
脇に添えられた樹木もすっかり成長し、無機質なパネルとのコントラストも素敵でした。
設計:富永譲+フォルムシステム設計研究所
所在地:東京都文京区本駒込5-3-4
アクセス:駒込駅より徒歩約7分
竣工:1988年
2.LASCASAS(阿部勤)
LASCASASは、上富士前交番から1本奥の街区に建つ地上3階建ての元賃貸住宅・オーナー住宅の複合建築です。
数年前に元の建物のできるだけ活かした形でギャラリーに改修もされていて、コンクリートの美しい躯体と、中庭や吹抜けが組合わさった光溢れる空間でアートが楽しめる新たな建築に生まれ変わっています。
規則的に並ぶ窓に合わせて屋上のスリット状の壁がデザインされていたり、さりげなく外部を覆う塀のスリットも共通のデザインとなっていたりと、敷地全体で緻密に計算された意匠も味わい深い建築となっています。
設計:阿部勤/アルテック
所在地:東京都文京区本駒込5-4-1
アクセス:駒込駅より徒歩約8分
竣工:1994年
3.東洋文庫ミュージアム(三菱地所設計)
東洋文庫ミュージアムは、1924年に三菱財閥の3代目当主であった岩崎久弥によって設立された東洋文庫が所蔵するコレクションを展示するミュージアムです。
1917年にG.E.モリソン博士より買い取った2万4千点の書籍・資料の一部を展示する「モリソン書庫」や、展示室間を繋ぐ暗闇の「回顧の路」など展示する資料に合わせた様々な空間演出が楽しめるのも魅力のひとつ。
東洋に関する貴重な資料が満載で、日本だけでなく同じ時代のアジアの国々と比較してみることでその共通点や違い、歴史が浮かび上がってくるのもとても興味深いオススメのミュージアムです。
詳細記事
・駒込「東洋文庫ミュージアム」東洋の歴史の詰まった素敵な建築をレポート
設計:三菱地所設計
所在地:東京都文京区本駒込2-28-21
アクセス:駒込駅より徒歩約8分、千石駅より徒歩約7分
竣工:2011年
定休日:火曜
開館時間:10:00~17:00
入場料:
一般 900円
65歳以上 800円
大学生 700円
中・高校生 600円
小学生 290円
公式HP:http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/museum_index.php
備考:2012年日本建築家協会優秀建築選
2013年度グッドデザイン賞
4.文京グリーンコート(久米設計)
東洋文庫ミュージアムから不忍通りを西に進んですぐの所に建つ文京グリーンコートは、オフィス・集合住宅・商業等の複合施設です。
科研製薬の工場・研究施設の跡地の再開発として計画された建物群は、敷地の約半分を地域に開放することで高層化を実現しています。
人工地盤や大屋根、半屋外のフレームといった建築要素で敷地全体を繋げつつ、建築とランドスケープを継ぎ目なく一体化しているのが面白かったです。
設計:久米設計
所在地:東京都文京区本駒込2-28-8
アクセス:駒込駅より徒歩約9分
竣工:1998年
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5.天心聖教本部聖堂(竹中工務店)
天心聖教本部聖堂は、六義園のすぐ西側に建つ新興宗教の本部施設です。
閑静な住宅街の中に突如現れるロマネスク調の巨大な列柱はインパクト抜群で、建築と街との間に不思議な中間領域をつくり出しています。
荘厳な列柱ですが、建物の端部はシャープな片持屋根になっていたりと、現代の技術を使って古代建築にはない軽やかさやスタイリッシュさがデザインされているのも興味深かったです。
設計:竹中工務店
所在地:東京都文京区本駒込6-10-21
アクセス:駒込駅より徒歩約8分
竣工:2006年
6.メゾン・ド・ローラン(日本環境構造センター)
メゾン・ド・ローランは、不忍通りを東に程なく進んだところに建つ集合住宅です。
設計を手掛けたのはパタン・ランゲージという建築理論で知られる建築家クリストファー・アレグザンダーが代表を務める組織の日本事務所。
Y字路に面して建つ建物は、段々とセットバックしていく壁面や、所々に顔を出す赤屋根などによって道路や周りの建物と妙にリンクして馴染んでいるように見えるのが不思議でした。
レトロで懐かしさを感じせせながらシャープでスタイリッシュな外観、船の船首のようなランドマーク性を持ちつつ、丁寧にデザインされたここの部分など、全体と細部のどちらを見ても味わい深さ溢れる建築でした。
設計:日本環境構造センター
所在地:東京都文京区本駒込4
アクセス:駒込駅より徒歩約12分
竣工:1988年
7.CALLIS(藤本壮介建築設計事務所)
駒込駅の北側エリアの住宅街に建つCALLISは、地上3階建て戸数5戸の集合住宅です。
ラテン語で小道を表すCALLIS(カリス)の名の通り、立体的に架けられた小道のような階段が特徴の建物となっています。
コンクリートのボリュームの中にはメゾネットタイプ3戸を含む5つの住宅が立体的に組み合わさっていて、藤本氏が数々の作品で実践してきた個々住空間の集合や路といったテーマが端的に表現されています。
設計:藤本壮介/藤本壮介建築設計事務所
所在地:東京都豊島区駒込3
アクセス:駒込駅より徒歩約6分
竣工:2019年
8.旧丹羽家住宅 蔵・腕木門
旧丹羽家住宅蔵は、植木職人として知られていた丹羽八代目当主の茂右衛門の時代に建てられた鉄筋コンクリート造の蔵です。
母屋は当時としてはかなり珍しかった鉄筋コンクリート造の蔵はとてもよくメンテナンスされた状態で残されていて、入口の大理石の枠や細部の装飾など趣向を凝らしたつくりなど貴重な意匠と職人技が随所に垣間見れます。
また、蔵のすぐ横に建つ腕木門は、江戸時代の後期にすぐ近くにあった津藩藤堂家下屋敷の裏門として建てられた門を移築したもの。
腕木と呼ばれる片持梁で屋根を支えているのが特徴で、竣工当時の素材や工法が多く残る貴重な建築となっています。
所在地:東京都豊島区駒込3-12-8
アクセス:駒込駅より徒歩約6分
竣工:江戸時代後期(腕木門)、1936年(蔵)
備考:豊島区指定有形文化財(腕木門)、登録有形文化財(蔵)
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