今日は東京都の浜松町周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築について紹介していきたいと思います。
浜松町は古くからは芝増上寺の門前街として、近年ではグローバルなビジネス街としても注目される歴史ある街ですが、そこに建つ建築も多種多様で興味深い作品が多く建つ隠れ建築パワースポットでもあるのです。
是非建築巡り・街歩きの参考、もしくはバーチャル建築巡りとして楽しんでいただければと思います。
尚、芝公園周辺については後日改めて紹介しますので、是非合わせてチェックしてもらえると嬉しいです。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・浜松町エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・浜松町エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・浜松町エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.世界貿易センタービル(日建設計+武藤構造力学研究所)※現存せず
まず初めに訪れた世界貿易センタービルは、浜松町駅に直結して建つ地上40階地下3階、高さ152mの超高層ビルです。
今では当たり前となったこの規模の超高層建築物ですが、実は半世紀以上前に建てられ、1968年に竣工した霞が関ビルに次ぐ日本で2番目に建てられた超高層ビルだったりします。
時の経過とともに落ち着いたトーンの外装が鈍く光るいぶし銀のような建築となっていて、まさに大地が立体化したようにも見えるのは、高層建築が持つ根源的な野心を体現しているかのようでもあります。
現在200mを超えるビルへの建て替え計画が進行中で、2021年度に解体が始まる予定で、この歴史的建築を見れるのもあとわずかとなっています。
設計:日建設計+武藤構造力学研究所
所在地:東京都港区浜松町2-4-1
アクセス:浜松町駅より徒歩約1分
竣工:1970年
備考:第12回BCS賞
第13回BELCA賞
※現存せず
2.都営大江戸線大門駅(横河健)
続いて紹介するのは、各駅に有名建築家を起用してデザインしていることでも知られる都営大江戸線の大門駅です。この大門駅は建築家の横河健氏によるデザインです。
増上寺の門前町として栄えつつも、近年は貿易センタービルや汐留地区との連携をはじめインターナショナルなビジネス街の玄関口としてスタイリッシュで洗練られた印象の駅となっています。
スタイリッシュさの中にも優しい素材感の仕上げやアートを配したり、増上寺との関係を思わせるホーム天井の赤の差し色などデザイン的に見どころの多い駅となっています。
設計:横河健/横河設計工房
所在地:東京都港区浜松町1
アクセス:浜松町駅より徒歩約2分
竣工:2000年
備考:2001年度グッドデザイン賞
3.メトロゲート(横河健)
メトロゲートは、その名の通り地下鉄大門駅の出入口、換気塔、職員の宿泊施設等の機能を備えた地上7階地下1階のオフィスビルです。
横河健氏といえばこのブログでも日比谷公園前の交番や代々木八幡の集合住宅などを紹介していますが、シンプルな形の中で圧倒的な造形美や陰影の使い方をするのを得意とする建築家です。この建築も大門のゲートとしてしっかりとそのアイコンとしての役割を果たしています。
一見するとシンプルなオフィスビルにも見えますが、近づいてみると都市の中にできた谷間のように、広大な地下空間に誘う入口としてデザインされていることに気づきワクワクする建物です。
設計:横河健/横河設計工房
所在地:東京都港区浜松町1
アクセス:浜松町駅より徒歩約2分
竣工:1999年
4.ナインアワーズ浜松町(平田晃久)
ナインアワーズは、ホテル滞在時間を「1h(汗を洗い流す)+7h(睡眠)+1h(身支度)=9h」と設定し、宿泊の基本行動に特化した都市型の宿泊施設で、ここ浜松町が15号店となります。
浜松町では矩形のグリッドを組み合わせ、上下左右の吹抜がパズルのように建物の表面を繋いでいるのが特徴です。
ホテルの宿泊部分の面積の確保や諸条件によって建物の道路際しか自由なデザインが許されない成約の中で、平田氏が得意とする多様性を持った空間や建物と街との関係性の再構築が試みられているのが面白い建築です。
建物はちょうどビルの谷間に面していて、竹芝通りから顔を出すファサードも見どころです。
設計:平田晃久/平田晃久建築設計事務所
所在地:東京都港区浜松町1-25-10
アクセス:浜松町駅より徒歩約3分
竣工:2020年
5.港区立大門際便所(東京市)
続いて芝公園の増上寺の入口である大門のすぐ脇に建てられた港区立大門際公衆便所です。
一見地下鉄の入口のようにも見え、道行く人もほとんど気に留めないこの建物は、実は90年近く前に建てられた公衆トイレです。
半地下にすることで臭気を防止したり、高さを抑えることで景観への配慮などがされていて、和風の屋根と合わせてとてもよくデザインされている隠れた名建築です。
設計:東京市
所在地:東京都港区芝公園1-7
アクセス:浜松町駅より徒歩約5分
竣工:1932年
6.F1/旧舟木商会社屋(北川原温)
御成門駅のすぐ近くに建つ旧舟木商会社屋は、建築家北川原温氏が設計を手掛けたオフィスビルです。
雑居ビルが立ち並ぶ狭い路地の中でふと上を見上げると空間を切り裂くようにカーブした造形物がスゴイインパクトで迫ってきます。
北川原氏と言えばポストモダンの時代に話題の建築を発表し続けた挑戦的な建築家のイメージが強いですが、こちらの建物もそんな北川原氏の魅力が詰まったビルとなっています。
知らないとついつい通り過ぎてしまいそうになりますが、改めて見てみるといろいろな素材や図形がせめぎ合いながら共演していて見ていて飽きないビルとなっています。
設計:北川原温/北川原温建築都市研究所
所在地:東京都港区芝公園1-3-5
アクセス:浜松町駅より徒歩約7分
竣工:1990年
7.日本赤十字社ビル(黒川紀章)
日本赤十字社本社ビルは、日本赤十字社の本社とテナントオフィスがはいる地上8会地下2階の建物です。
それぞれのオフィスが左右に別れつつ大きな屋根によって一つの建物にまとめられてるのが特徴で、中間のエントランスホールは外部空間と内部空間の中間領域として機能しています。
建物自体も黒川イズムを随所に感じることができますが、樹木の枝をモチーフにした敷地境界のフェンスのデザインがとてもよくて、訪れた際には注目ポイントとなっています。
設計:黒川紀章/黒川紀章建築都市設計事務所
所在地:東京都港区芝大門1-1-3
アクセス:浜松町駅より徒歩約7分
竣工:1977年
備考:第19回BCS賞
8.ゲイブルビル(石井和紘)
ゲイブルビルは、建築家石井和紘氏が手掛けたオフィスビルです。
ファサードにダッチ・ゲイブルと呼ばれるかつて中世ヨーロッパの屋根装飾で流行したスタイルを引用していることがその名前の由来。ダッチゲイブルだけではなく切妻屋根(ゲイブル)には世界各地でそれぞれの特徴を持っていて、そのゲイブルを引用することで単調なビルが並ぶオフィス街のスカイラインに変化や刺激をもたらすことが試みられているようです。
まさに石井和紘氏らしさが際立つポストモダニズムの建築は、今や貴重な建築遺産でもあります。
上部のゲーブル部にはかつて石井和紘氏の事務所が入っていたそうで、建築家本人にとっても想い出深い建物のようです。
設計:石井和紘/石井和紘建築研究所
所在地:東京都港区芝大門1-3-5
アクセス:浜松町駅より徒歩約7分
竣工:1980年
9.プラザ神明(日本設計)
新橋に向かう線路沿いに建つプラザ神明は、保育園、子ども中高生プラザ、福祉施設などが複合する地上8階地下1階建ての複合施設です。
建物の表面から無数に顔をのぞかせるバルコニーと赤青黄色のアクセントカラーと緑の差し色がスタイリッシュで、子供から高齢者まで様々な人が集う施設のコンセプトをよく表現しています。
足元で見た時もかっこよかったのですが、ゆりかもめの車窓からもよく見えて、そのデザイン性の高さが際立っていました。
設計:日本設計
所在地:東京都港区浜松町1-6-7
アクセス:浜松町駅より徒歩約5分
竣工:2012年
10.イタリア街
浜松町と新橋のちょうど中間くらいの場所にあるイタリア街は、汐留駅と浜松町の間の街全体がまるでイタリアの街並みのように計画された街区で、東京都民でも知らない人が多い隠れ建築スポットです。
約31haある汐留シオサイトの内イタリア街は約5.5haを占めていて、条例による建築デザインガイドラインによってイタリア文化をコンセプトにする街並みが実現しています。
小さな地域ながら街全体が1つのコンセプトでまとめられていて、散策しながら様々な設計事務所や建築家が手掛けた建物を堪能できます。詳しくは下記の記事でレポートしていますが、日本の他のどこの街でも見れない街並みを体感できるおススメのスポットです。
詳細記事
・汐留にイタリア街!?デートにも観光にもおススメの街を徹底レポート【東京汐留】
所在地:東京都港区東新橋
アクセス:新橋駅徒歩7分、浜松町駅徒歩7分
【スマホでさらにいい写真が撮りたい人必見】
スマホで街や建築を撮る時は、外付けのレンズがおススメです。
おススメはクリップ式タイプで、スマホのカメラレンズに合わせて挟むだけで、簡単に超広角撮影ができます。
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