大井町駅前公衆トイレがスゴい!線路沿いに建つ新トイレをレポート【東京大井町】

今日は大井町にできた新トイレ大井町駅前公衆トイレを訪れてきましたのでその建築をレポートします。
今盛り上がっている東京のトイレ建築の中でもイチオシの大井町駅前公衆トイレ、どんな建築なのか早速見ていきましょう!

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1.東京のトイレがアツい!大井町駅前に新設されたトイレに注目

以前このブログでも紹介しましたが、2020年は東京都の渋谷区で安藤忠雄氏や槇文彦氏をはじめとする有名建築家やデザイナーがトイレをデザインするプロジェクト「THE TOKYO TOILET」がスタートし、東京都内で次々と注目のトイレが誕生した年でもありました。

THE TOKYO TOILET

詳細記事
・渋谷で話題のデザイントイレを建築好きが巡る!全て訪れてみて徹底レポート【東京渋谷】

実は2020年はTHE TOKYO TOILET以外にも注目の公衆トイレがいくつも誕生していて、今回紹介する大井町駅前の公衆トイレはそんな都内の注目トイレの代表ともいえる建築です。

大井町駅の西口を出てすぐに見えてくるのは大小6棟ある箱型の建物。実はこの建物が今回建てられた新しい公衆トイレです。

元々この場所には27年前に建てられた和式便所も含む古い公衆トイレが建っていましたが、品川区が実施した大井町駅前パブリックスペース設計コンペティションによってあかるい建築計画のデザイン案が最優秀賞を獲得、実現することになりました。
コンペに当たっては東京2020オリンピック・パラリンピックに伴う海外からの来訪者の増加等も考慮した公衆トイレの洋式化や、いわゆる誰でもトイレの整備に加え、JRの線路に隣接することによる施工性への配慮や、これから長きにわたって使われるのにふさわしい都市風景にマッチするデザイン性など様々な条件が求められました。

2.今までのトイレの常識をアップデートするトイレに注目

あかるい建築計画が提案したのは公共トイレの新しい「かた」をつくることで、清潔で明るく、誰でも快適に使うことが出来るトイレをつくること。
全部で6棟ある建物は1つ1つの棟が1つの個室となっていて、それぞれの個室は少しづつ異なった以下のような機能を持っています。
A棟:トイレ+着替え台
B棟:トイレ+ベビー(おむつ台)
C棟:トイレ+パウダールーム(化粧台)
D棟:トイレ+オストメイト
E棟:トイレ
F棟:トイレ+車いす対応+オストメイト

D棟はトイレ+オストメイトトイレ

今までのトイレでは、まず入口で男女に振り分け、その間に障がい者の方の為のトイレが配置されるというのが定番でしたが、あかるい建築計画の提案はそんな今までのトイレの常識を見直すことからはじまったそうです。
それまで単純な男女を基準にまとめて配置されていたトイレブースを分散配置することで、利用者は自分の性自認や体や使用用途に合わてトイレを選ぶことが出来ます。

また、様々な機能のトイレを分散位置することは、これまであった通常1つしか設けられないことの多い誰でもトイレに利用者が集中してしまうという問題への緩和策としても有効に機能しています。

3.トイレが生み出す新しい都市風景に注目

分棟配置されたトイレはそれぞれちょっとずつ高さを変えていて、一番高いものは12mの高さがあります。
これは煙突効果によって換気を促すという効果と、トップライトによって明るい自然光を取り込むという効果を狙ったもの。

中に入って見ると、今までの公衆トイレのイメージを払しょくする明るく清潔感のあるトイレに驚きます。
トップライトの光は時間や季節によっても変わるので、今までの狭くて閉鎖的で公園の端っこにあるような旧来のトレイのイメージとは明らかに異なります。

外観は角度をつけながら配置された6つの建物が連なることで、樹木や都市スケールにマッチする新たなスケール感を獲得しています。
実際に訪れてみると人と都市の間を取り持つような不思議な愛着を感じます。

1つ1つの棟がそれぞれ違った特性を持つことは、平面的なサイズも微妙に異なることに繋がります。
これらの少しづつ違いをもった棟が連なることで、街並みに緩やかな変化とリズム感を生み出して、今までにない新たな都市風景をつくり出しているのがとても面白いです。
この建築の形は「誰でも」というコンセプトや、それぞれの個性を認め尊重するというこれからの時代であってほしい思想を、建築として表現することにもなっているのが素敵ですね。

トイレの建設に当たっては、線路のごく近くという敷地条件から仮設足場を設けられなかったり、工事期間を短縮することが課題として挙げられていました。
個室を分棟にすることは、1棟ごとに工場で製作したトイレを現場に設置・施工することを可能としていて、これらの工事上の課題を解決することにもつながっています。
建築は一度つくられると長らくその機能を変えられずに、段々と時代とマッチしなくなっていくということが往々にしてあります。
この施工方法からは、例えば今後人口や利用者の増減、環境の変化に応じてトイレの個数がフレキシブルに変化できる可能性も感じます。
これはかつてのメタボリズムという建築運動・思想にも通じるものを感じます。

かつて日本の建築家が夢見つつ、現実的にはほとんど実現しないまま夢破れたメタボリズム(=新陳代謝する建築)の建築が新たな形で実現するのではないかと思うと、建築好きとしてはとってもワクワクしてしまいます。
これから何十年という月日を経過していく中で、このトイレが街の中でどういう風景をつくり出し、どう使われていくのか、今後も注目していきたいと思います。


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