昭和記念公園は建築作品のテーマパーク!その魅力を徹底解説【東京立川】

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今回ご紹介するのは東京の立川にある昭和記念公園です!
約170haもある広大な公園は後楽や花見スポットとして有名ですが、実は有名な建築家や造園家、デザイナーの作品が満載の、まさにデザインテーマパークといえる公園であることはあまり知られていません。

この記事では昭和記念公園の建築やランドスケープに焦点を当てて、どんな作品があるかやその見どころについて紹介していきたいと思います。

1.昭和記念公園とは

まず昭和記念公園について簡単におさらいすると、昭和記念公園とは東京都立川市と昭島市にまたがる国営公園です。
もともとは昭和天皇御在位50年の記念事業の一環として構想され、1983年に昭和天皇臨席のもとに一部の区画から開園がなされました。
その後、こどもの森や日本庭園、盆栽苑などが順次整備されていき、2005年にはみどりの文化ゾーンの施設がつくられ現在の形となっています。

アクセスも新宿から電車で約30分という短さということで、節を問わず多くの人で賑わっています。
広大な敷地だけあって最寄駅は複数あり、代表的なところでいうとJR青梅線西立川駅より徒歩2分、JR中央線立川駅より徒歩15分となっています。

季節ごとに様々なイベントや見どころがあり、私も桜の季節には毎年訪れていますが、今回の記事はちょっと視点を変えてみていきたいと思います。
ではそんな昭和記念公園にはどんな建築物・ランドスケープがあるのか、早速紹介していきたいと思います。

2.こどもの森は建築とランドスケープとアートが融合した神エリア!

昭和記念公園の北西にある「こどもの森」はまさに建築とランドスケープとアートが融合したエリアです。
全体のデザインは日本を代表するランドスケープデザイナーである高野文彰/高野ランドスケーププランニングが行っており、エリア内の建築は主に高野文彰と数多く協働作品をもつ象設計集団が行っています。
建築好きとしてはワクワクが止まらない組み合わせですが、実際に行ってみるともっとワクワクする体験ができました。
代表的な作品を紹介したいと思います。

□雲の海(高野文彰)

まさに雲の上にいるように、ふわふわとはずむ白いトランポリンのドームです。
大地と体が一体となって躍動する体験ができるこどもの森で一番の人気スポットです。

□森の家インフォメーションセンター(象設計集団)
森の家はこどもの森のインフォメーションセンターで、案内所と共に駄菓子屋さんや救護室、トイレなどが分棟になって配置されています。
設計は名護市庁舎やこちらの記事でも紹介した笠原小学校を設計したことでも知られる象設計集団が行っています。

大人の身長からすると目と鼻の先まで伸びる深い庇ですが、圧迫感はなく懐かしさと親しみやすさを持てる不思議なスケール感の建築群です。
この建築を体験すると、身の回りの建築のスケールは正しいのかと考えてしまいます。また、三角屋根がうまく子供から大人までのいろんな身長の人を一つ屋根の下に納める役割をしていて目から鱗でした。
一見して地味な建築ですが、ちょっと注意深く見てみるといろんな発見がある建築です。

設計:象設計集団
竣工:1987年

□霧の森(北川原温+森岡侑士+高谷史郎)
霧の森では高さ1m、2m角の大地がグリッド状に隆起していて、定期的に噴射される霧が幻想的な空間をつくります。
整形なグリッドに対して、天気や季節によって全く違った対流を生む霧が自由に広がる様は圧巻です。霧だけでなく子どもたちもグリッドを登ったり横切ったりしながら自由に走り回っていて全身でこの地を楽しんでいたのが印象的でした。

装置設計:北川原温+ILCD
設計協力:森岡侑士/高谷史郎


↑ 象設計集団のおススメ書籍!一家に一冊あっても絶対に損はない一冊です

3.花みどり文化センターで世界的建築家の作品を堪能!

花みどり文化センターは「緑の文化」をテーマにした展示や体験、情報発信する為の施設です。
設計は世界的にも有名な建築家である伊東豊雄氏アトリエ・ワンが行っていて、屋上の「浮游の庭」は大地がそのままめくれ上がったかのようになっていて、散策したり休憩したり、坂をかけ上がったりと各々の過ごし方ができます。

遠くから見ると芝生の広場に紛れてあまり目立ちませんが、近づくと想像以上の大きさだったことに気づいて驚きました。円形の開口から光が溢れ、広場や空に視線が抜けるので本当に気持ちいい建物でした。

伊東氏の同時期の代表作に「仙台メディアテーク(2000年)」や「アイランドシティ中央公園ぐりんぐりん(2005年)」がありますが、これらの建築のイメージが色濃く反映されている点も興味深いです。
仙台メディアテークでは丹下健三氏の山梨文化会館の構造を反転させていましたが、「花みどり文化センター」は同じく丹下健三氏の「大阪万博お祭り広場」の現代再解釈版と見ることも出来ます。

無料で入れるエリアで気軽に入れるのに、これだけの建築を味わえるのはスゴイです。
屋根下の半外部では親子がバトミントンしたり、中学生がボール遊びしたりしっかり活用されていました。
ちなみに天井に見えるルーバーは半透明のメッシュなので、よく見ると風でゆらゆら揺れているのも気持ちよかったです。

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・花みどり文化センターが面白い!昭和記念公園で必見の不思議な建築に突撃

設計:伊東豊雄+アトリエ・ワン(鈴木雅和+貝島桃代)
竣工:2005年

4.日本庭園と西洋庭園の2つの庭園も必見!

昭和記念公園ではその広大な敷地の中に種類の異なる2つの庭園があり、こちらも必見です。

□西洋庭園:カナール
まず、立川口ゲートからすぐのところにあるのは西洋庭園「カナール」です。

約200mにも及ぶ直線に大小5つの噴水が並ぶカナールですが、設計は戦後日本を代表する造園家・ランドスケープデザイナーである伊藤邦衛氏によるものです。

世界25ヵ国、91種類の石材が使われ、銀杏並木が整然と並ぶ様は圧巻で、少なくとも23区内では見ることができないスケールの庭園は、昭和記念公園ならではの贅沢な空間体験ができます。
ちなみにカナールは西洋造園に見られる細長い直線水路の意味で、元の意味としては運河といった意味があります。

□日本庭園
西洋庭園の次は敷地北側にある池泉回遊式の日本庭園ですが、こちらの設計者は榊原八朗氏です!

榊原八朗(さかきばら はちろう)は日本を代表する作庭家で、六本木ヒルズ内にある毛利庭園や東京ミッドタウンに隣接する檜町公園をはじめ、数百ともいわれる庭園を手掛けている戦後の庭園・ランドスケープデザインの重鎮です。

この庭園も無料で入ることができ、隣接する子どもの森や芝生の広場と打って変わって静かで落ち着いた空間を堪能することができます。
「歓楓亭」「清池軒」をはじめ素朴ながら庭園との関係を存分に楽しめる建築群がとても面白いです。


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いかがでしたでしょうか。
ついつい自然に目が行きがちの昭和記念公園でしたが、最初に触れた通り建築やランドスケープについても他では見ることができないくらい充実したスポットでした。
個別の作品についても今後詳しく紹介する記事を書いていこうと思いますので、興味があれば是非見てもらえるとうれしいです。

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