ひがし茶屋街で建築散策!建築好きが巡る茶屋街の楽しみ方

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こんにちは。建築好きのやま菜です。
本日は石川県の金沢にある人気のスポットひがし茶屋街に訪れてきましたので、建築好きの視点からその魅力やポイントをレポートしたいと思います。
これから金沢に訪れる予定の人、建築や古い街に興味がある方は是非参考にしていただけると幸いです。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・ひがし茶屋街を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・ひがし茶屋街の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・ひがし茶屋街の建築的な見どころや注目ポイント

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1.ひがし茶屋街って?

ひがし茶屋街は石川県の金沢にある江戸時代後期~明治初期にかけて建てられた茶屋建築が残る地域で、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている金沢でも人気のエリアです。
江戸時代に金沢城を中心に大きく発展した金沢の城下町は多くの茶屋が立ち並んでいましたが、文政3年(1820年)に加賀藩の12代目の藩主である前田斉広が城下町に点在していた茶屋を集めて茶屋街としたのが始まりとされています。

金沢には金沢城跡の西側を流れる犀川のさらに西側ある「にし茶屋街」、金沢城跡の北側を流れる浅野川を挟んで「主計町茶屋街」「ひがし茶屋街」の3つの茶屋街がありますが、今回はそんな茶屋街の中でも最大のひがし茶屋街についてレポートしたいと思います。

2.早速見学!の前にも見ておきたいおススメスポット

今回メインで訪れるひがし茶屋街ですが、実はひがし茶屋街の最寄りのバス停である「橋場町」の目の前が、もう一つの茶屋街である主計町茶屋街となっています。
せっかくなので主計町茶屋街も見学してからひがし茶屋街に巡ります。

主計町茶屋街


主計町茶屋街はひがし茶屋街に比べるとかなり小さな茶屋街なので、すぐに一周できてしまいます。
ちなみに浅野川にかかる浅野大橋は1922年(大正11年)に架けられた歴史あるアーチ橋で、橋の北側にある火の見櫓と合わせて有形文化財にも登録されている隠れ注目スポットです。

浅野大橋と主計町茶屋街

もうすぐ築100年にもなる浅野大橋は1988年の改修工事で大正時代に建造された当時の姿に戻されていて、大正時代の雰囲気を感じることが出来ます。主計町茶屋街は小さいながら川沿いに佇む町屋建築がとても風情がありました。

主計町茶屋街を20分ほど散策した後は、浅野大橋を渡ってひがし茶屋街に向かいます。
ひがし茶屋街へは徒歩で5分ほどで到着するのですが、ちょうどこのタイミングで夕立が降ってきたので、ひがし茶屋街のすぐ手前にある休憩館でまずは情報収集&ひと休みしました。

ひがし茶屋休憩館

休憩館に立ち寄ったのは大正解!実はこの休憩館は江戸末期に建てられた建物を復元・整備した情報館になっています。(入館料も無料です)
当時の町屋の様子を実物で知ることが出来るほか、観光案内のパンフレットも置いてあるので茶屋街マップなどもここで入手しました。

ひがし茶屋休憩館内観

今回私は利用しませんでしたが、休憩館では「まいどさん」と呼ばれる観光ボランティアの方が常駐していて無料で茶屋街を案内してもらうこともできます。

所在地:石川県金沢市観音町1-3-8
営業時間:9:00~17:00(12月1日~3月15日は9:30~17:00)
定休日:無休

3.まるでタイムトリップしたような旧二番丁通りが凄すぎる!

一休みして雨が弱まってきたところで、早速今回の目的地であるひがし茶屋街のメイン通りに向かいます。
3分ほど歩いてひがし茶屋の中心の旧二番丁通りに到着です。

ひがし茶屋街のメイン通りである二番丁通りは、上の写真の広場からはじまる東西に約100mほどの通りです。
通りの左右には茶屋建築がズラリと並んでいて、まるでタイムトリップしたかのような不思議な街を体験できます。

ひがし茶屋街には江戸時代から明治初期にかけて建てられた建物が100近く残っていて、カフェや伝統工芸品を扱うショップにリノベーションされた様々なお店を巡ることができます。

金沢のお茶屋建築にはいくつか面白い特徴があって、そのうちの1つは木虫籠(きむすこ)と呼ばれる細い格子です。
この格子は外から中は見えませんが、中から外は見えるようになっていて、お茶屋に通う旦那衆が他のお店に「浮気」するのを防止する役割もあったそうです。
その他にも2階のせり出した部分につくられた袖卯辰(そでうだつ)もいくつかの建物で見られます。この「うだつ」はもしもの時に隣家からの延焼を防止するための防火壁の役割をしているのですが、金沢の袖卯辰は主張し過ぎない繊細で大人締めのデザインになっているのもお茶屋街らしい注目ポイントです。

ひがし茶屋街で現在も残るお茶屋さんは数件のみとなっています。
ちなみに「茶屋」とは現在のカフェとは意味合いが少し違っていて、芸妓が三味線や舞でお客をもてなす大人の社交場です。
茶屋は原則的には「一見さんお断り」のルールがあり、現在でも守られていますが、一部の茶屋では昼間は一般のお客さんも解放されていて内部を見学することが出来ます。
中でもイチオシなのは国重要文化財にもなっているこちらの「志摩」です。

志摩はひがし茶屋街ができた1820年に建てられた建築で、普段は覗くことのできないお茶屋の世界を存分に見学することが出来ます。
お茶屋のつくりは通常の住まいである町屋とはちょっと異なっていて、押入れや間仕切のないまさに遊芸を楽しむ場として設計されていて、豪華さの中にも気品さと繊細さが漂っている独特の内装となっています。
内部の見学は客間だけでなく1階の囲炉裏や台所も見ることが出来建築好きでなくとも十二分にに楽しめます。

■志摩
所在地:石川県金沢市東山1-13-21
入館料:
 大人:500円
 小・中学生:300円
営業時間:9:00~18:00
定休日:無休
備考:重要文化財
公式HP:http://ww.ochaya-shima.com/

4.老舗洋食店「自由軒」で昭和レトロなランチを堪能

お茶屋街をぐるりと周り終えた後は茶屋街入口にあるに戻り、1909年創業の老舗洋食店「自由軒」で昼食をいただきました。
お茶屋街はカフェは多くありますが、昼食もとれる食事処は意外と少ないので注意が必要です。
自由軒は明治の創業以来芸妓さんや旦那衆に親しまれてきた洋食屋で、永きにわたって受け継がれてきた伝統の味を堪能できるおススメスポットです。

おそらく昭和初期の建築と思われる建物は当時世界的に流行していたアール・デコの様式を取り入れていて、この時代の金沢の中ではかなり珍しい最先端のお店だったと思います。
人気メニューは昔ながらの「オムライス」と贅沢盛りの「ランチ」です。
今回私は「ランチ」をいただきましたが、自家製ハンバーグ、ポークソテー、クリームコロッケ、海老フライなどどれも絶品でボリュームも満点でした。

■レストラン自由軒
所在地:石川県金沢市東山1-6-6
営業時間:
 月~金 11:30~15:00、17:00~21:00
 土・日・祝 11:30~15:00、16:30~21:00
定休日:火曜・第3月曜
公式HP:https://www.jiyuken.com/

5.昼食の後は茶屋街をもう一周り!土産物屋や美術館、カフェを満喫

昼食を食べた後はお茶屋街をもう一まわりしながらお茶屋を改修した土産物屋や美術館を巡っていきます。

一口に茶屋街と言っても江戸・明治・大正・昭和・平成・令和と6つの時代を経ながらそれぞれに変化してきた建築を見るのはとても楽しいです。
お店のバリエーションもカフェや土産物屋から醤油・味噌の直売所、ギャラリー、和風バーなどいろいろなバリエーションがあって面白いです。

こちらのお茶屋美術館 旧中やはお茶屋街創建当初の建物を改修した美術館です。
深海を思わせる群青の内装が特徴的な2階の離れや、1階の展示室では芸妓が身につけていた髪飾りや芸の道具類を見ることが出来ます。

■お茶屋美術館 旧中や
所在地:石川県金沢市東山1-13-7
開館時間:9:00~17:00
定休日:木曜日
入館料:
 一般 500円
 小・中学生 300円
公式HP:http://www.ochaya-museum.com/index.html

こちらの箔座 ひかり蔵金箔工芸品・アクセサリー・美容金箔などを販売する金箔専門店です。
金沢と言えばその名の由来になった金が有名ですが、箔座 ひかり蔵の2004年の改修に当たってつくられた金箔仕上げの「金の蔵」は必見です。
設計を行った金沢計画研究所は金沢城公園玉泉院丸 玉泉庵や金沢駅西広場の設計を行った金沢を代表する設計事務所ですが、古い町屋建築に対比するようにデザインされた黄金の蔵は厳粛さと気品を備えているようで、古きを守る茶屋街において大いに注目すべき建築です。

■箔座 ひかり蔵
所在地:石川県金沢市東山1-13-18
改修設計:水野一郎/金沢計画研究所
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日
公式HP:https://www.hakuza.co.jp/

もう一つ注目したい建築はひがし茶屋街のメイン通りから少し外れたところにある円長寺 御輪堂です。
円長寺は創建が天正14年(1586年)の真宗大谷派の寺院ですが、こちらの蔵にある御輪堂は慶応元年(1865年)に造られたもの。
メイン通りからは少しだけ離れたところにあるので、観光案内などではあまり紹介されていませんが、お茶屋を訪れた際にはぜひ立ち寄ってもらいたい隠れおススメスポットです。

6.最後は茶屋街のメイン通りを一望できる波結で余韻に浸る

茶屋街を堪能した後は三度目の広場に戻り、広場に面した建物の2階にあるカフェ波結(はゆわ)で休憩です。

1階のカフェが大行列だったので、比較的空いていたこちらのカフェを選んだのですが、結果としては大正解!
席割は並んだ順で案内されるので必ずしも窓際の席に座れるわけではないのですが、私はたまたまこちらの席に座ることができたので、ひがし茶屋街のメイン通りを一望できる絶景に大興奮しました。

私が頂いたのは加賀白玉ぜんざいとカフェラテのセット(1050円)
モチモチの白玉と熱々のぜんざいで暖まりながら、茶屋街を行きかう人々に想いを馳せる幸せなひと時を過ごせました。

■波結
所在地:石川県金沢市東山1-4-40
営業時間:10:30~18:00
定休日:不定休
公式HP:http://www.hayuwa.com

いかがでしたでしょうか。
ちなみに金沢のその他のおすすめスポットについて以下の建築・スポットでもレポートをしていますので、よろしければ是非合わせてご覧いただけると嬉しいです。
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