神保町シアタービルはデートにおススメの現代の小劇場建築 【東京神保町】

東京建築巡り

今回紹介するのは「古本の街」神保町の通りを1本入ったところにあるこの建築。
【神保町】神保町シアタービル1

神保町シアタービル」です!
小学館と吉本興業が協同で企画した複合施設で映画館や吉本興業のお笑い劇場やNSC東京が小さな敷地の中に納められています。
 
この建築の大きな特徴はその外観。
この特徴的な外観。なんでこんな形になったのか、何がすごいのかを紹介したいと思います。
その為にはまず神保町をはじめとする狭い道路の中に建てられた建築が一般的にどういう形になるかを知っておかなければなりません。
基本的には建物を建てる際の法律には「斜線規制」という法律があり、一定の高さ以上は斜めにカットされた位置以上に建物を建ててはいけないことになっています。
この法律は建物の形を強制的に決めるものではないのですが、限られた敷地に最大限大きな床面積をとろうとすると、必然的に法律で定められた斜めのラインいっぱいに建てることになります。
ですので東京の狭い道路に建つビルを見てみるとかなりの確率で建物の上部は斜めにカットされていると思います。
斜めにカットする理由は太陽の光や通風を確保する為で、このルールに沿って建築を建てれば概ね最低限の光や風環境を確保できるということで採用されている基準ですた。
しかし、2003年に施行された建築基準法の改正で「天空率」という新しい緩和基準が導入されました。
「天空率」とはざっくりいうと、「道路から建物を見たとき、斜線規制で斜めに切り取った建物よりも空が見える割合が大きければどんな形をつくってもいい」というものです。
分るような分らないような、何とも言えない感じですが、これはかなり画期的なことだったのです。

しかし大きな問題が1つあります。「道路から建物を見たとき、空が見える割合が大きければどんな形をつくってもいい」なんていわれてもそんなのどうやってつくるんだよ!と。
神保町シアタービルではコンピューター上で3次元の建物をつくり、シミュレーションしながら設計することでこの法律をフルに使った建物を実現しました。
空が見える割合をできるだけ確保しながら、建物のボリュームも最大限にしていった1つの解が少し膨らんだタケノコのような形になったのですね。

【神保町】神保町シアタービル3

神保町シアタービルの凄いところは、そういった新しいルールをもとにつくられた形状からインスピレーションを得て、そのタケノコ状の形から卵の殻が割れて中からエネルギーが湧き出てくるような劇場のデザインに落とし込んだことにあります。
神保町界隈にかつてあった小劇場のエネルギッシュで活発な姿が現代の建築として成立している。そう考えるとワクワクしてきますね。

【神保町】神保町シアタービル2

神保町から徒歩3分と近く、デートや友人と訪れるのにもおススメの建築。
知らなかったという方は是非一度訪れて実際の目でみてみてはいかがでしょうか。

■まとめ
・「天空率」という新たなルールを利用し、従来の2次元の建築のつくりかたからから新しい3次元の建築のつくりかたを実践した建築
・コンピュータで導き出されたタケノコ状の形からイメージを膨らませ、エネルギッシュで魅力的な建築へと昇華させた建築

■建築情報
名称:神保町シアタービル
設計:日建設計(山梨知彦+羽鳥達也)
所在地:東京都千代田区神田神保町1-23
最寄り駅:神保町駅徒歩3分
竣工:2007年


↑関連おススメ書籍「アルゴリズミック・アーキテクチュア」も合わせて読むとより理解が膨らみます。

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