渋谷「青山製図専門学校一号館」はまるでガンダムのような建築

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今回紹介する建築は渋谷駅から程なく歩いたところに建つ青山製図専門学校一号館です。

青山製図専門学校一号館は渋谷駅から歩いて10分ほどの場所に建つ建築・インテリア系の専門学校です。
その強烈なインパクトともにある通称「ガンダムビル」とも呼ばれている建築です。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・青山製図専門学校一号館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・青山製図専門学校一号館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・青山製図専門学校一号館の建築的な見どころや注目ポイント

建築の設計を手掛けたのは前回の飯田橋駅をレポートした記事でも取り上げた建築家の渡辺誠氏によるもので、竣工したのは1990年です。
渡辺氏は1976年に横浜国立大学の大学院を卒業後、大高建築設計事務所・磯崎新アトリエといった日本を代表する建築家の元で経験を積み、1984年に独立して自分の事務所を構えた建築家です。
この建築の国際コンペが行われた1980代後半は渡辺氏の独立間もない時期で、コンペに当選したことにより、この青山製図学校が渡辺氏の初期の出世作となりました。

80年代後半といえばバルブ経済の真っただ中で、日本の建築界ではポストモダンと呼ばれる潮流が建築と都市の新しい可能性として注目されている時代でもありました。
(注目されていたというよりは、近代建築のシンプルで無国籍的な建築に対するアンチテーゼとしての建築が、人々の高まるテンションと溢れ出る資金によって次々と実現していったというほうが近いかもしれません)

そんな中、この青山製図専門学校一号館がとてもユニークなのは、他のバルブ期建築とは一味違って、装飾が単なる装飾ではなく本来必要とされている機能が栄養素を与えられて「成長」しているかのようにデザインされていることです。

青山製図専門学校1号館

例えば、赤いポールは避雷針の役目を負っていますが、最低限の避雷針の形状を守った上で避雷針自身がぐんぐんと成長したかのような形に見えます。

そうやって個々のパーツが本来必要とされている形状を原点として勝手に進化していき、一定の所ではい、ストップ!!としたのがこの作品です。
そう考えると、単なる派手で無意味な装飾とは正反対の、複雑でカオスティック中にある生物的な意思や方向性を感じます。

機能を満たした上での進化や成長というキーワードは、この建築が建てられた数年後の1990年代後半から一気に使われるようになります。
この流れは、渡辺氏の名前を一躍有名にした飯田橋駅(2000年)をはじめ、数々の建築でより高度な形で実現・追及されていくことにすることになりますが、この青山製図専門学校はそんな設計者の出発点が垣間見れる作品として、とても貴重で面白い作品です。

バブルを経験していない常に右肩下がりの経済しか知らない若い世代からすると、このような一見無駄なものや余剰な様なものが許容されていた建築を見るととても羨ましく思います。

また、コンピュータを使って「進化」や「成長」をデザインする流れは、青山製図学校ができてから30年以上も経過した現代においても建築家の大きな感ごとの1つです。2009年には「BIM革命」というキーワードが唱えられはじめ、以降10年以上に渡って日本の建築界に徐々に浸透しつつあります。
BIMとはBuilding Information Modelingの略称で、コンピュータ上に仮想の建築モデルを構築し、デザインやシミュレーションをはじめとする様々な検討や管理を行う技術のことです。
現在では建築関係のポータルサイトや専門誌でBIMという言葉を聞かない日はないほどに、BIMという言葉は普及しつつあります。

青山製図学校ではある意味でこのBIMが渡辺氏の頭の中で展開され、その解の1つが実際の建築という形でアウトプットされたものともいえます。

建築は経済や技術の変化のスピードよりも、ずっと緩やかな時間でずっと長く残るものです。
ある意味では今では絶対に生み出されないであろうこの建築は、そんなコンピュータ革命前夜の記念碑的な存在として渋谷の地で今も存在感を発し続けています。
実際に見てみると写真以上に迫力がある建物ですので、皆さんも機会があれば是非訪れて、その建築を体験してみてくださいね。

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■まとめ
・近代建築対するアンチテーゼと、バブルという時代が生み出した奇跡的建築
・本来必要とされている機能を「原点」にパーツが進化してできた形態
・後の渡辺誠氏の建築の思考の原点が詰まっている

青山製図専門学校一号館
設計者:渡辺誠/アーキテクツオフィス
所在地:東京都渋谷区鴬谷町7-9
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分
竣工:1990年


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