今日は東京赤坂に建つ迎賓館 赤坂離宮と、赤坂離宮前休憩所を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・迎賓館 赤坂離宮を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・迎賓館 赤坂離宮の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・迎賓館 赤坂離宮の建築的な見どころや注目ポイント
尚、赤坂離宮の建つ赤坂や、最寄り駅である四谷での建築巡りのレポートも書いていますので、興味のある方は是非併せてご覧下さい。
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1.明治の終わりに建てられた豪華絢爛な近代建築を訪問
今日訪れたのは赤坂見附駅より歩いて約15分、四ツ谷駅からは歩いて約7分ほどの場所にある迎賓館 赤坂離宮です。
迎賓館 赤坂離宮は、明治時代の終わりの1909年に東宮御所として建設されたネオ・バロック様式の宮殿建築です。
東京23区で唯一の国宝に指定されている建築は、国内外の国賓や公賓を迎える迎賓施設として利用されていますが、行事がない時に定期的に一般公開もされています。
迎賓館 赤坂離宮はこれまで何度か訪れたことがありましたが、この日は前庭にキッチンカーなどがでる特別公開日でしたので、この機会に再訪してきました。
迎賓館 赤坂離宮が建つのは江戸時代に紀州徳川家のお屋敷があったところで、明治維新後には政府に接収され、1909年に皇室の東宮御所として現在の迎賓館 赤坂離宮の建物が建設されました。
迎賓館 赤坂離宮の周りは現在も広大な緑地が残されていて、一般の人のアクセスはぐるりと周った北側からとなります。
入場は四ツ谷駅から外堀通りを南下し、二股に分かれた道の西側にある西門からとなり、入場後は金属探知機や手荷物検査を経てチケット売場にてチケットを購入する流れとなります。
ハサミやライターなどの危険物は持ち込めないので訪れる際は注意が必要です。持ち込み不可のものは、ロッカーに預けることもできますが、なるべく家に置いてくるのがオススメです。
チケットは本館・庭園セットで一般1500円、大学生1000円、中高生500円、小学生以下は無料です。
本館・庭園セットの他にも和風別館(用事前予約)の見学(2000円)や庭園のみの見学(300円)も可能です。
チケット売り場から程なく歩くと迎賓館 赤坂離宮の建物が見えてきます。
建物は外観のみであれば自由に撮影できますが、内部は撮影禁止です。
従って今回のレポートも建物は外見中心となりますが、内部も豪華絢爛、当時の日本の建築、美術の粋を尽くした建物となっていて、震えるような建築美を体感できます。
それぞれの部屋ごとに様々に趣向を凝らしたつくりとなっていて、ニュースで国賓が来日して会談やおもてなしをしている映像そのものの空間をたっぷりと堪能できるのは本当に幸せな時間でした。
2.荘厳さだけでなく優雅さも身にまとった素敵すぎる建築を堪能
迎賓館 赤坂離宮の設計を手掛けたのは明治時代を代表する建築家の片山東熊です。
片山東熊は、工部大学校(現在の東京大学)の建築学科第1期生であり、このブログでも東京国立博物館表慶館やグランドプリンスホテル高輪貴賓館を紹介した建築家でもあります。
建物の正面は、両翼が湾曲したようなデザインのネオ・バロック様式のデザインです。
片山はこの建築ができる前年の明治41年に竣工した東京国立博物館表慶館の設計も手掛けていますが、明治期の日本の建築技術と知見をすべて注ぎ込んだかのような見事な建築です。
前提を抱き込むような建築は、荘厳さだけでなく優雅さも身にまとっていて、思わず息を呑む美しさです。
全体の迫力もさることながら近づくと見えてくる装飾物も注目ポイントで、例えば屋根には鎧武者が配されていて、西洋の建築の上に和の意匠が鎮座しているのが面白いです。
そのお隣には巨大な天球儀があったり、色々な見どころが散りばめられています。
この日はガーデンカフェという、前庭にキッチンカーがでる特別公開日だったので、キッチンカーで軽食とビールを購入して建物を眺めました。
キッチンカーは、アルコールメニューも含めて色々なメニューがあり、ちょっとした軽食やアフタヌーンティーセットなども楽しめます。
正面を堪能した後は、建物の裏手に周ります。
建物の裏側は、四季折々の草花と建築の対比がとても鮮やかです。
建物から一段下がったところにある噴水も建築当初からあるもので、国宝に指定されています。
一段下がった噴水越しにみる建物も素敵です。
私は建築はそれ単体ではなく、周りの環境と併せて存在するものだと思っています。
迎賓館 赤坂離宮では石造りの堅牢で変わらないものとしての建築と、移ろいゆく自然の草花や水景の対比が上手くデザインされていて、お互いをより際立たせているように感じます。
敷地内にはこの他にも前庭に建てられた東西衛舎(国宝)や、1974年の昭和の大改修時につくられた和風別館などの建物があります。
最後に見逃せないのが、出口にもなっている正門です。
こちらも国宝に指定されていて、白を基調とした柵の中に黄金の菊花や桐の紋章が埋め込まれていて見応えがあります。
3.迎賓館 赤坂離宮前休憩所で一休み!最後まで見どころ満載の赤坂離宮
迎賓館 赤坂離宮を堪能した後は、出口のすぐ前にある迎賓館 赤坂離宮前休憩所で一休み。
迎賓館 赤坂離宮前休憩所は、赤坂離宮前につくられた案内所、カフェ、ギャラリーなどの複合施設です。
こちらの建物は、2020年に新しく建てたられたのもですが、建物の設計を手掛けたのは新国立劇場や東京都現代美術館などの設計で知られる柳澤孝彦+TAK建築研究所で、建築好き必見の建物となっています。
円形の吹き抜けと噴水を中心に観光案内所やカフェなどが配置されています。
地上から螺旋階段を降りた地下にある建物は、周りの喧騒からは一歩距離が置かれ、吹き抜け自然光が溢れる気持ちのよい空間となっています。
カーブドッチ迎賓館ではプリンやケーキなどのスイーツからパスタやカレーなど様々なメニューがあります。
この日は看板メニューの迎賓館カレーを注文。
コクのあるサラサラしたスープと、じっくり煮込んだ牛肉がマッチしてとても美味しかったです。
座席数も約200席とかなり多いので、赤坂離宮の見学後に余韻に浸るのにもピッタリでした。
魅力的な建築と食事をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
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2024年4月18日には「一級建築士矩子の設計思考」第3巻が発売になりました。
迎賓館 赤坂離宮
設計:片山東熊
改修設計監修:村野藤吾
所在地:東京都港区元赤坂2-1-1
アクセス:赤坂見附駅より徒歩約15分、四ツ谷駅より徒歩約7分
竣工:1909年(1974年改修)
備考:国宝
公式HP:https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/
迎賓館 赤坂離宮前休憩所
設計:柳澤孝彦+TAK建築研究所
所在地:東京都新宿区四谷1-12-11
アクセス:赤坂見附駅より徒歩約12分、四ツ谷駅より徒歩約4分
竣工:2020年
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜
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