21.神田Mビル

竹むらのわき道を少し進んだところに建つ神田Mビルは、日本を代表する建築家である伊東豊雄氏がデザインした建物。
コンクリートとガラスとアルミパネルによる三角形を組み合わせながらタケノコ状に伸びる建物は、今になって思えば以前このブログでも紹介した神保町シアタービルの原型のようにも見えて興味深いです。
地上からは見づらいですが、屋上部分は不定形のドームが軽やかに乗っているのも面白いです。
三角形を組み合わせたデザインはこの時代の伊東氏の作品に繰り返し用いられるモチーフですが、このビルを見ていると私も大好きなアメリカの建築家バックミンスターフラーの影響を感じずにはいられません。
フラーの建築が、抽象化されて東京の真ん中のコンクリートジャングルにはめ込まれているように見えてとても面白かったです。

ちなみに伊東豊雄氏の東京都内のおススメ建築についてもこちらの記事にまとめていますので、伊東氏の建築を訪れる際は是非参考にしてみて下さい。
関連記事
・建築家 伊東豊雄がデザインした東京都内のおススメ作品12選
設計:伊東豊雄/伊東豊雄建築設計事務所
所在地:東京都千代田区須田町1-19
アクセス:神田駅より徒歩約10分
竣工:1987年
22.マーチエキュート神田万世橋

mAAch ecute(マーチエキュート)神田万世橋は、1912年(明治45年)に開業した旧万世橋駅の鉄道遺構をリノベーションした商業施設です。
アーチ状の躯体や古い構造体を生かした迫力の内部空間や照明計画など、古い建物の特徴を生かして見事に現代的な商業施設がデザインされてるのに注目。
今回の改修で特に神田川側に開いた空間となっていて、外部の環境をうまく取り込みつつ、気持ちのいい散策路が連なっています。

階段を上がったところにある2つの線路に挟まれたレストランは、世界で一番電車に近いレストランともいわれていて、訪れた際には是非立ち寄ってみてほしい必見スポットです。

詳細記事
・マーチエキュート神田万世橋がスゴい!近代遺構を活用した商業空間を徹底レポート【東京秋葉原】
設計:JR東日本建築設計事務所+みかんぐみ
所在地:東京都千代田区神田須田町1-25-4
アクセス:秋葉原駅より徒歩約4分
竣工:2013年
営業時間:
月~土 11:00~21:00(飲食店は23:00)
日・祝 11:00~20:00(飲食店は21:00)
公式HP:https://www.ecute.jp/maach
23.神田近江屋洋菓子店

神田近江屋洋菓子店は、外堀通り沿いにある1884年創業の老舗の洋菓子店です。
シックなブラックの外壁とシャープなガラスの外装が印象的な建物は、今から半世紀以上前の1966年に建てられたというから驚きです。
店内は2015年にリニューアルされましたが、カラフルな石材の床にブルーの天井が広がる店内はレトロさと近未来てきなフレッシュさが融合した素敵な設えとなっています。
歴史ある洋菓子店ですが現在も週末には行列ができる人気店となっていて、旬のフルーツを使った絶品スイーツをはじめとするこだわりの品々を堪能できます。


所在地:東京都千代田区神田淡路町2-4
アクセス:淡路町駅・小川町駅より徒歩約1分
竣工:1966年
24.ワテラス

ワテラスは、淡路町エリアの再開発として建てられたオフィス、店舗、集合住宅、ホール、ギャラリーなどからなる大型複合施設。
ワテラスタワーとアネックスの2つのタワーの間がアトリウムで繋がれていて、このエリアの持つ地形的特徴を継承しつつ、街の賑わいを増幅することが試みられています。
中間階には学生用の賃貸マンションも計画されていますが、この建築に住む学生がどんな学生なのかとても気になります 笑

設計:佐藤総合計画
所在地:東京都千代田区神田淡路町2
アクセス:神田駅より徒歩約12分、小川町駅より徒歩約4分
竣工:2013年
公式HP:https://www.waterras.com/
25.メトロツアー

続いて訪れたメトロツアーは、小川町駅すぐの交差点近くに建つオフィスビルです。
鈍く光るゴールドのガラスと半透明の金属庇が特徴的な建物は、一見して何階建てかわからないですが、地上11階地下1階の建物。
内部も2層ごとに大きな吹き抜けが設けられていて、建築というより巨大な金属細工か現代アートを見ているようでもあります。
竣工から30年以上経ちますが圧倒的な存在感を示していて、近くを通りかかる度についつい見に行ってしまいます 笑

設計:北川原温/ILCD
所在地:東京都千代田区淡路町1-1-1
アクセス:神田駅より徒歩約12分、小川町駅より徒歩約1分
竣工:1989年
26.神田宮地ビル

神田宮地ビルは、音楽教室の運営や音楽機器の販売を行う企業の為に建てられたオフィス、ホール、スタジオ、店舗などの複合施設です。
巨大なスピーカーをモチーフにデザインされた建物は、道路側の外装をメッシュ状のスクリーンで覆っているのが大きな特徴です。
このスクリーンは建物の内部と街とを優しく区切りながら光や目線をコントロールしていて、音楽に関係する施設らしい象徴性と快適な施設環境つくりに一役買っています。
スピーカーの内部では日々様々な音が作り出され、その粒子が街に広がっていくイメージがとてもユニークな神田の隠れた注目建築です。


設計:相坂研介設計アトリエ
所在地:東京都千代田区神田淡路町1-7
アクセス:小川町駅より徒歩約2分
竣工:2022年
27.神田テラス

神田テラスは、小川町駅からほど近い五十通り沿いに建つ地上9階地下1階建てのテナントビルです。
前面道路に面して各階それぞれの幅や位置にテラスがせり出し、上下に外部空間が連なったデザインとなっているのが大きな特徴。
店舗の賑わいがビルの顔となりつつ、街側から見ると道路空間が拡張されたかのようなゆとりが感じられるのが面白いところ。
側面の格子状のガラスの外装も飲食中心のテナントらしく中の賑わいが感じられて素敵です。


設計:小山光/KEY OPERATION
所在地:東京都千代田区神田錦町1-14-13
アクセス:小川町駅より徒歩約2分
竣工:2017年
28.神田スクエア

神田スクエアは、オフィス、商業施設、ホール、貸会議室等からなる地上21階地下1階建ての複合施設です。
外観は錦町という地名にもあるように日本の伝統的な錦織りをイメージしたそうで、太陽による日射を制御しつつ季節や時間ごとに表情が移ろう外観デザインになっています。
建築もさることながら足元に設けられた広場が丁寧にデザインされているのも大きな特徴。
芝生広場、水の流れるガーデンなどに加えて、ベンチ、電源・Wifi・照明・サイン・日除け等を兼ねた多機能フレームが連なる広場など、周囲の利用者が羨ましいほどの質の高いパブリックスペースが広がっています。

設計:日建設計
所在地:東京都千代田区神田錦町2-2
アクセス:神田駅より徒歩約15分、小川町駅より徒歩約4分
竣工:2020年
公式HP:https://kanda-square.com/
29.JINS東京本社

JINS東京本社は、1990年代末に建てられたオフィスビルを改修して建てられたアイウェアメーカーのオフィスビルです。
ビルの改修に当たっては「壊しながら、つくる」をコンセプトにデザインされ、床や壁を引き算することで空間同士の繋がりや使い方の余白を生み出したりと、感性や発想力を刺激するオフィスビルとなっています。
また、1階に入るカフェONCA COFFEE神田店は緑色の小屋をアイストップに様々な使い方のできる大テーブルや、自然の抜ける開放的な空間となっていて、JINSの社員だけでなく関係者や地域の人にとっての憩いの場になっています。


原建物設計:安田総合計画
改修設計:高濱史子建築設計事務所
所在地:東京都千代田区神田錦町3-1
アクセス:神田駅より徒歩約16分、小川町駅より徒歩約5分
竣工:1999年(2023年改修)
30.Think Coffee

最後に訪れたThink Coffeeは、1969年に竣工した岡田ビルを改修してつくられた建物の1・2階にはいるカフェです。
改修にあたっては現在の法律に不適合となっていた建物の床や壁を抜いて減築することで、適法化と耐震化、光や風などを通す快適な空間を実現しているのが面白いところ。
カフェスペースも限られたスペースを最大限に活用していて、垂直方向は吹抜け、水平方向は街と繋がる半屋外テラスが抜け感をより演出していて、気持ちのよい空間が広がっています。


改修設計:再生建築研究所
所在地:東京都千代田区神田錦町2-9岡田ビル1・2F
アクセス:神田駅より徒歩約16分、大手町駅より徒歩約5分
竣工:1969年(2022年改修)
営業時間:
平日 8:00~18:00
土曜、日曜 11:00~18:00
【見逃し厳禁!東京ホテル建築総まとめ】
東京で泊まりたい、建築が素敵なホテル・旅館についてのまとめも書いてます。


↑建築系のブログランキング。よければクリックして応援してもらえると嬉しいです。
建築やデザイン好きな人は、他にも面白いブログや参考になるブログがいっぱいあるので是非見てみてください^^