10.ブルーボトルコーヒー 神戸カフェ
ブルーボトルコーヒー 神戸カフェは、アメリカのカリフォルニア州オークランド発祥の人気コーヒーショップです。
店舗のデザインは、数々の国内のブルーボトルコーヒーの店舗デザインを手掛けるスキーマ建築計画によるもので、既存建物の高い天井を活かした空間が特徴となっています。
天井に既存の躯体が見え隠れする白一面のシンプルな空間に、真鍮のコンテンポラリーなカウンターが映えるブルーボトルコーヒーらしい店舗は建築巡りの合間の休憩にもピッタリです。
設計：スキーマ建築計画
所在地：兵庫県神戸市中央区前町1
アクセス：元町駅より徒歩約8分
竣工：2018年
11.商船三井ビルディング(旧大阪商船神戸支店ビル)
商船三井ビル(旧大阪商船神戸支店ビル)は、海岸通沿いに建つ地上7階地下1階建ての建物です。
当時としては珍しい7階建ての高層ビルであった建物は、ルネッサンス風の外観に半円形のペディメントが塔頂部にあしらわれるシンボリックなデザインが特徴。
優雅にカーブする装飾や地上付近ではルスティカ積みと呼ばれる荒石仕上げとなっていたりと、見るものを驚かせ、楽しませるデザインが散りばめられていて、現代においても変わらぬ存在感を示しています。
設計：渡辺節
所在地：兵庫県神戸市中央区海岸通5
アクセス：元町駅より徒歩約10分、三ノ宮駅より徒歩約12分
竣工：1922年
12.神戸メリケンビル(神戸郵船ビル)
神戸メリケンビル(神戸郵船ビル)は、海岸通りとメリケンロードの交差点に建つ地上3階建てのテナントビルです。
元々は日本郵船の神戸支店として建てられた建物は、戦後の改修で大きくデザインが変更されたものの、直線と曲線の意匠が織り交ぜられていて、堂々とした風格と優雅な曲線美が融合したデザインとなっています。
現在はショップや事務所として使かわれていますが、精巧な鉄の装飾や3層目に乗る小さな列柱など、見るほどに様々な発見があるのも楽しい建物です。
設計：曾禰中條建築事務所
改修設計：安井武雄/安井建築設計事務所
所在地：兵庫県神戸市中央区海岸通1-1-1
アクセス：元町駅より徒歩約10分
竣工：1918年(1953年改修)
備考：第5回BELCA賞
13.海岸ビルヂング(旧日濠会館)
海岸ビルヂング(旧日濠会館)は、海岸通りを西に程なく歩いたところに建つ地上3階建てのオフィスビルです。
設計者の河合浩蔵はドイツ留学を経て司法省で庁舎建築の建設を担っていた建築家で、この建物は、独立後に貿易業を営む兼松商店の本店として建てられたもの。
竣工時あったとされる大きなペディメントは戦火により失われてしまいましたが、趣向を凝らした装飾や陰影豊かな表情が、みていて楽しくなる素敵な建築です。
設計：河合浩蔵
所在地：兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5
アクセス：元町駅より徒歩約10分
竣工：1911年
備考：登録有形文化財
■シップ神戸海岸ビル(旧三井物産神戸支店)
ちなみに海岸通り沿いに建つシップ神戸海岸ビル(旧三井物産神戸支店)も、河合浩蔵が設計した建物の外壁が残されています。
現在は建て替えに際して地上15階地下1階建ての建物となっていますが、クリアな上層部によってより際立つ足元もデザインがユニークな景観をつくり出しています。
設計：河合浩蔵
改修設計：竹中工務店
所在地：兵庫県神戸市中央区海岸通3
アクセス：元町駅より徒歩約10分
竣工：1918年、1998年
備考：登録有形文化財
14.神戸ポートタワー
神戸ポートタワーは、神戸港に1963年に建てられた高さ約108mの展望タワーです。
和鼓を縦に伸ばしたようなデザインが特徴のタワーは、32本のパイプによる独特の構造となっていて神戸港のシンボルとして多くの人々に親しまれています。
外周部を赤に、その他の部分を白にしたカラーリングも大きな特徴で、日本で初めて夜間ライトアップがされた建物は、夜になると艶やかで美しいシルエットが浮かび上がります。
設計：日建設計
所在地：兵庫県神戸市中央区波止場町5-5
アクセス：元町駅より徒歩約13分
竣工：1963年(1968年増築)
備考：第6回BCS賞
登録有形文化財
15.フィッシュ・ダンス
フィッシュ・ダンスは、神戸開港120年を記念してつくられた建物で、世界的家として知られるフランク・O・ゲーリー氏がデザインを手掛けました。
波に乗る鯉をイメージしたオブジェは、夜には妖しい光を放ちながら神戸港に浮かび上がります。
付属する建物はカフェ・レストランを営むポトマック社の社屋とレストランTOOTH TOOTH FISH IN THE FORESTとして使われていて、日本に建つ唯一のゲーリー作品をみながら食事を楽しむことができます。
設計：フランク・O・ゲーリー+神戸港振興協会
所在地：兵庫県神戸市中央区波止場町2-8
アクセス：元町駅より徒歩約13分
竣工：1987年
16.神戸海洋博物館
神戸海洋博物館は、フィッシュ・ダンスと同じく神戸開港120年を記念してつくられた博物館です。
元々の博物館は神戸ポートタワーの下部に設けられていましたが、1987年に専用の博物館建築としてリニューアルオープンしました。
船の帆を想起させる屋根に覆われた建物内には大小様々な船舶模型や迫力の映像をはじめ海、船、港に関する幅広い展示がされています。
夜にライトアップされる屋根も美しく、神戸ポートタワーと対をなしながら神戸の夜景を演出しています。
設計：神戸市港湾整備局
所在地：兵庫県神戸市中央区波止場町2-2
アクセス：元町駅より徒歩約14分
竣工：1987年
17.神戸メリケンパーク オリエンタルホテル
神戸メリケンパークオリエンタルホテルは、神戸港の先端に建てられた地上14階地下1階建てのホテル、フェリーの発着場、結婚式場等の複合施設です。
流れるような曲線のフォルムが印象的な建物は、海からせり上がる波のようでもあり、空に架かる虹のようでもあり、神戸に連なる山を連想させもして、建物のスケールを超えた風景のように感じられるのもユニークなポイント。
ホテルの照明デザインは、東京タワーや東京駅、レインボーブリッジなどの照明デザインを手掛けた石井幹子さんがデザインしていて、神戸の港を照らす灯台のように輝いています。
詳細記事
・神戸「メリケンパークオリエンタルホテル」ウォーターフロントと一体化した素敵なホテルをレポート
設計：竹中工務店
所在地：兵庫県神戸市中央区波止場町5-6
アクセス：元町駅より徒歩約15分
竣工：1995年
備考：第38回BCS賞
2002年度グッドデザイン賞(アクアホール)
18.イリオス
続いて紹介するイリオスは、三ノ宮駅の南東を東に程なく歩いたところに建つ地上6階地下2階建てのテナントビルです。
駅前のビル街の角地に建つ建物は螺旋を描くように丸みを帯びたデザインとなっていて、北側にある螺旋階段と合わせて独特な雰囲気を醸し出しています。
ロボットや宇宙船を思わせるレトロフューチャーデザインも健在で、1990年代前半の空気をパッキングしたような貴重な建築となっています。
設計：高松伸/高松伸建築設計事務所
所在地：兵庫県神戸市中央区小野柄通6-12
アクセス：三ノ宮駅より徒歩約2分
竣工：1991年
19.東天閣(旧ビショップ邸)
ここから三ノ宮駅の北側の異人館街に移ります。
ますはじめに紹介する東天閣は、ドイツ人のF・ビショップの邸宅として建てられた洋館です。
2本の柱が屋根を支える独特のデザインがユニークな建物は、建築時は2階がベランダとなっていましたが、1945年の改装時にガラスが嵌め込まれて現在のような姿となりました。
この改修により邸宅は中国王宮料理店となり、現在に至るまで神戸を代表する中国料理店として多くの人々に親しまれています。
所在地：兵庫県神戸市中央区山本通3-14-18
アクセス：三ノ宮駅より徒歩約10分
竣工：1894年
20.神戸回教寺院(神戸ムスリムモスク)
神戸回教寺院(神戸ムスリムモスク)は、昭し和初期の1935年に建てられた歴史あるモスクです。
設計を手掛けたヤン・ヨセフ・スワガー氏はチェコ出身の建築家で、日本に滞在した10数年の間に聖路加国際病院の設計に携わったり、多くの教会建築を手掛けたことでも知られています。
戦前に建てられたモスクですが、2つの棟がそびえ立ち、精巧な装飾による陰影豊かな表情の建物は間近でみるとかなり迫力があります。
この時代のモスク建築はかなり珍しいものだったと思われ、竣工から90年近くに渡り多くの人々信者の心のより所となってきた貴重な建築でもあります。
設計：ヤン・ヨセフ・スワガー
所在地：兵庫県神戸市中央区中山手通2-25-14
アクセス：三ノ宮駅より徒歩約8分
竣工：1935年
