今日は目黒区の学芸大学駅周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築を紹介したいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・学芸大学エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・学芸大学エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・学芸大学エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.GAKUDAI KOUKASHITA
まずはじめに紹介するGAKUDAI KOUKASHITAは、学芸大学駅の約1kmに渡る高架下エリアのリニューアルプロジェクトです。
高架下を街の縁側に見立て、周辺の道路や商店と一体となりながらリ・デザインされているのが特徴。
2024年の7月以降順次オープンしているカルチャー・フードエリアGAKUDAI PARK STREETでは13の店舗が軒を連ねていて、東横線の高架のひとつ屋根の下、街とシームレスに繋がる店舗空間がデザインされています。
駅前の老舗書店と連携したカフェバー併設の書店COUNTER BOOKSには建築やまちづくりに関係する本も多く、建築好きにはイチオシのブックカフェとなっています。
2024年の秋以降にはアトリエやコワーキングスペース等もオープン予定となっている東横線のホットスポットです。
デザイン監修:オンデザインパートナーズ
設計:交建設計
所在地:東京都目黒区鷹番3
アクセス:学芸大学駅より徒
竣工:2024年
2.Another8 Corner
Another8 Cornerは、学芸大学駅西口を出てすぐのところに建つバー&創作料理のお店です。
間口3.5mの細長い建物を改修してつくられた店内は、道路に面した大開口や柱を活用し、綿密な動線計画を練りながらスタイリッシュな居酒屋空間がデザインされています。
新旧様々な素材感が掛け合わさった素材の使い分けも魅力的で、シンプルな空間ですが、街なかのちょっと特別なお店として街に対してアピールしています。
設計:チャブデザイン
所在地:東京都目黒区鷹番3-8-10
アクセス:学芸大学駅より徒歩約1分
竣工:2022年(改修)
3.KIJITORA
KIJITORAは、学芸大学駅東口をでて程なく歩いたところに建つグルテンフリーの焼き菓子を販売するお菓子屋さんです。
10㎡に満たない小さなお店ですが、シンプルな既存建物と、コンテンポラリーな木質のインフィルが心地よく調和しているのが魅力的です。
角地に設けられたガラスブロックや可動庇がかかる開口など、建物と街とが、無理なく自然に繋がりをもっているのも素敵で、学大を訪れたときのちょっとしたお土産スポットとして重宝しています。
設計:TATO DESIGN
所在地:東京都目黒区鷹番3-3-9
アクセス:学芸大学駅より徒歩約1分
竣工:2020年
営業時間:11:00~18:00
4.学芸大学YK HOUSE
まず初めに紹介する学芸大学YK HOUSEは、学芸大学駅前に建つテナントビル兼オーナー住居です。
線路の高架に沿うようなシンプルなカーテンウォールが特徴的な1・2階はテナントスペースとして、上階は住宅として計画されていて、住宅部分では吹抜けや、半透明の屋根で覆われた屋上テラスなどを組み合わせながら都心の中で小さなオアシスとしての住まいをつくり上げています。
設計:照井信三/照井信三建築研究所
所在地:東京都目黒区鷹番3-3-16
アクセス:学芸大学駅より徒歩約1分
竣工:1994年
5.目黒中央町の集合住宅
続いて紹介する目黒中央町の集合住宅(クレイハウス学芸大)は、駅から程なく歩いた閑静な住宅街に建つ地上3階建ての集合住宅です。
白く塗られたコンクリートの壁面が水平垂直に建物を区分しつつ美しいフォルムをつくり出していて、杉材の手すりや外装材が鮮やかなコントラストでお互いの素材を引き立たせています。
内部も一面のガラスの開口部や、第二のリビングを目指したというバスルームなど設計者のこだわりが見える集合住宅となっています。
設計:西森事務所
所在地:東京都目黒区中央町2-8-16
アクセス:学芸大学駅より徒歩約10分
竣工:1997年
6.1/4円弧KOH
1/4円弧KOH(南建設社屋)は、その名の通り1/4円弧の外観が特徴的な地場ゼネコンの事務所です。
住宅街を歩いていると、T字路の突き当りにきれいな円弧が見えるのはどこか爽快感すらあります。
美しく曲がる鉄骨はシンプル故にその美しさと力強さとがましているようにも感じる学芸大学の小さな注目建築です。
設計:黒沢隆/黒沢隆研究室
所在地:東京都目黒区中央町1-4-25
アクセス:学芸大学駅より徒歩約9分
竣工:1987年
7.旧目黒区防災センター
旧目黒区防災センターは、地震や火災などを学べる体験施設や備蓄庫などを兼ね備えた防災センターとして建てられた地上3階地下2階建ての建物です。
元々は煙避難コーナーや地震の揺れ体験、ゲームを使った防災学習などが体験できる施設でしたが、現在はその役目を終えてワクチン接種の会場などとして活用されているようです。
設計:横河建築設計事務所
所在地:東京都目黒区中央町1-9-7
アクセス:学芸大学駅より徒歩約10分
竣工:1998年
8.Factory & Labo 神乃珈琲
目黒通り沿いに建つFactory & Labo 神乃珈琲は、大きな家型のフレームとガラスの立面が特徴的な喫茶店です。
建物の中央には巨大な焙煎機が置かれていて、まさに工場やラボの中に入り込んだかのように間近で珈琲ができる過程を見ることができます。
建物のデザインを手掛けたD&Nレストランサービスは、以前このブログでも紹介した梟書茶房やパンの田島吉祥寺店などもデザインしています。
吹き抜けとガラスの立面、勾配屋根に設けられた天窓からは自然光が降り注ぎ、明暗のコントラストが鮮やかな店内でこだわりの珈琲が頂けるオススメの喫茶店です。
関連記事
・池袋「梟書茶房」本と珈琲のプロによる素敵空間をレポート
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設計:D&Nレストランサービス
所在地:東京都目黒区中央町1-4-14
アクセス:学芸大学駅より徒歩約12分
竣工:2016年
営業時間:9:00~20:00
公式HP:https://kannocoffee.com/contents/shopinfo/factory_labo/
9.フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー
Factory & Labo 神乃珈琲から目黒通りを東に少し進んだところに建つフレディ レック・ウォッシュサロン トーキョーは、ドイツ発祥のランドリーメーカー「フレディ レック」によるコインランドリー、クリーニング、カフェ、ショップの複合施設です。
ゾーンによって暖色と寒色に塗り分けられた壁紙も素敵で、キレイでおしゃれだけれど日常の延長にあるような親しみを感じるランドリーは、地元の人にも愛されているようでとても賑わっていました。
洗濯や乾燥の合間にひと息つくこともできますし、もちろカフェのみの利用もOKなので建築巡りの合間に立ち寄って気持ちをリフレッシュするのもオススメです。
設計:野澤隼人/リノベる
所在地:東京都目黒区中央町1-3-13
アクセス:学芸大学駅より徒歩約13分
竣工:2017年
営業時間:10:00~18:00(コインランドリー:24時間営業)
公式HP:https://www.freddy-leck-sein-waschsalon.jp/salon/
10.カスタリア目黒鷹番
カスタリア目黒鷹番は、今から半世紀以上前の1970年築に建てられた建築を改修した地上6階建て総戸数55戸の集合住宅です。
設計者の青木茂氏は、既存の躯体を活用しつつ減築や耐震補強によって建物を現在の法律に合わせたレベルに引き上げて改修を行うリファイニング建築の第一人者です。
ここカスタリア目黒鷹番も元々は白い外壁の古きマンションでしたが、耐震補強に加えて共用部の内部化や住戸の融合などを行い、ツートンカラーのスタイリッシュな集合住宅に生まれ変わっています。
改修設計:青木茂/青木茂建築工房
所在地:東京都目黒区鷹番1-6-19
アクセス:学芸大学駅より徒歩約8分
竣工:1970年(2007年改修)
備考:2008年度グッドデザイン賞
11.関東マツダ目黒碑文谷店
関東マツダ目黒碑文谷店は、今をときめく設計集団であるSUPPOSE DESIGN OFFICEがデザインを手掛けた関東マツダのショールーム兼整備工場です。
SUPPOSE DESIGN OFFICEが手掛けた関東マツダのショールームといえば、以前このブログでも高田馬場店を紹介しましたが、こちらのショールームは不整形な敷地の形状に合わせた滑らかなガラスの立面デザインが特徴。
漆黒の外装と流線型のガラスのデザインは、上質で細部までこだわり抜いたブランドのイメージを建築で表しているようです。
設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地:東京都目黒区碑文谷5-14-21
アクセス:学芸大学駅より徒歩約12分
竣工:2014年
12.Stir
学芸大学駅から程なく歩いた高架沿いに建つStirは、1階の店舗と2〜4階のオーナー住宅です。
Stir(ステア)の名の通り、上階部分は巻き上げられるように建物を貫通する螺旋階段によって街と繋げられているのが特徴です。
現在は、都市計画道路の計画が遅れていますが、1階はこだわりの高級和食店となっていて、現在は裏手よりアプローチできるようになっています。
設計:御手洗龍/御手洗龍建築設計事務所
所在地:東京都目黒区中央町2-36-7
アクセス:学芸大学駅より徒歩約4分
竣工:2018年
13.下馬の集合住宅
下馬の集合住宅は、学芸大学駅北側の駒沢通り沿いに建つ地上5階建ての店舗兼集合住宅です。
外部階段が建物の立面を斜めに横切る大胆なデザインが特徴的な建物は、2階以上を木造で作っていて、大胆な造形と木の優しさの両方を兼ね備える建物となっています。
構造材としての役割も担っているかご状の木格子は、夜になると行燈のように街を照らしているのも素敵でした。
設計:小杉栄次郎+内海彩/KUS+team Timberize
所在地:東京都世田谷区下馬6
アクセス:学芸大学駅より徒歩約7分
竣工:2013年
備考:第18回木材活用コンクール優秀賞
第41回東京建築賞(共同住宅部門)奨励賞
14.下馬南地区会館
下馬南地区会館は、大広間と3つの会議室をもつ地区会館です。
地上にあるのは3つの会議室の一つで、L字のプランの奥に配置されています。
住宅地の中に建つ会館ということもあってその他の諸室は地下に納められていて、ギャラリーも兼ねたスロープが各部屋を繋いでいます。
ポストモダン全盛のこの時代ならではの象徴的な形態や、ドラマチックに差し込む光の効果も素敵な建築です。
設計:新居千秋/新居千秋都市建築設計
所在地:東京都世田谷区下馬6-41-6
アクセス:学芸大学駅より徒歩約12分
竣工:1993年
開館時間:9:00~22:00
休館日:第2水曜、年末年始
15.旧イデー・ワークステーション
最後に紹介する旧イデー・ワークステーションは、元々はガソリンスタンドだった建物の躯体を活かして改修した家具ブランドイデーの元ショールームです。
カーブを描くフレームは、竣工時はポリカーボネートのパネルが取り付けられていて建物を優しく包み込んでいましたが、現在はその骨組みのみが残されています。
現在はスタジオとして使用されているようで、周囲に対しては閉じた建物となっていますが、交差点からみたインパクトは健在でした。
設計:クライン・ダイサム・アーキテクツ
所在地:東京都世田谷区下馬1-5-1
アクセス:学芸大学駅より徒歩約16分
竣工:1996年
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