京都「京都国際マンガミュージアム」昭和初期の小学校を改修した建築をレポート

当サイトは、アフィリエイト・アドセンス広告を利用しています

今回は京都にある京都国際マンガミュージアムを見学してきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・京都国際マンガミュージアムを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・京都国際マンガミュージアムの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・京都国際マンガミュージアムの建築的な見どころや注目ポイント

ちなみに京都のおススメ近代建築・現代建築についてはこちらの記事でもレポートしていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
関連記事
・京都で建築巡り!おススメの近代&現代建築30選を紹介

スポンサーリンク

1.100年近く前に建てられた小学校を漫画の聖地にリニューアル

今日訪れたの京都国際マンガミュージアムは京都駅から地下鉄で5分ほど北上したところに建つ漫画に関するミュージアムで、国内外の様々な漫画関連の資料を集め、研究・展示する施設です。

京都の街を南北に延びる地下鉄の烏丸御池駅を出て2分ほど歩くと、今回の目的地である京都国際マンガミュージアムのエントランスが見えてきます。

元々この敷地は明治初期の1869年(明治2年)に開校した小学校が建っていた場所であり、現在のマンガミュージアムも昭和初期に建てられた建物です。
建物は烏丸通りからみて左手にある講堂が1928年、真ん中の本館が1929年、右側の北館が1937年といずれも戦前の建物。

この旧龍池小学校は、平成初期の1995年に他の小学校と統合する形でその役割を終えますが、2000年代に入り日本初となる本格的なマンガミュージアムとしての構想が本格的に検討され、2006年に新たな施設に生まれ変わって再オープンしました。

再オープンに際しては元の建物をなるべく生かした形で増改築が行われ、オープンから2年後の2008年には国の登録有形文化財にもなりました。
右奥の木の裏に見えるのがエントランスにもなっている旧北館で、真ん中奥のガラスの外装の建物が旧本館、その左手が建物としては一番古い旧講堂です。
新たな建物は小学校のグランドだった広場に面して増築部分のガラスの空間等が追加されていて、バラバラだった3つの建物を繋いでいます。

道路側は京都の近代建築にもよく入っている前田珈琲となっています。
ちなみに広場は、入館料のかかる内部からのみアクセスできるようになっていて、建物内の漫画は広場やはその手前のテラスでも楽しむことができます。

内部もそうですが、外装も古い校舎と新しいガラスの空間がそれぞれ対比されるようなデザインとなっているのもとても魅力的です。

2.昭和初期の面影を残す漫画の天国をたっぷりと堪能

エントランスを入るとまずは左手にミュージアムショップ、右手にロッカーが並んでいます。
京都国際マンガミュージアムは、数千冊にも及ぶ漫画が読み放題の施設なので、ゆっくりと館内を楽しむのであれば余計な荷物はロッカーに預けるのが吉です。

ミュージアムショップの奥がチケットカウンターとなっているので、手前の券売機でチケットを購入します。
入館料は、大人900円、中高生は400円とかなりお手頃。
この値段展示も漫画も一日堪能できるとは京都の人は羨ましい限りです。

建物は元々の躯体を残しつつ、広場側にはガラスと吹抜けによる増築空間が追加されていて、増築部分はロビーやイベント空間、新たに追加されたエレベーターなどの移動空間にもなっています。

広場側は広場に視線が通り、光のあふれる気持ちのいい空間となっていますが、一歩校舎の空間にはいると、歴史の積み重なった重厚で陰影豊かな空間となるギャップも面白かったです。

小学校らしく角のとれた柔らかなデザインの階段や壁面、所々にみられる精巧な装飾、暗がりがつくり出す落ち着いた空間では、昭和初期から現代までの時間の蓄積を追体験できます。

明と暗、新と旧、直線と曲線が上手く対比される空間は、漫画のこれまでの歴史ともリンクしながらここにしかないミュージアムをつくりだしています。
内装は全面的にリニューアルされていますが、校長室など一部の部屋は小学校時代の内装が保存されていて、こちらも建築ファンとしては見逃せません。

ミュージアムの開館に際して職人の手によって蘇った古時計が置かれていたり、今でも校庭で遊ぶ子供の声が窓越に聞こえてきそうな雰囲気は味わい深いものがありました。

館内にはそれぞれの部屋だけでなく廊下に至るまで本棚に並べられた漫画で溢れていたり、漫画家のサインに溢れていて、子供だけでなく大人にとっても夢の空間となっています。

漫画のラインナップは、少年漫画から少女漫画まで、ジャンルも年代も幅広く置かれています。
気になった漫画の最新巻から懐かしの名作、自分が生まれるずっと前の漫画まで時間がいくらあっても読み切らない量の漫画を心ゆくまで楽しめます。

【スマホでさらにいい写真が撮りたい人必見

スマホで街や建築を撮る時は、外付けのレンズがおススメです。
おススメはクリップ式タイプで、スマホのカメラレンズに合わせて挟むだけで、簡単に超広角撮影ができます。

色んな種類がありますが、イチオシはこちらのレンズ。
コンパクトで持ち運びしやすくて、クリップ式なので必要な時にサッと取り付けて、反射や映り込みを防止する加工も施されていて、コスパもいいイチオシ製品です。
Amazonから詳細をみる

+αでリモコンシャッターがあればさらに快適です。
こちらのドロップスタイルのシャッターはスタイリッシュで機能的。

カラビナもついてくるので、バッグやベルトに掛けられます。
約10mの距離からも動作するイチオシアイテムです。
Amazonから詳細をみる

3.迫力あふれる展示と、受け継がれる漫画の魅力を心ゆくまで体感

今回私が訪れた時は企画展として大乙嫁語り展が行われていました。

乙嫁語りは1800年代の中央アジアを舞台に乙嫁と呼ばれる人とそこに暮らす人々の生活や営みを描いた人気漫画。
今回の展覧会では約100枚にも及ぶ原稿や特大のポスターなどが展示されていて迫力満点の展示を楽しめました。
この展覧会は基本撮影もOKなのも嬉しかったです。

原画からは繊細且つ大胆なタッチで描かれた一本一本の線が合わさり、まるでそこに生きているかのような登場人物や世界が描きあげられていく様を感じられます。
また、展覧会では展示資料の一部として、漫画の舞台となった国の工芸品や衣装などが展示されていたのも面白かったです。

本館の広場に面した吹き抜けは建物を繋ぐブリッジが架けられていますが、この吹抜けには特大の火の鳥のオブジェが掲げられています。

火の鳥は漫画の神様手塚治虫が生涯をかけて描き続け、生きるとはなにか、人間の営みとは何かを問い続けた作品でもあります。
過去から未来まで時代を超えて人々を見守り、何度でも蘇る人の鳥は日本の漫画の象徴だけでなく、この建物自体を表しているようにも感じます。

ミュージアムでは他にも魅力的なギャラリーや展示スペースが盛りだくさん。
例えば本館1階にあるこども図書館は、子供のための絵本を中心としたエリア。
こちらのエリアでは靴を脱いで寛ぎながら数千冊もの児童書や絵本を楽しめます。

中央の凹んだスペースが池に見立てられていたり、雫のような美しい照明など新たに加えられた内装もカッコいいです。
他にもマンガの歴史を時系列で振り返る展示や漫画家の手にフォーカスした展示など、パネルや映像、立体といった様々な方法で漫画の魅力が堪能できました。

普段は娯楽としてのイメージが強い漫画という存在が、展示を見ているとそれらが漫画家一人ひとりの命を込めた作品であり、同時に社会を映す鏡であることを改めて実感させられます。

漫画と建築の魅力をたっぷりと味わって今回の建築巡りも大満足で終了しました。
とってもオススメの建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れて、その魅力を体感してみて下さいね。

【おススメ建築推薦書】

名建築で過ごす時間はなぜ格別なのか?など様々な問いかけのヒントが満載!

観賞・設計・社会という三つのアプローチから建築を堪能できる格好の入門書です。
建築巡り・街歩きが好きな人に是非読んでみてほしい一冊です。
>>Amazonから詳細が見れます

京都国際マンガミュージアム
設計:京都市営繕課
改修設計:類設計室
所在地:京都府京都市中京区烏丸通御池上ル
アクセス:烏丸御池駅より徒歩約2分
竣工:1928年(講堂)、1929年(本館)、1937年(北館)、2006年(リニューアル)
開館時間:10:30〜17:30
休館日:火曜、水曜
入館料:
 大人  900円
 中高生 400円
 小学生 200円
公式HP:https://kyotomm.jp
備考:手塚治虫文化賞特別賞
   登録有形文化財
※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。


建築学ランキング
にほんブログ村 美術ブログ 建築・建築物へにほんブログ村

↑建築系のブログランキング。よければクリックして応援してもらえると嬉しいです。
建築やデザイン好きな人は、他にも面白いブログや参考になるブログがいっぱいあるので是非見てみてください^^

■他にもこんな記事がおススメです
・夢の島熱帯植物園がスゴい!新木場の隠れた名建築を徹底レポート【東京新木場】
・熱海で建築巡り!建築・デザイン好きにおススメのスポット10選【静岡県熱海市】
・建築巡りで参考にしたいおススメ本12選!関東編【建築マップ】

タイトルとURLをコピーしました