「一葉記念館」樋口一葉の生涯と素敵な建築空間が堪能できる建物をレポート

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今日は台東区にある一葉記念館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・一葉記念館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・一葉記念館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・一葉記念館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.樋口一葉の記念館は展示も建築も大注目

今回訪れたのは、台東区の三ノ輪駅から南に10分ほど歩いたところに建つ一葉記念館。

一葉記念館は、その名の通り明治期の小説家樋口一葉の功績を称えるべく建てられた記念館です。
この記念館が建つ台東区竜泉エリアは一葉が生活苦をなんとか打開する為に雑貨店を開いた場所であり、小説「たけくらべ」モチーフになったエリアでもあります。

一葉記念館

1961年には初代の一葉記念館が日本の女流作家の単独記念館としては初めて建設され、施設の老朽化や2004年に、五千円紙幣の肖像に採用されたことも合わさって新たな記念館に建て替えが行われました。

2006年にオープンした建物は建築家の柳澤孝彦氏がデザインを手掛けているのも建築好きとしては見逃せません。
柳澤氏といえば、東京都現代美術館(1994年竣工)新国立劇場(1997年竣工)をはじめ数々の建築を手掛けたことでも知られる建築家でもあり、特に美術館や記念館などの文化施設のデザインを得意としています。

一葉記念館

一葉記念館が建つ敷地は、幅約30m×奥行き約10mほどのかなり小さな敷地です。
建物の西側は全面がマリオン(方立)によるルーバー状のデザインとなっています。

一葉記念館

柳澤孝彦氏は独立前の竹中工務店勤務時代に有楽町駅前に今も建つ有楽町マリオン(1984年)の設計にも携わっていて、20年以上経ち再びマリオンを全面に使った外観をデザインしているのは面白いです。

有楽町マリオン(1984年竣工)

この一葉記念館では、このマリオンがスクリーンのように建物の内部の人の動きを映し出したり、住宅街の中に建つ壁状の建物の圧迫感を軽減し、見る場所や時刻によって変化する建物の表情をつくりだしているのが面白いです。

また、記念館には建物内の収蔵物を守るシェルターとしての役割が求められ、この一葉記念館も鉄筋コンクリートで作られていますが、コンクリートは木の型枠を使うことで木目が浮き上がるようにデザインされているのも注目ポイント。
一見するとシンプルで無骨にも見える建物ですが、よく見てみるほど親しみが湧いてきます。

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2.タイムトリップするように彼女の生涯の軌跡を辿る

一葉記念館の内観

建物の中に入り、まずは正面のカウンターでチケットを購入。
入館料は一般300円とかなりリーズナブルなお値段です。

一階はエントランスギャラリーで一葉の両親の時代の解説や、一葉の生涯を記した年表があり、ここから一葉が生きた時代を追体験していくことになります。
ちなみに一葉記念館はごく一部の展示品を除いて写真も自由に撮れるのも嬉しいです。

一葉記念館の内観

導入展示を見た後は建物の表面の階段を通って2階、3階の展示室を巡っていきます。
外からはシンプルなルーバーだった空間も、中では光溢れる劇的なアプローチとなっています。
光に導かれるように階段を上ります。

一葉記念館の展示

展示室内は一葉の短い生涯を追いながら、当時の写真や原稿、一葉が使っていた家具や生活用品が展示されています。

樋口一葉は貨幣の肖像になるほどの功績を残した人物ではありますが、10代で父を失い、生活苦と格闘しながら1896年に24歳の若さでその生涯を閉じます。
その作品は、1994年末からのわずか14ヶ月だったとは驚きで、「大つごもり」「十三夜」「たけくらべ」など、後世にのこる作品が次々と生み出されたこの時期は「奇跡の14ヶ月」と言われているそうです。

一葉記念館の展示

作品だけでなく、樋口一葉の生きた時代の背景や、どうしようもないような現実、その中での幸せや葛藤などが伝わってきます。

一葉記念館の展示

展示資料は生原稿などの貴重な資料から建物の模型など様々で、とても分かりやすく劇的な一葉の人生をタイムトリップするかのように体感できます。

一葉記念館

まさに奇跡と言えるドラマチックな軌跡、そして24歳という若すぎる死の悲しみ、100年以上経っても読み継がれる文学という存在をたっぷりと堪能できます。

一葉記念館の内観

決して大きいとは言えない限られた展示空間、シンプルながら美しい躯体や光の演出が素敵な建築も、一葉の人生とリンクリしているようで素敵でした。

展示を一通り堪能したあとは、エレベーターで一階に戻ります。
エレベーター周りのデザインもシンプルでとても美しいですね。

エレベーターで一階に戻ったあとは、カウンター右のライブラリー・映像エリアでひと休憩。
建物を一巡して一階に戻ってくると、一葉の生きた時代から再び現代に戻ってきたような感覚になります。

ちなみに一階にはちょっとしたグッズコーナーもあります。

樋口一葉の足跡と素敵な建築をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足で終了しました。
とってもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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一葉記念館
設計:柳澤孝彦+TAK建築研究所
所在地:東京都台東区竜泉3-18-4
アクセス:三ノ輪駅より徒歩約10分
竣工:2006年
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜、年末年始、特別整理期間中
入館料:
 大人   300円
 小中高生 100円
公式HP:https://www.taitocity.net/zaidan/ichiyo/
※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。


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