流山「おおたかの森フラップス」話題の建築を徹底レポート

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今日は2021年の春に千葉県の流山にオープンしたおおたかの森SC FRAPSを見学してきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
FRAPSは流山おおたかの森駅前広場の整備と合わせてオープンし、新たなおおたかの森の顔として大きな注目を浴びている建築。
いったいどんな建築だったのか、早速紹介していきたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・本職は建築の設計事務所で働く建築人

【この記事で分かること】
・おおたかの森フラップスを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・おおたかの森フラップスの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・おおたかの森フラップスの建築的な見どころや注目ポイント

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1.流山に話題の建築家の商業施設がオープン

おおたかの森SC FRAPSへは秋葉原駅からつくばエクスプレスに揺られること30分弱。流山おおたかの森駅のまさに駅前に作られたショッピングセンターです。

流山おおたかの森は、2005年につくばエクスプレスと東武野田線(東武アーバンパークライン)が開業の開業、2007年に流山おおたかの森S・Cの竣工と、近年急速に開発がされた街。
元々このエリアは、その名の通り近くにオオタカも生息する市野谷の森はじめ豊かな自然を有するのどかな街でした。それがつくばエクスプレスの開通によって都心へのアクセスが確保されたことにより人口の増加と開発が目まぐるしく進んでいます。

そんな流山で2021年3月31日に新たに開業した駅前施設が開業したのが流山おおたかの森S・C FLAPS
建築のデザインは今日本で最も注目の建築家ユニットであるMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO原田真宏・麻魚夫妻が手掛けたことでも話題となっていますた

松栄山仙行寺(池袋)

原田夫妻といえば、以前このブログでも池袋の松栄山仙行寺を取り上げましたが、建築の中に自然や都市空間を大胆に取り入れることで豊かな空間を作り出すことが得意な建築家。
仙行寺では南池袋のビル群の中に「山」のようなお寺をデザインしていましたが、今回紹介するFRAPSでもそんな原田氏らしいデザインが存分に味わえます。

2.まちのリビングルームをコンセプトにした広場に注目

流山おおたかの森駅を降りるとまず見えてくるのが、今回FRAPSと合わせて整備された駅前広場をぐるりと囲う回廊状の回遊通路です。
大きく弓なりにカーブしながら連なる回廊の右手前に見えるのが今回新設されたFLAPS、奥に少しだけ見えるのが2007年開業の流山おおたかの森S・Cです。

今回の建物を建てるにあたっては、設計者の原田氏はこの駅前広場との関係性をどうデザインするかが重要と考えて、広場を中心に取り囲むような都市空間をつくりだすことを意識したそう。

確かに駅から回廊を歩いていくと自然と中央にある広場に視線が行くようにデザインされています。
広場の風景やそこで行われているイベントを横目に、時には立ち止まりながら正面のショッピングセンターにアクセスするという構成になっています。

この空中回廊は回廊の上だけでなくて、回廊下側の空間もなんだか縁側空間みたいで居心地がいいです。
原田氏はFLAPSやこの回廊を含む駅前広場を「まちのリビングルーム」を呼んでいて、様々な人が気軽に利用し、休憩できる場所を目指したそうです。

オープンしたばかりということもあってまだ人はまばらでしたが、所々に設けられたベンチには思い思いに過ごす人たちが結構いて、駅前のショッピングセンターにはこういう気軽に居場所となる場所が必要だよな、などと改めて思いました。

駅前広場では南北に延びる主軸の動線を中心に芝生広場やステージが計画されていますが、緩やかにカーブする回廊が広場全体をまるっと包み込んでいるので、特定のスポットが主役の場所というわけではない、主役のいっぱいある広場となっているのが面白かったです。

3.まるで山のような建築!?FLAPSに注目

続いて今回の建築巡りの一番の目的であるFLAPSを散策します。
FRAPSの特徴は、何といってもボックス状の建物が微妙に角度をつけながら徐々にセットバックするその外観。

地上6階の建物は2層ごとに建物の大きさを縮小させながら、段々状の外部テラスを作り出しています。
この外部のテラスは外部階段を辿れば歩いて屋上まで散策することができます。

外部テラスにはひょっこりと樹木が顔を出していて、まるで人工の山のようなデザイン
最初に紹介した池袋の仙行寺も都心のビルを山に見立てたデザインでしたが、FRAPSにも同じようなテーマが見て取れるのが面白いです。

正直、緑の量としては少しさみしいものがありますが、階段を登りながら段々と風景が開けていくのは思いのほか楽しい体験でした。

各外部テラスからは建物内部にも自由にアクセスできるようになっていて、よくある外部と切り離された内部空間としてのショッピングセンターの在り方とは違った思想でつくられていることが分かります。

この「さぁ登ってこい!」と言わんばかりの階段が素敵です 笑
先ほどの空中回廊もそうですが、外部の階段やテラスからは広場もよく見通せるので、中央の広場でイベントなどが行われた際にはここも観客席になります

ちょっと息を切らしながら頂上まで登ると、解放的な風景が広がります。
東京都内の駅前の風景と違って、流山には目立った高層建築がないことでかなり遠くまで見通せます。これは東京都内ではなかなか見られない流山らしい屋上景観です。

東側の眺望は流山おおたかの森S・Cの巨大な屋上設備よく見えます。これには思わず少し笑ってしまいましたが、建築好きとしては興味深く見れました。
これはどうなんでしょうか 笑

4.最後に流山おおたかの森S・Cを見学!

最後に振り向きざまにFRAPSを眺めつつ、流山おおたかの森S・Cも一通り散策します。

流山おおたかの森S・Cは流山の開発に際して一番最初にオープンしたショッピングセンターですが、こちらもなかなか見ごたえのある建築です。

流山おおたかの森S・C128店舗を超える郊外型の大型ショッピングセンターですが、建物のボリュームを分節したり、丁寧にマテリアルを切り替えることでヒューマンスケールを意識したデザインとなっているのは注目です。

予算が限られる中で、既製品をうまく組み合わせたり、テラスや吹き抜けを細かく設けるなど、上質で豊かな商業空間をつくろうとした設計者の苦労が伝わってきます。

森や自然といったデザインキーワードをもとに建物の内外には間近で自然を感じられるしかけが随所に見られます。
おおたかの森SCの内部では流山ならではの大らかさと、独特のスタイリッシュで洗練られた小空間の両方が実現していました。
皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね!

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流山おおたかの森S・C FLAPS・南口都市広場
設計・デザイン監修:原田真宏+原田麻魚/MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(FLAPS)
設計協力:楠山設計(FLAPS)+プランツスケープ(南口都市広場)
実施設計:フジタ
所在地:千葉県流山市おおたかの森南1
アクセス:流山おおたかの森駅直結
竣工:2021年

流山おおたかの森S・C
基本計画・デザイン監修:日建スペースデザイン
建築設計:日建設計+大成建設
所在地:千葉県流山市おおたかの森南1
アクセス:流山おおたかの森駅より徒歩約1分
竣工:2007年
備考:2009年日本建築学会作品選集
営業時間:
 物販 10:00~21:00
 レストラン11:00~21:00
公式HP:https://www.otakanomori-sc.com/


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