今回は千葉県香取市にある水郷の町 佐原に行ってきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
佐原では小野川を中心に古くは江戸時代に建てられた建築群を一挙に見ることができる千葉県を代表する建築パワースポットです。
川沿いの建築群をはじめ、グルメに文化に神社に様々な魅力が満載ですのでその楽しみ方やおススメのスポットをお伝えできればと思います。
1.水郷の町佐原とは?
千葉県の佐原は現在は「香取市」となっていますが、古くは「下総国」と呼ばれて小野川沿いを中心に商家町として栄えてきました。
もともとは江戸時代に利根川東遷事業が行われたことで、利根川を利用して物資を運ぶ中間地点として栄えて、戦後に至るまで「水郷の町」「北総の小江戸」とも呼ばれて大いに発展しました。
その後、戦後に自動車中心の時代の流れとともに水郷の町としての佐原は終息していきますが、高度経済成長を経てその古い街並みを再び評価する動きが高まり、1996年には関東で初めての重要伝統的建造物群保存地区に選定されるに至りました。
数十年の時をかけて徐々に調査や保存運動が行われ、築100年以上の貴重な建築群が多数残る千葉県を代表する観光地になっています。
また、日本全国を測量して「大日本沿海輿地全図」を作成した伊能忠敬ゆかりの地でもあり、江戸時代に建てられた伊能忠敬の旧邸や国宝を含む貴重な資料を見ることができます。
2.早速突入!
実は佐原には2009年ごろに一度訪れていて、2019年の今回は2度目の訪問でした。
前回はJR佐原駅から訪れましたが、今回は車での訪問です。
今回は「道の駅水の郷さわら」に車を止めてそこから徒歩で小野川沿いに向かいます。
もともとは利根川の船運の中継地として発展した佐原ですが、この道の駅はちょうど利根川と小野川始点の接点に建てっています。
私が訪れた時は特産品やフードコート、フリーマーケットなどが行われていて、車で訪れるならおススメのスポットです。
ここから出る観光船でも川を通じて佐原の街にアクセスすることも出来ますが、今回は徒歩で向かうことにします。観光船は小雨の日は屋根が、冬は何と炬燵がつくものもあるとか。
道の駅15分ほど歩くと徐々に佐原の街並みが変化していきます。
この川沿いは歩いているだけでも気持ちがよいです。
更に5分程歩くとそこは、まさに「水郷の町」「北総の小江戸」!
2度の来訪にも関わらずその街並みにテンションが急上昇します!
3.川沿いに近代建築がズラリ!まさにタイムトリップ!
川沿いに並ぶのはどれも数十年から200年近い歴史を持つ近代建築群です。
例えばこちらの正上醤油店は江戸時代後期の天保3年(1832年)に建築された建物です。
ここでつくられた醤油が目の前の小野川を使って運ばれたのですが、その時使われる「だし」と呼ばれる荷揚げ場も現存しています。
更に進んで小野川と香取街道が交差する場所に見えてくるのが中村屋商店で、こちらは1855年(安政2年)の建築です。
また、佐原の建築で是非見ておきたいのは1914年(大正3年)につくられた川崎銀行佐原支店旧本館です。
設計は現在の清水建設の前身である清水組によるもので、煉瓦造2階建のルネサンス風の外観が特徴的な建物です。頂上にはドームが設けられていて、2階の一部は吹き抜けと回廊となっているあたりは当時建てられたばかりの東京駅の影響も感じられます。
ちなみに東京駅の竣工が1911年なので、この建築は東京駅が建てられた3年後に完成したことになります。
建築ではないですが、もう1つ注目したいのが小野川の中心地にある樋橋(通称:ジャージャー橋)です。
伊能忠敬旧宅前にあるこの橋は、かつて農業用水を通すために設けられた大樋の上に板を渡してできたものです。
まさに樋橋で300年近く使われたこの橋は、その両脇から溢れた水が、「ジャージャー」と流れることからジャージャー橋とも呼ばれています。
現在の橋は建て替えられたものですが、30分毎に水がジャージャーと流れるこの橋は環境庁の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれています。
近代建築好きには堪らない建築が続くまさに近代建築天国。
膨大な数になってしまうので、見学した近代建築については下記の別記事にまとめています。
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・佐原の近代建築まとめ!江戸から続く建築群をチェック
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4.鬼才!伊能忠敬について知る!
近代建築群を楽しみつつ、もう1つ訪れたい佐原の注目スポットとして挙げられるのが伊能忠敬旧宅と伊能忠敬記念館です。
伊能忠敬といえば江戸時代に日本全国を測量して、当時としては革命的な詳細地図「大日本沿海輿地全図」を作成したことでも知られる人物です。
どちらも小野川沿いにあるので、佐原を訪れた際には是非訪れたいスポットです。
□伊能忠敬旧宅(国指定史跡)
伊能忠敬旧宅は18歳の時に伊能家に婿養子に入った伊能忠敬が過ごした邸宅で、書院部分は何と伊能忠敬自身が設計したそうです。
この旧宅では書院や店舗部分などが保存・復元されていて、当時の空間を想像すると面白いです。
ちなみに同じ敷地内にあるこちらの土蔵は更に歴史が古くて江戸時代の中期のものとのことです。
佐原にいると江戸時代の建物が普通に何件もでてくるので、感覚がおかしくなってきますが物凄く滅多にみれない貴重な建物です 笑
設計:伊能忠敬(書院)
所在地:千葉県香取市佐原イ-1899ほか
竣工:1793年(書院)
入館料:無料
開館時間:9時~16時30分
休館日:月曜日・祝日の翌日・年末年始
□伊能忠敬記念館
伊能忠敬の功績や資料の展示は元々は伊能忠敬旧宅で行われていましたが、平成8年に伊能忠敬記念館が建設され展示スペースが大きく広がりました。
これまで正直伊能忠敬については教科書で習ったくらいの知識しかなかったのですが、実際に関係資料を見るにつれ伊能忠敬の偉業にすっかり感動してしまいます。
展示資料は国宝も数多く展示されていて、ここでしか見れない貴重なものも数多くありました。
所在地:千葉県香取市佐原イ-1722-1
竣工:1996年
入館料:大人500円、小中学生:250円
開館時間:9時~16時30分
休館日:月曜日・祝日の翌日・年末年始
いかがでしたでしょうか。
続いて後半では、おススメ観光スポットである2つの酒蔵やグルメスポット、土蔵や山車会館などその他に訪れた佐原のスポットについて紹介したいと思います。
後半記事
→酒蔵からグルメまで!佐原のおススメスポットを紹介
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