物件探し漫画「いえめぐり」が面白すぎたのでレビュー【建築漫画】

こんにちは。建築好きのやま菜です。
突然ですが皆さんは、今どんな家に住んでいますか?
実家暮らし、賃貸住宅、マンション、社員寮、シェアハウス、はたまたホテル暮らし・・・人の住居には住居の形態だけみても実に様々な形態がありますよね。そしてそこから先、個別の住まいを見てみるとさらに千差万別。世の中には数えきれないほどの住居が存在しています。

今回紹介する「いえめぐり」はそんな「物件探し」をテーマにした漫画です。
建築系の漫画と言えば以前別の記事でも紹介しましたが、建築家や建築学生を主人公にした漫画は意外と多くあるのですが、誰しも一度は経験するであろう「物件探し」にフォーカスした漫画はこの漫画が初めてではないでしょうか。
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まずは簡単にあらすじを紹介します。


不動産屋を訪れた主人公。探している物件は、部屋数多め・静か・駅から徒歩30分以内。ごく普通の部屋を探しているはずが、紹介される物件はなぜだか奇妙なものばかり。一軒一軒めぐるたびに、前居住者の住居に対する奇天烈な発想に目を奪われ、思わず他の物件も見たくなる主人公、エスカレートしていく物件探し。果たして理想の物件に巡り合うことができるのか。数々の物件を内覧した主人公が出した決断はいかに!

2015年第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で同人誌「エソラゴト」が新人賞受賞。2017年第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で同人誌「であいがしら」が審査員推薦作品選出。奇才ネルノダイスキ完全描きおろし長編漫画。

Amazonより

ストーリーとしては物件探しの為に不動産屋を訪れた主人公が、様々な物件を案内されるうちに…という筋の漫画です。
2021年の1月に発売されたばかりの漫画で、著者の「ネルノダイスキ」さんの初の単行本となります。

私も話の筋だけ見て早速購入したのですが、これがものすごく面白い!
最初は単なる内覧ものだと思って気軽に読み始めたら、最後は全く違ったところに連れていかれるいわゆる「スゴ本」でした。
「物件探し」の持つ本質的なワクワク感と不安感がどんどんドライブしていきながら、最後はとんでもないところに連れていかれてしまう私的大ヒットマンがでした。
今回はネタバレにならない範囲でこのいえめぐりのおすすめのポイントを3つに整理して紹介したいと思います。

■ポイント1:漫画を読み進めると一癖も二癖もある不思議な物件を巡れる

この本の主人公が最初に不動産屋に求めてた物件はいわゆる「普通」の住まい。
ただ、物件探しを進めていくと、どういうわけか一癖も二癖もある不思議な物件に案内されていきます。

不動産屋:「実はこの家はちょっと問題のある物件でして」
主人公:「まさか事故物件とか?」
(中略)
主人公:「さっきから1つ1つ見てて感じるんですが この家おかしいでしょ?
不動産屋:そうなんです

そ う な ん で す!って 笑
最初は困惑する主人公でしたが、物件を見ていくうちに「次の物件ありますか?」とどんどんドライブしていくのがとっても面白いです。
続いてこんな会話も。

不動産屋:「じゃあ次はちょっとアーティスティックな佇まいのシェアハウスに案内します。」
主人公:「いきなりなんなんですかコレは…」
不動産屋:「実を言うと住民全員亡くなったのです。」
主人公:「えっ何で!?」
不動産屋:集団自殺です」
主人公:「それって事故物件じゃないですか!!」

ここまで聞くとちょっとリアリスティックでシリアスな漫画に思えるかもしれませんが、全くそんなことはないのが「いえめぐり」の面白いところ。むしろこの会話劇をファンタスティック且つアーティスティックに描いているのが「いえめぐり」
実際に読んでみないとイメージがわかないと思いますが、上記のような掛け合いがユーモアたっぷりに描かれていき、種巡行と一緒に奇想天外な物件探しの世界に引き込まれていくのがとても面白い漫画です。

■ポイント2:広がる想像力!人の住まいはどこまでも自由だ

先ほどのポイントで書いた通りこの漫画に出てくる住居は奇想天外なものばかり。
最初のうちは茶室の「にじり口」のような部屋の入口や、柱に埋め込まれたハーモニカが風が吹くと鳴るといったかわいらしい物件でしたが、内覧を続けるうちに現実世界の制約からどんどんかけ離れた住宅にトリップしていきます。
例えば港町の物件では潜水艦の中のような家に案内されたり、次の物件では巨大化された植物や動物が暮らす家に案内されたり、ハッキリ言ってやりたい放題。
このブログでも早稲田に建つドラード和世陀や三鷹の天命反転住宅など実際に建つぶっ飛んだ建築を数々紹介してきましたが、「いえめぐり」にでてくる漫画の中でのみ成立する物件もそれに劣らぬ独自の道を突き進んでいます。

ドラード和世陀(東京都新宿区)
天命反転住宅(東京都三鷹市)

表紙や背表紙には「間取り図」的な図柄がアーティスティックなキャラとなって絵で描かれていたので、漫画の内容も「実際にある変わった物件をモチーフにしているのかな」なんて期待しているととんでもない目にあいます。
しかし、どの物件もぶっとんではいるのですが、どこか不思議な説得力と面白さを持っていて、本来人間の住む場所も住まい方ももっともっともっと自由で面白くていいんじゃないのかと、静かに感動させてくれる、どこか人懐っこさすら感じます。

大事なとこなのでもう一度言いますが、リアリティは全くないです。真面目で現実的な物件探し漫画を期待すると大やけどをしますのでその点はくれぐれもご了承ください。

■ポイント3:終盤のカラーページがファンタスティックすぎる!

この漫画は途中まで読んでいるとファンタジーな物件を巡る面白建築漫画という読み方もできるのですが、そこで終わらないのがこの漫画の凄いところ。
後半のカラーページに突入すると不動産とか建築とか、そんなカテゴライズすらぶっ壊す衝撃のページへと進んでいきます
クラクラと眩暈がするような表現の海に投げ込まれて「あれ、今自分は何を読んでいるのだ?」と謎の問いかけている自分に気づきます。

まさに「読むドラッグ」

正直好き嫌いは結構分かれると思いますが、ハマってしまえばクセになること間違いなしです。
住居というモチーフを使って想像力を広げていきながら、途中から漫画やアート表現そのものについてくるトンデモなくぶっ飛んだ漫画となっていきます。

衝撃の物件探し漫画「いえめぐり」は不動産物件を見るのが好きな人、建築好きの人、アート好きの人そして、まだ見ぬ世界との出会いに飢えている人に「超」おススメの漫画です。
気になった方は是非一度チェックしてみて下さい!


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