今日は東京大森にある巨大複合建築大森ベルポートを訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
こんな建築があったのかと驚きを隠せない、豪華絢爛の隠れ名建築、たっぷりとお楽しみください。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・大森ベルポートを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・大森ベルポートの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・大森ベルポートの建築的な見どころや注目ポイント
1.大森のランドマーク!大森ベルポートとは?
今回訪れた大森ベルポートは、かつて大森駅の東口にあったいすゞ自動車の本社・工場跡地の再開発によって建てられた複合施設です。
1991年と1996年の2期に分かれて建設されたA~E棟の5つの建物は、2022年の5月までいすゞ本社の他に賃貸オフィス使われていて、中央のアトリウムを公開空地とすることで高度利用がなされています。
ちなみにベルポートという名前はいすゞ自動車のいすゞ(五十鈴)からとったもの。
今から四半世紀以上前に建てられた建物は、地上18階地下3階で、延べ床面積は実に約195000㎡以上にも及ぶ超巨大建築。
ベージュを基調にした外観は地上から屋上に通ったガラスのラインが特徴的で、巨大な壁面のボリュームを分節しつつ、外壁材が真っすぐ伸びる木の連続体のようにも見えます。
これらの木が集まっていつの大きな森のような建築となっていて、このコンセプトが「大森」にもなっているのがとても面白いですね。
私は今回訪れるまでこの建物についてほとんど知らなかったのですが、大森が地元の友人に話を聞くと、大森ベルポートは小学生の時から待合わせの定番スポットとしてよく訪れていたそうで、冬の寒い日には中に入って公開空地であるアトリウムで時間をつぶしたことなどをよく覚えているそうです。
建築が長い時間の中で様々な人に体験や記憶を刻み込むことがあたらめて実感できます。
2.豪華絢爛!バブルの空気をパッキングしたような巨大な空間がスゴい
何といっても注目なのは、日本最大級ともいわれる高さ約45m、4000㎡を超える巨大アトリウムです。
現在でもイベントやロケなどで度々使用されているので見たことがある人もいるかもしれませんが、まさにこの建物が計画されたバブルの時代の空気をパッキングしたような空間となっています。
大森ベルポートを構成するA~E棟の5つのブロックのうち、E棟を除く4つの建物がこのアトリウムに隣接していて、巨大な棟と棟の間の谷間のような空間に大きな屋根が架けられています。
巨大なトラスから降り注ぐ天空光、その光を反射しながら華やかな空間を演出するガラスと石張りの内観は、1990年代の成熟した建築技術とバブルによる巨額の建設費があってこそ実現したものでしょう。
こちらの広場は今でもコンサートや新車発表会のイベントなど様々な用途に使用されているようです。
東京でもめったに見られない豪華なアトリウム空間が、まさか大森にあったとは驚きが隠せません。
2000年以降の日本の建築ではめったに見られなくなった大胆な空間構成に注目です。
巨大な空間ですが、全体としてグレーのストライプ状のアクセントデザインや、反復するような部材のデザインによって統一感を感じるのも隠れた注目ポイントです。
アトリウムの1階と2階はレストランフロアになっていて、吹き抜けに面した手すりからは迫力の景色が味わえます。
廊下には写真のような小さな柱のような装飾もあしらわれていて、ポストモダンの建築が盛り上がっていたバブルの時代の空気が伝わってきます。
2階から見るアトリウムも格別。
都市の中に建ちながら、植栽計画もきちんとお金をかけて行われているので、アトリウム越しに木々の緑がしっかり感じられるのもいいですね。
まさにオフィスワーカーのオアシスのようなイメージが体現されているのではないでしょうか。
【読むだけで建築について詳しくなれるイチオシの漫画】
実際に一級建築士の資格を持つ人気R18漫画家が描く、唯一無二の建築漫画が話題になっています。
話ごとに建築のデザインはもちろん、法規や構造、施工や不動産に渡って幅広く扱っていて、建築好きなら毎回ワクワクしながら読めて、建築の知識も吸収できる超おススメ漫画です
>Amazonで詳細が読めます
また、当ブログでも漫画のレポートと、漫画と舞台となった亀戸の建築巡りについて紹介していますので、是非併せてご覧ください。
関連記事
・建築本「一級建築士矩子の設計思考」がスゴい!話題の本格建築漫画をレポート
2024年4月18日には「一級建築士矩子の設計思考」第3巻が発売になりました。
3.ショップ&レストランは?豪華な空間で格別ランチ体験
大森ベルポートの1・2階には通称BELL倶楽部と呼ばれるレストラン・カフェ街があり、10数店舗が軒を連ねます。
ちょっとした休憩ができるカフェやマクドナルドなどのファストフード店、串カツや洋食店から伊勢海老料理まで様々なラインナップも楽しめます。
また、ベルポート自体がオフィスを主体とした建物ということがあって、土日は比較的空いているのというのもうれしいポイント。
ベルポートの様々な食事スポットの中でもイチオシなのがこちらの66キッチン 大森店です。
66キッチン 大森店は池袋や浅草で人気の「66DINING」の姉妹店で、こだわりオムライスやハンバーグといった洋食系のメニューが売りの洋食レストランです。
こちらの店舗はセルフサービススタイルなのですが、その分価格はかなりリーズナブルなのもおススメポイントの1つ。
私が今回頂いたのは人気メニューである熟成ハヤシソースのふわとろオムライス。
じっくり煮込まれたハヤシライスにふわふわのオムライスがのっていて、安定の美味しさでした。
こちらの66キッチンはアトリウムの片翼に面しているので、大迫力の空間を心行くまで堪能できます。
ちなみにもう片翼は、写真の奥に見えるようにマクドナルド。
超豪華な空間に入る価格ランチのラインナップのギャップがちょっと面白くもあり、この20年の日本の現状を表しているようで複雑な気分になります。
また、別日には1階のカジュアルイタリアンCAFE ESCAROLE(エスカロール)も訪れてみました。
このCAFE ESCAROLEは1階の広場に面したイタリアンレストランで、様々な種類のパスタや自家製生地の薄焼きピッツァやリゾットをお手頃価格で味わいつつ、1階からの目線で大森ベルポートのアトリウムを堪能できます。
この日頂いた渡り蟹のトマトクリームパスタは、濃厚なソースと蟹の風味が食欲をそそる絶品パスタでした。
【スマホでさらにいい写真が撮りたい人必見】
スマホで街や建築を撮る時は、外付けのレンズがおススメです。
おススメはクリップ式タイプで、スマホのカメラレンズに合わせて挟むだけで、簡単に超広角撮影ができます。
色んな種類がありますが、イチオシはこちらのレンズ。
コンパクトで持ち運びしやすくて、クリップ式なので必要な時にサッと取り付けて、反射や映り込みを防止する加工も施されていて、コスパもいいイチオシ製品です。
>Amazonから詳細をみる
+αでリモコンシャッターがあればさらに快適です。
こちらのドロップスタイルのシャッターはスタイリッシュで機能的。
カラビナもついてくるので、バッグやベルトに掛けられます。
約10mの距離からも動作するイチオシアイテムです。
>Amazonから詳細をみる
迫力の空間を心行くまで堪能して、今回の建築巡りも大満足なものとなりました。
大盛の隠れた名建築である大森ベルポート。皆さんも機会があれば是非その空間を体験してみて下さいね。
ちなみに大森の建築巡りのレポートも書いていますので、興味がある方は合わせて参考にしてみて下さい。
関連記事
・大森で建築巡り!建築好きがおススメする名建築12選【東京大森】
大森ベルポート
設計:山下設計
所在地:東京都品川区南大井6-26
アクセス:大森駅より徒歩約5分
竣工:1991年、1996年
備考:1991年日事連優秀賞建築作品表彰日事連会長賞
1997年SDA賞
【見逃し厳禁!東京ホテル建築総まとめ】
東京で泊まりたい、建築が素敵なホテル・旅館についてのまとめも書いてます。
建築学ランキング
にほんブログ村
↑建築系のブログランキング。よければクリックして応援してもらえると嬉しいです。
建築やデザイン好きな人は、他にも面白いブログや参考になるブログがいっぱいあるので是非見てみてください^^
■他にもこんな記事がおススメです
・夢の島熱帯植物園がスゴい!新木場の隠れた名建築を徹底レポート【東京新木場】
・熱海で建築巡り!建築・デザイン好きにおススメのスポット10選【静岡県熱海市】
・建築巡りで参考にしたいおススメ本12選!関東編【建築マップ】