代官山「T-SITE」街中に表れた魅力的な建築群をレポート

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こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は代官山の注目スポットである代官山T-SITEを見学してきましたので、建築好きの視点からその魅力やポイントをレポートしたいと思います。
代官山T-SITEと言えば蔦屋書店を中核としたTSUTAYAの新しい生活提案型商業施設としてメディアにも度々取り上げられる人気スポットですが、企画やソフト面だけでなく建築も見どころ満載のおススメ建築なのです。
まさに万人におススメできるおススメ建築、早速見ていきましょう!

【こんな人におすすめ!】
・デートや友達と訪れるのにぴったりの名建築を知りたい
・代官山T-SITEの建築の見どころや、注目ポイントについて知りたい
・建築に興味があって、具体的に建築のどこに注目して見ると面白いのか知りたい

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1.代官山 T-SITEとは?

代官山T-SITEは東京代官山の旧山手通りに面して建つ商業施設です。
代官山と言えば建築家の槇文彦氏によるヒルサイドテラスをはじめ、何十年という歴史をかけて街並みを形成していった経緯のある建築パワースポットでもありますが、その一角に2011年に代官山 T-SITEとして蔦屋書店をはじめとする商業施設がオープンしました。

元々は外資系企業の寮が建つ広大で緑豊かな敷地でしたが、建築制限によって建てられる店舗の面積が北側敷地で150㎡、南側敷地1500㎡と商業施設をつくるにはかなり条件が限定される難しい土地でもありました。
設計に当たっては駅前再開発など数々の難しい法的条件をクリアした経験のあるアール・アイ・エーが起用され、敷地を細かく分割してヴォリュームを抑えた11棟の建築とする案が採用されました。
また、外装デザインを担当したのは東京に事務所を構え、建築だけでなくインテリアやインスタレーションなど数々のプロジェクトを手掛けるクライン・ダイサム・アーキテクツが行っています。

クライン・ダイサム・アーキテクツと言えば銀座プレイスや中目黒高架下などこのブログでも数々の建築をレポートしてきましたが、DAIKANYAMA T-SITEはそんな彼らの代表作の1つでもあります。
関連記事
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代官山S-SITE店舗は蔦屋書店を中心にショップやレストラン・カフェなどライフスタイルに関わる様々なショップが展開しているのも特徴です。
また、一般的な蔦屋書店と異なり、本×ファッション、映画×音楽などジャンルを掛け合わせた形態となっていることも注目ポイントで、まさに文化のテーマパークといってもいい実験的な店舗となっています。

2.早速見学!敷地に分散して建つ建物を巡る

今回の見学では旧山手通り側からではなく、代官山駅から近い裏通りからアクセスしました。
5~6分ほど歩くと、開けた土地に建つ立方体の建物群が見えてきます。

上の写真で見ると左下が現在地なのですが、特にこちらの北側は建築制限が厳しく1つの巨大な店舗は建てられません。この制限をよって北側はいくつかの棟に分断されて計画されているのですが、各棟を分散しながら敷地の中に配置することで、建物の内外を散策しながら店舗を巡れるのがS-SITEの特徴でもあります。
建物のボリュームは間近で実際に見てみると思っていたよりも大きなボリュームでしたが、大きなガラスの開口部が設けられているのもあって窮屈な印象は受けません。
ガラス越しに向こうの空や奥にある店舗が見えるのがとても面白いです。

基本的にはシンプルなの立方体のボリュームですが、中心にあるIVP PLACEと呼ばれるカフェダイニングは傾斜屋根が特徴的な建物です。
敷地に植えられた植栽をまじかに感じながら以後ごちのいい落ち着いたカフェが目指されています。

また、敷地の各所にはテーブルスペースやテラススペースが配置されていて、建物の内外の中間領域として活用されているのも注目です。

立方体の建物は基本的には角部の出隅部分がガラスの大開口部になっているのですが、これはこの後紹介する蔦屋書店との統一性が感じられるなデザインコードにもなっています。

代官山T-SITEでは敷地内に建物が散らばることで、自然と散策できるような計画になっています。
また、周辺道路からも自然にアクセスできる小路がいくつもあるので、代官山という街と合わせて回遊性が生まれていることもポイントです。

3.蔦屋書店の外装が面白い!サインを排したデザインに注目!

続いてT-SITEの中でも最も注目されている蔦屋書店を見てみると、まず初めに目につくのがその外装です。

遠目からだと「凸凹した陰翳のある外装材かな」くらいにしか思っていなかったのですが、近づいてみると白いT字に成形されたガラス繊維補強セメントが敷き詰められているのに驚きます。

このTの字が絶妙なデザインで、適度に抽象化されているのでこれがTSUTAYAの「T」をモチーフにしているのは気づかない人も多いようです。その意味を知った後に眺めてみると改めて圧巻のデザインです。

また、このガラス繊維補強セメント部分は角部のガラス張りも合わせてみてみると、建物の立面も「T」を表すデザインになっていることに気づきます。
ここまであからさまな記号の引用は、アイディアとしては単純で誰でも思いつきそうなものですが、しっかりデザインとして成立させてしまうところは、クライン ダイサム アーキテクツの隠れた手腕の現れともいえます。

また、こうして「T」の字をモチーフにしてサインを建築化することが、無駄で広告的なサインを排することも意図しているそうです。よく見ると蔦屋書店では入口のサイン以外に極力無駄な看板やポスターがないことに気づきます。
代官山に次世代のTSUTAYAを建てると考えた時に、この土地に建つにふさわしい上質で豊かな空間を突き詰めていったことが外観を見るだけでもよく分かります。

そうしてみると壁以外にも景色を反射するミラー状のルーバーや存在感を極力なくした庇などミニマムで儚さを感じるようなデザインが随所に見られます。
日本の店舗デザインではなかなか見られないような大胆なしかけと、儚さを感じる日本的なデザインが融合したデザインはクライン ダイサム アーキテクツの得意とすることろでもあります。

一見してシンプルなデザインでも、こちらの渡り廊下のルーバーのように内部に入ると劇的な光の効果を発揮していたりします。

代官山T-SITE

また、建物の外部側では反射率の高いガラスフィルムによって外部の風景を映し出していますが、建物の内部からは外部がよく見通せて広がりのある空間が演出されているのも面白いです。

代官山T-SITE

実際に各建物を巡っているといろいろな発見があるのは、建築巡りの醍醐味ですね。

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代官山に生まれた新たな名所 代官山T-SITE。単なる書店にとどまらない面白い仕掛けやデザインが満載ですので、気になった方は是非一度訪れてみてくださいね。

代官山T-SITE
設計:クライン ダイサム アーキテクツ+アール・アイ・エー
所在地:東京都渋谷区猿楽町16-15
アクセス:代官山駅より徒歩約6分
営業時間:7:00~21:00
竣工:2011年


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