目黒区総合庁舎がスゴイ!村野藤吾の傑作建築を徹底レポート【東京中目黒】

東京建築巡り

本日は東京の中目黒にある目黒区庁舎を見学してきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
目黒区庁舎の元になった千代田生命保険本社ビルは半世紀以上前に建てられた名建築でしたが、2003年に改修が行われて現在は目黒区の区庁舎として生まれ変わっています。

今回の記事では、区庁舎へと生まれ変わったことで多くの人に利用され、最近ではウエディングなども行えることから益々注目を浴びているこの建築ついて、その見どころやポイントを徹底レポートしていきたいと思います。

1.目黒区庁舎とは?

目黒区庁舎は元々は千代田生命保険の本社ビルでしたが、千代田生命の経営破たん後、2003年に目黒市庁舎として改修されました。
設計を行ったのは日本の戦後を代表する建築家である村野藤吾が行い、改修に当たっては大手設計事務所である安井建築設計事務所が設計を行いました。
村野は日生劇場や有楽町の旧読売会館の設計でも知られていますが、目黒区庁舎はそんな村野氏の最高傑作の一つともいわれている建築です。

生命保険会社から区庁舎へと用途が変更されましたが、特長であったアールがかかった外装のフレームや広場・池、細かい意匠が施された天井や階段など細かい部分までかつて村野の設計したデザインを見ることができます。

2.アクセスと利用時間

目黒区庁舎へのアクセスは東急東横線の中目黒駅から徒歩で約5分程の位置にあります。
敷地は3方の道路に囲まれてそれぞれからアクセスできるので、行きと帰りで違ったルートから訪れると面白いです。

事務所から区庁舎になったことで建築見学の幅が広がった他、設計者の村野藤吾の名前にちなんだ屋上庭園「目黒十五庭(めぐろとうごにわ)」にも平日限定で入ることができます。
利用時間:平日:9:00~16:30

区庁舎に変更されることで建築見学の幅がかなり広がったことに加え、週末には結婚式及びフォトウェディングの会場として使用することができます。
ではその建築について、早速見ていきましょう!

3.早速突入!美しい外観がスゴイ!

メインの入り口のある駒沢通りから5分程歩いていくと、緩やかな登り坂の先に徐々に目黒区庁舎の外観が見えてきます。
メインの本館とそれに付随する別館の2つの建物は、全面がアルミ鋳物の格子で覆われています。
庁舎の窓はこの格子の奥にあるので、規則正しく並んだルーバー状の格子と、格子によってつくりだされる影が外観のデザインのメインになります。これは実際に見てみるとものすごく美しいです。

この格子によって外観に窓や設備といった余計なものがでてこないデザインになっています。
また、この格子状の外装材が建物の内側にも光と影のコントラストを生み出す役割をしていて、ちょうど日本建築の縁側のように外部と内部の間に緩衝帯のような空間が生み出されています。

この格子は角部が丸みを帯びていることもあって、近づいて見てみたときには柔らかな印象を受けます。
足元部分もアールがついているので、とがった印象というよりも、大地に根を入った優しい印象を受けるデザインになっていることに注目です。

外部でもうひとつ注目したいのが入口の庇です。
極力柱を目立たせないようにつくられた曲線の庇は村野氏のこだわりのひとつで、地味ですがよく見ると見ごたえがあります。
何とも言えない曲線のデザインは他ではなかなか見ることができないのです。こういった細かいところにがこの建築が優雅で艶やかに見えるヒミツでもありますね。

最後にこちらが住宅地に面した西側の入り口です。
裏側もしっかりデザインされていて、区庁舎として見ると正面性がなく周りに開かれているというのもポイントです。
改装に当たり権威的なメインエントランスではなくて、周りに開かれた庁舎というのは建築が与えるメッセージとしても重要ですね。


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4.内部も見ごたえ抜群!

南口の庇のあるエントランスから内部に入ってみると、まずはじめに目にする広いエントランスホールから驚かされます。
白い大理石張りで仕上げられた床面の左右に設けられた地窓から光が入ってくるのですが、片面は外に水面があることもあってゆらゆらと揺らめく光が美しいです。
横からの光で目線が下に落ちたところでふと見上げると上部にはモザイクタイルが敷き詰められた天窓があります。
全部で8つある天窓のタイルは作野旦平氏が制作したもので四季を表現してるそうです。
外観は格子による光と影を使ったデザインでしたが、内部の光の使い方を見てもこの建物が光と影を上手く使ってデザインされていることが伺えます。

次のポイントはエントランスを少し進むと見えてくる螺旋階段です。
庇と同じく絶妙にカーブしたラインが美しい階段で、目黒区役所で上げられる結婚式でもフォトスポットとして使われています。
1段目が地面から微妙に浮いて見えるのも注目ポイントで、軽やかな重力から開放されたような階段です。

この建築は曲線と光と影の効果に注目してみると面白い建築です。
例えばこのバックヤードに向かう通路の壁も、アールにカーブした壁にすることで奥の通路まで滑らかな影のコントラストを生み出しています。また、凹凸のあるタイルも微妙な翳りを生み出していて、壁面にできる表情が美しいですね。

5.池に映し出される風景が美しい!

内部で最大の見どころは建物の外部に配された池との関係です。
池側に配された廊下には外装のルーバー越しに池の水が反射されてキラキラ輝いています。
また、池には池越しの建物や空が映し出されてゆらゆらと揺れています。
中目黒の駅前にあってこれだけ自然を味わえる建築はなかなかなく、まさに村野氏の代表作と言われることがよくわかる豊かな内部空間を味わえます。

池の向こうには和室が見えます。茶室は登録団体のみの利用となるようですが、いくつかの部屋は期間や時間は限られますがが休憩することも出来ます。
私が訪れた時は人もほとんだいなかったので、静寂な和室でおじいさんがまったりとくつろいでいました。

池だけでなく庭もきれいに整備されていて、建物の中にいながら外部の空間を上手く取り入れていした。

6.屋上にも出れる!見逃せない隠れスポットに注目

あまり知られていないですが目黒区庁舎では平日の9:00から午後16:30までの間屋上庭園が開放されていて自由に見学することができます。
この屋上庭園は平成16年にオープンしていて、広さは1000㎡以上あります。
庭園を整備するにあたって策定した15のメッセージと、建築の設計者である村野藤吾から名前をとって「目黒十五(とうご)庭」と名付けられました。

東京農業大学とコラボしながら整理された庭園は「新種屋上緑化植物エリア」「目黒野菜畑」「和風庭園エリア」など様々なエリアに分かれていて、これだけでも十分楽しめるスポットになっています。
また、この屋上庭園は目黒区役所で挙げられる結婚式の際にも使用されるとのことですが、何とも羨ましいロケーションですね。
庭園の公開は平日限定となっているようですが、オフィスとして利用されていたころには味わえないこの屋上庭園は、目黒区庁舎の隠れおススメスポットです。

7.最後に食堂でお腹を満たす!

見学を一通り終えて、最後に区役所内の食堂で食事をとりました。
この食堂は廊下越しに外部の池やその向こうの和室を望むこともできます。
まさに目黒区庁舎味わい尽くしのラストにふさわしいスポットでした。

私が頼んだのは定番のカツカレー!
これで450円というから驚きです。
区役所の食堂ということもあってワンコインあればお腹を満たせるというのも素晴らしい!

最後まで目黒区役所を満喫でき、大満足の建築巡りとなりました。
ちなみに中目黒駅周辺の建築についてはこちらの記事に詳しく書いていますので、よければ覗いてみて下さい。
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設計:村野藤吾(改修:安井建築設計事務所)
所在地:東京都目黒区上目黒2-19-15
最寄駅:中目黒駅徒歩5分
竣工:1966年(改修:2003年)

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