博物館動物園駅を見学!幻の駅の内部に潜入レポート

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みなさんは上野公園のすぐそばに「博物館動物園駅」という駅があるのをご存知でしょうか。
幻の駅ともいわれるこの駅は、2004年に閉鎖されて以来、ごくたまに行われる特別公開でしか内部を見ることのできないレアな駅として知られています。

今回は幻の駅ともいわれる博物館動物園駅の内部見学の機会がありましたので、見学してきた模様をレポートしたいと思います。

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1.博物館動物園駅とは

博物館動物園駅とは京成電鉄の日暮里駅~京成上野駅の中間に位置する駅として、1993年に開業した駅です。
駅名の通り国立博物館や上野動物園の最寄駅として利用されていましたが、6両編席の電車が大半を占めるようになる時勢の中で、こちらの駅は3両編成用のホームに4両編成の列車がぎりぎり停車することしかできなくなっていたといった事情もあり、1997年に営業を休止、2004年に正式に廃業されました。

当初この駅の開業に当たっては、上野公園の地上部分は使えないため地下に通すこと、上野公園内の樹木を考慮することに加え、建設敷地は皇室で代々引き継がれてきた「世伝御料地」であることから建設に当たっては御前会議での天皇陛下の勅許を得る必要がありました。
その為、「品位に欠けるものであってはならない」とのことから壮言で上品な駅舎が完成しました。

外観は国会議事堂のようでもありますが、紆余曲折を経て1936年に竣工した国会議事堂よりこちらの博物館動物園駅は1931年の竣工で少し早いです。
この博物館動物園駅がまさに国家的にも最上級の品位あるデザインが求められていたことがよく分ります。そうしてみると小さな建物ですがこの建物の重大さがよく分りますね。

2.2018年にリニューアル&期間限定で内部が公開!

2004年に閉鎖された博物館動物園駅でしたが、 2018年に鉄道施設としては初めて東京都選定歴史的建造物に選定されたこともあり、同年に駅舎の補修・リニューアルが行われました。
補修工事では漆喰やタイルの補修の他、鉄扉で閉鎖されていた開口部に新たな扉が取り付けられました。

こちらの扉は向かいにある東京藝術大学の教授でもある日比野克彦氏によってデザインされたもので、上野に点在する9つの文化・芸術施設をモチーフにしています。

ちなみにこちらは閉鎖された翌年の2005年に訪れた時の外観です。壁や屋根はほとんど変わっていないですが、扉の部分が塞がれているのが分ります。

まずは2018年11月23日~2019年2月24日の金土日に内部の一般公開が行われましたが、2020年も「京成リアルミュージアム」として一般公開が行われました。

3.内部に突入!地上階はドーム屋根!?

まず内部に入って驚くのは、内部の天井がドームということ!!

外観は直線を的でかっちりしたデザインでしたが、まさか内部がドーム状になっているとは夢にも思いませんでした。

しかも装飾も含めてかなり精巧につくられています。
内部に一歩足を踏み入れた途端、上に引っ張られるような空間を広がりを感じます。

ちなみに今回私が訪れたのは2020年2月11日(祝)でしたが、想像していた混雑はなくスムーズに入場できました。整理券を配布とのことで少し早めの12:00ごろに訪れましたが、長時間見るのでなければ整理券なしで見学してよいとのことで待ち時間なしで入れました。

ドームの下にはスカイライナーの1/2カットモデルが展示されていました。

4.階段を下って下の階へ

ドームのエントランスから階段を下って下の階に移動します。
補修はされていますが、壁も床も当時の姿をほとんどそのままに残しています。

鉄窓で閉じられていますが、この窓が開け放たれればかなり明るい光が降り込んでいたであろうことが想像できます。

壁面には京成電鉄の歴史パネルが展示されています。
階段を下るほど時代が遡って行くので、まさにタイムスリップをするように進んでいくことができました。

タイルも中々綺麗でした。
壁には見えやすいもの、見えにくいものを含めておびただしい量の落書きがあります。

こちらはお手洗い。鉄の扉が物々しい雰囲気を醸し出しています。

プロジェクターではWEBサイトとリンクして行われている京成リアルミュージアムのイベントページとリンクした映像が流されています。
WEBサイトではデジタルミュージアムと称して未公開のホーム階を含めた建物内部の様子も公開されています。

内部公開されているのはここまで、さらに下のホーム階へは、現在も電車が通過することもあって立ち入り不可でした。
ホーム階には謎のウサギ?のようなオブジェがありますが、これは2018年に初めて内部公開されたときにエントランスのドームの下に展示されていたアナウサギのオブジェとのこと。
はじめてみた時はこれは何なんだと混乱しましたがアート作品だったのですね 笑

5.貴重な図面も見れた!

内部公開ではこれまで公開されていなかった駅舎の図面が展示されていました。
これは建築好きとしてはものすごくテンションが上がります!!
平面図、断面図、開口の詳細図など見ごたえ満点でした。

その他にも当時使われていたヘッドマークや記念乗車券なども展示されています。

内部の展示を満喫して再び地上に戻ります。
大きな開口から溢れる光を目指して階段を登っていくと、段々と現実世界に戻っていくような感覚になりました。
小さな駅で何の気なしに訪れたのですが、大満足の建築見学となりました。
今後も定期的に内部公開することと思われるので、機会があればまた訪れたいと思います。

京成電鉄 旧・博物館動物園前駅
設計:中川俊二
所在地:東京都台東区上野公園13-23
アクセス:上野駅より徒歩約12分
竣工:1931年

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