2023年オープンの都内の注目建築を総まとめ!話題の新スポットを徹底レポート

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12.URまちとくらしのミュージアム(2023年9月OP)

URまちとくらしのミュージアム

URまちとくらしのミュージアムは、ヌーヴェル赤羽台(旧赤羽台団地)の一角に建てられたURのミュージアムです。
現存する旧赤羽台団地の4棟(41号棟~44号棟)を望むフレーム状の建築内には、URが手がけてきた同潤会アパートからはじまり、晴海高層アパート、テラスハウスといった住戸が実物大で再現されていて、約100年にわたる日本の住宅とくらしの変遷を実際に住戸の中に入りながら辿ることができます。
壁一面に展示される様々な住宅部品や、当時の団地に使われていた看板などの展示、大小様々な模型なども見応えがあり、かつてのくらしと技術者の創意工夫に思いを馳せることができます。

URまちとくらしのミュージアム
URまちとくらしのミュージアム

設計:設計組織ADH
所在地:東京都北区赤羽台1-4-50
アクセス:赤羽駅より徒歩約7分
竣工:2023年

ミュージアムの前面には2023年には国の登録有形文化財にもなった旧赤羽台団地41号棟~44号棟の4つの建物が残されています。

旧赤羽台団地41号棟

板状階段室型と呼ばれる典型的な公団住宅である41号棟3つの住戸を放射状に配置して変形敷地の対応とプライバシー確保を両立させた通称スターハウス(42号棟~44号棟)は、かつて総戸数3300戸を超え23区内ので最大規模を誇った公団住宅の姿を現代に伝えています。

また、広場には旧東鳩ヶ谷団地から移設してきた彫刻家 流政之氏によるファニチャー類もあるので、訪れた際には是非合わせてチェックしてみてください。

旧赤羽台団地42号棟・43号棟・44号棟
旧赤羽台団地

設計:日本住宅公団
所在地:東京都北区赤羽台1-4
アクセス:赤羽駅より徒歩約7分
竣工:1962年
備考:国登録有形文化財

13.虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(2023年10月OP)

ここ数年、周辺では大規模な再開発プロジェクトが次々に行われてきましたが、その中心となるのが森ビルが開発を進める虎ノ門ヒルズです。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

10月にオープンした虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは、そんな虎ノ門ヒルズの目玉となるプロジェクトで、地上49階地下4階建て高さ約266mの超高層複合施設です。
結節点をコンセプトに、建物と一体的に整備された地下鉄駅や地上部分の動線の他、建物間をつなぐデッキや周辺環境も含めた多様な要素を組み入れ、それらが交わる場所としてデザインされた建築は、巨大なボリュームを有しながら単なる箱ではない新たな建築像が目指されています。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

地下から地上、そして上空まで3次元的に展開し、人の流れや光や風といった様々な要素がミックスする空間はとても刺激的です。

グラスロック

一体的に整備された低層棟のグラスロックや裏手に建つ江戸見坂テラスもそれぞれ個性的なデザインとなっていて、2023年はエリア全体が新たな街に変容した年となりました。
この現代東京を代表する大規模再開が、今後の都市再開や建築のあり方にどう影響を与え、どう評価されていくのかにも注目です。

江戸見坂テラス

デザイン監修:重松象平/OMA
設計:森ビル、久米設計(江戸見坂テラス)
所在地:東京都港区虎ノ門2-6-1他
アクセス:虎ノ門ヒルズ駅より徒歩約1分
竣工:2023年
備考:第66回BCS賞
公式HP:https://www.toranomonhills.com/

14.IMAGINUS(2023年10月OP)

IMAGINUS

IMAGINUS(イマジナス)は、統廃合により2020年に閉校となった杉並区立杉並第四小学校を改修してつくられた科学体験施設です。
元の小学校は数々の学校建築を手掛けていることで知られる船越徹氏がデザインした小学校で、幾何学的なモチーフに溢れた多様なデザインが魅力的な建築でした。
この多様性をもたせた様々なパーツや空間デザインは、所々でちょっとした余剰スペースを生み出し子供の居場所や遊び場をつくりだしていていましたが、IMAGINUSでもその建築の魅力が受け継がれ、体験できるのが嬉しいところ。
元の小学校建築を活かしつつ、ワークショップやイベントスペース、ギャラリー、カフェなどが整備されていて、遠いようで身近な科学との出会いと体験の場となっています。

IMAGINUS
IMAGINUS

原設計:船越徹/アルコム
所在地: 東京都杉並区高円寺北2-14-13
アクセス:高円寺駅より徒歩約5分
竣工:1992年(2023年改修)

15.フォレストゲート代官山(2023年10月OP)

フォレストゲート代官山

フォレストゲート代官山は、代官山駅と八幡通りの間に建てられた住宅、商業、オフィス、広場等の複合施設です。
建物は代官山駅を出てすぐの場所に建つ地上2階建てのTENOHA棟と、その奥に建つ地上10階地下2階建てのMAIN棟で構成されていて、低層部は店舗やシェアオフィス、広場などの商業施設が入り上層部は総戸数57戸の賃貸住宅となっています。
隈研吾氏がデザイン監修を手掛けたMAIN棟は、木のフレームによって集合住宅のボリュームを分割しつつ、巨大な森のようなデザインとなっているのが特徴です。

実際に訪れてみると、写真で見ていたよりも巨大なボリュームに驚きますが、そのインパクトに街ゆく多くの人々がスマホで写真を撮っていたのが印象的でした。
低層部は2つの道路を繋ぐ小路があったり、回遊性のある中廊下があったり、高低差を利用したベンチスペースがあったりと規模は小さいながら楽しく散策したり佇んだりできる場所となっていました。

フォレストゲート代官山
フォレストゲート代官山

代官山側に建つカフェやイベントスペースがはいる木造2階建てのTENOHA棟も注目です。

こちらの建物はSUEP.が設計を担当し、6角形をモチーフにした木と植物による開放的な空間が印象的で、「循環」する建築や食の実践の場がデザインされています。

ブルーボトルコーヒー 代官山カフェ

また、ブルーボトルコーヒー 代官山カフェはSUPPOSE DESIGN OFFICEが内装設計を手掛けていて、コーヒーの抽出殻からつくられた塗料による内装とするなど、都会的だけれどほっと一息つける落ち着いた喫茶空間がデザインされています。

どちらの建物も多くの人が写真を撮ったり思わず覗き込んでいる姿がみられ、大きな話題になっているようでした。
カフェもいくつか入っているので建築巡りの合間の休憩にもピッタリです。
詳細記事
・代官山「フォレストゲート代官山」職住遊が融合した都会の小山をレポート

基本設計(MAIN棟):隈研吾建築都市設計事務所
実施設計(MAIN棟):竹中工務店・東急設計コンサルタント共同企業体
設計(TENOHA棟):SUEP.
内装設計(ブルーボトルコーヒー):SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地:東京都渋谷区代官山町20-23
アクセス:代官山駅より徒歩約1分
竣工:2023年
公式HP:https://forestgate-daikanyama.jp/

16.ONCA COFFEE神田店/JINS東京本社(2023年10月OP)

JINS東京本社

ONCA COFFEE神田店は1990年代末に建てられたオフィスビルを改修して建てられたJINS東京本社新社屋の1階にはいるカフェです。
JINS東京本社は「壊しながら、つくる」をコンセプトにデザインされ、床や壁を引き算することで空間同士の繋がりや使い方の余白を生み出したりと、感性や発想力を刺激するオフィスビルとなっています。
1階に入るカフェは緑色の小屋をアイストップに様々な使い方のできる大テーブルや、自然の抜ける開放的な空間となっていて、JINSの社員だけでなく関係者や地域の人にとっての憩いの場になっています。

JINS東京本社

原建物設計:安田総合計画
改修設計:高濱史子建築設計事務所
所在地:東京都千代田区神田錦町3-1
アクセス:小川町駅より徒歩約5分、淡路町駅より徒歩約5分
竣工:1999年(2023年改修)

17.JIYUGAOKA de aone(2023年10月OP)

JIYUGAOKA de aone

JIYUGAOKA de aoneは、駅西側の学園通り沿いに建つ地上4階地下2階建てのイオンモールの都市型複合商業施設です。
通りの名前が学園通りですが、元々この場所は地名の元となった自由ヶ丘学園があった場所でもありました。
建物は多くのショップを内包しつつ、路地上の通路や丘のようなオープンスペースが立体的に立ち上がる構成となっていて、周辺環境や地形を巻き込みつつ賑わいをもたらす結節点のような建築となっています。

JIYUGAOKA de aone
JIYUGAOKA de aone

設計:山﨑健太郎デザインワークショップ+イチケン
所在地:東京都目黒区自由が丘2-15-4
アクセス:自由が丘駅より徒歩約3分
竣工:2023年

18.魔法の文学館(2023年11月OP)

魔法の文学館

魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)は、魔女の宅急便などの作品でも知られる童話作家の角野栄子氏の名を関した児童文学館です。
江戸川沿いの公園の丘の上に建てられた建物は、白い外壁に花びらのような屋根が立体的に折り重なったようなデザインが特徴です。
館内に入ると雰囲気が一変。角野氏の作品の世界観をイメージしたというメルヘンチックなピンク色の空間が広がります。
公園の緑や空を取り込みつつ、物語の世界に誘う空間は見どころが満載。
小さなスケールの様々な要素が折り重なり、対比されたり調和しながら非日常的な世界観を実体化している建築に注目です。

魔法の文学館
魔法の文学館

詳細記事
・葛西「魔法の文学館」本の世界に誘う素敵な児童文学館

建築設計:隈研吾建築都市設計事務所
内装デザイン監修:くぼしまりお
所在地:東京都江戸川区南葛西7-3-1なぎさ公園内
アクセス:葛西駅よりバスで約10分
竣工:2023年
開館時間:9:30~17:30
休館日:火曜、年末年始
入館料:
 一般(15歳以上)700 円
 こども(4歳~中学生)300円
備考:原則事前予約制
チケットは江戸川区民割引などあり
公式HP:https://kikismuseum.jp/

19.皇居三の丸尚蔵館新館Ⅰ期棟(2023年11月OP)

皇居三の丸尚蔵館新館Ⅰ期棟

皇居三の丸尚蔵館新館は、1993年にオープンした皇居三の丸尚蔵館を建て替えて2023年の11月にオープンした博物館です。
皇室のもつ宝物や国内外からの寄贈品約1万点を収蔵・展示する博物館は、白い外装と水平に伸びる屋根が印象的な建物となっています。
尚、今回オープンするのは旧館跡地の西側に建てられたⅠ期棟で、旧館のあった場所に建つⅡ期棟は2026年に完了する予定。
建物にはひし形をモチーフにした様々なデザインが随所に散りばめられているのも特徴で、例えば庇の下にはより細かいひし形模様があしらわれていて軒先から落ちる影の表情をより豊かにしています。
旧館から受け継いだコレクションも必見で、ここでしか見られない美術品や宝物が満載です。

皇居三の丸尚蔵館新館Ⅰ期棟
皇居三の丸尚蔵館新館Ⅰ期棟

設計:日建設計
所在地:東京都千代田区千代田1
アクセス:大手町駅より徒歩約6分
竣工:2023年

20.麻布台ヒルズ(2023年11月OP)

麻布台ヒルズ

麻布台ヒルズは港区の麻布台エリアで森ビルが手掛けた再開発によって生まれた商業施設、オフィス、住宅、ギャラリー、広場などの複合施設群です。
十字に広がる約8万㎡の敷地には高さ約330mの日本一高いビル麻布台ヒルズ森JPタワーや、大地の地形と一体となるように広がる低層施設群のガーデンプラザが広がり、垂直・水平両方向に新たな時代の都市が形成されています。
86万㎡もの広大な面積を誇る施設群の各所は、世界を代表する建築家やデザイナーがデザインを手掛けているのも特徴。
特に雅なカーブで特徴的なスカイラインを描く森JPタワーはペリ・クラーク・アンド・パートナーズが、うねる大地のようなフレームと緑の融合が印象的なガーデンプラザは現在世界で最も注目の建築設計集団と言っても過言ではないヘザウィック・スタジオがデザインを手掛けています。

麻布台ヒルズ

麻布台の名の通り敷地にはかなり高低差がありますが、めくるめく変化する風景や魅力的なショップ群が連なっているので高低差が全く苦にならず楽しく立体都市を体感できるのが面白いところ。
建築と都市、人工物と自然、日常と非日常、大地と天空といった異なる要素が刺激的に出会い、融合する新たな体験ができる注目スポットです。

麻布台ヒルズ

建築設計:森ビル+日本設計+清水建設
森JPタワー外装デザイン:ペリ・クラーク・アンド・パートナーズ
ガーデンプラザデザイン:ヘザウィック・スタジオ
所在地:東京都港区麻布台1
アクセス:神谷町駅より徒歩約1分、六本木一丁目駅より徒歩約4分、麻布十番駅より徒歩10約分
竣工:2023年

21.Shibuya Sakura Stage(2023年11月OP)

Shibuya Sakura Stage

Shibuya Sakura Stageは渋谷駅南東にある桜丘エリアの再開発によって生まれた商業施設、オフィス、住宅、広場、歩行者通路等の複合施設群です。
道路で隔てられ、高低差も多い丘状の地形の街区を歩行者デッキや縦動線によって繋げているのも特徴で、再開発によって生まれた他の建物や周辺街区と一体となるようデザインされています。
街の様々なスポットにアメーバ状に伸びる歩行者通路は、さながら渋谷駅の地下通路のようでもあるのも面白いところ。
にぎわいSTAGEはぐくみ STAGEなどの特徴的な広場、施設を縦方向に繋ぐアーバン・コア、シンボリックな建物しぶSなど各所に特徴的な空間や施設が点在していて、散策しながら様々なシーンに出会える新たな渋谷の注目施設となっています。

Shibuya Sakura Stage

デザインアーキテクト:古谷誠章+NASCA+日建設計
建築設計:
 A街区(SHIBUYA サイド):日建設計
 B街区(SAKURA サイド):日建設計+NASCA+日建ハウジングシステム
 C街区(日本基督教団 中渋谷教会):日建設計+大岡山建築設計研究所
所在地:東京都渋谷区桜丘町123他
アクセス:渋谷駅より徒歩約1分
竣工:2023年

22.meet tree 銀座(2023年12月OP)

meet tree 銀座

meet tree 銀座は、岐阜県の木材会社が手掛ける化粧品やスイーツのブランドmeet treeの旗艦店です。
銀座の角地のガラスの外装の中には、105角のヒノキ材が空間を包み込み、岐阜の檜の森をイメージした深いグリーンの空間が広がっています。
大きな樽のような空間は、材木のもつ親しみやすさと迫力と、宙に浮くような軽やかでスタイリッシュなイメージが融合していて、素材の持ち味をプロの手によって変化させるブランドイメージを体現しています。

meet tree 銀座
meet tree 銀座

設計:成瀬・猪熊建築設計事務所
所在地:東京都東京市中央区銀座5-11-12
アクセス:東銀座駅より徒歩約1分
竣工:2023年

※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。

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