こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は岩手県盛岡市の盛岡駅周辺の建築巡りをしてきましたので、私が建築巡りで出会った建築について紹介したいと思います。
実は盛岡駅周辺は有名建築家の作品や貴重な近代建築が点在する建築パワースポットでもあるのです。
建築巡りをしていると、1本裏の通りを歩いていれば面白い建築に出会えたとのにいったことや、知らないとつい見過ごしてしまう名建築があった、という経験も少なくありません。
今回の記事では盛岡駅周辺の注目建築を25つ紹介しますので、建築巡りや建築鑑賞のガイドにしてもらえればと思います。
【こんな人におすすめ!】
・盛岡にある名建築について知りたい
・盛岡駅周辺で建築巡りをする際のガイドにしたい
・建築に興味があって、いろいろな建築について知りたい
驚くほど貴重な建築が目白押しの盛岡の近代建築、早速見ていきましょう。
1.茣蓙九
茣蓙九は江戸時代後期から明治中期、明治末期と各時代を経ながら増築された町屋の商店建築です。
「く」の字に曲がった道沿いに異なる時代の建物が連続しているので、歩きながら歴史トリップすることができる貴重な建築群となっています。
一見して見逃してしまうが地ですが、盛岡の当時の商家の建築を伝える貴重な歴史遺産です。
所在地:岩手県盛岡市紺屋町1-31
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:江戸後期~明治後期
2.旧第九十銀行本店(横浜勉)
旧第九十銀行本店は盛岡の近代建築の中でも現存する最初期の建築で、設計は盛岡出身の建築家横浜勉が行いました。
横浜勉の比較的初期の作品ながら19世紀後半から流行し、20世紀初頭までよく見られたロマネスク・リヴァイヴァル様式によるこの時期の国内の建築はかなり貴重。
銀行としての重厚さもありながら、親しみも覚える良作です。
設計:横浜勉
所在地:岩手県盛岡市中ノ橋通1-1-25
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1910年
3.旧盛岡銀行本店(辰野金吾、葛西萬司)
旧盛岡銀行本店は2012年まで100年以上に渡って銀行として使用されていましたが、現在は岩手銀行赤レンガ館として市民ホールと展示施設として公開されています。
設計を手掛けたのは東京駅の設計者でも知られる辰野金吾と、盛岡出身の建築家 葛西萬司が行っています。
交差点の角地に建つランドマークであり、東京駅を設計した辰野金吾らしい盛岡を代表する建築ですが、竣工はこちらの銀行のほうが東京駅より3年早いことにも注目です。
設計:辰野金吾+葛西萬司
所在地:岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1911年
4.旧盛岡市消防組第四部詰所
旧盛岡市消防組第四部詰所は木造2階建の望楼付の消防組詰所です。
1階はもともとは石敷きで消防器具の置場として利用されていましたが、現在では一部消防車々庫として上がり座敷に改装されています。
望楼は機能的な役割だけでなく街のランドマークとしても美しくかわいらしい姿となっています。
所在地:岩手県盛岡市紺屋町4-33
アクセス:盛岡駅より徒歩約30分
竣工:1913年
5.旧岩手医学専門学校付属岩手病院診療棟(葛西萬司)
旧岩手医学専門学校付属岩手病院診療棟は葛西萬司が設計した鉄筋コンクリート造4階建ての建築です。
葛西は辰野金吾と共同で建築設計事務所を運営していたことでも知られています。
シンプルな外観ながら連続する丸窓が美しく、権威性よりもスマートな知性と堅牢さといったイメージが伝わってくる外観です。
尚、現在も岩手医科大学の1号館として現役で使われているのも嬉しいポイントです。
設計:葛西萬司
所在地:岩手県盛岡市内丸19-1
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1926年
6.旧岩手貯蓄銀行本店(葛西萬司)
旧岩手貯蓄銀行本店も盛岡市内に残る葛西建築のひとつで、この時代に各地に建てられた建築家による銀行建築と比べても引けを取らない建築です。
正面の列柱も単に新古典主義の様式のコピーにはとどまらず、オリジナリティのある新しい意匠となっていることにも注目です。
設計:葛西萬司
所在地:岩手県盛岡市中ノ橋通1-4-6
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1927年
7.岩手県公会堂(佐藤功一)
岩手県公会堂は当時の皇太子であった昭和天皇陛下のご成婚を記念して建設され、当時は県会議事堂・大ホール・西洋料理店・皇族方等の宿泊所からなる建築でした。
設計者の佐藤功一は2年前に完成した日比谷公会堂の設計者としても知られていますが、スクラッチタイル張りの外装や中央の塔屋に至るまで類似点が多く、兄弟のような建築となっているのも注目ポイントです。
設計:佐藤功一
所在地:岩手県盛岡市内丸11-2
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1927年
8.佐藤写真館(藤原孫助)
佐藤写真館は盛岡駅から20分程歩いたところにある写真館で、昭和3年の建築です。
クリーム色の外壁に小窓付きの赤屋根が特徴的で、まさに在来の建築に海外から入ってきたイメージをミックスしたモダンな建築になっています。
縦方向に伸びる窓など、外国のイメージを取り入れつつ、室内を明るく照らしている姿が想像できて微笑ましいです。
設計:藤原孫助
所在地:岩手県盛岡市中央通り1-13-60
アクセス:盛岡駅より徒歩約20分
竣工:1928年
9.ライト写真館(逸見米雄)
ライト写真館は佐藤写真館の向かいに建つ建築で、竣工は佐藤写真館の翌年の昭和4年です。
こちらは直線を基調に幾何学模様が多用されていて、当時流行していたアールデコの影響が見てとれます。
開口部がかなり大きくとられているのも特徴で、この時代は太陽光を取り入れて健康的な暮らしを享受するという考え方が徐々に広まって知った時代背景が垣間見られて面白いです。
設計:逸見米雄
所在地:岩手県盛岡市中央通1-6-16
アクセス:盛岡駅より徒歩約20分
竣工:1929年
10.北日本銀行(圓堂建築設計事務所)
北日本銀行は一見してシンプルな銀行ですが、日本建築家協会の会長を務めたこともある建築家 圓堂政嘉氏による設計の銀行建築です。
明度の低い重厚な外壁の外側に、歩道と呼応するように白いフレームの回廊が配置されていて、日本建築の縁側のようなつくりになっているのが面白かったです。
圓堂建築設計事務所(現エンドウ・アソシエイツ)による作品は盛岡市内にも多数ありますので合わせてみておきたいです。
設計:圓堂建築設計事務所
所在地:岩手県盛岡市中央通1-6-7
アクセス:盛岡駅より徒歩約15分
竣工:1959年
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11.盛岡市庁舎(圓堂建築設計事務所)
盛岡市庁舎は、村野藤吾風のかっこいい市庁舎だと思って後で調べたら 圓堂政嘉(圓堂建築設計事務所)による設計のようです。
色使いとプロポーションの美しさはが素敵な建築ですが、圓堂政嘉は村野藤吾建築事務所の出身ですので、なるほどといった感じです。
村野の横浜市庁舎が1959年なので、この盛岡市庁舎はその少し後の作品で、両者を比較してみるのも面白いです。
設計:圓堂建築設計事務所
所在地:岩手県盛岡市内丸12-2
アクセス:盛岡駅より徒歩約20分
竣工:1962年
12.IBC岩手放送(坂倉準三)
IBC岩手放送は岩手県の地元ラジオ・テレビの放送局で、設計は日本を代表する建築家である坂倉準三によるものです。
建築家ら半世紀以上たって改修されてしまっている部分も多いですが、最大の特徴である円錐形の壁面は健在で、むしろ変わりゆくガラスやアルミの他の部分と比較して、大地に根差して変わらないものとしての存在感を放っています。
設計:坂倉準三/坂倉準三建築研究所
所在地:岩手県盛岡市志家町6-1
アクセス:盛岡駅より徒歩約30分
竣工:1964年
13.岩手県庁舎(山下寿郎)
岩手県庁舎は市庁舎や後に霞ヶ関ビルディングをはじめ数々の公共建築を手掛ける山下寿郎が設計を手掛けた県庁舎です。
シンプルな構成ながら長手と短手で明快に役割を分けていて、支える短手と水平に伸びる長手の対比が面白い建築ですが、隣に建つ低層部も美しい盛岡の注目建築です。
設計:山下寿郎/山下寿郎建築事務所
所在地:岩手県盛岡市内丸10-1
アクセス:盛岡駅より徒歩約20分
竣工:1965年
14.岩手教育会館(菊竹清訓)※現存せず
岩手教育会館は日本を代表する建築家 菊竹清訓による設計で、狭い敷地に上層階が大きくせり出したデザインが特徴的な建物です。
骨組みのコンクリートとガラスの開口部が明快に分けられていてこの時期のメタボリズムの建築にも通じる傑作でしたが、残念ながら2015年に解体されてしまいました。
現在は同じ敷地に久慈設計による新教育会館が建てられています。
設計:菊竹清訓
所在地:岩手県盛岡市大通1-1-16
アクセス:盛岡駅より徒歩約15分
竣工:1965年
備考:現存せず
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15.岩手県立図書館(菊竹清訓)
岩手県立図書館も菊竹清訓による設計で、盛岡城跡公園の木々の中に溶け込む大屋根が特徴的な建物です。岩手教育会館が東北で最初に建てられた菊竹清訓建築なので、教育会館が解体された今は東北で見れる菊竹建築で最初期のものになります。
菊竹さんの建築は初期作の自邸をはじめ、樹木のようなイメージの建築が多いですが、盛岡の風景と公園の木々によくマッチしています。
現在は改修されつつ、もりおか歴史文化館として利用されています。
設計:菊竹清訓
所在地:岩手県盛岡市内丸1-50
アクセス:盛岡駅より徒歩約17分
竣工:1967年
16.三田商店本社(圓堂建築設計事務所)
林昌二設計のパレスサイドビルディングに似ている建築があると思ったら、三田商店本社という圓堂政嘉の設計の建物でした。
ちなみにパレスサイドビルディングは1966年竣工なので確実に影響は受けていると思われます。
円柱に目が行きがちですが、1階部分のアーチコンクリートもメタボリズム建築の梁が切断されるイメージを想起させ、同時代の建築を総体現したような建築です。
設計:圓堂建築設計事務所
所在地:岩手県盛岡市中央通1-1-23
アクセス:盛岡駅より徒歩約17分
竣工:1968年
17.岩手県民会館(佐藤武夫設計事務所)
岩手県民会館は岩手史の中心部に建つ県立の多目的ホールです。
設計は佐藤武夫設計事務所が行っていて佐藤武夫の最後の作品ともいえます。
巨大な直方体の塊で構成されていますが、大きなスリットでボリュームが分節されていています。
オレンジ色の外壁は堂々とした山々のようでありながら圧迫感はなく、中に吸い込まれるような感覚を覚えます。
設計:佐藤武夫
所在地:岩手県盛岡市内丸13-1
アクセス:盛岡駅より徒歩約25分
竣工:1973年
18.盛岡駅ビル フェザン(交建設計)
盛岡駅ビル フェザンは盛岡駅前に建つ商業施設です。定期的にり改修をしながら今も現役で使われています。
褐色のタイルと黒い開口部が特徴的で、ひとつ前に紹介した岩手県民会館と重なるイメージなことがすごく面白い建築です。
設計:交建設計
所在地:岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44
アクセス:盛岡駅より徒歩約1分
竣工:1981年
いかがでしたでしょうか。
これだけ見てもいかに盛岡が建築パワースピットであることが分ると思います。
続きの現代建築・平成編はこちら
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