建築も楽しい!東京都内のイチオシ記念館12選

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今回は、建築も楽しい!をテーマに私が訪れた東京都内のおススメ記念館を紹介したいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・東京の記念館建築巡りを写真と文字でレポート
・東京の記念館建築の見どころや注目ポイントを解説

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1.黒田記念館

黒田記念館

まず初めに紹介する黒田記念館は、洋画家・黒田清輝の遺産による美術館・美術研究所として建設された記念館です。
建物の設計を手掛けた岡田信一郎は当時の東京美術学校で教授を務めていた建築家で、吉田五十八、今和次郎、吉村順三ら数々の名建築家を育てたことでも知られる建築家です。

黒田記念館はそんな岡田の代表作ともいえる建築で、褐色のスクラッチタイルと古典主義のオーダー柱が控え目ながら上野公園の木々と調和しているのが印象的な建物です。
耐震補強とバリアフリー対応の為休館後、2013年にリニューアルオープンしていて、交差点側には上島珈琲店 黒田記念館店が入っていて建築巡りの合間の休憩にもピッタリのスポットとなっています。

黒田記念館

設計:岡田信一郎
所在地:東京都台東区上野公園12
アクセス:上野駅より徒歩約10分
竣工:1928年(2013年改修)
開館時間:
 黒田記念館 9:30~17:00
 上島珈琲店 7:30~19:00
休館日(黒田記念館):月曜
公式HP:https://www.tobunken.go.jp/kuroda/

2.森鴎外記念館

森鴎外記念館

文京区立森鴎外記念館は、森鴎外がドイツから帰国後少し経った30歳から亡なる60歳まで住んでいた「観潮楼(かんちょうろう)」跡地に建てられた記念館です。
森鴎外はドイツ留学や軍医を経て、最終的には帝室博物館(現在の東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館など)の総長なども務めていて、森鴎外の生涯と文学作品の繋がりはかなり刺激的です。

外部の様々な要因から中の収蔵物を保護するシェルターとしての建物をしっかりと実現しつつ、大掛かりな装飾や派手なデザインをせずに素材の持つ本質的な美しさを引き出す建築デザインにも注目で、鴎外やその作品を見事に建築でも表現しているのも素敵な記念館です。

森鴎外記念館の庭

詳細記事
・千駄木「森鴎外記念館」鴎外の文学を建築化した素敵な記念館をレポート

設計:陶器二三雄/陶器二三雄建築研究所
所在地:東京都文京区千駄木1-23-4
アクセス:千駄木駅より徒歩約3分
竣工:2012年
開館時間:10:00~18:00
休館日:第4火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始ほか
観覧料:一般300円(通常展)
備考:第55回BCS賞
   2015年日本芸術院賞
公式HP:https://moriogai-kinenkan.jp/

3.東京都復興記念館

東京都復興記念館

東京都復興記念館は、両国の東京都慰霊堂と同じ敷地に建つ展示施設で、関東大震災の惨禍を永く後世に伝え、その復興までの様々な資料を展示する記念館です。
褐色のスクラッチタイル張りの外観は東京都慰霊堂とは大きく印象が異なりますが、正面の柱上の装飾の上部に鎮座する珍獣は健在です。
また、2017年~2019年にかけて大きな改修が行われていましたが、2020年に改修を終えて再オープンしました。大改修によって補修されたタイルや装飾によって細かい陰影が浮かび上がっていて、シンプルながら表情豊かな建築となっています。

東京都復興記念館

設計:伊東忠太+佐野利器
所在地:東京都墨田区横網2-3-25
アクセス:両国駅より徒歩約7分
竣工:1931年
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜
入館料:無料

4.旧鈴木家住宅(鈴木信太郎記念館)

鈴木信太郎記念館

旧鈴木家住宅(鈴木信太郎記念館)は、フランス文学研究者である鈴木信太郎氏の居宅で、現在は豊島区が取得・整備して鈴木信太郎記念館として利用されています。
建物は1928年に建てられ鉄筋コンクリート造の書斎棟と、戦後に移築・再建された2棟の住居棟で構成されていて、本が詰まった書斎空間と、明治期から続く貴重な住宅を堪能できます。

入館料は無料で、コンパクトな展示室なのですが、天井いっぱいにつくられた書架に約10000冊の本が並ぶ空間は圧巻の一言。
大きな窓とステンドグラスからやわらかい自然光が降り注ぐ書斎は、異世界に迷い込んだような非日常感がありますが、不思議と落ち着く空間でもあります。
明治期に建てられた座敷棟では、建築の変遷や図面なども見ることができ、鈴木信太郎の足跡と素敵な建築の両方を堪能できる大塚の隠れた注目スポットです。

鈴木信太郎記念館
鈴木信太郎記念館

設計:大塚泰(書斎棟1階)、栗谷鶉二(書斎棟2階/1931年)、鈴木成分(書斎棟2階/1956年)、栗谷鶉二(茶の間・ホール棟)
所在地:東京都豊島区東池袋5-52-3
アクセス:新大塚駅より徒歩約3分
竣工:明治時代中期(座敷棟/1948年移築)、1928年(書斎棟)、1946年(茶の間・ホール棟)
備考:豊島区指定有形文化財

5.新宿区立漱石山房記念館

漱石山房記念館

新宿区立漱石山房記念館は、早稲田駅と神楽坂駅のちょうど中間地点に建つ日本初の本格的な夏目漱石の記念館です。
元々この場所は、かの文豪夏目漱石がその晩年を過ごした「漱石山房」があった場所として知られていましたが、隣接する都営住宅の老朽化・取り壊しと併せて整備が行われ、2017年に記念館がオープンしました。
建物の中にまるごと漱石山房を再現した実物大の展示空間や、「漱石のすべてが分かる」をコンセプトにした貴重で膨大な所蔵資料など漱石ファンにはたまらないスポットとなっています。

建物の外観は、色々な素材を組み合わせながら多様な表情をつくっているのが特徴で、様々な素材のコントラストや素材の錆や陰影から物語性を感じるデザインとなっているもの魅力的な建物です。

漱石山房

詳細記事
・早稲田「漱石山房記念館」漱石終焉の地に建つ注目建築をレポート

設計:フォルムデザイン一央株式会社
所在地:東京都新宿区早稲田南町7
アクセス:東京メトロ東西線早稲田駅より徒歩約10分
竣工:2017年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜
観覧料(通常展):一般300円
公式HP:https://soseki-museum.jp/

6.新宿区立林芙美子記念館(旧林芙美子邸)

新宿区立林芙美子記念館(旧林芙美子邸)

新宿区立林芙美子記念館は、1941年に建てられた小説家 林芙美子の旧邸を改修してつくられた記念館です。
建物の設計を手がけたのは芙美子と同時期に渡欧した経験を持つ建築家 山口文象ですが、芙美子自身も相当に建築を勉強してつくられました。
戦時の建築制限で一棟の面積が約30坪に制限されていたことから2棟を連結させてつくられた住宅は、風が抜け、豊かな光が室内を照らし、奥行きのある空間が連なる味わい深い邸宅となっています。
日本建築の和の佇まいの中に芙美子の実生活に寄り添った工夫とこだわりが随所に表れた住宅は、展示物だけでなく空間全体で林芙美子を追体験することができます。

新宿区立林芙美子記念館(旧林芙美子邸)

設計:山口文象
所在地:東京都新宿区中井2-20-1
アクセス:中井駅より徒歩約7分
竣工:1941年
開館時間:10:00~16:30
休館日:月曜
入館料:一般150円、小・中学生50円

7.岡本太郎記念館

岡本太郎記念館は、芸術家岡本太郎氏のアトリエ兼住居を改修した記念ギャラリーです。
小さなギャラリーですが、光の降り注ぐ吹き抜けの空間や、所狭しと画材の並ぶアトリエ、当時の面影を残す庭など見どころが満載で、岡本太郎好きには堪らないスポットです。

記念館のデザインを手掛けたのは、岡本太郎氏の友人でもあった日本近代建築の偉人坂倉準三で、岡本太郎氏が1996年に亡くなるまでの約半世紀を過ごした場所でもあります。
坂倉氏の師匠であるル・コルビュジェを彷彿とさせる屋根やモダニズムらしい幾何学模様の中に、古き日本らしさを感じるバルコニー手すりなど、友人の為につくられたとっておきの坂倉建築としてみても面白い建築です。

設計:坂倉準三/坂倉準三建築研究所
所在地:東京都港区南青山6-1-19
アクセス:表参道駅より徒歩約8分
竣工:1954年
開館時間:10:00~18:00
休館日:火曜
公式HP:https://taro-okamoto.or.jp/

8.勝海舟記念館

勝海舟記念館の外観

勝海舟記念館は、洗足池からすぐの場所に建てられた勝海舟の記念館です。
元々この建物は1928年に勝海舟に関する財団法人清明会の講堂兼図書館として建てられたもので、2012年に大田区が買い取った後に2019年に大田区立勝海舟記念館としてリニューアルオープンしました。
リニューアルあたっては、元々のの仕上げの上に塗られていた塗装材を剥がして竣工当初の仕上げに戻すなど、各所で昔の建物の記憶が復元されています。
内部では、旧建物と新建物が吹抜けを介して1つになり、旧建物の外壁がそのまま建物の内装になっていているなど新旧の対比が味わえるのも注目ポイントで、素敵な建物と歴史の軌跡をたっぷりと堪能することができます。

勝海舟記念館の外観

詳細記事
・洗足「勝海舟記念館」近代建築と現代建築の融合した建物を徹底レポート

改修設計:佐藤総合計画
所在地:東京都大田区南千束2-3-1
アクセス:洗足池駅より徒歩約5分
竣工:1928年(2019年増築)
開館時間:10:00~18:00
定休日:月曜
入館料:一般300円、小中学生100円、65歳以上240円

9.熊谷恒子記念館

熊谷恒子記念館

熊谷恒子記念館は、昭和における女性のかな書の第一人者として活躍した熊谷恒子氏の記念館です。
大谷石の階段を上った先に建つ建物は昭和初期の1936年に建てられ、熊谷恒子氏が生前暮らしていた自宅を改修したもの。
派手さはないですが、モダンな洋室、馬込の街を見下ろす和室をはじめとした和洋折衷の邸宅をそのままに味わいながら、彼女の足跡や作品を辿ることができる馬込の隠れた注目スポットです。

熊谷恒子記念館

所在地:東京都大田区南馬込4-5-15
アクセス:西馬込駅より徒歩約6分
竣工:1936年
休館日:月曜、展示替期間
入館料 :100円
公式HP:https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/kumagai

10.大田区立龍子記念館

大田区立龍子記念館

大田区立龍子記念館は、大正時代から昭和にかけて活躍した日本画の巨匠 川端龍子氏の喜寿を記念して建てられ、その作品を展示する記念館です。
閑静な住宅街に建つ建物は、龍子氏自らが設計を行い、くの字に折れ曲がる平面に、宝形造屋根がのる独特のデザインとなっているのが特徴です。
自身の作品を展示するために設計された空間は宗教建築のような独特の雰囲気があり、作品とともにその世界観を味わえます。

大田区立龍子記念館

また、記念館の向かいにある龍子公園には、戦争時に空襲で壊滅した住宅を龍子が池としてつくり変えた「爆弾散華の池」の他、龍子自らが設計した旧宅とアトリエが残されています。

大田区立龍子記念館

1日3回の時間限定ではありますがタイミングが合えば職員の方に案内してもらえ、個人住宅ならではの珍しい装飾や庭と一体となった邸宅とアトリエを見学できます。
腰壁や軒天などに使われた竹や、近づくと陰影豊かな表情を見せてくれる建具など、龍子のこだわりや美意識が詰め込まれた住宅がとても素敵でした。

大田区立龍子記念館

設計:川端龍子
所在地:東京都大田区中央4-2-1
アクセス:西馬込駅より徒歩約15分
竣工:1938年(旧川端龍子邸画室)、1951年(旧川端龍子邸主屋・中門)、1955年(旧川端龍子邸仏間棟・持仏堂)、1962年(龍子記念館)
休館日:月曜、年末年始、展示替期間
入館料(通常展):一般200円
備考:国登録有形文化財
公式HP:https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi

11.三鷹市山本有三記念館

山本有三記念館

山本有三記念館は、大正時代〜昭和にかけて活躍した小説家・劇作家・政治家の山本有三が暮らした邸宅を改修してつくられた記念館です。
この邸宅は1926年に建てられたもので、山本は1936年から戦争が終わりGHQに接収されるまでの10年間を過ごしました。
各部屋がそのまま展示室として使われていて、貴重な資料から山本の人となりや生活が伺い知れる充実した展示がとても魅力的な施設となっています。
様々な素材が組み合わさった大胆な建物デザインや精巧な家具や装飾も注目ポイントで、当時の建築流行の影響とともに大正時代という自由でモダンな時代の潮流も感じることができます。

山本有三記念館

詳細記事
・三鷹「山本有三記念館」大正末期に建てられた素敵な旧邸宅をレポート

所在地:東京都三鷹市下連雀2-12-27
アクセス:三鷹駅より徒歩約12分
竣工:1926年
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜
入館料:300円
備考:三鷹市有形文化財
2026年春頃まで休館中

12.旧多摩聖蹟記念館

旧多摩聖蹟記念館

旧多摩聖蹟記念館は、明治天皇の行幸を記念して1930年に建てられた記念館で現在はす。
桜ヶ丘公園の丘の上に建つ建物は、楕円形に列柱が立ち並び、緩やかにカーブする外壁が印象的な独特のデザインとなっています。
ヨーロッパの古典様式から当時の最先端のセセッションやユーゲント・シュティースタイル、スパニッシュ風のデザインなど様々なスタイルが融合した建築は唯一無二。
駅から距離はありますが、一度は訪れたい多摩の隠れた名建築です。

旧多摩聖蹟記念館

設計:関根要太郎+蔵田周忠
所在地:東京都多摩市連光寺5-1-1桜ヶ丘公園内
アクセス:永山駅よりバスで約15分、下車後徒歩約5分
竣工:1930年
開館時間:10:00~16:00
休館日:月曜、水曜、その他臨時休館日
入館料:無料
備考:多摩市指定文化財

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