神奈川工科大学KAIT工房は建築というより創作の為の森だった【神奈川】

関東建築案内
本日トリップする建築はこちら。
神奈川工科大学にある学生の創作活動を推進するための施設「KAIT工房」です。

約2000㎡の空間に作業スペース、木工スペース、鋳造加工スペース、パソコン・印刷スペースなど様々なスペースがありますが、それらは305本の白い柱によって緩やかに仕切られつつ繋がっています。

この建物の為に作成した独自のプログラムを用いながら建築家の感覚によって生み出された粗密の空間は、これまでの建築のつくり方ではできなかったものです。
305本の小さな柱が少しずつ建物を支えていています。本来柱は鉛直・垂直どちらの加重も負担しますが、ここでは305本の内263本は水平方向のみを担当しています。

一見しただけでは、いやそうでなくてもどの柱がどんな役割を担っているかはわかりません。
個々の柱をみてもその役割はもはや誰にもわかりませんが、全体としてみれば確かに1つの建築が成立しています。
【東京銀座】柱も壁も窓もない!?モダニズムのその先へ MIKIMOTO Ginza 2でも紹介しましたが、柱や壁といった従来当たり前にあったものの役割や見え方をなくす、もしくは見えなくしてしまう試みがなされています。


当初の計画では天井高を3mで進めていたそうですが、約4.8mまで上げることで視線がより上や斜めに向いて、平面だけでは表現しきれない空間の広がりや関係性をつくりだしたそうです。
建物の高さは高くなりましたが、大量の柱によって支えられた屋根はとても薄く垂直面のほとんどはガラスが占めているので、重さや圧迫感はあまり感じません。


まさにキャンパスの中にある創作の為の白い森です。
キャンパスと建物の境界に当たるガラス部分の存在感は極限まで小さく、キャンパスからふらっと入れ、建物の中からもキャンパスに連続しているかのような感覚になります。
ふらっと森の中に入ったような感覚にもなりますが、それでいてその森は工房としての機能が揃い、何かを創る行為をするにあたっては最適モノや空間が揃っています。

ちなみに休みの日には地域の子供たちにも開放されているようです。
今回は見学だけでしたが、実際にここでの創作活動はどんな感じなんだろうと想像するとワクワクしてしまいます。

名称:神奈川工科大学KAIT工房
設計:石上純也
所在地:神奈川県厚木市下荻野1030
最寄り駅:小田急線本厚木駅 バス約20分
竣工:2008年


建築学ランキング
にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました