こんにちは。建築好きのやま菜です。
私の周りでは建築に興味はあるけど、「建築って身の回りにあふれているけどどう見ていいのかわからない」「どこに注目して見るといいの?」「どんなところがスゴイとされているのかを知りたい」といった声をよく聞きます。
建築や都市はほんのちょっと見方を知ったり、知識を身に付けると一気に面白くなります。
ここではその具体的な処方箋となる、建築初心者が「建築を楽しむための見方」が分る本を厳選して8冊まとめました。
皆さんにとって少しでも参考になればと思います。
1.建築探偵シリーズ
「近代建築」にかけては、鑑識眼・推理力ともに並ぶものはない“名探偵”の大学教授と建築写真家が、面白い建物を求めて、二人で東へ西へ―。ユーモア溢れる語り口で宮殿から豪邸、監獄、教会、銭湯といった数々の名建築、変わり種の建物を紹介。
建築史家としてだけでなく、最近は建築家として様々な建築を手掛けている藤森輝信氏が、「建築探偵」として様々な建築を紹介する建築探偵シリーズ。
日本一といってもいい豊富な知識と鑑識眼から、訪ね歩いた建築の秘密を推理して紐解いていきます。 何といっても文章が分りやすくてユーモラス。
そして建築写真家の増田彰久氏との名コンビによって全編素敵なカラー写真がふんだんに使われていて尚わかりやすいです。
取り上げる題材も宮殿、教会、銭湯、学校、遊廓と刺激的で、近代建築が好きな人にはたまらないシリーズです。
建築初心者へのおススメ度:★★★★★
写真多め度:★★★★★
2.世界でいちばん素敵な建築の教室 (世界でいちばん素敵な教室)
建築の「なぜ?」がみるみる分かる 世界の美しい名建築 建築は「総合芸術」といわれることがあります。 巧みなデザインを実現するには、高い技術力や経済力はもちろんのこと、その土地の風土や文化との調和が求められるからです。 魅力的な建築を、楽しく鑑賞できる眼―― 。 それを養う第一歩を、この本で踏み出してみましょう。
建築に関する「なぜ?」「どうして?」などあらゆる疑問について丁寧に解説してくれる本です。
建築のデザインから構造や素材について、さらに歴史から費用についてまでこの一冊を読めば建築についての全般的な知識が身に付きます。
この本の特徴は、これでもかというくらい本の中に出てくる用語の解説があるところ。
建築を少し学んだ人であれば知っていて当然の用語も建築初心者には建築本のとっつきにくい原因になっていたりしますが、本書ではそういったことが全くありません。 図や写真も豊富で、まさにベストオブ建築入門書。建築に興味を持ち始めたばかりの人に物凄くおススメ出来る一冊です。
建築初心者へのおススメ度:★★★★★
知識増える度:★★★★★
3.東京さんぽ図鑑 町や建物の『新しい見方』を超図解!
綿密なフィールドワークを得意とする建築士集団「スタジオワーク」が、実際に歩いて取材した東京の散歩スポット25を紹介。
建築士ならではの詳細なイラストや図解とともに、新たな視点で街や建物の見方を教えてくれる一冊。
東京の各街ごとに街の成り立ちと現状から注目すべき建築までイラストたっぷりで紹介してくれる本。
マップにプラスして散策の為のルートも書いてあり、建築家によってデザインされた建築作品から、近代建築、橋や坂、グルメまで様々に紹介されています。
私も色々な建築マップの書籍を見てきましたが、建築家による建築だけが記されている紹介本とは一線を画していて、街の見方そのものも知れる良本です。
「行灯で老舗を見分ける」「川に見たてて坂を読む」など建築と都市の見方が分るスゴイ本でした。
建築初心者へのおススメ度:★★★★★
街での実用度:★★★★★
4.建築デザインの解剖図鑑
建築はもちろんのこと洞窟、湧水、坂道、暗渠、水路、路面電車、ガード下、屋台、サインまで。身近なものの見方が変わる!江戸・明治・大正・昭和。時代のデザインがわかる!
建築や都市に関するあれこれを分りやすく解説する解剖図鑑シリーズの「建築デザイン」編です。
すべて図解で、建築だけでなく土木構造物から屋台に至るまで街にあふれるデザインを図解で解説してくれいます。
これを読んで街をみれば今まで見ていた建築や街が全然違ったものに見えるようになります。
「建築ってよく分らないけど何に注目してどうみればいいの?」という疑問に答えてくれる一冊です。
建築初心者へのおススメ度:★★★★★
図解の分りやすさ度:★★★★★
5.楽しい街の50の秘密 吉祥寺スタイル
「歩安感」「好き間」「どこカフェ」……ちょっとした工夫で街やお店に10倍活気がでる。ファスト風土化する商店街を救うヒントが満載!
住みたい街ランキングで常に上位の吉祥寺。なぜ吉祥寺がそんなに人気なのかを、イメージや感覚ではなくて学術的に(といってもそんなに難しくない言葉で)分析したのが本書です。
こちらも「建築」だけではなく、街を成り立たせている要素を様々な角度から吉祥寺の魅力を検証する内容がとても興味深い一冊です。
専門的な内容や海外の事例との比較を、ものすごく分りやすい文章で書かれているのも驚きですが、その分析を吉祥寺という日本の具体的な街に当てはめているので本当に勉強になります。
建築初心者へのおススメ度:★★★☆☆
隠れ名著度:★★★★★
6.現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉
時代と建築家の試みを読み解く斬新な視点を提示
建築があるスケールを超えて巨大化していくと、もはや古い建築のモラルはふっとんでしまう……もちろん、内部と外部を一致させるような近代建築の倫理観もふっとぶ。巨大化すると、外部は制御不能。ファサードという概念が無効になるのです。
資本主義のロジックでドライブさせると、建築は巨大な空間を志向し、ひたすら内部に向かう。外観のデザインを整えるというのは、古典的な美学にもとづく建築家の仕事として歴史的につづいていました。しかし、それは巨大資本主義の建築にとって、なんの効力ももたない。……もはやそんなことはどうでもよくなって、別の次元に突入するのです。――<本文より>
街や近代建築が続いたので、ここで現代建築を理解する為の本をご紹介します。
現代といっても2006年に出版本なので若干内容が古くなっている部分もありますが、現代建築の見方として、分りやすさと内容の充実度としてはベスト級の一冊です。
現代建築について16のテーマで様々な角度から書かれているのですが、どれも建築単体というよりは現代社会の課題や、歴史も踏まえた上で「現代の建築の状況がどうなっているのか」「何を目指しているのか」について書かれているので読み始めたら引き込まれて離しません。
出版から10年以上たっても本書が大いに参考となるのは、そのように奥行きを持って現代建築を語っているからあり、現代建築について知りたいと思った人にはもってこいの本です。
建築初心者へのおススメ度:★★★☆☆
建築学生おススメ度:★★★★★
7.世界の名建築解剖図鑑 新装版
古代ギリシャから現代の建築までを網羅した、西洋建築のビジュアルガイド完全版!
様式だけでなく、構造やディテール、仕上げなどのさまざまな切り口から、
ヨーロッパを中心とした西洋建築を深く知ることができます。
続いて紹介するのは、西洋建築の様々な様式、構造、装飾、仕上げ、部位解説を網羅した世界の名建築解剖図鑑です。
実はこちらの本は知る人ぞ知る良書として建築マニアの間では密かに重宝されていてた本でもあります。
その特徴は、すべての解説が図や写真入りでビジュアルに解説されていることで、その守備範囲の広さと簡易な語り口からプロでも手元に置いておきたい超良書なのです。
長らく絶版状態となっていましたが、2021年に新装版として復活。建築マニアだけでなく、他分野の人からもSNSで絶賛されて発売前に重版がかかるほどの人気本となりました。
建築の勉強だけでなく、観光に訪れた際のガイドや、知識欲を満たす教養本としてもおススメの最強の一冊です。
建築初心者へのおススメ度:★★★★★
建築学生おススメ度:★★★★☆
8.建築鑑賞入門
絵画や音楽を楽しむのと同様に、建築空間や形態を身をもって味わうのは楽しい経験である。本書は、写真やイラストを豊富に使って建築をより深く味わう方法を紹介、建築家のみならず、一般の人も楽しめる好著である。
最後に紹介するのはSD選書の建築鑑賞入門です。
本書はいわる建築の専門書として「建築を鑑賞するに当たっての見方」を紹介している良書です。
今まで紹介してきた本は建築の専門家であっても、そうでないけど建築に興味を持ち始めたばかりの人にもオススメできる本でしたが、本書ではそこからもう一歩踏み込んだ本といえます。
そうはいっても建築の専門家しか読めないかというとそんなことはなく、一般の人にも読んでもらうことを前提として描かれた本ではありますのでご安心ください。
言葉はやや硬くはありますが、その分豊富な写真とイラストで解説されていますので、もう一歩詳しく建築の見方を知りたいという人にはおススメの一冊です。
建築初心者へのおススメ度:★★★☆☆
建築鑑賞専門度:★★★★★
いかがでしたでしょうか。
まずはちょっとでも気になったもの、自分に合いそうだと思ったものから手に取るのがよいと思います。
ここで紹介した本を読んで、奥深くも楽しい建築の世界を味わってもらえたら嬉しいです。
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